日本でのドイツゲームの流行をみる

初心者をドイツゲームにはめる為のゲームは? と尋ねられると、掲示板は一気に活発になる。ああでもない、こうでもない・・・そしてその内容はいささかマニアよりであると以前から思っていた。一番簡単な回答はドイツゲーム大賞を買え、であったが、掲示板が活性化した事もあって、なら、いっちょ、自分がはまった時代のゲームを教えて貰おうじゃねーかとアンケートを取ってみた。

一番気を付けたのは、自分がはまったゲーム1つというところをわざわざ強調して、これもいいゲームだったなあというのに投票しないようにしたかった点だ。訊きたいのはお勧めゲームではなくて、はまったゲームなのだ。もし、お勧めゲームというのであればこのアンケートは意味をなくしてしまう。最も重要なのは、ゲーマーになった目でみた楽しいゲームを除外する事だった。


(2005/5/22現在)

1位は皆の予想通り、カタンの開拓者。これについては実は最も語りにくいゲームである。そして3位の6ニムトも難しい。理由は読み進めると解ると思う。

ゲームにはまった時代を考えてみると、第一世代がスコットランドヤードであると分かる。ベスト10内に入ってるゲームでこのゲームが一番古いのだ。スコットランドヤードを不二商がいつ頃発売していたのを調べようと思ったら、ネットで引っかからなかった。ので、ごそごそと自分のスコットランドヤードを引っぱり出してきた。・・・どこにも発売年は載っていない。と、思いきや、ゲームカタログが入っていた。1993年のカタログである。

1993年、今から12年前、ドイツゲームの第一の潮流があったのは間違いない。3人の魔術師に関して、何時の発売かは分からないが、確かここらへんの時代に発売していたように思う。当時、ロフトに3人の魔術師の発売元であるNoris社のゲームがいくつかあり、ASSのバルバロッサがやたら値段が高くて購入した記憶がある。

もうおわかりだろう。カタンの開拓者と6ニムトはあまりにも売っている時代の範囲が広すぎて、このコラムのテーマでは語りにくいという事なのだ。

おっとちょっと待ってくれ。アクワイアというとても古いゲームが入ってるのを忘れていた。人数的にやや少ないのでこれはプレ第一世代と名付けたらいいだろうか。ゲームがもっともっとコアな時代、ウォーゲームをやっていた生き残りがJAGAなどのサークルでたまにはファミリーゲームでもと楽しんでいたに違いない。と、ここまで書いてみたら、Viserさんの話によるとスコットランドヤードは少なくとも18年前にやってたらしい。という事はアクワイア込みのここが第一世代と言えるだろう。その人数はとても多い事に気が付く。プレというのは失礼だった。まさに第一世代だ。

その第一世代の次にくるのが、2000年発売の操り人形からはまったという第二世代であろう。操り人形の時代には既にカタンの開拓者やらボーナンザエルグランデといった大御所はとっくに普及しており、メビウスもそろそろ売れ行きがアップしてゲームだけで生活出来るようになった時代である。この操り人形から入った第二世代は、トレカ世代と読んでも差し支えない。そう第一世代から第二世代の合間にマジックザギャザリングという巨人が大流行していた。

マジックザギャザリングはトレーディングカードゲームの元祖で、「金かかってやってらんねー!」と思った人が、ブースターパック4つの値段、たった2000円でずっと遊べるカードゲーム操り人形にはまったと思うとにんまりしてしまう。そういえば、この時代、2chに操り人形スレッドとか立ってたのを思い出した。

そこから、2001年のカルカソンヌ、2002年エポック社が輸入を開始したエルフェンランドブロックス、カルタヘナが続いていく。もうこれは2001〜2002年を第三世代と呼んでいいだろう。

間隔が狭くなっているというのは嬉しい限りである。徐々にではあるがドイツゲームが浸透しているように感じる。が、同時にとても残念な事が発覚してしまった。私はこのサイトは初心者が多く、と銘打っているが、2003年のアルハンブラ、2004年のチケットトゥライドからはまったって人がいねーじゃねーか! むー、ここらへんの人たちはまだネットで検索してまでゲームをやる段階に達していないのかも知れない。というより、こんなにたくさんのゲームがあって、ドイツゲーム大賞という権威ある賞があって、ドイツゲームって趣味としてとても深いんだって知らないのかも知れない。だから検索をかけないのだ、きっとそうだ。うちのサイトが実は中堅どころばっかりの寄り合いという訳ではないはず・・・w

さて、番外として、はまったきっかけがプエルトリコとか、チグリスユーフラテスという超強者がいるのはほっといて(この人たちはきっと、ウォーゲーム世代で、ずっと何もしてなくて、久々に帰り戻った人たちだろう。なんじゃ、ゲームって今こんなんなってるんか! みたいなw)、二人用から入ったってのはそこそこいるのは見逃せない。

指輪対決バベルバルーンカップ、まさに夫婦や恋人同士で楽しんでいるに違いない。二人用ゲームはドイツでは売れ行きが悪く縮小傾向にあるらしいが、もっと夫婦やカップルを完全にターゲットにしたゲームを開発していけば、意外に化けるジャンルかも。

このアンケートをやった本来の目的は、初心者をはめるためのゲームはランキング上位のゲームを買えという主旨であった。もちろん、是非そうして貰いたいが、思わぬ副産物が生まれ、こういったコラムを書ける事となった。現在のところ、ベスト10の13作のうち、ジョーコデルモンドでレビューしているのはたったの6作と半分以下である。これは出来る限り早いうちにレビューの穴を埋めねばならんなあ。と少し反省している。

アンケートに協力してくださった皆様、どうもありがとうございました。

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