お蔵入りショートレビュー集2012

今年もやってきました年忘れショートレビュー集。
今年のボードゲームの話題としては、ホビージャパンとアークライトの日本語版提供が安定して、たくさんの日本語版が手に入るようになった事かな。
このHPを始めた頃では考えられないほど、一般層に普及したように思っている。そのほとんどがドミニオンからきたとか。
そういった層は、ドミニオンとその亜流しかやらないという噂もあるけど、日本語版が簡単に手に入るようになっている現状から、確実にボードゲーマーは増えているように思う。
ユーザーにしてみれば日本語版のおかげで値段も安くなり、非常に喜ばしい事なんやけど、その影で、かつてこの業界を支えてきた老舗などが苦しい経営状況になっているとも聞く。
このままこういった状況が続くと老舗が潰れてなくなり、その後、儲けが少ないとか様々な理由でホビージャパンやアークライトも撤退するという恐ろしい状況にならないかという不安もある。田舎に建てたイオンのように焼き畑農業にならないように祈りたい。

パレード / 本間直樹

浪花のくにちーことBoneさんが作ったのをグランペールブランド、その後Z-MANが一般流通に載せたカードゲーム。不思議の国のアリスがモチーフになっており、絵はまさにイギリスの絵本そのものといった感じで一級品。調べてみるとククと同じ人が描いてるみたい。システムはBoneさんらしいジレンマを加えているが、いかんせんカードの列は長くなるわ、途中が空いたら寄せなければならないわでハンドリングが非常に悪く、テンポも悪い。切れ味がイマイチで、何故、これを一般流通させたのかよく解らない。Boneさんは他に優れたゲームをたくさん出してるのにと思った。


写真が見つからなかったのでBGGより。なんせ並べ換えるのがめんどくさい。

頭脳絶好調スペシャル / Reiner Knizia

発売されて結構たつが、まったく話題にならないとタナカマが出してきた。おそらく「また、頭脳絶好調かい!」という声が圧倒的で誰も買わなかったと思う。実際にゲームをやってみると見た目は頭脳絶好調そのものだが、内容はまったく違ってた。多人数アブストラクトで、わしのあまり好きなゲームじゃない。オビ湾が白を選び、ボードにとけ込んで見えないおかげで邪魔出来ずにそのまま勝ちやがった。これ、白取って目立たなかった奴が勝つゲームじゃないん? と思った。ただギプフなどのアブストラクトが好きな人にはかなり受けると思う。


白の駒がまったく見えず、オビ湾圧勝。連結していくゲームだ。

魔女のスープ / Kai Haferkamp

ボードに描かれた鍋に毒キノコなどを混ぜ込むのを楽しむゲーム。子供用ゲームで、ルールを読んだり、見た目は無茶苦茶楽しそうなのだが、やってみると「ハッチポッチ(ダウトの意味)」の連呼で、まったくゲームの楽しさがなかった。コンポーネントは抜群なので、誰かルールを修正すれば化けると思うが、このままでは論外である。子供と和やかに遊べば楽しいのかも知れんけど、デザイナーが意図したであろう展開にならないのが大きな問題なのだと思う。


この毒物混入感覚は非常に面白そうなのだが、ほとんどゲームが破綻している。。

藪の中 / 佐々木 隼

ネットにてルールが公開されてたんで、miaと試しにどんなもんかやってみた。
第一発見者の時ってのはただの山勘では? なんか勝っても負けてもどうでもええ感じ。
ゲームにしろ映画にしろ本にしろ、第一作ってのはその人がやりたいもの、癖ってのが出る。
ストレイシーフの時にやりたかったものが藪の中でも同じように出てて相変わらずゲームではないと思った。根本的にこのデザイナーとわしの求めているゲームがまったく違っている。おそらくテストプレイヤーのタイプや質が違うのだろう。
ただしコンポーネントのデザインは秀逸なので、買いたいという人の気持ちも分かる。お洒落。


BGGより。コンポーネントデザインは秀逸。だが、内容が伴わない。

ナイスミドル / 居椿久

ハゲタカの餌食をもろパクりしたナンバー2に批判が集中した為、作者がじゃあ、ちょっとひねってやると出してきたと思わせるルールである。真ん中を出したら得点カードが貰えるという風になってる。そのせいで3人専用のゲームだ。どこらへんでどのカードを出したらええのか解らず、全然、おもんない。これのせいでハゲタカの餌食はやっぱりおもろないんやと再認識してしまったが、事実はそうではなかった。つまらんのですぐに売ったが、おもろいという人も多いようなので、単にわしに合わんかったという事で。


これやるなら素直にはげたかの餌食をやるわいな。あえてこれを選択する理由が見当たらない。

バボーン / 千石一郎

おもろいとあちこちで評判になったが、やってみると何がおもろいのかさっぱり解らなかった。適当にめくっていき点数カードを集めるのだが、バボーンカードをめくってしまえば終わりというバースト系だ。ルールの書き方も分かり難くて、単純なゲームやのに何度も読み返した。
二人でやったのが悪かったのか? とも思ったが、(つってもこのゲーム2人〜3人用)一旦すげえおもろないと思ってしまえば、売りにだしてしまったのでもう検証する術はない。


もう、まじで何がおもろいのかさっぱり解らんかった。

というわけで2012年の締めくくりでした。色々と忙しくなりゲームをやる時間がとれず、ゲームをあまりこなせなかったのと、同人ゲームを別に分けたのでネタが尽きたので今回で最終回とする。と書いてここに載せる為に過去の画像を検索してたら、あるわあるわで、まだまだ来年分くらいは出来そう。問題はそれらが思い出せるかどうかに掛かってる。
メリークリスマス! 来年も皆様にとって良い年になりますように!

ひょっとしてもう1回くらいオマケで更新するかも。

gioco del mondo