Reiner Knizia

Face 2 Face

2〜6人
20分

チーキーモンキー


チーキーモンキーは悪さをする猿です。
悪さといってもちょっとした悪戯程度なのでそうそう目くじらを立てる事はありません。
世界各地の動物が集まる中、チーキーモンキーはどんな悪戯をして困らせるのでしょうか?

プレイ感

まったく興味はなかったが突然、無性に欲しくなって購入。mia、OEC、コツミとの4人プレイにて。


手番に、袋の中に入ったタイルを1枚取り出して目の前におく。それが今回の手番に取ったのと同じタイルならバーストとなり、全て袋に戻して手番終了。その前に、終わりを宣言して、その山を手元のタイル山に積み重ねればいいという坊主めくりのバースト系だ。最後に、各動物について単独トップならば得点タイルを貰ってタイル数の合計と足して勝敗を決める。


動物は全部で8種類。このタイルはボーナスタイルになると共に、動物タイルの枚数をも示している。

要は同じ動物を連続で引かんかったらええんやろと、ガンガン引いていく。このゲームのポイントは動物の種類である。動物毎に総数が違うのだ。つまりハイエナや猪を引くと枚数が多いので若干リスキーとなる。そこで辞めればいいのだが、そうはいかないのがクニッツィアの凄さ。


このように動物タイルを手番に引く。バーストするまで何度引いてもよし。それまでに辞めれば好きな順番にしてすべて自分の山に積み重ねることが出来る(一度山にしてしまえば並び順の変更はできない)。バーストすればすべてお釈迦である。

何故なら、タイルを引いた時に、相手プレイヤーに同じタイルがあればそれを横取りして積み上げる事が出来るのだ。タイルは常に一番上が見えてる状態で持っているので、枚数が多い動物だと奪われる可能性が高くなる。その点、象やセイウチなどは枚数が少ないのでこれらを引いておけばディフェンスにはなる。

もうひとつ忘れがちなルールだが、すべて同じ種類の動物で確保する場合、それらすべて一番下の山に潜り込ませて保護する事ができる。このルールがないと後半、運悪く同じタイルばかりが残った場合ゲームが収束しにくいので忘れないように。

さらにクニッツィアはこれに味付けをした。それが表題となっているチーキーモンキーである。チーキーモンキーは枚数が一番多いのだが、特殊能力を備えている。それはチーキーモンキーを引いたら、他のプレイヤーの一番上のタイルと交換するという能力だ。

こいつを使えば、象やセイウチなどの重いガードのタイルをひっぺがして、一気にタイルを奪う事が出来るのだ。なんせ変えられるのはチーキーモンキーという最多のタイルである。柔肌に食い込む感じだ。


徐々に山積みになっていく。イノシシをトップに持ってきてるのは非常に危うい。何故ならイノシシは数が多いので奪われる可能性が高いからだ。だからといって、さらに引くとイノシシは数が多いもんだからバーストの可能性も高い。辞めるかどうかのジレンマがよくできてる。

やってみると、解るが場の動きは非常に激しい。

さっきまで神の怒りに触れるが如く積み上げていたタイルが、根こそぎ持っていかれてしまう。

タイルは思ったよりもバッティングが少なく、ストレスなく引ける。見事な確率計算の元に満足度の高いタイル引きが行われるのだ。そして

わし「よし、キリン引いた。それ寄こせ。ほっほう、下はハイエナか」

OEC「わー、ガードが空いてしまった」

と相手のタイルをむしり取る感覚は、楽しくてしょうがない。


その後ハイエナも奪い、山が高くなった。

もちろん、相手の手番には同じようにやられるのだが、なんせ簡単に取り返せるので悔しさはあっても、見てろよおという健全な気持ちだけが残る。

一度は、ぶっちぎりのトップ状態だったわしだったが、コツミのチーキーモンキー攻撃に象ガードがはぎ取られ、キリンガードがはぎ取られ、柔肌露出したハイエナ4枚を一気にもぎとられたこともある。

そう、このゲームは同じタイルだと相手から奪う事が出来るので、同じタイルが連続で積み重なっているケースが多々あり、ごっそり持っていかれてしまうのだ。

二転三転しつつも後半ラスト、バーストを極力抑えたわしが、勝利を確信していた時に、大事件が起きた。

miaが次々にタイルを引いていく。ぐんぐんとタイルが積み重なっていく。すげえ。そして最後一枚のタイルを引いた。

mia「あー! バーストした。くっそー」

なんと、最後の1枚でバーストしてしまった。皆大いに笑った。


よっしゃあ、バーストしやがった!

わし「じゃ、袋の中に戻せや」

miaはタイルを戻して、なんと突然わしの積み上げたタイルを袋に放り込んだ。

わし「お前、何すんねん! ゲームまだ終わってへんやろが!」

mia「あ!」

そこから、やれわしのタイルはどれくらいの高さやったとか、一番上はこれやったとか、あれこれやったが、このゲームの肝であるタイルの積み重ねの順番まで覚えてる訳がない。

レビューしようと頭の中で構築してたわしのイメージや、写真が無駄になった。ちょっとげんなり。すぐに2度目が出来ないケースを考えて最初のパターンで写真を撮ってレビューイメージするのが普通やから、これには閉口した。もうあと数枚でゲームの決着がつくところで、である。

わし「もうええ。こんなん無理や。もっかいやろう」

さすがに不機嫌になって、全部のタイルを放り込んで再プレイした。

二度目も最後はわしが一番高く積んでいたが、ここからようやく最後のボーナスタイルの計算である。それぞれの動物で一番タイル枚数が多いプレイヤーがボーナスタイルを獲得出来る。動物タイルの枚数と同じ得点が入るこのルールは意外と強力で、枚数よりもこれで決まってしまうんじゃないかと危惧した。チーキーモンキーなら10枚なので10点も入るのだ。ところが、これが単独トップでないと手に入らないというルールが効いており、意外と貰えないのだ。なるほど!

結局、二度目もわしの勝利だったが、なんとも言えない後味の悪いプレイ感だけが残った。勝敗がうやむやになったってのはこれほど気持ち悪いもんなんかと。というよりせっかくの盛り上がりが台無しになったしょんぼり感がでかい。


わしの勝利。ボーナスタイルの得点は大きいので是非ねらっていきたいのだが、こんなけあっても1枚しか獲得出来なかった。分配されたのは2枚のみという難しさである。

所要時間20分

miaのコメント

ちょっとやらかしたのでこのゲームは既に苦い思い出に(苦笑)
(気を取り直して)コマが可愛いし、クジみたいに引くところも楽しい。

OECのコメント

(解説)
タイルめくり(引き)バーストゲーム。
相手のタイルよこどりなんかは『ヘックメック』テイスト。。
4人で2回。

(感想)
クニツィア、タイル、バーストってことで、『ゲニアール』と比較してみる。比較といったものの、勝利条件もコンプリートなのか得点製なのかで全然違うし、引きに関しても供託の有無やバーストで動物が袋に帰ってしまうあたり、全然別物。コンポーネントも紙とプラで違ってるし、やっぱり違うゲームと認識。
でも、なんか似てる。で、なんで感覚に近しいも恩を感じてたかと思えば『ゲニアール』やるとき、巾着使ってやってたからだと途中で気付いた。こんな形でゲームのプレイ感が変わってくるとは。
ゲームの内容としては、はじめルール聞いてポカーンで、バーストゲームになるんか?と思ったけど、動物毎でタイルの枚数が違うもんで、それが退き所を意識したときのジレンマの発端となる。最多数居るモンキーが暴れまわる様も可愛いくて圧巻だけど、枚数差だけでジレンマを作り出すあたり、さすがクニツィア。

ソマーリオ

あの最初のプレイだけはほんまに心残りであったが、ゲームそのものは文中にも書いてる通り、完成度が非常に高くおもろい。完璧といって良いほど計算されたタイルの枚数で、ここぞというところで上手くバーストしたりして非常に盛り上がる。カジノに採用してもいいくらい、どっぷりとはまって、すってんてんになる。

チーキーモンキーの悪戯は非常に効いてて、これを使えばごっそりタイルを獲得する事も出来るし、ガードを固める事も出来る。ほんまにこのゲーム、感心することしきりだが、ボーナスタイルがなかなか手に入らないところといい、文句の付けようがないわ。

これを書いてて気づいたのだが、動物タイルの総数も、重い動物ほど少ないというのが、タイルの積み重ねに活かされているというのも心憎い演出である。

このルールの簡単さと、盛り上がりは間違いなくパーティゲームとして最高峰に位置すると思う。しかも、老若男女を選ばず、子どもも大人も同じように楽しめる。テーマも誰でも楽しめるように動物にしている。

コンポーネントに目を移すと、動物タイルはカジノのルーレットに使うような重厚なチップである。動物はシールだが、これが光沢のある良い素材のシールを使っており、簡単に剥がれないような感じがする。袋の中でかき混ぜるのだから、これは嬉しい。

またタイルを収める袋も赤色の高級感のあるしっかりとした作りで、これまた文句なし。ボーナスタイルには上で述べたように動物タイルの総数が描かれているので、一目で必要な情報が手に入る。なんと裏面には、動物の棲息地域と豆知識まで書かれている凝りようだ。Face 2 Faceはコンポーネントが素晴らしいのが多い。

人数の幅は2〜6人と広く、どの人数でもプレイ感はそれほど変わらずに楽しめるだろう。

なんせ全てにおいてペルフェット! クニッツィアの凄さをまざまざと見せつけられた。いや、クニッツィアだけでなくこれほどのこだわりのコンポーネントを作り上げたFace 2 Faceにも拍手を贈りたい。

ちょっと派手なゲーム展開にしたいのなら、ジョーコデルモンド的ヴァリアントとして、自分の山にキープする時、同じ動物はまとめなければならないというのがおもろい。こうすれば、一気に獲得出来るのでかなり派手なゲーム展開になる。

子どもたちと、合コンで、クリスマスパーティで、正月家族と、あらゆるシチュエーションで楽しめるだろう。
実はこのゲームは来年にレビューしようと思ったのだが、クリスマスや正月前に是非紹介したくて繰り上げた。ショップもしばらくは在庫切れだったが、ここにきて入荷したようだ。多人数でやるとかなり盛り上がる。

というか、坊主めくりもドイツゲーム風バーストルールで遊べば、これから正月の定番になるかも! 手番に何枚引いてもええことにして、坊主がでると今回引いた分を場に山にして置く。その前に自分で引くのを辞めたら自分の山として確保出来る。姫がでたら中央の場の山をまるまる貰える。場に山がなければ、好きな人の山から2枚貰えるというのはどうだろう?
なんせ坊主めくりのつまらんところは、手番に1枚しか引けんところで完全な運やったところ。ちょっとルールをいじればきっと楽しくなるはず。

ちなみにGeekで上がってるハンドメイドの動物の絵が非常に可愛いのだ。これをみて突然異常に欲しくなったのだが、こういったケースはバース作品を買い始めるきっかけ時にもあった。何の興味もなかったが、異常に欲しくなって買い始めたのだ。意外とこの勘は悪くないかも知れない。


Geekより。これ、どうみても本家より可愛いよなあ。実は絵柄はこれやと思ってそもそも購入したのに……

gioco del mondo