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Reiner Knizia
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Ravensburger
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2〜4人
40分
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オロンゴ
モアイ、その巨大な像はイースター島の海岸線に建ち並んでいる。
あなたはオロンゴにモアイ像を次々に建てていく事になる。
誰が一番早く儀式のモアイを建てることが出来るだろうか?
プレイ感
COQ「モアイ像といえばクソゲーという定説を覆した作品です」
と、今、ちょこちょこ話題になってるくにちーのオロンゴ。タナカマの話によるとこのゲームが2014年エッセンで出た時、けがわがくにちーに買うたばかりのオロンゴにサインをねだろうと話しかけたら「このゲーム、いつ出たの! 知らなかったよにちー!!」と大激怒したとか。
詳細はよう解らんが、2015年発売という話だったらしく、勝手にフライングで発売したとかなんとか。
「文句いってくるちー!!」といってラベンスバーガーの社長を探しに出かけたとかなんとか。
そんなわけで(?)、タナカマ夫妻、COQとの4人プレイにて。
一言でいうと競りと陣取りを組み合わせたシステム。各自モアイ5個と自分のチップ、貝殻12個(4人プレイ時)を手にする。
最初にタイルを初ラウンドは8枚、2ラウンド目以降は4枚めくって、ボードにある一致した数字の場所へそれを置く。
全員で貝殻駒を握ったフィストファッ○競りを行う。で、トッププレイヤーだけが貝殻を場に支払い、自分のチップを3枚手にする。2位は2枚、3位以下は1枚ずつである。ただし0握りは、チップを使えない代わりに場にある貝殻を全部貰える。
透明チップが自分の駒である。透明なのには意味があって、下のマークの組み合わせでモアイを建てるのでこれが見えないとこのゲームはやってられないのだ。
1位から順番にチップをボードに置かれているタイルの上か、既に置かれている自分のチップに繋がるように平地マスに置く。このとき、一繋がりのところに条件を満たせば、モアイがぶったつのだ。条件とは、原住民マスと鳥マスとか、神殿マスと仮面マスとか、芋マス2つとか、プラス海岸線のマスである。これらは衝立の裏に描かれている。
COQ「ご存じとは思いますが、モアイ像は海岸線にのみ建っているんです」
そんなん、学術書のムーを読んだらあまりに基本的な話やで。
COQ「いいですか、ここ、絶対書いといてくださいよ。自動的にエレクチオンするんです。エレクチオンですよ、エレクチオン!! ビルドじゃないですよ。英語ルールに明記されてます」
おお! 実験人形オスカーを思い出すやんけ!!
競りに使う貝殻駒はごっつう可愛いが、ちょっと弱点がある。衝立の前にモアイをおき、あと何個モアイが残っているか、他のプレイヤーに一目でわかるようにする必要がある。
衝立の裏には、モアイを建てるのに必要なマークの組み合わせが載っている。これむっちゃ大事なので、なるべく早く覚えた方がよい。
条件を満たせば自動的に海岸マスにモアイ駒をエレクチオンさせて、それに使ったマスに貝殻駒を置く。これは貝殻駒を残しておかないとモアイ駒をエレクチオンさせることが出来ないということだ。
こうしてモアイを先に6個エレクチオンさせたプレイヤーが勝ちである。手元の5個を建てたらリーチで、残りの1個は脇によけてある。
まずはタイルを8枚めくって配置する。
一応、数字順に並んでるのだが、これがなかなか探すのが手間。しかしそれ以上に問題なのが…
わし「これ、全然見えへんやんけ!!」
ボードの絵とタイルの絵は寸分違わないので、タイルがボードにとけ込んで、恐ろしく視認性が悪い。
ほとんどの場合、タイルを競り対象にするからこの見えにくさは致命的とさえいえる。
枠の色を赤色にするとかなんでせんかったんや、これ。阿呆か?
そして握り込んで競る。
COQが一発目から6個使ってトップをゲット。その6個はボードに捨てられる。
誰かが0握りをしたらこれを貰えるという寸法だ。
このゲームはめくられたタイルの数字を探し出し、そこにタイルを置くことから始まるが、みての通り、ボードの絵と数字の色が違うだけで、とんでもなく視認性が悪い。この写真ではプレイヤーのチップが載ってるからタイルが解ると思うが、そもそも載ってない状態で競りが行われるのだ。1枚目の写真から探してみて欲しい。ちなみにうんこみたいな絵柄はイモである。
競りは同数が多いので、その場合優先プレイヤーに一番近いプレイヤーが勝ちとなる。まあ、スタートプレイヤーみたいなもん。
わずか12個の貝殻しかないので、セコビッチ作戦でいくと、まったく取れない。
思いっきり陣取り要素が入っているので、良い場所を先に取られてしまうと、後々苦しい事に気づき、握り込む数を多くするようにした。
COQ「エレクチオーーーーンンン!!」
モアイ像が立ち上がる。
そしてそれに使ったマスを自分の貝殻で埋める。
コロコロ…
貝殻が、転がっていく。
タナカマ「これ、最悪でしょ。思いっきり収まりが悪くて評判悪いんです」
条件を満たせばモアイ像がエレクチオンする。そのさい、貝殻駒をおいて、使用したマークを潰しておく。
貝殻は唯一平面がある入り口の付近を下にしてもバランスが悪くて、ふわふわ浮いてる。
丸っこいところにすると物凄く転がりやすい。コンポーネントの雰囲気は抜群やけど、これ、全然あかんやろ。
そして、このゲームが強力な陣取りゲームやとようやく気づく。
先に抑えておかないと、後で伸ばすことが出来ず、偉い目にあうのだ。
出てくる順番はランダムなので、そこは運だが、抑えるべき時はがっつり握り込んで抑えないと全然あかんので、わしもそろそろ本気をだして握り込む事にする。
まさかあの伝説のフィストフ○ックが再び炸裂しようとは。
調整についてはさすがのくにちー節が炸裂してる。
というのはモアイ像がエレクチオンする時に貝殻を置かないといけないルール。これで貧乏になるのだ。
2個というは思った以上にコストとしてはでかく、モアイ像を建てるたびに一歩後退するイメージだ。
後退するといっても、個人としては0個握りで復活を果たせるので、あくまで一歩である。それより全体的にみると通貨の流通量が減る事になる。後半であるほど、接戦となるのでスタートプレイヤーっぽい奴が重要となってくる。
次々にモアイが立ち並んでいく。そら、衰退するわ、アホかと。
今回COQがガンガンに攻めたおかげで、右隣のわしの順番は最下位となり序盤はかなりの苦戦状態となった。
タイルがめくられるたびに、全員で確認作業を行う。気づかなかったケースを防ぐためだ。
結局、モアイのエレクチオンが全員5個になったところ、最後の1個をCOQが建ててゲーム終了。
所要時間40分
タナカマのコメント
これ、知り合いに言わせると第二版で残念なところが改訂されるとゲーム大賞最有力らしいですよ。
ソマーリオ
これは素晴らしい。競りと陣取りの絶妙な組み合わせにこれぞドイツゲームと声を大にしていいたい。
競りの相場が少し難しいところが初心者には厳しく、ゲーム大賞は難しいだろうが、確かにそういってしまってもおかしくない完成度である。
ルールはシンプル、それでいて考えどころがしっかりとあり、最近のやたらとルールがごてごてしたゲームなんかとは確実に一線を画すくにちー会心のゲームである。
自分自身のゲームのキモとなる部分での大量の握り込みは、プレイヤーに圧倒的な満足感を与える。その瞬間の決めたった感、ゲームに参加したった感は、他に類をみない。ゲームに対するメリハリがもの凄くよく効いているのだ。これは良くも悪くもドイツゲームのシステムではコツコツ積み上げるのが多くゲームを通じて1度あるかないかだが、オロンゴでは数度そのタイミングが訪れる。
将棋で妙手を打った、そんな感じだ。
競りはサブシステムであり、真のシステムはなんといっても囲碁のような完全なる陣取りである。
これほど満足度が高いゲームのくせにプレイ時間は短く、また全員が最期良い勝負となるようにシステムが作られているところも素晴らしいし、モアイが海岸線に立ち並んでいくのを見るのも、これぞアナログゲームと思わせる景観である。
ただし上に書いたように、コンポーネントの悪さがもの凄くもったいない。何がもったいないかって、もの凄く凝った駒を利用してるのにもかかわらず、それが空回りとなってるのがあまりにももったいない。プレイアビリティを下げてどうする!
貝殻は百歩譲って許す、でもタイルの視認性の悪さはあかんやろ!
これは是が非でも改良版を出して欲しい。そしてなんで日本でこれが流通してないのかも、日本の販売店に説教をしたいくらいだ。
とにかく、改良版では、6個目のモアイには目を描いといて欲しい。それで、かなりプレイヤーの満足度が変わる。もうプレイヤーが自分で描いちゃってもええのとちゃうか。
つか、パケ絵にはちゃんと目描いとるやんけ。さぼってんな。