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Alan R. Moon
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AMIGO
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2〜6人
30分
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エルフェンランド
ルール説明
4ラウンド行って各地を一番たくさん回ったプレイヤーが勝ちなのだが、町から町に移動するには、ドラゴン、魔法の雲、ユニコーン、大猪、エルフの帆走車、トロールの力車のカードを利用する。
このカードは最初に順番に取っていく移動手段タイルの置かれている場所でしか使えないし、同じマークでないと使えないのだ。
例えば、森道にユニコーンタイルが置かれたなら(タイルは同じ道に1枚しか置けないし他のプレイヤーの置いたタイルだろうが関係なく使う)ユニコーンのカード1枚でその森道を使えるし、砂漠道にトロールの力車タイルが置かれたなら、トロールの力車カード2枚でその砂漠道を使える。
また特殊な地形として移動手段タイルが置けない川と湖があり、これは筏カードを使って移動する。
移動出来るカードがなければ(例えばドラゴンタイルが道に置いてあるのに、ドラゴンカードがない場合)好きなカード3枚でキャラバンとして移動出来るが、移動手段タイルが置かれていない場所の移動は出来ない。
美麗なボード。街に駒を置き、それを回収していく。駒は全て木製で、ブーツの形をした駒は文句なし。
またプレイ中、1度だけ障害タイルを追加で置く事ができ、これを置かれた道は、同じカード1枚余分に支払わなければならない。
町に自分の色の駒を置き、これを回収していく。ラウンド終了ごとにスタートプレイヤーが移動して、4ラウンド終了後、一番多くの町を回ったプレイヤーが勝ち。
プレイ感
このゲームの最大の特徴はコンポーネントの素晴らしさ。とても美しいボード、ブーツの形にカッティングされた木製の駒。エルフの成人の儀式として各地を回るといった雰囲気を見事に演出してる。
山脈に配置された魔法の雲なんか(この絵が一番好き。森に配置した大猪もなかなか)、挿絵を見てるような図になる。見てるだけで、「うーん、山脈越えやのお」とうならせるね。
この図は絵になると思わん? カードもこのように美しいし、全ての街に名前がついているのも芸が細かい。雲の下がトロールの力車、真下が大猪、右下がエルフの帆走車。移動するにはこのタイルと同じ移動手段カードしか使えないのだ。
この地図と移動手段をたったこんなけのゲームだけに使ってええんかっ! と思ってまうねんな。童話の要素が満載なんよ。これでいくつかの物語が再現出来るで、間違いなく。
それこそやった事はないんやけど、『Tales of the Arabian night』つうパラグラフ形式(ゲームブックみたいな感じ。各文章に番号が振ってあって、『分かれ道がある。右に行くなら24を、左に行くなら48に行け』という感じで物語が変化していく。アドベンチャーゲームの本版ですな)のゲームのように作れる。『北風と旅人』とかそんな感じに。
出てくる移動手段も厳選を重ねてる。ほとんどの道をカード1枚で通れるドラゴン、多くの場所を通れるが、2枚必要なトロールの力車、森と草原だけしか通れないが1枚で通れるエルフの帆走車など、童話に出てくる顔ぶれと、場所がうまくミックスされている。
このゲームの批評に『一筆書きのようにうまくまわろう』と書かれているのを見かけるが、一筆書きのイメージで見ると、このゲームのコンポーネントが台無しである。そんな無味乾燥としたゲームじゃない。このゲームはファンタジー童話の世界を旅するゲームなのだ。
エルフの若者は魔法の雲にまたがってはなれ山を越え、魔の森をユニコーンの背に渡りました。しかし若者はそこで立ち往生してしまいました。
目の前に灼熱の砂漠が広がっていたのです。
「どうしよう?」
どう越えようと考えてうろうろしていると洞窟から大きな足がにゅっと伸びているのが見えました。近づくと大男が若者の体ほどもある大きな足を投げ出して寝ているではありませんか。
髭もじゃの大きな身体、トロールでした。
若者は考えたあげく、声をかけてみました。このまま立ち往生してもしょうがないのです。
「おじさん、おじさん。私はこの砂漠を越えたいのです。どうすれば上手く抜けられますか?」
トロールは片目を開けて答えました。
「丁度良い。わしもこの砂漠を越えるつもりだ。良ければこの車で運んであげよう。そうでないと砂漠では喉の乾きで死んでしまうよ」
後ろに大きな力車が見えます。これに乗せて運んでくれるというのです。ただ、そうなるととても時間が掛かってしまいます。
「それしか方法はないのですか?」
夜更けまでに町に着きたかった若者は訊きました。
「ドラゴンならひとっ飛びじゃが、今、ドラゴンは西の山に住んでいるぞ」
青年は考えました。結局、おじさんが人をだます悪人には見えなかったのと他に方法がなかったので頼む事にしたのでした。
トロールの力車はとても大きく、青年の体がすっぽりと収まりました。
若者はマントを顔から被りました。砂漠はトロールのおじさんが話していた通り、とても暑かったのです。
わしはこのゲームをやってると上のような話が自然と沸いてくる。とても想像力をかきたてるコンポーネントなのだ。素晴らしいコンポーネントが揃っているドイツゲームの中でも『TIKAL』とこれが出色の出来映えである。
障害物タイルやわざと相手のルートにへんてこな移動タイルを置いたりと、ほどなく出来る嫌がらせがゲームを面白くしている。
相手がどんな移動タイルを取ったかで、持っていないカードが解るのだ。と、思うと、1枚だけ臥せてあるタイルが実はそれであったり、川を利用するので全然痛くなかったりと、まさに童話のように方法は選べるようになっている。
普通に自分が旅しても楽しいゲームだが、このように読みあうともっと楽しくなる。意外と奥が深いのだ。しかも読みあっても泥々した感じはしない。それはいざとなればキャラバン移動(どれでも3枚で移動可能)というルールと、次のラウンドまでカードを4枚残して置けるというルールがあるからだ。今回駄目なら残しておいて次のラウンドにいっぱいまわればいい。
このようにプレイヤーの誰もが最後まで頑張れるように出来ている。納得の大賞受賞。ちなみにこの年のゲームは粒揃いであった。
エポック社が、このゲームを輸入していたので、ヨドバシのような量販店に行けば3000円ちょいと安く手に入る。エポックの輸入したゲームで、これとエントデッカー(大航海時代の発見のゲーム)、6ニムト(ドイツゲーム賞でカードゲーム)は間違いなくお奨め出来る。エポックもなかなか渋いところに目をつけたもんだ。撤退して欲しくないなあ。大体、ルールブックが日本語なだけで、あんなん日本語版ちゃうやん。タカラを見習って欲しい。
元々このゲームはエルフェンロード(Elfen Roads)というゲームのリメイク版で、拡張で『エルフェンゴールド』というのを追加すればほぼエルフェンロードを再現出来る。が、これはあまりお奨め出来ない。移動タイルをお金で買うルールになるのだが、時間が3時間コースになってしまうのだ。そうなると1時間で楽しめるこのゲームの良さが失われてしまう。だからこそエルフェンロードは、わずか3000部の売り上げで終ったのかも知れないが、実際、そこらへんの事情はよく知らない。
これがエルフェンロードの箱。ヤフオクに出ているのを失敬した。
これがエルフェンロードのボード。土地に番号が振ってあるのが萎え。美しさでは圧倒的にエルフェンランドに軍配があがる。あの奥にいるワニみたいな人は一体誰なんでしょ? ドラゴン?? かなあ??