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Reiner Knizia
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Gryphon Games
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2~5人用
30分
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マスターズギャラリー
マスターズ・ギャラリーにおいて、プレイヤーは批評家であり、ギャラリーのオーナーです。
みなさんはそれぞれお気に入りの画家を、この美の殿堂(まあ、少なくともゲームが始まるまでは…)の中に持っています。この古き名画の世界では、画家の評価に関する嗜好やオピニオンは移ろいゆくものです。そしてこのゲームにおいてプレイヤーのみなさんこそが、画家の値打ちに最も強い影響を及ぼせる人々なのです。影響力を最も発揮できるのはどのプレイヤーでしょう?
嗜好とオピニオンの変化を読み切り、最も価値の高い名画コレクションを組むのは誰なのでしょうか?
このゲームのカードには、ファン・ゴッホ、ルノワール、モネ、ドガ、フェルメールの有名な30 枚の絵画を用いています。4 ラウンドを通じて、プレイヤーはこのカードを使い、各画家の作品群の相対的価値を高めていくのです。
プレイ感
昔、モダンアートカードゲームを買うたが、ルールを読んでもさっぱり解らない。結局できずに、やらずに売ってしまった。それからかなり経ち絵柄をゴッホやフェルメールに変えた本作がでた。最近のNGOならひょっとして和訳ルールの改変をしてるのではと、サイトでルールを確認すると、前とは中身が違いルールを理解できたので購入することにした。miaとコタとの3人プレイにて。
このゲーム、簡単にいうとモダンアートの価値システムを追加したトレンディである。このゲームに競り要素はない。
手番には自分の手札からカードを1枚出すだけ。もし特殊効果のあるカードならさらに追加で出したり、裏向けで出したりする。
全体の場に同じ画家のカードが6枚以上並ぶと、即座にラウンドが終了する。出ている画家の枚数が多い順に、3,2,1点のチップを画家の価値カードの上に載せる。それが今回の作品の1枚あたりの価値である。さらにプレイヤーは自分の出したカードと同じ画家カードを1枚追加で出してから、得点集計する。得点ボードはついていないのでメモ帳に記す必要がある。
これが価値表で、この上に価値チップが置かれる。数字は総枚数。
それから規定枚数の手札を補充して、同様に行っていく。ただし画家に乗せられた価値チップはそのままなので、ラウンドが進むごとに価値はインフレーションしていく。4ラウンド行い、一番得点が高いプレイヤーが勝ちだ。
このゲーム、ルールだけ読むといかにもトレンディの上級版だが、実際にやってみるとトレンディのような軽快感が完全になくなり、わりと悩むゲームとなっている。
マークの付いているカードは、2枚出しだとか価値2追加するだとか、そんな特殊カード。とにかく全員の場の合計が6枚以上の画家が出たら即座にラウンド終了である。
単に価値が変わるだけで、その流行を追えばええやん、と思ってしまうのだが、特殊カードがかなりあるためにそうならないのだ。2枚同時出しにしても裏向けに出すとか、全員がもう1枚出すとか、あるいは価値を2つけるとかがあり、その分悩んでしまうことになる。
結局、miaとコタがいまいちルールを把握しきれてなかったので、わしが圧勝した。
所要時間30分
もう1回やりたかったが、コタが嫌がったので、とりあえず暫定評価。
ドガで最後のラウンドが終了。そのあと各自、自分の手札から1枚、自分が出した画家と同じカードを出すことができる。
ソマーリオ
先に書いたように、トレンディのようだが、実際のプレイ感はむしろモダンアートに近い気がする。競りではないのだが、競りのような感覚に襲われるのは、くにちーの手腕の凄さだろう。
ただ個人的感触でいえば、トレンディはピッグテンに通ずるあのハイスピードバトルがあるからこそ面白いのであって、得点形式が固定から可変に変えたとしても、蛇足にしか思えないばかりか、ゲームテンポが落ちてしまうという弊害だけが残った気がする。
確かにトレンディともモダンアートとも違う何かがあるとは思うが、その狙った領域があまりにニッチすぎてぼやけてしまっている。
とまあ、これはあくまでドイツゲームを数多くやってるから言える話であって、そんなにたくさんのゲームをやっていない大多数の人なら、システムが完成されており、面白さもあり、絵柄も良いので反対する理由はない。同人レベルでこれを出された日には、大騒ぎしてただろう。まあ、当然やけど。
コンポーネントは実際にある名画を主体としており、違う効果のカードでは絵柄も違い、悪くない。選べるのでモダンアートの絵柄が好きなら、モダンアートカードゲームを買えばいいだろう。