Roberto Fraga
ギュンターバースと並ぶ仕掛けデザイナーと言えばロベルト・フラーガだろう。同じ仕掛けデザイナーであるバースとは大きく違ったデザインを持っている。
バースが、よりゲームらしく仕上げてゲーム内で完結させている仕掛けを施すのに対して、フラーガはプレイヤーに参加させるデザインをする。
TVゲームの無かった時代、誰でも子供の頃やった遊びがあるだろう。竹馬、缶蹴り、缶下駄、震源地、探偵…。大人になってからも、パーティの場に時々登場する体を使った遊び。
フラーガは、「これゲームか?」と思わせるこういったプレイヤーに参加を強要させるようなデザインをする。実際のところゲームにそれほど仕掛けはない。仕掛けをするのは人間の体なのだ。
手元に怪獣の玩具とサイコロとボールペンと水鉄砲があったとしよう。フラーガならこれだけでゲームを作ってしまうだろう。今、ある物でどんなルールを思いつくか、それがフラーガデザインなのだ。
結婚式の二次会の幹事などやらせてみるがいい。ビンゴゲームなどありきたりなゲームではなく、そこら辺の物を集めて皆が盛り上がるゲームをあっという間に作るだろう。
大人には苦手かも知れない。しかし体を使いたい子供は、フラーガデザインを愛する筈だ。昔からあるツイスターゲームやクレージーロープを思い浮かべると良いかも知れない。確かにこの2つは大人になった今だからこそ、是が非でもやりたいと思うのだが、モノポリーや人生ゲームとは違い、手探りゲームや横取りゲームなどのこの手の流れを組むのがフラーガデザインの特徴なのだ。
やってみよう。きっとヘトヘトになる。しかし、自分のその阿呆っぽさに大人も子供も笑わずにはいられないだろう。