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Rudi Hoffmann
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Schmidt
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2〜4人
10分
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ヌメリ
ナンバーを動かして、ゴールを目指せ。
シリアルにつなげると何か良いことがある。
プレイ感
昔、TAMがおもろいんでやりましょうと出してきたんがこれ。如何にも惹かれないコンポーネントで気が進まなかったがやってみると無茶苦茶おもろかった。最近ようやく手に入れて飾ってると、miaが「これやりたい」と箱を持ち出してきた。箱絵をみるとアクションゲームぽく見えたらしい。双六やでと言うとがっかりしたが、おもろいからやってみようという事になった。
1から5まで数字の書かれた駒をそれぞれ持つ。手番にさいころを振って出た目の駒を一番ゴールから遠い空きマスにおく。以降、その目が出たらゴールに向かって一番近い空きマスに進める。最終的にゴールの3マスが全て埋まればゲーム終了で、マスに書かれた数字×駒の数字の合計点が多いプレイヤーが勝者。
サイコロを振って一番ケツの空いているマスに駒を置く。既においた数字が出たらその駒を空いている次のマスに進めるのだ。また一定ゾーンを越えたあたりからサイコロの数を分割出来るようになる。
ルールはこのように至ってシンプルで、カルタヘナなどに利用されている空きマスジャンプのシステムだ。とはいっても、このゲームはカルタヘナよりもかなり古く何度かのリメイクを経ている。
最初は、5つの駒をなるべく早くボード上に出したい。もちろん運だが、ここで出しておかないと進む時に空白が出来てしまうのだ。このゲームのポイントは先のマスが埋まっていれば埋まっているほど一気に進めるので、間に空白が出来ると自力で1マスずつ進まなければならなくなるところだ。そのためにも早く出したい。
序盤、4と5の目が出ずに苦しむmia。
ここだけ見るとただのさいころ運だが、駒が1つでも一定のラインを超えると途端にゲームは考えどころのあるゲームに様変わりする。さいころの目を分割する事が出来るようになるのだ。例えば5が出ると5を動かしてもいいし、1と4或いは2と3を動かしてもいい。さらに動かした結果、3つ以上連続で自分の駒が並ぶともう一度手番を行う事が出来る。
※1の目と2の目は事実上分割出来ないのでそのまま動かす事になる。
このゲームのポイントはずばり5の駒。この駒は5倍で高得点なのだが、進める目は5と☆(好きな駒を1つ進める)だけしかないので、確率が低く停滞しやすい。なるべく一気に進めたいところだ。
既にこうなったら勝利は決まったようなもの。
その他の駒に関しても倍率が高い駒ほど進めにくくなっており、システムが非常に洗練されているのが解る。
3つ連続のジェットストリームアタック移動は何度も繰り返す事が出来るので、一気にmiaの駒を引き離す。
mia「ああ、酷い。どんどん先にいっちゃう」
わし「ふははははー、わしのジェットストリームアタックについてこれるか」
このように3つ以上駒が並ぶともっかいサイコロを振れるので上手く利用しよう。
それでもじりじりと押し上げてくるmia。逃げるわしの軍団。
1と2は突出しやすいので、大体はこいつらのゴールでゲームは終わるが、途中の得点は非常に大事だ。ゴールに近づけば近づくほど高得点になるのだが、得点が入らないマスがそこかしこにあり、ヘタをすると0点となってしまうのだ。この機微は非常によく出来てる。
結局、そのままわしがぶっちぎりの勝利を収めた。
所要時間10分
最後はペルフェットに勝利を収めた。最後のマス3つともわしが入った。ここにそれぞれ駒が入るとゲーム終了だ。面白いのは、ゴールに近くなっても0点のマスがあるところ。下手すると0点になってしまう。
miaがもっかい! というので再戦。
再びわしの勝利。
さらにもっかいと言うので再び破る。
mia「ちょっと、さいころの目ずるしてない?」
miaのコメント
面白いんだけど、さいころの目をずるしてるかというくらい強い。そのくせ、協力プレイの時はへぼい目しか出さないもんなあ。
TAMのコメント
これ、無茶苦茶ようできてるでしょ。二人でやっておもろかったんで3人でやりたかったんですよ。
ソマーリオ
前にTAM夫妻と3人でやったときはおもろかったが二人プレイはどうやろと思ってたが、問題なく楽しめた。このゲームの基本は連結にあるので、人数が少ないとつまらなくなると思ってたが杞憂に終わった。このときもTAMに「このゲームのポイントは5ですよ」と言われてたのだが、適当に進めずにいたら途中ではたと気づいた。
「あ、やば。そういう意味か」と。これじゃあ巻き返しはちょっと無理かなと思ったら、そこから☆やら5が出まくってじりじりと自力であがっていきとうとう集団に追いついた事がある。離されても諦めてはいけない。頑張れば追いつく事も可能なのだ。むしろそこにさいころゲームの楽しさのひとつである気合いが入ってくる。
確かに運の要素は強いが、プレイヤーが考える場面も多い。プレイ感は勝利への道、ドラダ、ケルトスパイラルに似ている。ドラダは似ているのも当然で、同じルディホフマン作である。これに比べると勝利への道はかなりごてごてとしたルールに感じる。必要なさいの目もヌメリは一発で解るのでさいころの一振りにも力が込められる。必要最小限の部分だけを抽出したヌメリはルディホフマンの最高傑作と言ってもいいだろう。ケルトスパイラルはヌメリのカードゲーム版といった感じだ。
コンポーネントはボード、さいころ、駒と非常にシンプルながら駒は木製、きっかり1駒しか入らないマスの大きさ、高さのある駒にメーカーの意気込みを感じる。このゲームでは同じマスに駒は1個しか入れないので、マス目を複数占領する事を許さず、駒を積む事も許さないという意思表示なのだ。そのくせ、マス目に書かれた点数は、欄外にも書かれており視認性は抜群である。
前のバージョンはカエルの王子様である。王女様にキスをしにいくカエルというテーマはとてもいいのだがカエル駒の背中にゼッケンがごとく番号が貼ってあるのはちょっと興ざめなところがあり、ヌメリの方がわしゃいいと思う。
これがそれ。Geekより。
ルディホフマンはドイツゲーム大賞となったカフェインターナショナルやドラダ、お宝はまぢかのようなあべこべ双六、そしてこのヌメリと誰もが楽しめるゲームを作る。アレックスランドルフと双璧といっていい。ランドルフが心理戦を重要視させたものが多いのに対してホフマンはもっと気軽さを主張している。両名とも亡くなっているのが残念だが、どちらの作品もロングセラーやリメイクとして今でも楽しむことが出来る。
こうしてヌメリをやってみると、カタン前のドイツゲームのなんたるかを体感できた。ルールはシンプルで初心者にも熟練者にも同様に楽しめるドイツゲームの原点のような気がしてならない。日本ではまったく評判にならなかったのが非常に残念だ。非常にパズルチックで女性にも受けがいいと思う。これはお手軽で面白い。メビウスには再度、輸入して流通させて欲しい。