Reiner Knizia

Ravensburger
アークライト

2〜4人用
45分

エルドラドを探して


プレイヤーの目的は、探検家として南米の奥深くにある伝説の黄金都市「エルドラド」へ一番先に到達すること。
それぞれのプレイヤーは、全員がそれぞれ同じ内容のデッキ(山札)をもった状態でゲームを始めますが、
ゲームを進めるなかで新たなカードを獲得して、自分のデッキに加えてその内容を強化しながら、自分だけのデッキを作り上げていきます。

また、デッキを構成するカードは協力者や役立つ道具などを表しており、プレイヤーはそれぞれが獲得したカードの力を活用し、
ゲームボード上のマップを、エルドラドを目指して進むこととなります。

ライバルたちとの競争を制するためには、マップでの進み方とデッキの構築。
しっかりと戦略を立てて挑む必要があるでしょう。
計画を練り、よりすぐりの協力者の能力や装備をうまく利用して、誰よりも先にエルドラドへの到達を目指しましょう。

プレイ感

BGGで評価が高い割に日本版が制作されず、入手は個人輸入のみという扱いとなっているくにちーが考えたデッキ構築ゲームである。なんとはなしに買うてみたが、日本語ルールがついてなくネットで有志があげてくれていた。
コロナ騒ぎのGW中、mia、コタ9歳との3人プレイにて。


まずは最初にコースを作っておくが、これは初期のオススメを使うことにした。
それから各自初期デッキをそれぞれ貰って、4枚を手札にする。

手番は、駒を移動させるのに手札を出してから、残った手札でカードを1枚まで購入する。


コースの組み立て方は自由だが、最初はオススメに従って組み立てる。ボードは裏表ある。初期デッキは8枚、手札は4枚。前にずらっと並んでいるのが市場で、ここからカードを購入できる。
黄色のカードはその価値、他のカードは0.5ゴールドとして扱う。例えばこの初期手札だと、3ゴールドのモノが買えるわけだ。ただしすべてを購入に使うという事は移動できなくなってしまう。
カードの購入価格はカード下に書いてある。

駒の移動は、マスの難易度によって決まっている。ナタが2本なら緑のカード2移動力必要ということだ。もちろん移動力が余れば次のマスへ進んでも良い。ただし、ナタが2本のマスに対して、緑の1を2枚使って移動することはできない。この場合は必ず緑の2以上のパワーのあるカードが必要なのだ。

他のプレイヤーと同じマスに入ることはできない。


マスに描かれている絵柄の数だけそこに入るのにカードパワーが要る。例えばナタ2ならナタ2以上のカードでないと入れない。もしナタ3カードならさらにナタ1分移動できるが、逆にナタ1カード2枚でナタ2のマスに入れない。他のマスも同様で、黄色の村は結構パワーが必要だ。

ボードのつなぎ目に障害タイルがある。これは書いている移動力を支払えば取り去ることができる。それを行ったプレイヤーはこの障害タイルをもらっておく。他のプレイヤーは障害タイルのない状態でプレイできるが、最後、同時ゴールしたら、障害タイルの多いプレイヤーが勝ちとなるので、できれば取りたいタイルだ。

移動が終われば、市場に8種類出ているカードを1枚だけ購入することができる。購入したカードは捨札置き場におかれる。ここらへんのハンドリングはデッキ構築型ゲームと同じである。

残った手札を好きなだけ残して4枚になるように補充してもいいし、全て捨てて、山札から4枚補充しても良い。

もし市場で空になった場所が出たなら、市場以外のカードを購入できる。その場合、最初に購入した時点でそのカードが市場に並ぶことになるので、市場以外のカードを選択して買える時間は短くなっている。なんか非常に面白いシステムである。ちなみに通信機の効果で市場以外からカードを手に入れた場合は購入したわけではないので、市場には並ばない。


市場に出ていないカードは、市場が空になったら好きなのを買えるが、その時点でそのカードが市場に置かれるという変わったシステムだ。

最終的にエルドラドに最初に到着したら勝ちだが、ラウンドは最後まで行うので同時ゴールもある。その場合は障害タイルで決める。

最初は全員同じ山札なので、できることは限られている。なるべく相手の前でブロックしつつ進むことだ。

mia「ちょっと、これ順番めっちゃ関係あんじゃないの!」

わし「もう始めてしまった事やから諦めろ」

コタ「そうそう」

べったのmia、めっちゃブロックされて怒る。


はよどけや、という罵声が飛ぶ。同じマスに入れないのはきつい。ボードの間に見えるのが障害タイルで、マークの数だけ消費すれば、ゲットできる。これは最後同点の時に多い方が勝ちだ。もしそれも同数なら障害タイルに描かれている数字の大きい方が勝ちだ。このように配置しているが、本来はボード同士をくっつけてその上に置いた方がプレイアビリティが高い。なんかギザギザなのでこう配置してしまった。

次にお金をどのように使ってデッキを構築していくかだが、金色のカードはその価値、それ以外の色のカードは0.5ゴールドの価値しかない。
手札は4枚しかないので、デッキ構築の基本構想に従えば、価値の高い金色のカードで絶対値をあげておかないと、良いカードが買えないのだ。
そうなると最初に人気するのは写真家だ。2ゴールドで価値も2だ。同じカードは3枚ずつしかないので速攻売り切れる。

miaの手番に市場の空が出来た。好きなカードを買えるという事だ。

mia「じゃ、船長買う」

わし「なんでそんなしょうもないカード買うんじゃあ!」

船長が市場に並ぶことになった。

しかし、たしかに先々をみると船長はいるかもと、わしも船長を買った。なんのこっちゃ。


灰色のマスはカードをその枚数捨てるだけで進める場所で、赤のところはカードをゲームから除外して入るマスだ。いわゆるデッキ圧縮できるマスである。

わしとコタが順調に進んでいたら、miaがここで一気に無理をして前に出た。

ブロックはかなり効くのでどこかで無理して(買わないで)抜け出す事は必要なのだ。

さて、ここからが勝負である。如何にデッキ構築して勝負していくか。

村のマスでは、カードをゲームから除外できる。このゲームで唯一デッキを圧縮できる方法である。

コタは、カスみたいなカードが手札に3枚あって、見事に圧縮に成功した。

わしとmiaは、デッキ構築をどのようにするかに重きを置いていたため、進むよりも買うてしまった。

ここで大きな差が出た。

グイグイと進むコタに対して、2の移動力が必要なマスにすら入れないわしは、その後ろのmiaと一緒に停滞してしまった。

え、今から追いつけんの? と思った矢先、あっという間にコタはゴールに到着。

大差負け。

所要時間45分


こんなけ差があった。ボロ負け。

あまりにも情けなかったので、翌日再戦した。

ここではわしもmiaもデッキを整えるより、進むことを選択。

置いていかれると、まったく逆転の目はない。

結局、わずかの差でmiaが到着。コタ、大差負け。


くっそー

miaのコメント

これ、下手にデッキ構築とか考えると負けてしまう。

ソマーリオ

一瞬置いてかれると、もう手に負えなくなる。デッキ構築うんぬんと考えている暇はない。とにかく進めるようなカードを選んだ方が良かった。
と思ってネットを調べていたら、初級のマップだとそうなるという事だった。次にやったマップでもそうだったので、もう少し複雑なマップを使った方が良いのかもしれない。また拡張ルールの洞窟もオススメとのことだった。

後あった意見がミシシッピークイーンに似てるという話。確かに似てる。ブロッキングするところと、少しずつしか進めないところはシステムはまったく違うのだが、非常に似た錯覚を起こす。ただこれは錯覚だ。ゲームのほとんどはメインシステムとそれを反映するサブシステムに分かれるが、サブシステムはよく似ているものの、メインシステムがまったく違うからだ。

クニツィアの作ったデッキ構築ということで、なんとレースゲームにしてしまったのはなかなかに面白かった。デッキ構築に慣れてしまったせいなのもあるが、ルールも非常に分かりやすくてとっつきやすい。
市場の山がなくなって始めて在庫のカードを買うことができ、一旦買われると市場に置かれるというのは非常に変わった制約であり、他のプレイヤーへの妨害工作になるというのはひねりが効いている。それをさらに補完するのが、同種カードが3枚しかないといったところ。4人プレイなら白熱することは間違いなしだ。
ただデッキ構築というのは元々クニツィアのデザインとは相反するもので、わしが知らずにやったとしてクニツィア作とは当てることができんかったと思う。まあ、本人にしてみたら、流行っているので俺ならこうデザインするという感じなのだろう。

コンポーネントは見ての通り、探検という雰囲気を崩さずオーソドックスなレベルでまとまっている。
例にもれず拡張セットも発売されている。

取り立てて、おー、すげぇというところはないが、非常に無難にまとまっており、プレイ感に重さがなく、なんか気軽にやろうと思えるので、ついつい出してきてしまう。出番が多いというのは良いゲームの条件である。
日本語版が発売されていないのは、なんで?

拡張込みで再レビュー

というわけで、中級マップと拡張ルールの洞窟を入れてやってみた。

洞窟は、進入不可の山に洞窟の描かれているマスがあり、そこに4枚ずつ洞窟タイルを置いておく。
隣のマスに来て、移動をやめたら洞窟の探索を行う事ができ、タイルを1枚取り表向きにする。このタイルは即座に使ってもいいし、それ以降に使っても良い。ちなみにすぐに隣のマスに移動しても再びタイルを貰うことは出来ない。一旦完全に出て、また戻れば貰えるものと思われる。


山のマスには入れないが、光っているところに洞窟タイルを4枚ずつ置く。この隣マスで移動を終われば、洞窟タイルを1枚貰える。これはすぐにオープンにする。洞窟タイルはかなり強いので寄り道するのもひとつのやり方だ。あとちょっと間違いがちなルールとして、オールマイティなカードが見えるが、これは1度につきナタ2かオール2かゴールド2のどれかとして使えるということで、1度に組み合わせて使えるわけではない。一回にナタ1,オール1と移動できないという事だ。

mia「このマークは何?」

早速洞窟に向かったmiaが手に入れたのは、他の駒と同じマスに入ったり、通過できたりするタイルだ。

ブロックゲームとして、使い所を間違わなければかなり良さそうなタイルだ。

最初のボードで手に入れなかったわしも、その効果をみてどうしても洞窟タイルが欲しくて、2つ目のボードで山に突っ込む。

mia「そこやばくない?」

かなりやばい。周りが山に囲まれてて、通過できるところは手札3枚をゲームから取り除くのだ。
またその向こうはナタ2必要なマスやったりする。でも手札が揃えば大丈夫なはずと進む。


見ての通りこの場所に突っ込むのはかなりやばいが、3枚の圧縮は非常に魅力。違うパターンをやってみたいという衝動に勝てなかった。

しかし

神はわれを見放した!

まったく手札が悪くて、入れずにずっと立ち止まってしまった。
先に進む二人。

これ、だいぶやばいんちゃう?

なんせデッキ圧縮として3枚もカードを捨てるので、カスカードを手札に揃えなければならないのだ。
3枚も!


ようやくナタ2が来て入れる。

それを揃えるために必要なのはコンパスだ。コンパスを使えば、1度限りだが、3枚補充できる。
しかしそれを使うには一旦山札をなくす必要があった。

しかもようやく手に入れたタイルは、手札1枚をゲームから除外するというデッキ圧縮タイル。

すでに3枚圧縮するつもりなので、このがっかり感。

それを待つ間もなく、なんとか手札で1のカード3枚を捨てる。船員を捨ててしまったので、川は渡れなくなってしまったが、それよりも3手番も無駄にしてしまった。

致命的かと思ったが、今回はデッキ圧縮の効果を試してみたかったのでしょうがない。
かなりの遅れが発生していたが、コンパスを引くと、デッキ圧縮効果もあってなんと一気にトップへ躍り出る。

すげぇ。こんなに進めるとは。

今回のマップでは、川を渡らずに進むことができそうなので、船長も買わず、もっと重要となりえる金のカードの購入に勤しむことにする。村は平気で3とか4のマスがある。

途中で手に入れた洞窟タイルは、現地ガイドと同じ効果のタイルと、カードを捨てる必要があるのを1度防ぐことができるタイルだ。

なんかめっちゃ勝ちそうな予感がする。
もう長嶋が絶頂期にボールが止まって見えるといった、あの感覚がある。

さらに通信機を手に入れて、現地ガイドと交換。

なんと最後のマスは一気に縦断して、ギリギリにエルドラドにたどり着いてしまった。
こんなに進めるとは!!(再)


ようやく勝てたー

所要時間45分

再ソマーリオ

こんなもんかと思ったのは撤回。めちゃめちゃおもろい。
miaから勝ったからじゃないのと言われたが、実のところわしは勝ったゲームよりも負けたゲームの方が評価が高くなる傾向がある。次はこうやったろとか燃えるからだ。

デッキ構築のパワーも十分ある。
これはいきなり中級マップと洞窟ルールありでやるべきゲームだ。

ほとんどの拡張ルールは蛇足が多いが、こいつは逆転が難しかった無機質のシステムに柔軟性と創造性を与えてくれた。またそのまま真っ直ぐに進むのか、寄り道をするのかという選択肢も与えてくれる。

ゲーム時間も短く、評価は一気に急上昇。最後決まった時のコンボ感がたまらんわ。
日本語化、なんでせーへんのという事に関しては、情報があった。
ラベンスバーガーが保守的で多言語版を出したくないんやと。

ただくにちーが、ここに書いてあるとおり、どうしても国際版を出したいという事で、ラベンスバーガーと手を切ってリメイクして出すとの事。
果報は寝て待て。
と書いてたら、正式に日本語版発売の発表があった。絵柄が変わってしまい好みが分かれるが、カードは大きくなったようだ。
カードは、大きいと場所取るんやけど、たしかに持ちやすいんよなあ。
ちなみに絵師はくにちーの信頼できる絵師だそうだ。
当然、アークライト版とラベンスバーガー版とは互換性がないので拡張セットを間違えないように。日本語版も出るだろうことを考えると買い直すかな。言語依存はカード名称だけでほとんどないし、絵柄はラベンスバーガー版の方が好きやねんけど。

gioco del mondo