Reiner Knizia

Play Room

2〜5人
10分

魔獣の王

神は言われた。
王を投票で決める事にした。
そして投票に従って毎年順番に魔獣の王となるように。
居合わせたドラゴン、クラーケン、マンティコア、グリフォン、ユニコーン、サラマンダーはお互いに顔を見合わせた。






プレイ感

かれこれ5年ほど前、一度だけやった事があるのだが、かなりおもろかった記憶がある。それから欲しくて探してたのだが、2310円という信じられない価格の為諦めていた。このコンポーネントで2310円はないやろと。そのうちほんまにおもろかったかどうかの記憶も曖昧になり、別に買わんでもええかと思うようになってたが、2010年のゲムマに行った時にHJブースで1000円でたたき売りになってたのですぐに買うた。相変わらず惹かれないコンポーネントだったが、まあやってもええかとmiaとやることにした。


手札5枚、場に5枚でゲームを行う。手番には、場にある1種類の魔獣カードを丸々手札にする。それから望むなら、魔獣に投票してもいい。投票は手札から2枚〜6枚の1種類の魔獣をだし、それらを投票所に1〜3枚、自分の場に裏向けに1〜3枚振り分ける。最後に場を5枚になるようにして手番終了だ。
投票所の誰かが6票得たらゲーム終了で、そいつが魔獣の王だ。で、得票数に従って2位、3位と決める。得点となるのはここまで。1位は2倍として計算して(便宜上、投票所のカードを取って枚数を増やすよう指示されている)、自分の場に伏せたカードの枚数が多い人が勝ちである。


手札も場札も5枚。好きな魔獣を指定して場札にあるその魔獣をすべて手札に加える。手札に制限はない。この場合4枚出ているユニコーンを宣言すれば良いわけだ。

とりあえず、やることは最初に配られた手札から方向性を出す事だ。つっても多いカードに力を注げばいいだけである。場に並べられたカードは同じ魔獣が複数あれば当然それを獲りたいところ。


安っぽいボードに描かれている数字がその魔獣の枚数である。ドラゴン、クラーケンは10枚しかないが同数の場合、より上位が魔獣の王になる。

実のところ、この写真のプレイは既に3回目である。1回目は一度に投票出来るのが3枚までという制限を忘れててノーカン。2回目の途中でそれに気づいて、写真を撮り直したのがこの3回目である。

このゲームのポイントはずばり魔獣の王になることだ。自分の支持する魔獣が王になったら勝てるというのが先立って行った2回のプレイの感想。

互いに場にあるカードを集める。まずは数多く集めるのが先決である。一度に出せるのは6枚までだが、投票に力を注ぐには最低4枚必要だ。3枚を投票に、1枚を自分のものに。

今回のプレイでは、ユニコーンの集まりが非常に良かったので、6枚出しをした。つまり3枚ずつである。それからドラゴンも少しずつ集めて、出していったが、場の流れがぱたりと止まった。


ドラゴンとユニコーンは5枚でリーチだ。どちらかが魔獣の王になる?

場に、4枚ものサラマンダーがあふれている。どちらもあまり集めておらず、投票もゼロだ。
そこでmiaが動いた。

mia「じゃ、サラマンダー獲る」

ごっそりサラマンダーを取り、6枚だしした。

わしとしては願ったり叶ったりだ。これで場が変わる。手札にユニコーンが1枚あるので、もう1枚ユニコーンが出れば、既に5票獲得してるユニコーンを魔獣の王にしてゲーム終了出来る。

ところが出ない。まあ、しょうがないとドラゴンを獲って地盤固めをする。
するとmiaが

mia「じゃ、もっかいサラマンダー獲って、4枚だし。サラマンダーに3票投じてゲーム終了」

わし「ぬ、ぬわにぃ!!」

さっきまで0票だったサラマンダーが怒濤の追い込みでトップ当選。


猛烈なサラマンダーの追い込み! 2位は上位にいるドラゴンである。

サラマンダーを3枚持ってるmiaは倍の6枚になり、それだけでわしの負け確定。

mia「やった!」

所要時間10分


こちらが自分が持ってたカード。勘定し易いようにトップのカードは、投票所から1枚につき1枚取る。miaは3枚あったので3枚取った訳だ。

このプレイでの失策はユニコーンが余ってたので、がめって3枚を自分のものにしたことだ。カード枚数は限られているので、ユニコーンが満票になりにくくなってしまった。2回に分けて出せば展開は違ったものになっただろう。

miaのコメント

面白い。やっぱりクニッツィア先生は最高だ。

ソマーリオ

わしの記憶に間違いはなかった。非常にシンプルでおもろい。前にやったときも二人でやっておもろかったのだが、これが多人数プレイになるとどうなるかは解らないが、切れのあるクニッツィア作品のひとつとして数えていいだろう。テーマは日本人になじみの深い十二支の始まりと似てて、くにちーもそこから取ったんじゃないかと勘ぐってしまう。多人数プレイだと相乗りするという作戦も出てくるしよりおもろくなると思う。

王以外は、同数になりやすいが、魔獣にランクがあって同数の場合は上が勝つというルールもよく出来ている。じゃあ下が不利かというとそうではなく、下ほどカードの枚数が多いというのは見事に機能している。まさにクニッツィア作品の見本といっていいだろう。

このように軽快なテンポとほどよいジレンマ、自分が応援したものが返ってくるという人間本来の喜びと3拍子揃っており、本来ならをつけるところだが、あまりにも酷いコンポーネント故に止まりとした。

恐ろしく薄っぺらなカードに唖然、角はしっかりと尖っており、ちくちくする。無理矢理、価格をつり上げようとボードを付けたが、こんなんカードで代用出来るやんけというおまけ。中身がないくせに箱がやたらとでかい。さらに中国のぱちもん臭い魔獣の絵が、このゲームの良さを全て台無しにしてしまった。こんなに酷いコンポーネントはそうそうお目にかかれない。価格が2310円というのが信じられん。

AMIGOあたりがリメイクしてくれたらと強く思う。テーマは魔獣じゃなくてもいい。例えばそのまんま選挙戦でもいいし、アカデミー賞やそれこそドイツゲーム大賞を題材としてもいいだろう。

なんにせよ、これほどのゲームが、そのコンポーネントゆえに日本のみならず世界的にも評価が低くなってしまっているのがあまりにも残念だ。まあ、この箱じゃ、誰も買おうとは思わんわなあ。1000円程度で安く手に入るのなら是非やってみて欲しい。なんとなくだがトレンディノミのサーカスと並ぶような感覚だ。

gioco del mondo