Reiner Knizia
多作なのにそのほとんどが良作であるクニッツィアは未だにドイツゲーム大賞を手にした事のない無冠の帝王である。一時期はドイツゲーム大賞の審査員がクニッツィアを嫌ってるのではないかと言われていたほどだ。何故なら一般のファンが選ぶドイツゲーム賞では何度も金賞に輝いているからである。
クニッツィアのデザインはそのほとんどが競りゲームである。さすがは数学博士だけあってその競りの構成は文句がない。当時、わしもクニッツィアが大賞を獲れないのは嫌がられてるからだと思っていたが、今となってはこの競りシステムが大賞に輝かない要因であると認識している。大賞はゲーマーの為の賞ではないのだ。競りはそのシステム上、初心者には敷居が高いのである。その分、クニッツィアにはフリークが数多くいる。なんせ、クニッツィアというだけで購買欲をかきたてるのだ。
クニッツィアデザインのもうひとつの特徴は、クニッツィアジレンマと言われる、こっちにいけばあっちが立たずである。直接攻撃出来るゲームは少ないのだが、回り回って嫌がらせのゲームなのである。意地の悪いプレイヤーには堪えられない筈だ。そのおかげで何度かやってじんわり〜と楽しさが解るゲームも数あるので、すぐに面白くないという烙印を押さないように!
子供の頃、家が貧乏でゲームが買えなかったクニッツィアは自作で数多くのゲームを作っていたという。現在も何時でも使えるデザインは常に10個以上あり、デザイン自体は100個以上抱えている。まさにゲームデザインの化け物である。それが事実である裏付けとして、クニッツィアは古代ローマの新しいゲームという1パッケージだけで24種類の遊びが出来るゲームを出したり、サイコロだけで何百種類も遊べる書籍まで出している。一体、この人のアイデアは枯れる事はないのだろうか? しかし2003年の現在、さすがのクニッツィアも往年のキレが無くなってきて、子供用ばかりをデザインしている。わし的には、この子供用デザインを活かして、ゲーム大賞向けのゲームをいきなりデザインするんじゃなかろうかと思っている。
ここを見ても解ると思うがクニッツィアフリークでないわしがいっちゃん持ってるゲームはクニッツィアデザインである。つまり作品数が多く良作が多いのだ。
そしてとうとう2008年度ドイツゲーム大賞をケルトで悲願の受賞。しかも同じ年の子供ゲーム大賞まで受賞。無冠の帝王の汚名を返上した。