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Reiner Knizia
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KOSMOS
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2〜4人
60分
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ケルトスパイラル
SDJのケルトがさらに進化し、螺旋状となった。
新たに登場するのは、コボルドと預言者の存在。
神託所に上り詰める事で何かが起きる!
プレイ感
ケルト、ケルト拡張ボード、ケルトタイル、ケルトカードゲーム、ロストシティボードゲームと、久々にドイツゲーム大賞獲ったら、関連ゲーム出しまくりのKOSMOS&くにちーコンビ。ここにきてさらに単体で遊べるケルトスパイラルを出して来やがった。
いや、ほんま、まじでもうええって。。。と、このケルトスパイラルは鼻から無視を決め込んでた。テンデイズゲームに遊びに行ったとき、タナカマがやったことないので是非やりたいと出してきたので、たまたまやることになった。そうそうに閉店してのタナカマ夫妻とmiaとの4人プレイにて。
ケルトとの違いだけ書くと、レーンはスパイラル1本で手駒は3駒で倍付け駒なし。レーンはてれこにマークが違ってて、考えたらケルトもレーンを別々にする必要あったんかと思ってしまうが、1本にすることでまったく違うゲームとなる。
そして重要なのが預言者駒の存在。こいつは自分の駒を進める代わりに、カードに描かれている預言者の数以内をゴールに向けて進める事が出来る。進めた先に自分の駒があれば5点入る。
ラインはひとつになって渦巻状に進んでいく。同じ色を進む必要はない。カード上部中央にある数字が予言者駒を進める事が出来る数だ。このどちらかを使う事になる。
それではスタート。
む、これは!?
開始してすぐにくにちーの仕掛けたおもろさを理解した。
タナカマ「これは、面白い!」
レーンが1本という事は、3つの駒を上手く使って徐々にゴールに向かわせる事が出来る。つまり、今までなら茶色のマークを2つ出したら2マスしか進まなかったが、茶色の次に緑と出せば途中の茶色を通り越して次の緑に行く事が出来るのだ。
序盤は混戦状態。わしゃ、1駒だけ大きくリード。
今までのケルトでは、手札がある程度揃わないとスタートさせるのが怖かった。
ところが、ケルトスパイラルでは、”マーク”という問題がなくなってしまった。
ある程度大きな数、もしくは小さい数があれば、スタートさせてしまって構わない。
タナカマ「じゃあ、ここに預言者駒を動かして…2駒あるから10点ですね」
わし「ちょっと待ったぁ! それちょっと強すぎひん?」
タナカマ「ルール確認しましょう。…確かに何個あろうと5点でした」
この預言者駒というのがスパイラル最大の特徴であろう。自分の駒を進める代わりに預言者駒を当てる事で、得点を重ねていく事が出来るのだ。ビリヤードの4つ玉みたいな感じだ。
この予言者駒がケルトスパイラル最大の特徴。これで多彩な得点方法ができる。
ボード上には全て特殊タイルが置かれている。その中に願いの石をコピーするタイルがあるのだ。
これがあれば願いの石の効果がもう一度繰り返される。つまり願いの石で3点獲得するならば、もう一度3点獲得するのだ。そのコピー回数に上限はない。ただし当然マイナス効果もコピーされるので、このタイルをとったなら、願いの石は絶対にプラスにせねば阿呆である。
もうひとつコボルドタイルが3個置かれる。自分の駒がコボルドに置いている時に、ゲーム中一度だけコボルドから得点を貰う事が出来る。1カ所なら5点、同時に2カ所なら10点、同時に3カ所なら15点だ。3駒しかないので、完全に狙ってコボルドにおいて宣言せねばならない。
今回の配置は、手前の方に1個あるので、3カ所同時は難しいかも知れないが狙ってみるつもりだ。
このコボルドはもうひとつメインの効果があって、手札を1枚交換するか、自分の場に並べている一番上のカード1枚をほかす事が出来る。
そう、自分の場に並べているカードをほかす事が出来るのだ!
うおおお! スパイラルすげえ!!
わしはこの効果を使って、場のカードを捨てては拾って使い、捨てては拾って使いと回しまくった。
あたかも予言者に導かれるようにたくさんのコマが動き出す。予言者コマは後退する事がないのでこうなるのだ。
知らず知らずのうちに、願いの石コピータイルが3枚もある。これは絶対に願いの石をプラスにせんと、それだけでぶっちぎりのべったになるやんけ。
願いの石ミラーリング作戦にするしかない。
しかし、なかなか思うように取れない。願いの石が置かれているマスのひとつ手前は必ず同じ色という非常にやらしいボード配置となっているのだ。
わしの勝敗の鍵は願いの石に掛かっているといっても過言じゃない。
対してタナ嫁は、ひたすら預言者を使って細かく5点刻みに得点を重ねていく。
気づいた頃、わしの得点はぶっちぎりの最下位だった。わしも慌てて預言者を当てようとするが、先へ先へと進んでしまい、全然使えねえ! (|| ゜Д゜)ガーン!!
わし「よし、ここでコボルド宣言」
一同「おー! 15点じゃないですか」
3箇所のコボルドマスに見事収めてコボルド宣言。15点だ。
この得点でなんとか、近くに引き寄せる事が出来た。
どうしても願いの石がもうひとつ欲しい!!
とずっと心の中で思っていたが、必要な緑の手札が悪くなんともかんともな展開にじりじりしてた。大体、コボルドが緑に集中しすぎたせいだ。
もう1つあれば勝てると思っていたのだが、なかなか上手くいかない。
願いの石倍増タイルが3つ見える。なんとか願いの石を手に入れたいところ。
山札のカードが尽きかけた頃、皆がゴールに近づいている。このままでは誰かにゲーム終了の5個目を入れられてしまうと、仕方なしに自分で5個目の駒を神託所に入れて、ゲーム終了。
願いの石のコピー効果でかなり進めたものの、やはり1個足りずに、タナカマに1点差の惜敗。
その他の作戦を取った皆も非常に接戦で抜群のバランスでした。
所要時間60分
最終はこんな感じ。もう1つ石があれば勝てた。
タナカマのコメント
面白いなあ。けがわさんじゃないけど、これはかなり面白い。
珍しくもくにちー、よく頑張った。
タナ嫁のコメント
わたしはケルトタイルくらいのシンプルな方が好き。
ソマーリオ
ケルト拡張ボードはあまりにも難しくてライト派のわしには合わんかったが、このスパイラルは違った。ケルトのおもろさをひと味違った角度で、とてつもなく面白くしている。
手札の厳しさから解放された感覚というのは、むしろこのスパイラルで完結する為にクニッツィアが編み出した拘束具ではなかったか。
リングにかけろで高嶺竜児が、両腕に鉛のパワーリストバンドを付けたのと同じだ。そしてパワーリストを外した時、高嶺竜児のパンチ力は飛躍的に上昇した。
それをクニッツィアは直接ルールとしてやるのではなく、ボードの形態を変えることで巧みに外してしまった。いや、ほんまタナカマの言うように、散々ぱらコピー商品を山のように作ってやがったくにちー久々にやりやがった。
ただの一本道に見えるが、3つの駒を使う事で、非常に戦略的にプレイ出来る。ここらへんのプレイ感は勝利への道、お宝はまぢか!最近ではヌメリによく似ている。戦略双六としては勝利への道が近いが、あちらが基本はマイナスなのでプレイ感が苦しいのに対して、(驚くべき事に)ケルトスパイラルの方が前向きで楽しく、むしろ単純なヌメリが一番似ているように思う。
今回はプレイヤーによって様々な戦術が試されたが、そのどれもが接戦でまったく見事なバランスだ。確かにプレイ時間は1時間となってしまったが、それに見合った満足感を与えてくれるゲームと思う。ケルトばっかりという声もあると思うが、わしのように毛嫌いせず一度は試して欲しい。中級者以上なら、間違いなく楽しめる。最近のくにちーでは出色だ。