Rudi Hoffmann

Ravensburger

2〜4人用
5分

お宝はまぢか!

あそこに海賊のお宝があるぞ!
ジョンは、岩場や橋桁の上をひょいひょいと飛んでいきます。
ところが、3つめの岩場に足をかけたとき、つるりと滑って海の中へどぶん!
そのジョンの頭をひょいとまたいで、ジャックが駆け抜けていきました。
お宝を手に入れたジャックはほくほく顔です。

プレイ感

これは名作あべこべ双六のドラダの弟である。作者ルディホフマンは、あべこべ双六として1973年にエルドラドというのを発表しており、それに作者(もしくはラベンスバーガー)が手を加えてテーマ性をなくしてドラダとしてリメイクした。ドラダのネーミングはエルドラドからきていると思えば納得出来る。ドラダに日本語版があったことと、安田均によってとりあげられた事からドラダは日本でもかなり有名だが、お宝はまぢかのルール覚え書きにエルドラドのリメイクと書かれているところ、島と海を乗り越えエルドラドを探すというテーマからみてお宝はまぢかはエルドラドのリメイクで、ドラダの年の離れた弟と考えていいだろう。ひょっとしてルディホフマンはテーマをなくしたドラダが気に入らなかったのかも知れない。いやいや、覚え書きから察するに商標の問題からメーカーがあえてラベンスバーガーの名を消したのかも…なんてうがった見方も出来る。
※以上、biscoの指摘を受けて修正。

ドラダも持っていたのだが、もうそんなにやることもないだろうと売ってしまったが、子供用にコンパクトになったので買うてみた。miaと二人プレイ。


サイコロ振って進むだけの双六なんやけど、後でゴールするほど得点が高くなるってのと、穴に落ちた駒は脱落して代りに橋が置かれることになる。本来のドラダでは、駒をひっくり返すとマス目と同じ色になってて良かったが、お宝はまぢかでは、駒が子ども向けに造形されているおかげで、別途橋タイルを置く事になった。

サイコロを振って4個ある駒のどれを動かしてもいいのだが、必ず出た目の数だけ進めなければならない。そこに海があれば、落ちて橋タイルに変わるのだ。


ドラダにあった特殊マスがなくなった。あってもなくても肝の部分は同じなのでプレイ感は違わず、むしろスピードアップしている。かわいらしい駒になったのはいいが、そのまま裏向けにするのではないのがちと残念。いちいち橋のタイルを置かなくてはならない。

このゲームの肝は出来る限り選択肢を増やすように動かすということだ。
例えば、2でても3がでても4がでてもドボンなら確率が悪すぎるということ。そうならないように4つある駒を上手にマネージメントして進めなければいけない。

つっても、選択肢なんてかなり限られてしまうので、実際には完全にコントロール出来ないが、勝率をあげるにはそういった地味な戦術が必要となってくる。


このゲームの肝のもうひとつは、相手の上に乗っかると相手はその駒を動かすことが出来なくなるということだ。ゴール前は相変わらずトラップだらけでゴールするのはなかなか難しい。あとでゴールしたほうが得点が高くなるのは同じだが、点数は子供にもわかりやすいよう一桁となった。

miaはただのサイコロゲームと思ったみたいで、何度やってもわしに勝てない。

mia「なんか運が悪すぎる。いつも思うんだけどゲーム運強いよねえ」

なんてのたまってるうちはわしには勝てない。

運つうのはやな、自分で引き寄せるもんなんじゃあ!

次々にドボンして橋が出来ていく上をわしはゴールしていく。

ゴールは最初から1,2,3,4と点数が上がっていくので、後半の盛り上がりがあるように出来ているが、4個ともドボンしたmiaが勝てる筈もなくw

所要時間3分


徐々に煮詰まってくるとどぼんが増えてくる。橋のタイルが置かれてるがすべてmiaのもの。

mia「もっかい!」

またしても、わしの見事な動きにmiaは次々と海に落ちていく。

このゲームのもうひとつのポイントは、駒の上に載っかる事が出来るという事だ。載っかられた駒は、上がどくまで動かす事が出来なくなる。完全に動かす事が出来ない場合のみパスする事が可能だ。

わしゃ、これを活かして、miaの駒になるべく載っかるようにして、海にドボンするように選択肢を狭めていたのだ。

mia「えー、また落ちた。絶対サイコロ運強いわ」

じゃなくて、いい加減気づけよな。わしがコントロールしてる事によ。

またしても圧勝。

mia「もっかい!」

軽く楽しめるので、かれこれこうして4回くらいやったが、最後にサイコロ運に見放されて負けてゲーム終了。


最後は礎となった皆の橋を抜けて3個ゴールで勝利。ちなみに船のさいころの目は好きな数を進めることが出来るというドラダになかったルール。代わりに6がなくなった。

ソマーリオ

いやあ、非常に軽いので何回もやってもた。これは子どもとやっても楽しいし、大人同士でやってもヘビーゲームの合間に息抜きに使える良作である。ドラダではボードがでかかったが、これなら小さいので出すのにも億劫さがないところもよい。また駒を裏向きにしてマスにするというアイデアが消えてしまったのが残念だが、駒の造形を含めて、ボードの絵柄も可愛く、テーマもあるので無機質なドラダに圧倒的に勝っているように思う。個人的には原点復帰したのに賛成だ。

ドラダとの違いは、ドラダではワープマスがあるので一気にゴール出来たりする事があるのと、3進むみたいなマスがあるところだけである。前者は一気にゴールするかそれともリスクを負って耐えるかなんてジレンマが生まれたりするので削られたのはちょっと残念なところはあるが、後者は別にどってことない。

ただし、この違いは非常に微々たるもので、ドラダとのプレイ感の違いなんてものはほとんど感じられなかった。あのプレイ感そのままといっていい。
実はもうひとつ、今回やったのはドラダに近い上級ヴァリアントで、子どもとやる場合の基本ルールは、落ちたらスタートマスに戻るだけというルールである。ここらへんのルールはエルドラドで色々あったらしい。

まあ、上級ヴァリアントでやっても、まったく難しくないし、ドラダ本来の楽しさを味わうなら絶対にこっちだろう。子どもも別に泣いたりはしないと思う。俺の屍を超えてゆけ! みたいな。

海賊駒を裏返せば橋になるような形にすれば良かったと思うのだが、基本ルールではスタートに戻るだけなので、諦めたのだろう。

バックギャモンからエルドラドができて、それから勝利への道に発展したように思う。プレイ感がなんとなく似ている。


Geekより。これがエルドラドのボード。マスの数がかなり多い。しかし子供の絵みたいやなw

gioco del mondo