Reiner Knizia

Rio Grande Games

2〜4人
30分

ラー・ダイス・ゲーム

エジプト古王国。ファラオが支配するその国で3つの王朝が誕生した。太陽神ラーを崇め、ラーの力によってナイルに洪水が起きエジプトの土は肥沃となった。人々はそこで天文学、薬学などの文明を発達させた。そして古王国が滅亡するとき、ただそこには先人の知恵によって作られたモニュメントだけが残される。







プレイ感

名作ラーのリメイクさいころゲーム。
最近はドイツゲームもネタに困りだしたようで、かつての名作をさいころゲーム化するのが流行ってる。特に顕著なのはくにちーである。あまりさいころゲームは買う気もなかったが、このゲームのネットでの評判は上々なので買うてみた。ラーは3人からでないと出来なかったが、こいつは2人から出来るのでmiaとやってみた。


ロールスルージエイジズにも書いたが相変わらずNGOの日本語の説明書がおそろしく解りにくい。こんな簡単なゲームなのに、さっぱり要領を得ない。何度もページをめくってかなりイライラする。日本語としては全然おかしくない、でもなんでこんなに何をやっていいのか解らん和訳になるのか不思議でしゃあない。これは是非改変版を出して欲しい。

手番に5個のさいころを振る。で、その中に太陽マーク(渦巻きマーク)が出ていたら、即座にラー駒の置かれているマスに並べる。これは手番終了時に、ラー駒をその位置まで動かす事になる。
それ以外のさいころは、好きな目だけ残してあと2回まで振り直しが出来る。
それが終わると、さいころの目をどのように適用するかを決める。


二人プレイなんでラー駒はこの場所からスタート。ちなみにこの写真から解らないが本家と比べるとすべての物が非常に小さい。あれほど威勢を誇ったラー駒も消しゴムくらいの大きさだ。四角の駒は、エルグランデの駒くらいといえば、ボードの大きさも自ずと解るだろう。


このプラチックなサイコロを振る。置いときたい目を残して、振りなおしは2回まで。


取った駒に応じてマス目に自分の駒を置いていく。
ラーのマーク(渦巻)が出たらこのようにサイコロをマスに並べて最後にラーを前進させる。端っこまでいけばひとつの時代が終わり、得点計算するのはラーと同じである。

ファラオ(人物マーク)、ナイル(船マーク)は、それぞれ出た数だけ、ゲージ上の自分の駒を前進させる。ただし、ナイルの目が3つあれば、それを1セットにして、ナイルに洪水を起こす事が出来る。洪水を選択したなら、ナイルゲージの自分の駒を1個追加して2個にしておく。洪水を起こさないと、ラウンド終了時にナイルからの得点は貰えない(得点計算したら駒を1個に戻すので毎ラウンド洪水を起こさないといけない)。ファラオは、ラウンドの終了時にトップは得点、最下位はマイナス点となるので、相手の動向をみればいい。


ファラオとナイルは、ゲージになっている。駒が2個置かれているのは今回、洪水が起きたという意味だ。ラーのルールらしく洪水が起きないと得点出来ない。

モニュメント(ピラミッドマーク)は、1つで1個の駒をさいころの色と同じモニュメントマスに置けるが、複数個置きたい場合は、さいころの目が2つずつ必要となる。つまりモニュメント3つで2個、モニュメント5つで3個置ける。置き方がちとややこしくて、1個目は空いているマスならどこでもいいが、同じ手番内で2個目3個目を置く場合は、縦列に既に自分の駒が置かれていないところにしか置けない。縦列に自分の駒を並べると後々高得点となるので、手番をまたいで、なるべく縦列に並べればいいのだ。モニュメントは、ゲーム終了時にしか得点計算しない。

文明(3人のマーク)は、3つで1個置け、4つで2個、5つで3個、さいころの色と同じ文明マスに置くという難しい目だ。置ける場所は空いているマスだけなので、最大で5個の早い者勝ち。しかもラウンド終了時には最低1個置かないとマイナス点を食らう。そのときに駒は全て戻されるので、毎ラウンド取っていかなくてはならない。

ラーは先に書いたようにラー駒を移動させるのに使うが、3つ以上でた場合、ラー駒を前進させず、別の効果をもたらす。ラー3つで即座に3得点、4つで他のプレイヤーに災害を引き起こす。要はラーばかり出たら、かなり損なので、出過ぎた場合、逆に得するようなシステムとしている。

アンク(十字架マーク)はジョーカーで、どの目にもなるが、さいころの色としては使えず、出ていない目として使う事も出来ない。例えば、赤の文明、緑の文明、青のアンク、黄のアンクと出ていた場合、青や黄の文明に駒を置く事は出来ないし、青や黄のモニュメントに駒を置く事も出来ない(1つもモニュメントの目が出ていない為)。

まとめるとさいころの色が関係のないのがファラオとナイルとラー。ラウンド毎に駒を戻すのが洪水と文明である。そしてモニュメント以外はラウンド毎に得点計算する。

手番の終了時にラー駒をラーのさいころが並んだ場所まで前進させて、次のプレイヤーの手番となりさいころ5個振る。ただし、その時にラー駒が端っこまで進んだらラウンド終了で、上記に書いた得点処理を行って、再びラー駒を元の位置に戻して、次のラウンドに進む。これを3ラウンドくりかえして最終的に勝利ポイントが高いプレイヤーが勝利する。


モニュメントは縦列に並べると得点が高いので、それを邪魔するように置かねばならない。ただモニュメントに関するルールがこのゲームで一番ややこしい。

最初、いくつでたら何個置けるかというのと、モニュメントの置き方のルールが解りにくいままゲームをした。まあ、イライラが先立ちまったくおもろなかった訳ですわ。

で、ようやくルールの解釈が終わり、上記に書いた風だと解った。すぐに2回目をスタート。

このゲーム、本家と同じく、得点計算の意味が分らないとさっぱり面白みが解らんと思う。競りの部分がなくなり、替わりに、モニュメント駒の置き方に工夫をつけた。

miaなんぞはラーをやったことがないので、勝つためにどうしたらいいのかの見通しがかなり悪いと思う。

わしはラーといえばTAMにファラオでぼこられた記憶があり、どうしてもファラオを優先にしたくなる。こいつは一回マイナスをくらいだすと延々とマイナスをくらい続ける。文明については本家と同じく1個置けたら万々歳の気持ちでゲームする。なんせ最も置きにくい駒だ。

ところが、何故か目がついており、やたらめったら文明が出まくる。いやあ、そうと決まれば文明を抑えるに限る。かたやmiaはラーを連発して、かなりのじり貧。

mia「これ、文明全然でないよ!」

わし「そう? あ、文明3個でた。よしよし」

替わりにmiaは、モニュメントで攻勢をかけてくる。
ファラオやナイルは出たまま使えるので意外と楽である。上限も限られているので、それほど苦労もしない。
このゲームのポイントはモニュメントによる陣取り部分であろう。

洪水も本家ではかなり待ち望んだタイルなのだが、なんとなく何時でも起こせるという気になる。3つ出たところで、洪水を起こしたとしてもたいした得点にはならないので、ついつい3マス進める方を選んでしまうのだ。


なんと、文明をわしが一人で独占。文明は条件が厳しいのでこんなケースはそうそうないと思う。

まあ、そんな感じで、全然文明が出ないmiaは何度もマイナス点を食らい、わしは悠々と得点を積み重ねて圧勝。
モニュメントの陣取り部分が二人ともよく解らなかったので大きな差がついたようだ。
なんせ縦列に並べる。それが駄目なら同じモニュメントを建てまくればいい。

所要時間30分

それからほどなくしてもう一度やった。わしはなんとなく見通しが良くなったので少しだけ楽しくなったが、miaは相変わらずよく解らんという。

miaのコメント

ラーをやった事がないので比べようがないけど、なんか得点がややこしくて意味が解らなかった。

ソマーリオ

さいころゲームってのはプレイ時間が長くなるのが欠点だが、このゲームはあっさりと30分で終わる。
悪くはないのだが、ゲームしたという充足感がない。なんかさいころの置き方をこねくり回してみたという感じが否めない。

こういってしまえば身も蓋もないが、ちんちろりん、でも同じかなと。目によって役がある。それがボード上で展開されるだけ。GREEDやヤッツィーとかと同質の面白み。で、その割にそれらより勝ち方の見通しが悪い。

確かにドイツゲームなんて結局ルールをこねくり回してるだけに過ぎないのだが、このゲームも含めて最近やたら出ているさいころゲーム全般に、単にこねくり回してるだけ感がストレートに伝わってくる。つまらなくはないが、なんだかなあと思ってしまった。

なんたらダイスゲームってのはもう買わない。元のゲームが好きだったら欲しくなる、そこがメーカーのつけめなのだろうが、よく考えてみるとどうあがいても元のゲームより優れているなんて事はない。大体において、こんな風にさいころゲームのリメイク品ばかりが出るようでは、ドイツゲームもシステムに限界が来たのだろう。この程度のルールなら同人レベルで作れる。

さいころゲーム買うならGREED、ヤッツィーあたりで十分だろう。
さいころでも流用出来るシステムではなく、さいころでないと面白みが出てこないゲームをわしゃ欲しいのだ。
特にこのゲームは、こんまいプラッチックのさいころに、小さなボード、よくある木製駒が入ってるだけで、こんなに値段がするのかと驚いた。せいぜい2000円くらいが妥当で、その倍で買うた身としてはコンポーネントだけでみて、久しぶりに損したなあと思った。ラーファンなら買うてみても大きな失望はしないだろうが、それ以外の人には本家をお勧めする。つってもラーは結構特殊なゲームで、面白みが分かり難いので、どっちも勧められへんかな。

gioco del mondo