Reiner Knizia

KOSMOS

2人
60分

ブルームーン

駿河屋で購入
死の破壊の夜は、繁栄を極めたブルームーンシティとそこに住む様々な種族を暗黒時代に陥れた。金のドラゴンは地に倒れ、偉大なる創造主であるブルームーンは失われてしまった。
年老いた王は死に、ブルームーンシティは破壊され、そして聖なるクリスタルはいくつもの小さな破片になってしまった。
唯一生き残った神の使徒、三元素を司る三匹のドラゴンは今、ばらばらになったクリスタルを守りながら新しい指導者を待っているのだ。
(けがわ訳より)

※絶版となったが、その後ブルームーンレジェンドとして、全セット入り、日本語版が発売された。

プレイ感

発売されてかなり経つが、なんとなく目に付いたmixiで盛り上がりを見せてたので、試しにと基本セットを買うてみた。やってみるとなかなかのポテンシャルを感じたので、全拡張セットを買うてみた。


このゲームはよく言われるように、TCG(トレーディングカードゲーム)の雄であるMtG(マジックザギャザリング)のクニッツィア版。TCGがカードのランダム封入により、他者とのトレードを主としているのに対して、ブルームーンは何が入っているか決まっており、デッキ構築を主としている。TCGはなんともまあ、メーカーにとって恐ろしく都合のいいビジネスモデルである(相当お金使いました、ハイ)が、ドイツゲームはそんな事はしなかったのは好感が持てる。

基本セット+拡張7種族+拡張2セットとTCGに比べると圧倒的に少なく、10個買えば確実にコンプリート出来る。基本セットにはゲームに必要なボードやドラゴン駒3つと、2種族のデッキが入っているのですぐにゲームは可能だ。

各セットは26枚が自種族と別の種族3枚とミュータント1枚を加えた30枚構成となっている。なんで30枚とも自種族にせんねんと腹立たしいが、拡張種族を買うてくれというメーカーのささやかな営業なのだろう。全てのセットをそろえると30枚とも、自種族のデッキを組める(コンソリデートデッキというらしい)が、わしゃ、面倒なので買うたままの30枚でゲームをやってる。そっちのがメジャーらしく、バランスも取れているとのこと。


テラ出張組のカツさんはホアックスの大地の力を補うキャラクター。このように各デッキには、出張カードが3枚とミュータントが1枚含まれた30枚のデッキである。数値は上が炎、下が大地である。その下にアイコン(シンボル)があるのは特殊効果があるということだ。その下にカードの種類が書いてあり、これが重要となっている。キャラクターは毎回出さねばならないカードだ。

さてルール説明。

カードには炎と大地という2種類の攻撃値があり、その戦闘のスタートプレイヤーがどちらで戦うかを決めるのだ。一旦決めるとその戦闘が終わるまでずっと同じ攻撃方法だけで勝負していく。
基本はクニッツィアお得意の数比べである。相手の出したキャラクターの数値以上(同じでもよい)を出して我慢比べしていくのだ。

「もう、無理!」

となったら、退却して、1つの戦闘が終わる。使ったカードを全て捨て札にして、勝ったプレイヤーがドラゴンの駒を受け取る。そして2戦目は、負けた側がスタートプレイヤーとなって行う。ドラゴン駒は、片方にしかおらず、相手にドラゴンがおって勝った場合は、そのドラゴンを中央に戻す事になる。終了条件はどちらかがカードを使い果たした時(ドラゴンのいる方が勝ち)か、ドラゴン3匹を持ってて更に勝った場合だ。完全にゲームに勝利するには、もう少し説明がいるので、それは後述する。


ボード右にリーダーシップカードを出し、山札の左に毎ラウンドキャラクターカードを出さねばいけない。その隣はサポートカード置き場である。中央のドラゴン3匹を引き寄せる、いばわ綱引きのゲームだ。もうひとつ重要なルールとして、退却した時に自分の戦闘エリア(キャラクター、ブースター、サポートカード)の枚数が6枚以上ならばドラゴンを2匹引き寄せる事が出来るのだ。戦闘が長引けば引くに引けない熱い戦いとなるので、無理そうやなと思ったら相手が5枚の時までに退却するといい。

カードはMtGのように以下のように分かれている。

キャラクターカードはメインとなるカードで、手番にこれが無けりゃ退却だ。そしてこのキャラクターカードに付けるブースターカードがある。戦闘力をあげたり、特殊効果をもたらす。この2つは使い捨てなので、手番毎に相手の数値以上を出していかねばならない。これが数の我慢比べである。もし、出せないようなら退却しなければならない。

ブースターカードを付ける代りに、サポートカードをキャラクターの隣に出す事も出来る。これもブースターとそっくりな働きだが、大きく違うのはその戦闘中有効であるという事だ。

もうひとつ重要なカードにリーダーシップカードってのがある。これは特殊効果のあるブースター、サポートみたいなカードだが(実際にまったく同じ効果のカードすらある)、手札を増やしたり、好きなカードを加えたりといったちょっと変わった効果を持つのが多い。このカードだけは使い切りで、例え使わず捨てたとしてもそのゲームでは二度と使う事は出来なくなる。強い効果を持つのが多いようだ。

こう書くと、サポート≒ブースター≒リーダーシップ でどれもよう似てて解らんわ! となるが、最初はそんな風に感じたが、実際に何度もやってると、クニッツィア独特の基準がありそうな感じはする。少なくともリーダーシップカードは、サポートカード1枚かブースターカード1枚のどちらかしか毎手番出せないのに、こいつは別途1枚出せるってのは大きい。
ブースターよりもサポートの方が圧倒的に有利というのはその通りだが、サポートカードは、戦闘力が書かれているものやリーダーシップに似ているものが多く、一気にパワーをあげるのがブースターカードにはたくさんある。


炎、大地、どちらで攻撃するかは、その手番のスタートプレイヤーにゆだねられる(これがまた最初、違和感あったのよ)が、これが結構忘れてしまう。わしは裏表にタイルを作った。非常に便利なので是非作っておくべし。すぐに作ろうと思ったがこのプレイ時は厚紙がなくて、別の駒で代用してるのだが使いにくい。タイルについては別の画像を参照されたし。

各デッキに1枚だけ入っているミュータントというキャラクターカードは、戦場を一気に変貌させる。これは出せる条件が決まっているが、炎と大地の競い合いを変更出来るキャラクターカードだ。しかもシールドアイコンが付いており、例え相手が6を宣言したとしてもシールドアイコンがあれば6未満でも宣言OKという、数値が低くても大丈夫なカードなのだ。相手に使わせるだけ使わせておいて、ミュータントすれば一気に形勢は逆転出来るが、条件がかなり厳しいので、上手く使いたい。ちなみにこのミュータントの絵はそれぞれかなり気持ち悪く、一見の価値あり。

このゲーム1度だけではさっぱりおもしろみが解らないと思う。で、毎日のようにmiaとプレイしたので、その特徴をレビューしていこうと思う。

まずは基本セットに含まれるヴァルカとホアックス。

ヴァルカは火の種族で、もう見た目からめらめら燃えてる感じである。当然炎の攻撃値が高い。最初、使いやすそうなmiaにヴァルカを与えて、わしが長老族のホアックスをプレイした時の話。

mia「炎で5」

わし「炎で5」

mia「じゃ、炎で6」

わし「退却」


最初の基本セットについてるバランスのいいホアックス。ただ最初、ヴァルカとやるにはちょっと難しい。慣れればなかなかのデッキだと思うが、それは後述。

わし「じゃ、わしからね。大地で2」

mia「大地で4」

わし「…退却」

わし「じゃ、炎で2」

mia「炎で7」

わし「7て! 退却。なんじゃい! ホアックス全然あかんやんけ!」

と、1枚目からどうしようもなくて退却したもんや。ホアックスはカードを5枚引くなどのカードがあるが、2とか3とかキャラクターの数値が低いのがいっぱい来てもヴァルカの強力な数値にはまったく歯が立たず、ほんまに1枚も出せずヴァルカの1枚目で退却なんてケースもあった。


ヴァルカはまあ、なんせ力押しである。炎の強さは随一。かといって大地もそれほど弱くない。

その通り、ヴァルカはシリーズ中、最強の部類といっていいデッキだ。炎の攻撃値の高さは異常とも言え、大地の攻撃値もそれなりに持っている。相手の場にあるブースターサポートカードを捨てさせたりされると、元々キャラクターの数値が高いヴァルカになんとかブースターサポートカードで対抗している敵は、手も足も出なくなる。さらに、若干弱いとされる大地に対しても、0のシールドアイコンのブースターがあるばかりか、相手が5以上の大地の攻撃値を宣言してるときに出せるミュータントはお手軽そのもの。むかつくほど弱点がない。さらには炎8以上を捨てる事でドラゴン駒を別途引き寄せる事が出来る。オイオイ。


阿呆かというドラゴン魅了。炎を8以上捨てたらドラゴン1匹引き寄せる。勿体ないと思わずに使った方がいい。なぜなら、8以上出してもドラゴンを1匹も引き寄せられない事なんてよくある。また使ったカードは手番最期すぐに補充されるのだ。

なんとまあ、妙なバランスのゲームやなあと思ったもんや。しかし、ここでめげてはいけない。もうちょい上手く立ち回ればホアックスでも勝てるチャンスはあるはず。

と、翌日またやってみた。そしてギリギリで勝利を収めた。負ける時は確かに何もせんまま負けるが、必死こいてなんとか最終的にドラゴンを引き寄せる事に成功した。

最初についているホアックスはヴァルカが相手だとバランスが悪い。ホアックスも悪くはないのだが、いかんせんヴァルカが強力すぎるのだ。ホアックスも炎が若干強いキャラクターで、これといった特徴のないデッキだ。唯一の特徴はカードを先に書いた5枚引いてくるといったカードだが、ブースターやサポートで数値を上げるタイプなのでヴァルカの捨てさせるカードでてんでお手上げ状態になりやすい。ヴァルカに勝つためには、ヴァルカのカードのカウンティングをして、退却してもドラゴンを引き寄せる事が出来ないカードなどを使って強力カードを使わせてから、勝負に出る事だ。炎0のシールドアイコン付ブースターは有効だが、ミュータントも炎、大地両方とも使えるが攻撃値が7以上の時と条件はヴァルカよりよっぽど厳しい。一気に押して勝つ事は無理なので、相手にいい気にさせて、徐々にドラゴンを引き寄せるという老獪な戦略が必要である。その分やり甲斐があるキャラクターだろう。

ふーむ、なんか妙なバランスのゲームやけど、ちょっとおもろいかも。と思い、拡張カードを全て買うた訳だ。

このゲームはテキスト依存ばりばりなので、絶対に日本語化は必須である。Play:gameにビートさんが、フレームや色まで合わせた日本語訳シールをあげてくれている。早速、作って貼ってみた。大量だったのでしんどかったが、これでプレイアビリティが大幅にあがった。

※ちなみにめんどくさかったので、テキストのあるカードは、タイトルとテキストを分ける線を切らずに、まとめて1枚として切って貼ったが、そんなに変には見えないので、お奨めである。なんせ大量のシールを切って貼って切って貼っては大変なので、出来る限り作業を少なくしたかった。

miaは、アマゾネス族のミミックスを選択。これがまた合体パワーで無茶苦茶強いでやんの。基本はキャラクターカードは手番に1枚しか出せないが、ペアアイコンがあれば2枚同時に出せるカードがある。ミミックスは元々のパワーが高いのに、この2枚同時出し攻撃で炎で8とか簡単になりやがるのだ。

かたやわしは、昆虫族のピラーである。パワーはそれほどではないが、相手の手札を覗くカードや、手札からカードを捨てさせるカードがあるというやらしいデッキである。このデッキの特徴は基本的にブースターカードがやたらと多く、キャラクターを強化させやすい。


ピラーは、ブースターで強化するのが特徴だが、その中でも凶悪なのがイモムシブースターである。何時でも何枚でも付ける事が出来る☆のフリーアイコンが付いてるので、オマケしてイモムシがついてくる。

こてんぱんにやられました。合体パワーで。合体ちゅうたら、昔から、バロムクロスでキュンキュキューンや、北斗と南が合体してウルトラマンエースになったりと、夜な夜な男と女が合体してるようにやたらと強い。

なんぼ捨てさせてもあきまへん。


これこれ、このイモムシシリーズが凶悪なのだ。なんせほかせえ、ほかせえとせびってくる。

しかし、しっかりと和訳シールを貼って後日対戦したところ、虫使いのような凄くやらしいキャラクターがおる事を発見した。相手にカードを捨てさせるのは、イモムシカードで、こいつらは全てブースターである。で、このキャラクターは、付けたイモムシの効果を2倍にするというキャラクターなのだ。イモムシには、大地で4以上になるようにカードを捨てろとか、炎と大地それぞれ2以上のカードを捨てろとかそんなんがある。これが2倍になるっつう事は、かなり強力だと解るだろう。
他にも、サポートカードが無ければ退却しなければならないなどのカードを使って、相手がサポートがないデッキだと1枚出しただけで簡単に勝てる。使いどころをしっかり考えれば、面白いデッキだ。

これらを駆使して、基本はドラゴンを持たれつつも、最終的には盛り返して勝つ事に成功。やった。


このグリサラス・フレンダスって虫使いのおっさんが最強にたちが悪い。なんせイモムシの能力、倍だ。今回の水に慣れたイモムシなら、炎2大地2のカードを別々に捨てろって能力だが、このおっさんの匠なイモムシテクに、4ずつ捨てろって話になるのだ。実はナウシカなんじゃないかと疑っている。「もう、虫を殺さないで!」と両手を広げる姿が目に浮かぶが、やってることはえげつない。
こいつは必ずイモムシと一緒に使うようにしよう。イヤなら退却になるので、これが出たら即座に退却するのも手だ。なぜならナウシカの攻撃値は低いので、序盤にしか出せず、自分の戦闘エリアが6枚以上になり、ドラゴン2匹引き寄せるって事は非常に難しいからだ。


この巻き返しっていう本来キンドのリーダーシップカードがピラーにはある。もう一度アクティブなカードとして再攻撃するというもので、手の平のストップアイコンゆえに1枚出したら他に何も出せないのだが、再攻撃で同じ攻撃を食らわすという非常に強力なカードだ。イモムシだろうがなんだろうがもっかい攻撃である。おーこわ。

けがわ備忘録として、手札を公開させるという蝶々のカードが2枚入っている。これは公開された手札はずっと公開されたままで、以後、補充したカードのみ通常通り裏向けに持つ事になる、らしい。えげつないな、これ。

ミミックスは、やってみると非常にバランスの取れたデッキであった。特にペア攻撃は、数値が8とかになっても対応可能という凄さ。更にフリーアイコンのついた追加で出せるキャラクターがおり、パワー勝負に持ち込まれても優位に戦える。それをサポートするのが、カード使い回し出来るリーダーシップカードやキャラクター特殊能力。捨て札になったカードを手札に戻したり、山札からカードを選んで手札に加える事が可能。これを使えば、ペアになってるキャラクターを何度でも使い回せるのだからたちが悪い。手札を回転させて、出来る限りペア出し出来るようにやれば、恐ろしく強い。ただミュータントは相手のアクティブカードが3枚以上ある時に使えるという事から、ほとんど役に立たない。3枚のアクティブカードが並ぶ事は滅多にないからだ。


ミミックスは、ペアアイコンのあるカードが多く、ほとんどのキャラクターが対になっている。同じ名前を持っているキャラクターは同時に出す事が出来、これが無茶苦茶強力なんだわ。しかも好きなカードを山札から捨て札から補充するというカードもたくさんあり、ペア攻撃を容易にしてる。

おそらくミミックスが最強であろうという説がわしらの間でささやかれている。ミミックスのいいところは、こういった特性からヴァルカよりも自分で組み合わせてる感があり、しかも恐ろしく強い事から、初心者をはめるのに最も最適なデッキだという事だ。miaがやたらとミミックスが好きで、わしゃ初期段階でしかやった事がないが、常に安心してゲームが出来るのがミミックスの良さだ。手札に必要なカードが無くても、慌てず、補充する特殊能力で引いてくればいい。


なんと、あのヴァルカがミミックスの「あなたと合体、合体したい」プレイにより、完敗。ドラゴンを1匹も引き寄せられなかった。この場をみれば解るが、ヴァルカの炎11を返してくるのだから、とんでもなく「気持イ〜〜イ」である。

次に、大地族のテラをmiaが選択。これは図体がでかくて相撲取りみたいな、おそらく見た目に大地パワーの強いヴァルカみたいな奴かと思いきや、無茶苦茶せこいデッキである。どうセコいかと言うと、同じ種類のサポートカードが2枚出たらドラゴンを1匹貰えるとか、大地を足して8以上になるように捨てたらドラゴンを1匹貰えるとか、戦闘の我慢比べにまったく関係なくドラゴンを引き寄せられるデッキなのだ。

わしは鳥族のフリット。こいつが相手を激しく苛立たせるデッキ。先にも書いたように、キャラクターは1度の使い切りだ。ところが回収アイコンがあれば、手番の最初に手札に戻してくる事が出来る。フリット族のキャラクターはほとんどこれが付いてる。つまり何度でも出てくるのだ。
フリットの基本の数値は低いのだが、数値を上げるブースターが多く、さらに全てのブースターカード(発射シリーズ)にペアアイコンが付いてると来たもんだ。不慣れなテラをこてんぱんにやっつけた。


ほとんど全てのキャラクターに回収アイコンが付いてるフリット族。中でもレイザーフェザー中佐は4−4という素晴らしい能力を誇る。回収アイコンは、手番の最初に回収するかどうか決めるので、相手が退却した場合は使い切りになるが、自分が退却する時は手札に戻して退却することが出来る。

ところがこのフリット、使いこなすのが難しい。なんせ最強キャラクターの中佐(フリット族は階級があるw)でさえ炎4大地4しかない。ほとんどは2の数値しか持たない。勿体ないので回収ばかりして使ってると、手札が一向に変わらず(手札は補充フェイズに6枚になるように補充するので回収してると減らないので補充出来ない)、まったくお手上げ状態になるのだ。ペアで出せるブースター(発射シリーズ)を使いまくって追い立てないと勝てない。ただ、フリーアイコンではなくペアなので、2枚までしか出せないので、絶対値が不足しホゾを噛むケースがよくある。

不要カードは回収せずさっさと捨て札にして発射カードを引き寄せ一気呵成に攻めたい。ミュータントはしばいたろかというくらい使えない。戦闘エリア、サポートエリアにカードがない限り使えるというもので、こんなんフリット族の回収でないと使えないのだ。ミュータントは場が熟してたきた頃使うのが上策であるのだが、フリットのミュータントは、場が熟す前に使わなければならない。何故ならブースターなどを使ってもカードが戦闘エリアに残って使えなくなるので、数値の低いキャラクターでのみ戦っていける状況でしか出せないからだ。

テラは、見かけによらず姑息な感じがとてもいい。後日、テラで、ミミックスを撃破した。強力なのが先に書いたドラゴンを引き寄せるカード。これはヴァルカでも同様のカードがあったように、8捨てるのは勿体ないと思うかも知れないが、8くらい通常の戦いでよく使うので、1匹確実に引き寄せるのは大きい。どうせ手札は補充されるので、タイミングを計って使いたいところだ。


テラは基本的に大地が強い。ヴァルカの大地版というイメージだ。ただ、元々のパワーがヴァルカほどは高くないので、ヴァルカにないような特殊カードを使ってドラゴンを引き寄せたい。

なんつってもテラがヴァルカに勝るのは嵐シリーズのサポートカードである。こいつが2枚以上アクティブになり自手番の開始を迎えると、ドラゴンを1匹引き寄せるというもので、一旦2枚出されると、次々にドラゴンを引き寄せられるという悪循環となる。1枚出たら上手いこと吹っ飛ばすなり、退却するなりしたほうがいいだろう。しかもこの嵐、攻撃力のフォローまであるので使えるカードなのだ。しかしテラの最も強力なカードは、地震誘発というリーダーシップカードで相手の戦闘エリアにあるカードを全て捨て札にするというとてつもないもの。MtGで言えば神の怒り+ハルマゲドンだろう。テラは相手に制限を課すカードが多い。その分直接的なヴァルカよりもやりごたえのあるキャラクターかも知れない。

※アクティブというのは、次の手番のカードを出す時点までがアクティブで、普通キャラクターカードとブースターカードは次の手番にカードを出すときに非アクティブになって下に重ねられる。サポートカードはその戦闘中ずっと有効なので、嵐カードが複数そろうと、毎回ドラゴンを引き寄せられる訳だ。

キンドは、子供族という設定でギャングアイコンがある。同じギャング団同士だと、キャラクターに追加して出していく事が出来るのだ。キャラクターの数値は低いが、次々に加算されていくのでうっとおしい事この上ない。また一気に出す事も可能で、いきなり戦闘エリアに4枚のキャラクターカードを出すこともよくある。このキンドも使い方はミミックスと似ており、捨て札再利用や山札からカードを選んで手札にしたり、なんといっても強力なのは手札を9枚にするというカードである。これを使えば、同じギャングを簡単に揃えてガンガン出せる訳だ。


頭に団名が付く。ノー団、クール団、トップ団、ファン団がいる。ノー団はキャラクターは多いが、特殊能力はないなど、ギャング団によって特性がある。ギャングは数値の下のGアイコンの色によって区別される。こいつらは、ブースターなどが無ければ同時に何枚出してもいいし、徐々に1枚ずつ追加で出してもいい。右にみえるミュータントはゲーム中随一の気持ち悪さだが8-8の能力の割に使いやすさはNo1。ミュータントは全て数字にシールドアイコンがあり、数字が低くても宣言出来る能力がある。

他にもうっとおしいのがあって、相手の偶数の数値を0にするとか奇数を0にするとか、手札や山札から1枚捨てさせるという特殊能力を持つクール団のキャラクター。これらも全てギャング団に属しているので、順番に出されると毎回有効となって、腹立たしい事この上ない。奇数0,偶数0なんて、両方有効なら、どうあがいても通常のカードだけじゃ退却しか手段はなくなる。

トップ団の能力もかなりイヤな能力で、相手に手札を捨てさせたり、アクティブなカードを捨てさせたりするキャラクターがいる。同じく毎回出されると毎回、それをやられる羽目に陥るのだからたちが悪い。miaは最近、これを非常に気に入って使っている。キンドは、ミュータントもゲーム随一の使いやすさで、相手がドラゴン駒を1匹以上持ってる時に使えるといったもの。こんなケースはよくありえる。素晴らしい!


クール団の色々と0にする攻撃が始まっている。これが全て決まれば、相手はお手上げ状態になるので、この攻撃を食らった場合、全力投球せずに、ほどほどに使わせて退却するのがいい。ただキンドは良くも悪くもギャングキャラクターが全てなので、ブースターが存在しない為、攻撃力の最高値は低くなるのが欠点。

アクアは海棲族で、海のモンスターが描かれている。アクアには保護アイコンのついているカードがたくさんある。保護カードはほぼどんな事柄からも、例え上記のキンドの0にする能力からさえも保護される。しかも自分のブースターとかの能力は活かす事が出来るという、いいとこ取りのアイコンだ。マジックのユーザーなら「それ強すぎちゃう?」と思わずクレームが出そうなアイコンだ。


アクアには兜アイコンの保護があり、こいつは敵の特殊効果を一切受け付けない。ドラゴンの横にある部品は、炎と大地を示すために適当に持ち出してきたもので、あまり気にしないで欲しい。先に書いたようにタイルを作るのが一番使い勝手がいい。

ところがアクアは意外と使いにくいキャラクターである。それは攻撃値の総数が他のキャラクターに比べてかなり低いという事だ。個々の攻撃値をみると5とかもあり強く感じるのだが、炎と大地の片側偏重となっており、もうひとつは0である事が多いのだ。それがキャラクターのみならずサポートやブースターカードでもそうだから困る。自分の目論み通りの値で勝負となれば、保護アイコンと相まって非常に優勢となるのだが、逆サイドを攻められるとほとんどお手上げ状態となる。

一旦使ったカードも捨て札を山札に戻す不死の水というカードを使えるので、フリーのサポートカードやブースターカードが多いのを活かして意味もなく(場合によっては0であっても!)ガンガン使って6枚以上にして勝ちきるパターンがいいだろう。特に強力なサポートカードは、毎ラウンド、相手にキャラクターカードを捨てさせるセイレーンの魔性の歌声である。他に洪水カードが2枚揃えば相手に退却を余儀なくさせるカードや、次に出すカード1枚をフリーアイコンにする陰と陽という2枚の強力なキーキャラクターを上手く使って、一気に場を6枚以上にして使いたいところだ。
ミュータントは相手より手札が2枚以上少ない時に使えるといったもので、相手が手札を増やすホアックスやキンド以外ではあまり役に立たない。相当むかつくカードだ。けがわ曰く、ゲームの最期に使えるよとの事。確かにそやな。


陰の特殊能力を使って一気にサポートカードを並べたところ。アクアのサポートカードにはフリーアイコンが多く上手く使えば一気にたくさんの枚数を出してドラゴンを2匹引き寄せる事が出来る訳だ。

なんせアクアは、手札が停滞すると苦しいだけで、何することもなく負けてしまう。ひたすら手札回転を念頭に入れなければ、どうしようもないのだ。ケチケチの関西人にはフリットとアクアは上手く扱うのは難しいかも知れない。

後日、久しぶりにヴァルカとホアックスでやってみた。
そうすると、あんなに厳しかったホアックスでもヴァルカに対抗出来る戦いが出来るようになっていた。慣れとは恐ろしいもので、「ホアックス、結構強いやん!」と思うようにすらなった。特に5枚カードを引く軍団召集ってのと、相手の特殊効果を全て無効にする言論統制というリーダーシップカードが強力である。また出張組のフリット族の能力が素晴らしく、リセットする手段がミュータント、謎の鎧と併せて3枚もあるのはかなり使える。ヴァルカに対して、散々カードを使わせてこれでリセットして勝つパターンを発見した。
最初のラウンドで12枚のカードを使う大接戦となったのはそれだ。


謎の鎧は炎にシールドアイコンがあり、フリット族出張組のハンクは、フリット族以外のキャラクターカードを無視するという、凄まじいカード。つまりほとんどの相手キャラクターの数字を0に出来るのだ。これって、フリット族に返してあげた方がいいんちゃう? こいつと攻撃力のあるサポートかブースターカードを組み合わせて使えば、(相手のキャラクターは0になってしまうので)サポートかブースターカードで補うしか方法がなくなる。キンドやミミックスのようなキャラクターしかないようなデッキでは必殺のカードと言える。

かたやヴァルカは相変わらず強力で、大変動でサポートカードを捨てさせたり、炎の数値を2倍にして14とかで攻撃も出来たりとサポート体勢も万全である。ホアックスにとって最も手強いカードは、リーダーシップカードを使えなくするゆらめく炎というサポートカードである。ホアックスは相手次第でリーダーシップカードに必殺となるカードがかなり含まれているので、それを封鎖され手札に残るというのはとても痛い。

慣れると、この組み合わせは全然悪くない事が解る。なんか弱いというイメージしかなかったホアックスがかなり気に入る種族になった。

むしろヴァルカは、ミミックスのようにあまりサポートやリーダーシップカードを持っていないデッキに対しては、やや分が悪いとすら思えるようになった。ヴァルカのデザインはホアックス戦に対抗して最も力を発揮出来るように調整されているようにすら感じる。ヴァルカ最強説から、慣れてしまった今となっては、ヴァルカは通常の強いデッキのひとつとして考えている。むしろホアックスの方が様々なデッキに対抗出来るかも知れない。ヴァルカの最も嫌なカードである、ゆらめく炎がないからだ。

これら8つのデッキは完全に最初からデザインされているが、更に追加デッキとして侍のようなブカと、追加カードセットが2つ発売されている。ブカについては、和訳がまで出来ていないみたいなので、後日やってみてレビューしてみたいと思う。新しいアイコンが追加されているらしい。

mixiでも書かれていたが、最初は、このゲームのおもしろさを解って貰うために、ミミックス、ピラー、キンドを勧めたい。これらのデッキはカードのコンボを十分に機能させ、プレイヤーに”やってる感”を与えてくれる。一度、はまってしまえば、他のキャラクターでやっても大丈夫だ。存分にキャラクターの特徴を活かして戦っていける。

ゲームに最終的に勝つにはクリスタルという勝利ポイントを5ポイント先取する。クリスタルは1ゲーム終了した時点で、ドラゴンの数+1点が勝者に与えられる。ドラゴン3匹なら4ポイントだ。つまり最低2ゲーム行わないと勝負はつかない。注意が必要なのは、ドラゴン3匹持ち更に勝った場合(つまり都合4匹引き寄せる意味になる)でも、3匹引き寄せた状態で手札なくなり終了であっても貰えるクリスタルは4個だという事。ちなみに0匹の場合は、最初に手札を使い切った方が負けである。

所要時間は正式ルールのクリスタル5ポイント先取制で60分かかる。ワンサイドゲームならば30分ぐらい。1ゲームだと20分ほどだ。

miaのコメント

面白い! 一時、使いこなせない時は嫌だったけど、キンドとかミミックスで使い方が解ってきたら楽しくなってきた。

TAMのコメント

30枚のカードでここまで熱くなるゲームは久しぶりでした。
お盆にあきおさんとプレイしましたが、あの後用事がなければず〜っと朝までプレイしていたと思いますw
デッキ構成のゲームなのにMAGICの様な「引き悪ッ!」くて腹の立つ事がない点が特に素晴らしいと感じました。
スカラベロードの進化版と言う評価も的を射ていると思います。小遣いも考えずすぐ購入(全種族含めてw)してしまうくらい面白かったです。

ソマーリオ

最初はバランスのへんてこさに唖然とした。なすすべもなく負けてしまうのだから。ただ慣れてくると、その危ういバランスも作戦のうちと思えるようになってくる。というよりなすすべもなく負ける事に対して抵抗がなくなる。最初は「ゲームになってへんやん!」と思うのだが、もっと大きな目でみるとゲームになってるのだ。すぐに取り返せる事が出来るというのを感覚として理解するために何度かやる必要がある。そうなると俄然面白くなってくる。また全然使えないカードばかりきて、どうしようもないやん! というケースが多々あると思う。その場合、後々までカードを大切にしないで、意味があまりなくともばんばんとリーダーシップカードやブースターカードを使うべし。そうすると手札が回転するので、戦えるカードがくるようになるのだ。この技を習得しないとホアックスで、ヴァルカは破れない。

確かに一見すると、MtGとそっくりなように感じるが、実はクニッツィアが昔から手がけているゲームデザインであると解るだろう。数比べというのはクニッツィア根底のデザインにある。例を挙げるまでもなく、たくさんのゲームで数比べが行われている。よく、クニッツィアテイストのMtGと表現がされるが(パクったとまでも言われるが、コンボ主体ではないのでまったく違ったプレイ感だ)、いつものデザインだなと思う。特殊効果カードが異常に多いが、考えてもみると指輪物語対決で使われているのは、このブルームーンのデザインによく似ている。元の数値があり、魔法カードで強化したりする。それはブルームーンで、キャラクターカードにブースターサポートカードを付けるのと同じだ。

MtGに比べて、不思議と負けても腹立たしくないというところがある。なんせMtGは負けたら無茶苦茶腹立たしい。ブルームーンは何故かそういう事がない。もうひとつ良いところは、カード構成が30枚なので、キーカードを思った以上に引いてこれるという事だ。あのカードがあれば! なんて思っても上手くやればすぐに引いてくる事が出来る。たった1枚しかないのに、不思議な引きを感じる事が出来るし、それを期待して戦術を練る事も出来る。これは非常にやってる感があっていい。

※MtGの腹立たしさの要因は、そのコンボ主体の特性のように思う。コンボでないとまったく役に立たないカードがごまんとある。例えば、時の精霊などおそろしくコストが高いくせに、出来る能力は手札に戻すだけとかなり弱い。恐怖や稲妻など吹っ飛ばせるカードの方が強いくせにコストは無茶苦茶安い。つまりコンボでないと使えないカードでデッキを組んだ場合、それが勝てる為の唯一の戦略となる事が多く、当然、引けないとイライラする。やたらとコストが高く、しかもカードは手に入りにくいレアカードばかり(シングルで買うとやたらと高価だし)で構成するのだから。それがMtGのデッキ戦略というものだが、ブルームーンは、その点プレイ感はまったく違うのだ。


ちなみにこれが英語版のパッケージである。ドイツ語版に比べてあまりにもダサイ。なんで同じのを使わんかったんやろうか。

キャラクターにはやりごたえがあって、非常に楽しいゲームだと思うのだが、欠点はゲームの終了条件だろう。なんかグダグダになって、今までせっかく頑張ってきたのに、意味もなく負けてしまったりすることがある。
手札を使い切ったら終わりなので、それまでは例えキャラクターカードが手札になくても、ゲームは続く。例えば残りの手札が4枚となってキャラクターが1枚も無かった場合、相手攻撃、退却で1個、自分カード3枚捨て(スタートプレイヤーはカードを3枚まで捨てて交換出来る)相手攻撃、退却で1個、自分カード1枚捨ててゲーム終了。で、2個も意味なくドラゴンを引き寄せられてしまう事態に陥る。特に手札を最後まで使い切ってゲーム終了となる場合は、クローズゲームとなった場合で、せっかくの白熱したゲーム展開もこんなんで負けてしまうと「なんじゃ、こりゃ?」となる。

これとよく似たパターンで、キャラクターがなくて退却というケース。最低限、その戦闘に勝つ場合はキャラクター1つは残しておかねばならない。そうでないと、全力を出して勝ったはいいが、直後の戦闘でキャラクターがなくすぐに退却せざるを得なくなってしまうアホらしいケースが出てくる。ブースターやサポートカードを温存しておくのも失敗するパターンだ。最期にキャラクターがなくなってこればっかりになると、何も出来なくなるので、カードをバランス良く使わないと駄目だ。これがあるから非常におもろいゲームなのに他人にあまりお勧め出来ないのだ。

このゲームは元々スカラベロードから派生させたゲームらしいが、クニッツィアにしてはどうにもバランスが荒削りだ。キャラクター同士の相性も悪すぎるのもある。そこらへんはTCGのようにデッキ構築をすればいいのだろうが(そのルールも織り込まれている)、やはり上記の終了条件があまりにも悪く感じる。カウンティングをしとけって話になるのだ。わしゃ、カウンティングは嫌いだ。またゲーム時間もまともにやれば1時間以上も掛かってしまう。二人プレイ専用だと30分で終えたいところだ。クリスタルの条件を変えれば済む話だろうが、バランスとしてはよくワンサイドで4ポイント取られてしまうのがある。4−0からの逆転はそれほど難しくないので、やっぱり5ポイント先取が理にかなっているのだ。


全拡張セット。一番下の左右2つ(黄色と緑色)は、デッキではなく追加カードである。ここにTCGらしさを出している。

こんな風に悪いところをあげてはみたが、楽しいゲームである事は疑いない。一時はまって、毎日のようにやった。さすがに時間が掛かる事から、毎日とはいかなくなったが、それでもかなりの確率で勝負している。二人用ゲームとしては1時間を越える場合もあるのだが、何故かお気軽に出来る感覚があるのはいいところだ。1ゲームだけなら20分くらいで終わるからだろう。ゲームの性質上、MtGみたいに無制限に追加を出すってのは難しいだろうが、これだけのセットがあれば、組み替えたりして何度も楽しめる。最初、アメリカンテイストな危ういバランスを持ったクニッツィアにしては異色のゲームと思ったが、よくよくやり続けていると、あくまでクニッツィアらしい数比べを基本としたゲームである事が解る。

コンポーネントに関していえば、絵は非常に独特でなかなかに芸術性があっていいように思う。特にミュータントの気持ち悪さはなんともいえない感じがする。だが、内容物に一言いいたい。クリスタル駒と炎、大地のタイルはつけとかんといかんやろ。クリスタルなんて、最初からルールに5ポイント先取と書いてるんやから、用意しとけっての! 炎、大地は絶対に忘れるからタイルつけとけって。

特殊カードによるルールの曖昧さがあるが、解らなければ、無料PCゲーム(WindowsとLinux版)MAC版があるので、そちらをやってみればどういう事か解るだろう。MtGと解釈が違うところがあるのでMtGユーザーは注意すべし。例えばMtGでは、あくまで数値はそこに書き込まれたかのようにカード本体として扱うが、ブルームーンは、あくまで追加修正された感じに扱うようだ。
例えばキンドの相手キャラクターの奇数の数値を0にするという能力と、アクアのキャラクターカードの数値が7になるというブースターカードでは、どちらが優先されるか? という問題は、マジックでは0だろうが、ブルームーンでは7は実際に書かれていないので(元のキャラクターがもちろん偶数の数字だとして)7になる。

同じテーマでもシステムが全然違うブルームーンシティはボードゲームとして出され、こちらは2006年度ドイツゲーム大賞にノミネートされている。

その後、やりこめばやりこむほど楽しい。さらに評価をあげて最高級のに変更する。ただし、楽しさを解るようになるまでは、何回かやらなければならないゲームなので、万人には勧めにくいゲームである。楽しめるようになるには、まず同じデッキで2戦やる。それからカード内容を読み直す。どんなカードがあるか大体把握しておかないとつまらないゲームなのだ。「こんなカードがあるんやあ、ふーん」と手なりでやってはいけない。それからやってみれば、戦い方が解ってきておもろくなってくると思う。デッキの交換はそれから2回ほどやってから同様にやればいい。なんせとっつきの悪いゲームなので、楽しさを理解するにはちょっと時間が掛かると思う。

ブカ

基本8種族の後、非常に特殊なキャラクターとしてブカの侵攻デッキが出た。こいつ用に2種類のルールが追加されており、ブカの為だけにそのルールを覚えなくてはいけないというスペシャルデッキである。

ひとつはシップ(船)カードの登場。これは影響カードで、リーダーシップカードの代りにプレイ出来る。プレイしたらリーダーカード置き場とは逆サイドに置く。
一旦置かれたシップカードの上には、サポートカードを置く代りに手札からキャラクター、ブースター、サポートカードを1枚置くことが出来る。これを搭乗と呼ぶ。


シップカードはリーダーシップと逆方向に影響カードとしておく。その上にカードをおいておき、まとめて攻撃しかけることが出来るのだ。

こうして置かれたカードは手番の開始時にシップカードごと、あたかも第二の手札のように一気に場に展開させる事が出来るのだ。これを上陸と呼ぶ。注意しなければいけないのは、上陸したら手札からはカードを1枚も出せない(リーダーシップカードは除く)ところだ。シップカードに載せたカードで、パワーを宣言するのだが、その場合キャラクターカードはフリーアイコンを持つものとして扱える。つまり、キャラクターを載せて載せて、一気に上陸させると強力なパワーを宣言出来る。シップカードは上陸後、捨て札にする。

もうひとつはブラフアイコンである。ブカのキャラクターカード18枚にブラフアイコンが付いている。使い方はサポートカードを置く代りにブラフアイコンを持ったカードを裏向きにサポートエリアに出す事が出来る。このようにして出されたブラフカードは今争っているエレメント2、もうひとつのエレメント0というサポートカードのような効果を持つ。つまり今、炎で勝負している場合、炎2大地0のサポートカードと同じだ。エレメントが変更したら即座にブラフカードも変更される。先の場合だと炎0大地2となる。

※ブラフカードは3種類あり、炎3枚、大地3枚、無色12枚となっている。

で、パワーを宣言する時に、対戦相手はブラフ宣言をしてもよい。ブラフ宣言されると、ブラフカードを全て表向ける。そこで現在争っているエレメントではないブラフカードを1枚でも使っている場合、はったりがばれたという事でドラゴンを1頭呼び寄せられ、さらに退却をしなくてはならない。退却によるドラゴンも引き寄せられるという厳しい罰則だ。
全て現在争っているエレメントならば、逆に自分がドラゴン1頭引き寄せる。その後、ブラフカードは全て捨て札となりゲームは継続して、相手は残っている数値以上のパワーを出せばいい。


ブラフアイコンは?マークの色が3種類ある。出すときは通常どおりだしてもいいし、裏向きにブラフとして出してもいい。

ブカはサポートやブースターカードがほとんど入っていないので、ブラフカードで補強するというイメージである。
基本は、正しいブラフを行い、よっぽど困った時に真のブラフとしてパワーを稼げばいい。

シップカードは新しいリーダーシップカード、ブラフは新しいサポートカードというイメージでやればいいだろう。実際に、サポートカードを出せないなどの特殊効果は、ブラフとして出す場合影響を受ける。

やってみると解るが、ほとんどがブラフカードとなっている為キャラクターカードが非常に多く、キャラクターに困る事はない。ただし、数値はそれほど高くないので、ブラフとしてサポートさせないと全然パワーを稼げないのだ。
それよりも困るのが、手札回転率の悪さである。毎手番、キャラクターカード1枚で終りなんてケースがよくある。手札にどっちゃりキャラクターだけしかないのだ。リーダーシップカードも異常に少ないのでそれに輪を掛ける。

ブカが手札回転を上げる方法は、シップカードしかないのだ。シップカードを出せば、最低でも毎手番、2枚を減らす事が出来る。シーデビル号は、出した途端3枚まで一気に搭乗させる事が出来るので、手札が猛烈に回転する。

ブカはこのシップカードを使って一気にパワーを出さないと、勝ちきれないパターンが多い。何度かやったが、序盤はかなり優位に展開させる事が出来るものの、後半にあっちゅう間に盛り返されて、ドラゴンどちらも0頭で、ブカのデッキが尽きて負けというケースが非常によくあった。シップで躊躇せず一気に攻めて、ドラゴン3頭+αでゲームを終了させるつもりでないと勝ちきれない。


ブカのミュータントに値する古のグ・ラーは影響カードがない場合に使える。自分でどうするか出来るのだが意外とタイミングが難しいカードである。

ブカの天敵はなんつうても、ミュータントである。相手がミュータントを出せる条件は絶対に覚えておかなくてはならない。シップで一気に決めようと思っても、ミュータント一発で無駄になるし、それよりも恐ろしいのはブラフの存在である。こちらが正しいブラフを仕込んでいても、ミュータントでエレメントを変更されると、ブラフになってしまう。相手は当然、ブラフ宣言をしてくるだろう。そうならないように手番の最初に好きなだけ場のブラフをほかす事が出来るが、ミュータント1枚での損失は、他のデッキと比べようもないくらいでかいものとなるのが解るだろう。他のデッキ以上によっぽど注意しておかないと駄目だ。

ブカのミュータント(ではないが同じ効果)は、影響カード(シップカード)が場にない時なので、簡単に使える事が出来るかと思えば、攻勢をかけたいときは使えない、なんてカードだったりする。悪くはないが。

なんせこんなデッキだからブカは戦略の幅が広がり、非常にやり甲斐のあるデッキとなっている。実のところまだ勝ちパターンが見えず、勝率はかなり悪い。ただ負けてもいつも善戦できるので、あまり負けた感がないのが特徴である。上手く使いこなせばかなり楽しいデッキなので何度でもやりたくなる。4−4の回収アイコン付のアリオサ・パール艦長と、シップから上陸させると戦闘エリアカードを全て吹き飛ばすモラ・マーン艇長はかなり強力なカードである。モラ・マーンなんかは、カードをたくさん使っている時に出されると非常に嫌なキャラクターである。上手く使いこなそう。


戦闘エリアに出てるのがキーカードのアリオサ・パールである。何度も出てきて相手を悩まさなければブカで勝つのは至難の技となる。


シーデビル号とモラマーン。一気に強襲をかける。シップカードはすぐに捨て札になり、この手番に使わなかったカードも捨て札となる。

追記 2014/04/29

ブルームーンのこのレビューは、デッキをやっていくにつれて徐々に自分自身の鍛錬をした事になって、各デッキの評価が当時とごろりと変わっている。

ブルームーンレジェンドとして全セット入りの日本語版が発売された今、私的な強さの順番を書いてみる。もっとやりこんでみると評価が変わるかもしれないが、今のところこういった強さかな。異論は認める。

ブルームーンレジェンドは、また別の機会にレビューしてみようと思う。内容はコンポーネントの話だけになる予定。
ホアックスは日本語版ではホークスと訳されているが、ホアックスと呼び続けた今となってはホアックスと呼びたい。

ミミックス ≧ ホアックス > キンド = ピラー = ヴァルカ > テラ = ブカ > フリット >> アクア

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