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Reiner Knizia
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Schmidt
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2〜4人
25分
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ロンド
駿河屋で購入
プレーヤーは、様々な色のコマをゲームボードのマスに、できるだけ多くの得点を獲得できるように置いていきます。 ゲームボードには、様々な色の数字が書かれており、これが獲得できる得点になります。
ただし、対応する色のコマのみ、得点にすることができます。対応する色のコマを持っていない場合、コマを裏向きにして置くこともできます。
この場合には、得点を得ることはできませんが、次のより優位なマスに早く到達でき、得点できるようになります。 最後に最も多くの得点を獲得しているプレーヤーが勝ちになります。
ルールブックより
プレイ感
2012年にくにちーが、ロンド、秦、エルファーラウスボードゲームと手軽に楽しめる大箱ゲームを発表した。最近のくにちーにはちょっとうんざりしてたので完全にスルーしてたが、ネット上の評判はなかなかで、短時間で出来るってのと2人でも楽しめるというので徐々に欲しくなってきた。ロンドと秦はよく似てるという話だったのでどっちかでええかなと思ったら、タナカマが全然違いますよという事で、2つとも買う事にした。
まずは見栄えのするロンドをmiaとやってみることにした。
ルールは非常に簡単。手番に手持ちのタイルを1つ以上配置して1枚補充するか、タイルを配置せず、2枚補充するかだけ。タイルの配置は、既に置かれたタイルに接するように配置しなくてはならず、同じ色の数字に配置することで、その数字分得点が入る。配置するときなら、まとめて同じ色のタイルを配置してもよく、その場合はその数だけ得点が入る。同じ色のタイルがなくても、裏向きに配置する事も出来るが、この場合は得点できない。
このようにして、灰色のマスが全て埋まるか、補充してくても補充できなかった場合に、そのラウンドの最後まで終えてゲーム終了。得点が一番高いプレイヤーが勝ち。
タイルの絵が描かれている中央部がスタート地点で、最初はここにつなげるようにしていく。
真ん中は最初からタイルが置かれてる設定で、ここからスタートする。
最初は2枚だったので、2枚補充して終了。miaも同様。
手持ちタイルは4枚で、最大5枚までしか持てないので、ここで使わないと損をする。
タイル置きが非常に良くできている。5枚までしかもてないので、次は必ず置かなければならない。
わし「じゃ、こことここに2枚を出して、4点」
mia「えー、3枚も出せんの? じゃ、わたしもこことこことここで6点」
なにぃ! これようみたら序盤点数低くて損やんけ。アシストしてしもうた!
この最初の一発でこれが高度な陣取りだと悟る。
手持ちタイルの最大は5枚までなので、最大でも5マス向こうしか得点できない。
さらに高得点ゾーンには複数枚置きたい。そうなると距離は短くなる。
破壊力をあげようとすると近距離を狙うしかなく、長距離は破壊力が少ない。
スタンドや!
とまあ、そんな上手いことはいかん。
狙ったとしても、なかなか合うタイルがこなかったりするのだ。
このようにピンク3枚はピンクの高得点ゾーンがあれば超強力でスタープラチナみたいに「オラオラオラオラオラァ!!」となるがそれにつながるタイルは赤1枚だけなので近距離にピンクの得点がないと駄目なのだ。
このゲームのポイントはずばり、タイル1枚あたり平均何点獲得できるかだ。
目指す高得点にたどり着くために、合わないタイルを裏向けに配置して、たどり着いたところで意外と点数は伸びなかったりする。裏向け配置は0点だからだ。
またこの得点マスの配置が絶妙に出来てて、最高点の5のマス周りは1とかしょぼい点数だらけだったりする。
確かに一見するとただの点数の取り合いなのだが、ここで相手との高度な駆け引きが要求される陣取りゲームなのだ。
ここまで解ると配置されたタイルの色から相手の手持ちタイルを想定して、何を狙っているかを読んでいくことになる。
相手にアシストしてはいけない。そして虎視眈々と大物狙いをする。
わしがスタートプレイヤーだったので、必ずゲームの終わりはmiaだ。交互に手番を繰り返すので、点数と手持ちタイル数で、どちらが勝っているかよく解るようになっている。
灰色のマスがすべて埋まればゲーム終了。ほとんど終盤である。
今回はわしが終始ビハインドで、点数は進んでいく。
ただビハインドといっても、かなりのデッドヒートである。ここはマスの配置が絶妙だからだろう。
結局、最後の最後まで勝負は解らなくなった。
残る灰色マスは1マスのところで、わしが灰色マスを含めた勝利を確定させる1手を打ち込む。
この最後の手番、miaはどうあがいても高得点マスが残っておらず、わしの得点にたどり着くことは出来ない。
mia「1点差かあ、悔しい! もっかい」
所要時間20分
1点差なんとか差しきった。2人やと非常に接戦になる。
そして2回戦目は、miaが先攻。
2回戦目は、常にタイル1枚あたり、どれくらいの点数が取れるかを意識してゲームを始めた。
そうすると、思いっきり点差をつけられる。
あかんやん!
これはやっぱりそうではなくて陣取りなのだと考える方がわしには合っているようだ。
如何に相手より有利な場所を抑えていくか。
後攻のわしがmiaの点数を抜くことがまったく出来ないまま、終盤を迎える。
わし「あかん、負けたな、こりゃ」
mia「いやいや、わかんないよ」
そしてまたしても終了条件の灰色マスが1つとなったとき、わしはほとんど負けを覚悟した。
どうあがいても追い抜くことは出来ん。
わし「しょうない。ここは2枚補充して最後の賭けにでる」
mia「じゃ、こことこことここに置く」
わし「よし、勝った! 実は引いてたのよ」
mia「えー!!」
miaのコメント
さすがはくにちー。安定した面白さ。
ソマーリオ
ルールは簡単、しかしプレイは奥深い、という昔のドイツゲームを現代に復活させたかのようなゲームに再び巡り会えて嬉しくなった。最近のくにちーは、クゥワークルのもろパクりのゲームを出したり、焼き直しばかりでわしの周りで偽物説が出るほど駄目駄目でいけてなかったが、これは非常に良い出来だった。
こんな簡単なルールなのに、ジリジリとしたジレンマがあり、考え込んでしまうほどの奥深さがある。考えるといっても、手持ちタイルは所詮5枚に制限されているので、長期的な見通しはできず、運の要素がバランス良く組み込まれているので、ゲーム初心者でも熟練者と同等の戦いが出来るようになっている。
コンポーネントは、見ての通り、特殊な丸いタイルが大量に使われており、それを受け止めるホルダーも丸形にきちんと収まるように処理されて文句のつけようがない。これがドイツゲーム大賞に推薦リスト入りすらされていないのは明らかに大賞審査員のミスとしか言いようがない。なんとなくクゥワークルに似てるところがあるから漏れたのかも知れないが、大丈夫か?
2人プレイだと差がほとんどつかないデッドヒートとなるが、4人プレイとなるとトップとの差が広がる可能性はある。このゲームの唯一の懸念事項は、一度、差が広がると、もう詰め寄ることが出来ないかもという事だ。まあ、実際やってないので解らないが、派手な得点シーンがあまりない事からそんな感じがした。
ただこれはオーソドックスな作りのボード表面だけの話で、まだやっていない裏面ではもっと派手な展開が出来るように点数が配置されているらしいので杞憂に終わるかも知れない。
相手のタイルを利用して得点していくというのは、頭脳絶好調やクゥワークルでも使われているシステムである。この2つがインフレ傾向で後半になれば爆発的に得点が伸びるのに対して、ロンドはあくまで繋げるシステムだけを利用しており、点数が伸びる訳ではなく、良いポジション取りのための短期的作戦に終始しているのが特徴となっている。
シンプルなルール、僅か20分で終わるゲームなのに、しっかりとゲームを遊んだ感があり、こういったゲームは希有だ。そういった意味でもこのゲームはに相応しい。
また長期的戦略をたてられないおかげで、やや考える場面はあるもののプレイ感は軽く、何度やっても疲れない。大体、カルカソンヌに代表されるようなタイル配置系は疲れないのが多く、夫婦やカップル同士でやるのに非常に向いているが、このロンドも同じくヘビーローテーションされるタイプのゲームだ。
秦はまだやってないが、ゲーム中級者以上には秦の方が面白いという評判もきくし、くにちー、久々に甦ったなという会心の一作だった。ビッグファイブなんて作らずにこれを最初から出してれば良かったのに。