Reiner Knizia

Abacus
Rio Grande Games

3〜6人
60分

ストロッツィ


14世紀フィレンツェでは、メディチ家とストロッツィ家が熾烈な権力争いを繰り返していた。
負けてしまったストロッツィは、フィレンツェから追い出されてしまうのだが、銀行家として大復活をとげる。
今でもストロッツィ宮殿という美しいルネッサンス様式の建築物が皆の目を楽しませている。

プレイ感

かなり前にやった事があるが、メンバーが悪くてどうにも感じが掴めなかったのでレビューしなかった。今回はコタ8歳とmiaと3人プレイにて。
ちなみにくにちーの競りゲーム三部作とルールには書かれてるが、メディチなんてめっさ古いし、これは完全に後付設定である。そもそもくにちーといえば体感的に8割が競りゲームなので、これが事実だとすると生涯に4作品しか世に出していないことになる。


最初に各自、海賊、商品、+1の3枚のタイルを貰う。海賊タイル以外はすでにタイルが載っていたら載せることはできないタイルで、海賊タイルは他のタイルより強くてカードを奪えるタイルだ。

手番プレイヤーが、船カードを1枚めくる。そのカードがほしければ、手持ち3枚あるタイルを1枚上に載せるかパスをする。でなければ左回りの順で、自分のタイルを置くかパスするかする。どこかのタイミングで載せたのが海賊タイルであれば、即座に落札だ。


左上がフィレンツェで港がない。各港はそれぞれ需要のある商品が描かれている。

船カードの落札者は、ベネツィア、ローマ、ナポリの港のどこか一つにつける。そこにすでに他の船がいたら、帆の数字をみて上から順番に並べる。+1タイルが載っていたら、帆の数字に+1できるが、同点の場合は先に置いた方が上となる。


このように船カードに自分のタイルをのせて競りを行う。競りといっても海賊以外は高値更新できないけど。この船は帆が5、金、壺、織物がそれぞれ1ずつあり、発展タイルが1枚引ける。カードに商品は3つ描かれているが、港に入港した時にはどれか一つの商品しか効果がない。例えばローマ入港なら金1だけ価値があがるだけ。

各港に描かれた商品が船カードに描かれていたら、その分、自分の価値マーカーを上にあげる。その時、商品タイルが載っていたら価値マーカーを1つ余計にあげる。フィレンツェは港がないが、船カードに巻物が描かれていたら、その分、価値マーカーを上げる。

次の手番は落札者の左隣である。各プレイヤーは港にそれぞれ船カードを1枚ずつしか配置できない。つまり基本的に3つのタイルで3つの港それぞれに入港させるという事だ。
また船カードに青色の発展マークが描かれていたら、3枚表向きの発展タイルを1枚貰う。

3枚のタイルがなくなったプレイヤーは一旦ゲームから抜ける。全員がタイルを使い切るか、船カードがなくなったら決算である。

各港毎に、船カードの順番(つまり帆の数字)、商品の価値マーカーの順番で、15点、10点、5点の勝利点を得る。また価値マーカーが数字のマスに達していたらその点数も加算される。

これを3回繰り返したらゲーム終了だ。最後は、手持ちの発展タイルから、芸術、科学、建築それぞれの数字の合計で、30点、20点、10点の勝利点を貰うが、同点の場合は、フィレンツェの価値マーカーの順番で決める。

こうして合計点が高いプレイヤーが勝ちである。


各港に全員の船が入港したのでラウンド終了。船カードも価値マーカーも上ほど勝利点をいっぱい貰える。価値マーカーは同じマスなら左側(つまり早いもの勝ち)が上である。また価値マーカーが数字のマスにたどり着けば、その点数も貰える。

わし「じゃあ、これ、商品タイル載っける」

コタ「パス」

mia「海賊タイルで奪う」

わし「どこに入港する?」

mia「ローマ」

次、またわしの手番。

とこんな感じでゲームは非常に簡単でサクサク進む。
要は海賊タイルで奪われるかどうかだけなのだ。そして最初に海賊タイルを使うと後でめっちゃ苦しむことになる。

コタ「じゃあ、これに商品タイル載せる」

mia&わし「海賊タイルがない!」

と、欲しいのに熨斗をつけて取られてしまうのだ。

で、すべてのタイルを使い切って決算。一人3枚を落札し、各港に入港した状態となる。
あまりにパスが多いと、タイルを使えずに決算を迎えることになるので注意する必要がある。わしは1回やってもた。

面白いのは、商品の価値は積み上げ式であるが、帆の数字は1回勝負ということ。そして勝利点は同じだけ入るので、8の帆船はかなり見くびられがちだが侮れないのだ。

わしは今回はフィレンツェを中心にあげていくことにした。

発展タイルは、2点と1点の奴があり、1点の方は商品価値をあげるのとセットになっている。

これらを3回こなしてゲーム終了。

最後に発展タイルを比べる。

芸術はわしが3でトップ。建築はmiaと二人で2だがわしがフィレンツェで上位にいるのでまたしてもトップ。科学はコタがトップとなった。


発展タイルの得点はでかい。お勧めはいっちょがみだ。

この発展タイルは数字がそんなにでかくないので、トップタイが結構多い。今回たまたまフィレンツェ作戦をやったので、わしが2つの分野でトップを取れたのは大きく、わしが勝利した。

フィレンツェ重要。

所要時間40分

軽くて楽しめるので、すぐに2回戦目。
ここでわしはタイルを1枚余らせるという失策を行い、負けてしまった。

ちなみに全員パスした場合、手番プレイヤーはもう一度出来る。

miaのコメント

これ、軽くて楽しい。時間が短いのもいい。

ソマーリオ

システムは、ラーと同じ限定競り。複雑なものは一切なく、競りが苦手な人でも簡単に理解できる。なんせ3回しか落札できないし、競りかけられるのは海賊のみだ。

そのくせ、様々なジレンマはしっかりとある。特にラーでは最後のプレイヤーがやりたい放題だったが、これにもそれと同じジレンマがある。あまりにがめると、タイルを使えなくなってしまうか、まったく意味のない港につけるしかなくなる。
そのえぐさはラーほどではなく、非常にマイルドに仕上がってるところが良い。

メディチと箱等の雰囲気が似ているが、あちらが『ザ・競り』というのに対してこちらは初心者に優しく出来ている。

点数の体系も簡単ながら、積み上げ式と即時式と上手く組み合わさっててバランスが非常に良い。さすがに上手い。

日本ではほとんど流通してないので、入手難易度は高いが、どこかでリメイクなり再販なりすればいいと思う。ただ、箱のデカさの割に内容は軽いので、小さく安くして欲しいところだ。交易王くらいの大きさに出来れば最高だ。

gioco del mondo