Klaus- Jurgen Wrede

Hans im Gluck

2〜5人
45分

カルカソンヌ

ルール説明



古代ローマ時代、フランス南部に要塞都市カルカソンヌが建設された
街の名前カルカソンヌは、カール大帝がこの都市の攻略をあきらめ退散するときに、当時街を治めていた女性カルカス (Carcas) が勝利の鐘を鳴らした (sonner) ことに由来する。

※2010年現在、すでに拡張セットが11までと大量に出ているが、全てのセットを混ぜるととんでも無いロングゲームになるので、適当に気に入った拡張を入れて楽しむのがいいと思う。またカルカソンヌコンパクトってのもあるが、こちらはタイルの大きさが違う為、拡張を継ぎ足す事が出来ないので注意。

プレイ感

タイルを引く。そのタイルを繋げるようにして配置する。
今置いたタイルに自分のコマを置く事が出来る。置ける場所は、同じタイルでも分かれてて、街、道、草原、修道院のどこかになる。
置いた場所が完成形になったら、得点となりコマが戻ってくる。
最後のタイルを配置して最も点数の多い人が勝ち。


二人でもおもろいと評判なのでTAMと二人プレイした。


最初はこんなに小さな土地だ。左が得点ボード。

次々に街が出来上がっていく。開始5分で二人共「おもろいやん」と声が上がった。

やっぱり何かを作る楽しさってのは人間の本能やと改めて認識した。のっぽさんもそら色々作るわな。

初回のプレイでは、いきなり大都市完成の予感。一人で独占してると、TAMが横っちょから割り込もうと一生懸命。

このゲームのルールでは同じ都市には置けないがまだ、確定してない場所には置ける。その後でくっつけてしまうのだ。同数なら二人共得点出来るが、多数を占めてるプレイヤーがいると単独で点数が貰える。ので、確定していない場所を作り、そこから自分のコマを送り込む戦法が有力なのだ。

「繋がってるからあかんで」
「あ、そっか」

それからしばらくしてまた同じ都市に置こうとするTAM。

「繋がってるからあかんって言うてるやろ」
「あ、すんません」

懲りずにまた置こうとするTAM。

「あっかーんつうてるやろ!」
「あ、すんません」
「お前は高橋かーーー! おっといけね、本名出しちった」

ようやくTAMもルールを理解したらしく、2つ目を送り込むのに成功。


悔しいことに、送り込んで来やがった緑TAM。わしもすかさず正面に青を送り込む。この時点ではまだ城塞に繋がっていないので置けるのだ。ちなみにその横の緑は城塞じゃなくて草原に配置している。

くっそー、分離出来るタイル引けー!

と思ってたら「ほい、合体」とTAMが合体するタイルを引きやがった。

ちきしょー!!

腹立ったので、密かに俺は3つ目のコマを送り込んで合体させていたのだ。

それに気づかないTAM。阿呆やのお。


超巨大城塞都市キングクリムゾングローリー(?)に発展しかけ。見事に3つのっかってる俺様の青コマ。この時、俺様は引いた。全ての終焉にして最強の城塞都市カーレを! このワンピースは小さな一片だが、わしにとって大きなワンピースだ。

そしてとうとう、時はきたれり!!

「ほんじゃ、俺だけ得点な。えっと42点と」

「な、なんでですか!」

「ほら、わしここ3つ目」

「き、きたねー!!」

「ぎゃはははは。おろかー!」


完成した超巨大都市キングクリムゾングローリー! ふう、何時気づかれるかと冷や冷やしたぜ。

それからぐるぐるぐるぐるTAMを周回遅れの周回遅れに打ってとり、ぶっちぎりの勝ち!

所要時間60分。考えてやったんで時間かなりかかった。


これが最終形ね。

「もっかいやりましょ!」

そして今度は早回しで。

「阿呆、どこに配置しとんじゃ。ここ、ここ。ここに置けって」
「イヤですよ」
「都市計画が分かってへんのう。わしなんか最初の1枚の段階から既にこの都市は頭に出来上がってたで」
「何をいってるんすか。僕の都市計画ではここなんですよ」
前回がむかついたのか、強く反発しやがる。

ちっ!

更に最初調子よくて、いきなり2週目に突入したとき、駒を解りやすくころっと寝かした時、「あっと、すみません。早すぎて、こけてしまいましたわ、あっはっは」とかぬかしやがる。

むかっ!


調子ぶっこいて、こけましたわと、こけてる緑の得点コマ。左に2枚で完成するリップ型都市が見える。

第二の刺客を送り込むか。後はこれを合体させるのみ。ふーむ、このゲームは人数が多いとただの運ゲームになるらしいが、二人でやるとなかなか……「じゃここ、分離します」……やっぱり引きだけのゲームやんけえ!

なんだろうねえ、この地図が出来ていく感覚は。地図を眺めてるとカルカソンヌに住む人がわいわいやってるように感じてしまう。

二人でやってもじんわりと楽しいゲームです。三人が一番おもろいのかも知れんなあ。

リップ都市が出来た時など得点計算がややこしいと評判なので(2個で都市を作ると通常計算だと4点のところ2点となるルールがある)、途中で同じ得点方法にルール改正した。が、やっぱりリップ都市は得点しやすいので通常ルールがお奨めである。

普通に考えたらわざわざ特殊ルールを作ったのは必要やからやん。

似たゲームにエントデッカーという大航海時代のゲームがあるが、カルカソンヌの方が好きな場所に配置出来るだけに運の要素は少ないかも。

でも個人的にはエントデッカーの方が先発やし、とっくの昔にやってたし、大航海時代というテーマは俺にとってメロメロやしで、エントデッカーの方が好き。

カルカソンヌは値段が2400円と安く(残念ながら3200円となった)、お手軽でおもろいので、続々と拡張セットが出てる。いちいち買うてたらキリがないので、最初からきちんとバランスが取れてる2を購入した。こっちは狩猟採集時代をテーマにしているが、特殊タイルが加わっている。森が見難いという噂だが、1の街のタイルもヒトデチックでかなり海辺の仲間図鑑みたい。気持ち悪いで。城壁を垂直に描けとは言わんが、うねうねとした絵すぎ!

TAMのコメント

おもろかった。しかしあの密かに3つ目を配置してのにはむかつきましたわ。まさか一人しか点入らんとは。

だから念を押したやん。

miaのコメント(後日やった)

お手軽だし、何度やっても盤面が変わるので全然飽きない。また美しい城塞都市が出来るので、終わった後見るのも素敵。一日二回カルカソンヌ。毎日やりたい。

ソマーリオ

世界でかなり売れているゲームだが、メビウスによると日本でも3000個売れたとか。3000個で多いのかと思うと涙が出る話だが、こいつが日本でのボードゲームの起爆剤になってくれんかなあと思う。何故かはまたコラムに書きたいと思う。

後日miaと二人でやってみると、初心者でもアドバイスしつつやれば、非常にスムーズに楽しく出来る素晴らしいゲームであると再認識した。初心者キラーといえば、チケットトゥライドが定番だが、カルカソンヌも熟練者が配置のやり方を教えながらやれば、初心者キラーとなりうるポテンシャルを秘めている。上手くアドバイスすることで、40分ほどで終わる事も出来るし、手軽で何度でも出来る。チケットトゥライドに勝っている点はまさに初心者と一緒になって考える事が出来るところだ。値段も安く、バンダイもチケットトゥライドの次は、カルカソンヌを手がければいいのにとさえ思ってきた。


これが本物の南仏にあるカルカソンヌね。

当初は、どのように配置すれば効率がいいか解らず60分も掛かってしまったが、慣れるとあっという間に配置場所を選択出来るようになる。それは初心者でも同じ。

拡張1 宿屋と大聖堂

カルカソンヌに大聖堂、宿屋など18枚のタイルを追加し、一つで二つ分の大きな駒と6人目のプレイヤーを加えたセット。大聖堂付きの都市が完成すると1枚につき3点となるが、未完成だと1点も入らない。宿屋のある道も完成させると1枚2点となるが、未完成だと0点である。それ以外に変更なし。


中央にある部分が大聖堂。これが完成すると3倍になるのだが、未完成だと0点というリスクを背負う。

追加キットを加えて変わった点はなんといっても道である。今まで道を引くと1枚たったの1点にしかならず、例え完成させていなくても1点貰えるので、ほったらかしにしといても同じだった。ところが、宿屋のある道だと、都市と同じ得点に跳ね上がるのだ。都市は閉じたりするのがむずいところがあるが、道は非常に簡単に長い道を作る事が出来る。

道熱っ!


道の横に湖のあるタイルが見えるが隣に宿屋がある。宿屋のおかげで相当、道が強くなった。

それに比べればもうひとつの大聖堂は3点になるとはいえ、ちょいとしんどい。広がりが4辺となるので、これを作ろうとするとビビりが入って、もの凄くこぢんまりした都市になってしまう。

大人の駒だが、これはなかなかにいいフィーチャーだと思う。大きな都市を造るには、相手との競合が絶対必要だが、この大人の駒によってその取り合いが益々熱くなった。二人プレイではその真価を発揮していないところもあるが、もっと多人数になればこれはかなり活きてくるだろう。


枚数が増えたので自然とできあがった都市は巨大になる。左にある2枚目の大聖堂が未完というところに注目。

18枚の追加タイルで、プレイ時間は延びてしまったが、この追加により完成する都市が多くなったのは喜ばしい。追加キットなしでもプレイ感はほとんど変わらないが、もう少し大きな都市を造りたいとか、完成させたい、あるいは道を引いたときがっかりする等に当てはまる人は買うておいて損はないだろう。ただし中身の割にこの値段は高いかなとは思う。

gioco del mondo