Uwe Rosenberg

Lookout Games
Hobby Japan

1〜5人用
1人30分

アグリコラ

駿河屋で購入
17世紀ヨーロッパ。
農民夫婦が引っ越してきた。
二人は木の小屋を建て、農地を耕し始めた。
数年後、夫婦の間に子供が生まれる。
あれほど小さかった家も今やレンガ造りで、羊やイノシシが柵に飼われ始めた。
さらに時は流れ、今や老人となった二人は富農としてヨーロッパで知らないものはいなくなった。

プレイ感

長年GEEKで1位を保持していたプエルトリコを破りついにトップに躍り出たゲーム。それだけでわしとしてはかなり衝撃的な話であった。このブームは世界各地に波及して、とうとう日本語版がでる運びとなった。いったいどれほどのもんかという訳で、miaと二人プレイにて。


ルール分量は多いが、基本的な部分は簡単である。手番に、自分のアクションマーカーを置いて、そこに書いてあることを実行するだけ。例外処理やどのようなアクションが出来るかはすべてカードやボードに書かれている。このアクションマーカーってのが人を表しており、増やせば1ラウンドに出来るアクションが増えるのである。こうして書くとストーンエイジにそっくりだ。

ルール読んでもぴんとこなかったので、まずはファミリールールでやってみることにした。ファミリールールでは、大きな進歩カードと、ラウンドカードを使う。

※ちなみに最初は入門用のEの第一デッキを使えばよいなんて記述があるが、どこにもそれは載っていない。3つあるカードの束のうち、KとIが表面になっていないもうひとつの束だけ開けておけば、それだけでゲームが出来る。それと知らずにシャッフルしてしまったが、Eが表になってる束なのかも。必要なカードはその1束にすべて入っており、そこにEの第一デッキも入ってる。


これは2回目のファミリールールで作った農場。丸い駒が人(アクションマーカー)、その下の茶色が畑、右の囲いが柵である。羊の横の白い駒は厩である。それぞれについて細かく得点がある。


大きな進歩カード10枚は常にゲームに使う。

おそらくアグリコラで最大の障壁は、ボードの種類とカードの種類が多すぎて実際にどのように準備をしたらいいか解らないところだと思う。

ボードは、写真を見て貰うとして、カードの準備として、10枚ある大きな進歩カードを見えるように配置しておく。これはゲームの中で「大きな進歩カードをとる」というアクションを選択した時にカードに書いてあるコストを支払って手に入れるものだ。

選択出来るアクションだが、資材などを手に入れるアクションと通常のアクションと2種類あるが、はっきりいってプレイヤー気にする必要はなく、書いてある通り実行するというイメージを持っていればいい。

で、このアクションだが、最初からボードに4カ所と6カ所の合計10カ所印刷されている。これは最初から選ぶことの出来るアクションだ。


こちらがmiaの農場。家族が3人しかいないのはかなりネックとなったようだ。

そして毎ラウンド1枚ずつラウンドカードを置いていきこの選択出来るアクションが増える。全部で14ラウンドなので、最終的に24つのアクションから選べるようになるということだ。

ただ、これは二人プレイの場合で、3人以上になると、2人で10カ所選ぶのと5人で10カ所選ぶのとでは大きな差になるのを防ぐ為に、プレイヤー人数に応じて別にアクションカードを最初から並べておくという仕様になっている。

最初は2度このようにファミリールールで、動きを理解して、正式ルールを行った。ちょっと解りやすくカードの準備をまとめてみる。色はカードの裏面の色にしてみた。

大きな進歩カード(10枚)は、すべて使うので専用ボードの上に表向きに並べる。
小さな進歩カード(139枚)は、各プレイヤーに7枚ずつ配り、後は今回は使わない。
職業カード(169枚)は、各プレイヤーに7枚ずつ配り、後は今回は使わない。※人数によって使うカードが決まっている。
ラウンドカード(14枚)は、すべて使うので、裏の数字ごとにシャッフルして順番に出るようにT〜Yの山札にしておく。以降、ラウンドの最初に1枚ずつ4つのアクションが描かれたボードの隣マスに置いていく。
アクションカード(16枚)は、3人以上の場合にのみ使う。使う場合は、6つのアクションが描かれているボードの横に配置しておく。

※ファミリールールはこのうち小さな進歩カード職業カードを使わないだけだ。


ボードはこのように並べられ、順番にラウンドカードが1枚ずつ置かれていく。つまりアクションの選択肢が増えるということだ。14枚置かれたら終了である。ちなみにラウンドカードは出てくるラウンドが決まっており、14枚きっちりしかない。さらに多人数の場合は、プレイ人数に応じたカードがあらかじめ置かれることになる。この写真は、ラウンドカードが9枚並べられているので9ラウンド目という事だ。

正式ルールは、これらに加えて準備として小さな進歩カードを7枚ずつと、職業カードを7枚ずつ配る。これらもアクションによって自分の場に出すことが出来るカードだが、アグリコラらしさといえば、このうち小さな進歩カード職業カードの枚数の多さということになる。大量にある。で、毎回7枚ずつしか配らないので、たくさんの展開が生まれるということになる。

最初は、2つの駒を使って、アクションを選んでは実行していく。まずは木材を集めるのが常套であろう。というのは、木材は家(最初は木の家なので木材が必要)を増築する時にも使えるし、動物を飼うための柵や厩を作るためにも必要な資材なのだ。


今、一人は既にアクションを選択して出て行ってるところ。最初は二人の駒からスタートである。このように個人ボードの畑を耕し、職業カードの木こりを出す。特殊効果はカードに書かれているので、最初に配られた小さな進歩7枚+職業7枚はあらかじめ目を通してある程度の方向性を定めておかなければならない。

ただし同じアクションは早いもの勝ちなので、木材を取られたわしは畑を耕すことにした。

個人ボードには、3種類のものを作ることになる。家、畑、畜産である。家は人が生活する場所なので、こいつを大きくしないと子供を作ることが出来ず、子供が作れないつうことは、毎ラウンド、アクションがずっと2回しか選択出来ないということになる。
畑と畜産は、安定した食い扶持を稼ぐ手段だ。アグリコラの世界では、食い物をいかに確保するかが大きなテーマとなっている。そのために小麦、野菜を植える畑や、羊、猪、牛を飼えるように柵や厩を作ることになる。

※カードに出てこなければ基本的に乳などを加工する酪農という手段はなくここに登場する家畜は全て食肉用だ。


このように最初から10種類のアクションが印刷されている。(一番左は大きな進歩カードを並べている)これにカードのアクションの選択肢が毎ラウンド1つずつ増えるということだ。左側のアクションは追加されないそれこっきりのアクションで右のアクションは誰も取らなければ累積して増えていくアクションだ。これらのマスに自分の駒を置いてアクションを行う。資材などの駒は毎回追加で置かれるので、誰も選択しなければドンドンと増えていく事になる。

畑は農地を耕し、種を手に入れ、種をまき、収穫をするという非常に時間がかかるものとなっている。収穫以外は1アクションずつ選択していかなければならないのだ。そのためにまずは畑を耕すアクションを選んだ。

次に行うのは、種籾を手に入れることだ。これも1アクションを費やして麦を1個手に入れる。これはそのまま食糧にして食うてもいいが、植えて増やすためにぐっと我慢しなくてはならない。
次のラウンドに、種を植えるアクションを選択。畑にその麦駒を置き、ストックから2個追加で載せる。1つが3つになるという事だ。


黄色が麦駒。これを畑に植えると3つになる。次の収穫の時に各畑から1個ずつ収穫出来るので、畑は多い方が効率がいい。アグリコラをやっててなんとなく納得出来ないのが1個ずつというところ。普通収穫は一気にするのでは?? やってみれば解るが収穫が1個ずつのおかげでかなり苦しい展開となるゲームなのだ。収穫したらすぐパンには出来ない。パンにしてしまうと次の畑の種籾が無くなってしまうからだ。右に囲ってるのが羊である。羊は割と速いラウンドに出てくるので溜まりやすい動物だ。

しばらく経つと、ラウンドカードで羊が手に入れられるようになる。羊は食糧事情を大幅に改良してくれるのだが、こいつは生肉のまま食す事が出来ない。そのために大きな進歩カードである竈か調理場を手に入れる必要があるのだ。大きな進歩を選び、竈カードを手に入れる。竈さえあればいつでも好きなときにジンギスカン料理を食べる事が出来る。

それより前に、柵をこしらえなければならない。柵を作るアクションを選び、木材を使って柵を作っていく。この中に羊を入れなければ、家には1頭しか飼う事は出来ないのだ。2頭以上いると、子羊を産んで増えるのでお得なのだ。

当然、これらのアクションは2アクションでは不可能で、数ラウンドにかけて行う事になる。やっぱり子どもが必要だ。


黒い駒は猪である。大量の木材を集めて家を広くする予定である。木材は、家、柵、厩と色んな物に使えるのでかなり重要な資材なのだ。ちなみに木材はほんまは赤のチップなのだが、間違って薄茶色のチップ(ほんまはレンガのチップ)を使っている。

ここで、収穫フェイズである。畑から麦を1つ取る。それが終われば、人に食糧を食べさせなければならない。人駒(つまりアクション駒)1つにつき2個の食糧を必要とする。ここで悔しいのが、麦はそのまま食べると、食糧1つにしかならないところだ。竈を使えばパンにする事が出来て、食糧2個になるのだが、これはアクションとして選ばなければならないのでなかなか選ぶ事が出来ない。竈を手に入れた直後にすぐにそのアクションが追加で出来るという特典はあるのだが、それを行わなかったのは、この麦を更に別の畑に植えて増やしたかったからだ。なんせ1回の収穫に1個しか獲れないってのがかなり辛い。あと2個も残ってるのに…

※収穫フェイズのあるなしはラウンドによって決まっている。ラウンドカードがボードの下の段に置かれたラウンドに収穫フェイズがある。それはボードに収穫と書かれているので解りやすく出来ている。つまり農作物は畑を耕し、種を手に入れ、種を蒔くというのは能動的に出来るが、収穫だけはラウンドによって勝手に行われるのだ。

そこで、わしゃ羊を食べる事にした。羊は竈があれば何時でも1個で食糧2個に変換できるのだ。まだ二人しか住んでないので4個の食糧を消費する。

mia「あ、食糧ない」

miaにも羊がいるが、竈がないので調理不可。畑はあるが植えておらず手に入れた麦駒1個だけ。途中、漁(食糧が手に入る)をすれば良かったのだが、それもしなかったおかげで、初期に貰える食糧2個+わざわざ植える為に手に入れた麦駒をそのまま食べる事にしても、1つ足りないのだ。

わし「ほな、物乞いカードな」

物乞いカードは足りなかった食糧1つにつき1枚貰うもので、勝利点がマイナス3点というかなりきついものだ。1枚でも貰えば勝利はまず不可能である。

mia「えー! このゲーム、何していいのか全然、解らない」


今度はオレンジ色の野菜を植える事にした。野菜は2個にしかならないが、パンにせずとも竈か調理場があれば即座に食料に変わる非常に使い勝手のいい食べ物である。まあ、動物も同じやけど。

それが終われば、最期に2つ以上の家畜駒につき1つ増やして収穫フェイズは終わりである。

次あたりから、そろそろセックスして子どもを増やすカードが出てくる筈だ。なんせやりたいことはいっぱいあるのに、アクション数が少なくてどうにもこうにもいかないのだ。頭数が増えれば確かに食糧は必要とするがそれ以上のメリットがある。


miaは食糧不足がたたったので、大量の食料を保持している。チップが食料で、1駒につき2枚必要とする。なければ物乞いカードを貰わなければならない。カードをみれば解るが、枚ラウンドその駒が追加される。例えば羊1と書かれていれば、毎ラウンド1個の羊をこのカードにのっけるという意味だ。

だがその前に…

わし「ほな、増築するわ」

人を増やすのに部屋が必要なのだ。増築は木材5個と葦(あし)2個が必要である。これで子ども部屋は出来た。後は、子どもを増やすラウンドカードがめくられるのを待つだけである。つまりここまでこの夫婦はセックスレス夫婦で近所でも有名だったのだ。


これが今回の最終。5人家族、石造りの家で、すべてのものが揃っている。1マス余らせてしまったのはマイナス点となる。

miaは意味不明にもひたすら木材収集を行う。確かにこのゲームで木材は相当重要な資材なのだが、そこまでいるか? つうくらい取る。わしは、木こりの職業カードを出したおかげで、木材を取るときに追加で1個貰えるので対抗したが、miaの木材戦術(?)のおかげで木材不足は終始たたる事になった。


これがmiaの最終。牛がいない。最低1つはないとマイナス点となる。それよりも空きが3つもあるのが痛い。

この手のゲームのわしの基本戦術は、溜まったら取るである。資材、家畜は、誰も取らなければ毎ラウンドどんどんと追加で増えていく。プエルトリコのお金を載せる奴と同じシステムである。こうして価値をあげていくとうおのだが、全然選ばない葦や羊など、4個、5個など大量になるのだ。それをごっそりいただく。これはお得だ。

葦は確かに屋根にしか使わないが、持ってて損はない。増築や改築でちょこちょこ使用するのだ。
自分の柵の許容を遙かに越えた羊駒の取得も、竈を使えば即座に食糧にすれば解決である。

なんか、ちょっと酷いけど。

子どもを増やしたわしは、農業経営が段々と楽になってくるのを実感してくる。畑を耕して増やして、麦を蒔き、収穫をする。ここまでくると余剰の麦が出てくる。そうなるとようやくパンを焼く事が出来るようになる。家畜を屠殺よりもパンを焼けるようになる方がよっぽど時間が掛かる。麦、野菜は、収穫時に畑1つにつき1個ずつしか収穫出来ないので、余剰がなかなか作れないからだ。

パンこそ文明化の第一歩である。大きな進歩カードの竈から調理場へグレードを上げて(これには2通りあって、竈を返して貰うか、レンガを使って新たに貰うかだ)、製造能力を飛躍させた。今では麦1個でパンを3個焼けるのだ。

mia「どうして、こんなに差がつくの? 順調そうでいいなあ」

家畜がおらず閑散とした大きく囲われた柵。無理矢理に作った畑には作物が植えられていない。
無理矢理にレンガ造りにした家だけがやけに立派に見える。

わし「なんでそんなヘボいの?」

mia「わからーん! 何していいのかわからーん!」

わしは木の家のままずっと増築していくのには作戦があった。手元には修理屋という職業カードがある。こいつを出せば、木の家からいきなり石の家にグレードアップさせる事が出来るのだ。家を粗末だからといって、狼がやってきて吹き飛ばすなんて事はない。最期の勝利点が違うだけなのだが、勝利するためには最期はやはり石造りにしておきたい。


これが最終手前。未だ木製の家だが、修理屋という職業カードでレンガ造りをとばして一気に石造りにする予定だ。畑はたくさんの小麦が植えられかなりいい感じである。

通常、木製→レンガ製→石製と順番にあげていかなくてはならないが、わしゃ作るだけ木材で家を増築してから、一気に石製にするつもりだ。というのは増築の方が資材の消費量が多く、改築で必要な資材ってのは少しで済むので、出来る限り数が多い木材を使いたいのだ。

例えば木2つの家から最終的にレンガ5つの家にするとすると以下の2パターンが考えられる。
@増築(木材5×3=15、葦2×3=6)→改築(レンガ5、葦1)
A改築(レンガ2×2=4、葦1×2=2)→増築(レンガ5×3=15、葦2×3=6)
@は木材15レンガ5葦7必要で、Aはレンガ19葦8必要である。資材がばらける@の方が作りやすい事が解るだろう。

という訳でとりあえず木の小屋で増築を繰り返し、一気に修理屋を使って石に改築する方法をとることにした。
上の例でいえばレンガのところを石に変えて見ればいい。


わしの最終形はこれである。家が石造りになってるのが解るだろう。

石は、後半2種類の場所から登場するし、相手がmia1人なので、どんどんと溜まり、ごっそり手に入れる事が可能だ。タイミングを見計らって取ることにするとして、もっと家畜を飼いたいと思いだした。

中盤になると猪、後半になると牛が出てくる。これらを手に入れるメリットってのは、調理するときに大量の食糧になるという事だ。羊ならば2個にしかならないが、3個場合によっては4個手に入れることが出来るのだ。
そのために柵を増やしたいが、木材はmiaがひたすらかき集めてるので、小さい柵を作る事にした。

また畑もより活発になっていく。最終的に、使われていないマスは、全てマイナス得点になるので、土地を有効活用したいところだ。パンは確かにアクションをわざわざ選ばなければならないので大変だ。しかし、中盤に出てくる野菜は違う。こいつは竈や調理場を使って何時でも食糧に変える事ができ、さらに食糧3個になる便利なものなのだ。是非、野菜栽培も手がけたいところ。

こうして、広がった土地は、先に述べた増築をして、子どもを増やして、わしの農場はどんどんと潤沢になって大きくなっていった。
今や、牛3頭、猪4頭、羊1頭、小麦畑、野菜畑、調理場、レンガ暖炉、家族5人という素晴らしい進歩を遂げた。

※羊は途中大量に持っていたが、食糧2個にしかならないので、柵の狭さから猪と交代させた。1頭だけおいておくのは、最期持っていないとマイナスを食らうからで、1頭だけなら家でペットとして飼う事が出来るのだ。

こうして最終の14ラウンドを終えた。

miaの農場は…こ、この人マジ?? 写真を見て欲しい。


miaの農場。信じられん事にこれがファミリールール2回やり、正式ルール2回目の結果である。家もレンガ造り止まり。死ぬほど笑った。わずか10点である。

わし「お、お前、おもろすぎ。なんでそんなに閑散としとんねん!」

mia「だって」

まじで腹がよじれるかというくらい笑った。ありえん。ありえんて、これ。
得点表に従って得点集計をする。得点は人が一番大きくて一人当り3点もあるので、最期は絶対に5人家族にした方がいい。その他については無いとマイナスを食らうので、最低1個は持っておいた方がいい。

わしが44点、miaが10点でぶっちぎりの勝利。

所要時間60分


これが翌日やった最終形。本来なら家族駒1つにつき部屋1つ必要なのだが、部屋なしで家族を増やせるっていうアクションが後半に出てくる。これを使えば部屋3つでもこのように5人家族にする事ができる。


別に下手になったわけではなく、今回のテーマは出来る限りカードを出そうという事だった。カードには勝利点が入るものがあるのだ。参考までにこのときの得点は44点であった。


これがmiaの農場。昨日よりもちょっとマシになったようだが、空きマスが4つもあるのは頂けない。これだけでマイナス4点食らう。


さらに成長したmia農場。もうちょいやな。家族3人は痛い。最後は5人にしないと勝てないだろう。

miaのコメント

二回目にやった時、初っぱなからもの乞いを経験。以降労働もせずせっかく手に入れた家畜を即鍋にし、それでも足りなきゃ生麦を食べるという鬼畜な生活に突入。終わってみたら様子のおかしな人が作った箱庭ができあがり自分でもびっくりした。さすがにその後はなんとかまともな村になったけど。だからって訳じゃないけど、それほど面白いって内容じゃなかったような…。個人的な感想としては、ちょっと違うと思うけど、同じ農場がテーマならハチエンダみたいに相手と場所取りで絡んだりしたほうが楽しい。ちまちまとマイ箱庭を作るだけって印象かなぁ。

ソマーリオ

ん〜〜、ん? これが2008年にプエルトリコを抜いてGEEK1位になったゲームかあ。
Play:gameでけがわが「切れがない」とコメントしてたので、実はちょっと楽しみにしてた。というのは、けがわにとって切れが悪いという事はわしにとっては雰囲気のあると読み替えていいからだ。これは相当、雰囲気のあるゲームに違いないと、ようやくルールを読み出してやったのだが、わしの意見もまた同じく「切れがない」である。

日本発売当初から他のサイトでも一言目におもろい! という言葉がなかったからどうなんやろと思ってたが、今ようやく解った。なんだか勝つための目的がぼやあっとしてて、他のプレイヤーとの絡みが少なく、プレイ自体も単にルールに則って箱庭を作ってるだけとしか思えない。簡単にいうとゲームをやってるのではなく、自分1人でジオラマを組み立てて、お人形遊びをしてる感じ。通りでプレイヤー人数が1〜5人となってる訳や。

それ自体を楽しめる部分はあるにはあるのだが、これは他人との勝敗を競うゲームであるという事から見ると評価は辛くなってしまう。GEEKで1位というのもある。プエルトリコと比べるまでもなく、このゲームよりおもろいゲームはもっとたくさんあるように思う。

勝敗のつけるゲームとして出すのだからという理由で取って付けたような得点システムは、どの勝利点を稼ぐためにこうしようという目的意識が薄く、たまたま作った箱庭がこういう得点だったと結果論的なのだ。やりたい放題やって最期に、ああ、俺の作った農家はこんな得点だったんだ、とそんな感じ。得点表は確かにバランスはいいのだが、帳尻合わせで作られたという人工感がたっぷりとある。ゲームをやってる感覚が薄いというのはそういうところだ。

基本ルールは出来る限り簡単に済ませて日々を送る複雑なアクションを行えるように、進歩カード制にしたのはローゼンベルクの良さなのだが、最初に7枚ずつ配られた後それに目を通す時間が必要となってゲームの開始が遅くなる。さあ、今から始めようと思った矢先に、じーっとプレイヤー同士がだんまりして自分に配られた文章を読むのだから、いきなり気勢をそがれるんよな。まあ、それでも複雑な事が色々出来るのだから、これはしょうがないっちゃしょうがないところはある。

それよりも、小さな進歩カード職業カードという強さにばらつきのあるカードを運だけで配ってしまっていいものかと思う。これは各自7枚ずつ配って、妖精奇譚のようにブースタードラフトを行った方がいい気がしたけど、そうするともっとゲームの開始が遅くなるなあ……。重要なカードをただ単に7枚ずつ配って後は知らんってのはドイツゲームとは思えないルールだ。アグリコラの大きな欠点のように思う。

この手のタイプは何度か繰り返すうちに楽しくなってくるものだと、土日にファミリールールで2回、正式ルールで4回もやった。でも、評価はまったく変わらんかった。単にmiaがファミリールールで2回やって慣らした後、このレビューになったってのがおもろかったくらいだ。個人的には、ファミリールールでも正式ルールでも楽しさに差がなかったってのがまた悲しい。どうにもカードで出してワクワクする感じがわしには無かったんよなあ。だから選択肢が増えた正式ルールでも、楽しさの差を感じる事が出来なかったのだ。

コンポーネントだが、部品多すぎてさっぱり解らん。タイルも何枚あるねんというくらいいっぱいあるし、駒も無茶苦茶いっぱいある。準備や後かたづけに時間が掛かるが、雰囲気重視のゲームなので、これはしょうがないとみよう。プエルトリコも時間掛かるし。木材とレンガの駒が色が解りにくいなんて人はこちらを参照してシールを貼ればかなりよくなる。

うーむ、この手の箱庭は好きやねんけどなあ。アグリコラは普通やな。

嵐の予兆のように拡張セットで、こんな農家を作れ! みたいな目的カードがでれば、突然このシステムに輝きが増して相当面白くなる可能性はあるので、とりあえずはそれを楽しみにしよう。レースフォーザギャラクシーの単体など、あまりこのように目的が明確でないシステムってのは好みじゃない。さじ加減ひとつでかなりおもろくなると思うのだが、これは個人的な好みなのでしょうがないか。

またmiaの動きをみる限り初心者では何をやっていいのかさっぱり解らないので、熟練者向けのゲームというのも残念である。一手一手が、後半にかなりの差となって反ってくるのだ。
とはいっても、普及クラスのゲームが候補にあがるドイツゲーム大賞にて特別賞を獲っている事から、その人気の高さが伺える。ゲームマニアからの声が無視出来ないほどだったというのは想像に難くない。こんなにたくさんあるのに飽きたらず追加のデッキセットもZやらOやらXやらが発売や配布されているので、マニアにはたまらない仕様なのだろう。また別途、野菜駒や麦駒まであるようだ。ちょっと調べたところ、Zデッキは遊び心、Oデッキはオーストリアがテーマに、Xデッキは宇宙人が登場したりとSFチックのようである。


Joeyama画像から拝借。Zデッキと野菜駒と麦駒。

こういう箱庭を作るのが好きな人は、ほとんど決定版といった感があるので、このレビューに騙されずに速攻買うべし。そこには自分が創造出来る農場が広がっており、畑に小麦を植え、牛や猪があなたを待っている。このゲームを傑作とみるか、凡作とみるかは、プレイヤーの思い入れに掛かっているといって過言じゃない。
この手のゲームはコンシューマゲームが得意の筈だが、実際に手に持つ感触や立体的な造形を楽しむにはアナログゲームでないと駄目なのかも知れない。

ここまで書いてて思ったのはアグリコラのシステムを使えば、現代人の生活や、宇宙人や原始人の生活までゲーム化出来るってのはやっぱり凄い事なんかも知れんなあ。生活そのものがゲームになってる。ボード版RPGなんかも。

全然関係ないが昔、同人ゲームで大学生活を楽しむというキャンパスライフというゲームをタクテクスの通販で買うたのを思い出した。当時、大学の単位の取り方が解らなくてルールを読んだきり結局やらなかったが、合コンという言葉を知らずに、漢字とカタカナが混ざってて変な感じやなあと思ったもんや。で、内容はといえば、男と女が知り合う機会つうのに妙な気持ち悪さを感じた。誰がこんなものを企画するのかと。だって、そういったものは学校が行事としてやるくらいしか知らんかった……w


こうして動物駒をみてると可愛い。

あー、そうそう、日本語版やといくつかの職業カードに野菜と小麦が混合出来るかのような書き方をしているが、追加する場合、畑は同一種のみで混合は出来ないので同じ種類を積み重ねる事。

後日談

後日、これとよく似たゲームのル・アーブルをタナカマの猛プッシュで買うたとき、アグリコラのデッキについて話をしたことがあった。タナカマ曰く、Eのデッキだけでは楽しさが分からんと。いきなり全部混ぜでないと楽しくないといわれた。Eのデッキはエントリーデッキだけあって、皆、似たり寄ったりの家造りになる。他のデッキは変わったものがたくさんあって、目指す途上に多様性が生まれるらしい。

で、やってみると、確かに雰囲気が変わった。途中、イチゴ農園たてようとか、天才芸術家が生まれるとか、発展の途上に独自性が出て、自分の農園を想像すると楽しくなった。
E以外のデッキではちょっとした組み立てのテクニックが入るので、まずは1,2回お試しでEデッキでやってみてから、後は全部混ぜがよさそうだ。ほんの少しだけアグリコラの評価があがった。

miaのコメント

初の4人戦。2人の時と印象そんなに変わらない。ただ大人数だと選択肢が若干狭まるので、あまり迷わなくなるかも。ロクな職業や進歩が来なかったから規模は小さくともひたすらまんべんなく整えて、子供を増やして点数稼ぐ方法をとるも結果三位。でもこれが勝ったとしてもやっぱりなんだかイマイチ感を拭えず。

さらにその後……

どうにも癖になる。数ヶ月に一度、無性にやりたいときがあるのだ。
ドイツゲームというデザインからは到底容認しかねるシステムなのだが、楽しくて何度でもやりたくなるのだから正直に評価を変更せねばならない。二人からも出来るので我が家でもヘビーゲームのくせに稼働率は高い。子を産み、畑を耕し、物を作る、これら人間の根源的欲求が上手くボードゲーム化されてるのだ。無印からへの変更はルール間違い以外ではたぶん二度とでないだろう。やりこめばやりこむほど楽しい。

それとアグリコラの補充のめんどくささを解消するアイテムも登場している。
こちらをどうぞ。

さらに30分で出来るアグリコラとして二人用のアグリコラ:牧場の動物たちというのも後日リリースされた。

gioco del mondo