Reiner Knizia

BLATZ

3〜5人用
40分

メンバーズオンリー

紳士淑女の社交場へようこそ。
こちらはメンバーズだけに限定された会員制クラブとなっております。
入会手続きはいたって簡単、できるだけ多くの賭け事をしてもらいます。もっとも優れた人だけがメンバーズに入ることを許されます。
今月の賭けの対象は5つです。






・ロンドンの町に雨は何回降ることでしょう。
・女王や貴族のゴシップ記事を何度みるでしょう。
・首相は紅茶を何度こぼしてしまうことでしょう。
・過去の所行が暴かれ、何人の議員が辞職していくでしょう。
・アスコット競馬場で会員夫人が同じ帽子を被って出会うのは何回でしょう。

プレイ感

今にして思えばこのゲームでくにちーに騙された。あまりにもおもろくてよう出来てたのでKniziaってすげえ! と思って集めたもんだ。

当時信頼できる情報としてメビウスがつけてた☆と◎があったが、これはもちろん☆評価である。コンポーネント、説明ともにとてもつまらなさそう。しかし☆評価だけを頼りに購入した。久々にTAM夫妻との3人プレイにて。


基本はカードゲームである。あらかじめ配られた5つの要素(雨、ゴシップ、紅茶、ビッグベン、帽子)を順番に出していき、最終的にその枚数のハイ&ローを決める。

TAM嫁「ええ、なんかようわからんなあ」

自分の手札をみて賭けていくのだが、最初はあてずっぽうである。だから賭け方がわからないのは当然である。例えば、雨が手札に5枚あれば確実に五回以上のところに賭けることが出来るだろうが、そんなケースは稀である。この時点では誰もが駄目ゲーだと思うだろう。

賭けてから(賭けなくてもいい)カードを2枚公開する。手番はそれだけである。


賭けチップを置いて、カードを2枚指定の場所におくだけ。左の数字が、4枚以下、5枚以上の意味。右が得られる得点である。例えば、雨(黄色の列)が5枚であれば、緑のみが1点入り、6枚であれば緑が1点、青が2点入る。4以下の数字はその逆である。白のチップはリスクチップといって得点が2倍になるが1巡目にしか使えない。他に分厚い2枚分のチップもある。

わけの分からないまま4巡くらいになるとハタと気づく。他のプレイヤーがどんな調子で賭けてるかをみれば、どのカードを手持ちとして持っているのか、持っていないのかが妙に見えてくるのだ。

TAM嫁「ああ、なんかわかってきた!」

そのとおり、ここにきてこのゲームはおもろさを俄然増す。今回初プレイはTAM嫁のみである。

最後がとてつもなく効いている。なんと、残り3枚になった時点でもう賭けることは出来なくなり、1枚だけ取り除く。そして2枚を一斉に出すのだ。つまり手持ちカードのうち1枚だけは使わなくていい。たった1枚なのだが、この1枚が非常に重要で、皆がそれぞれすさまじいまでのジレンマに襲われる。

TAM嫁「わー! これ1枚変えただけで全然変わってくる」

あちらを立てればこちらが立たず、明快なジレンマなのだ。すべてのプレイヤーに襲い掛かる3択のジレンマ、これこそが真のクニッツィアジレンマだ!

すばらしい! すべてに無駄がなく、初めての人でもダイレクトにジレンマを感じることが出来る。いくらカードがあろうと、最後は見事に3択に集約される。

結局、うまく立ち回ったTAM嫁が序盤リード。わしとTAMは、1ラウンド目で猛烈な失敗をして、賭けチップが「ボッシュート」されてしまった。


がっひょーん! わしの青駒の得点は低く、賭け駒も2個だけになってもた。

2ラウンド目でたった2枚しかなくなった賭けチップを挽回しようと、1枚はまず当たらないところに賭ける。というのは、賭けチップが1枚以下で次ラウンドを始めると、すべてのチップが戻ってくるのだ。TAMは3枚あったので、普通に賭けてしまった。

わしの得点はまったく伸びなかったが、3ラウンド目ですべてのチップを得てからは、一気に高得点を獲得。TAMは3ラウンド目に賭けチップを失う作戦にでて4ラウンド目からは順調に点数を伸ばす。

もっとも順調だったのはTAM嫁である。こつこつと賭けチップを失いつつも、こつこつと当てていき、満遍なく得点を獲得している。


今回の肝は手札にある3枚のビッグベン。しかし、TAM嫁が2とかに賭けてるのがすっげぇ気になる。雨×のマークは1枚雨を少なくするカードである。

次のラウンドはにやりとした。紅茶のカードが5枚手元にあるのだ。ここに5枚あるということは、紅茶の7回以上の高得点マスに賭ければ一気に得点できるチャンスはあるが、ばれてはいけないのだ。

最後の最後まで紅茶カードを出さず、賭けもせず、待った。そして残り3枚になるというときに、一気に紅茶の高得点マスに賭けた。


まんまと皆は乗せられた。当然使わない1枚は紅茶×と決めたいところだが、結構ジレンマが起きて、色々考えあぐねてしまう事になる。何故なら、雨を使わなければ、雨が2回に賭けている青駒が当たる可能性が出てくるからだ。

おそらく次が最終ラウンドになるであろう。どの賭けも10ポイント以上は獲得できないので、捨てる賭けも存在する。もちろん狙うはまったく伸びていない分野だ。しかし、わしは賭けチップが少なくなっていた。TAM嫁は前のラウンドを捨てて賭けチップをすべて手元に戻している。

TAM嫁一歩リード。

わしは賭けチップのなさで思うように賭けることが出来ない。


最終ラウンドの局面。全ての賭け要素で誰かの駒が5以上になったらゲーム終了。誰かがビッグベンを5以上にしたら終わる。賭けチップが乏しいのがつらい。何も考えず誰もがビッグベンを狙っているが、それでええのかー!


最終結果。得点は5以上のやつのみ計算される。

くー、一歩届かず、3点差で負けてしまった。TAMはぶっちぎりのべったw

所要時間 40分

TAM嫁のコメント

最後、たった1枚やのに劇的に変わるねんなあ。

TAMのコメント

あいかわずよう出来たゲームですわ。

ソマーリオ

くにちー会心の一作。このゲームの出来があまりにもよかったので、すっかりくにちーの虜になってしまった。すごく昔やけどw

それにしても計算されつくしたクニッツィアジレンマである。わしのようなロストシティが嫌いなプレイヤーでもこのジレンマは非常によく分かる。分かりすぎるくらい分かるのだ。指輪物語の対決では2択のジレンマがおもしろかったが、こちらは3択である。すべてのパターンが微妙に複雑に絡み合っている。わしにしてみればこれこそが真のクニッツィアジレンマだと言いたい。

残念ながら絶版だが、テーマが地味なだけにリメイクの話すら聞こえてこないのは非常にもどかしい。日本ではあまり知られていないので、早めにこのゲームのおもろさを伝えたかったが、ようやく書けた(レビュー用にプレイ出来た)って感じである。このゲームとモダンアートは褒めすぎても足りないくらい素晴らしいゲームだ。もうひとつのくにちー最高傑作であるという噂のチグリスユーフラテスは1回やったきりで、正直よく分からなかった。潜在能力を感じることは出来るが、現時点ではくにちーの傑作はメンバーズオンリーとモダンアートであると断言しておく。

もしこのゲームをどこかでやる機会があればコンポーネントやテーマに騙されることなく是非やってみてほしい。
と思ったら、2009年にグレンの画廊というタイトルでリメイクされた。

gioco del mondo