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Uwe Rosenberg
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Lookout Games
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1〜5人用
150分
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ル・アーブル
駿河屋で購入
フランス北西部、ルアーブル。
港には大型の貨物船が毎日のように出入りする。
ルアーブルはフランスにてマルセーユに続く第2 位の規模の湾岸都市です。都市は大きさだけではなくてその変わった名前でも知られています。
オランダ語の”Havre”は”Harbour”ハーバーを意味していて12 世紀頃にフランスに定着しましたが、昨今では古い表現とみなされて単に”le port”が使われていました。Jyama訳より。
この港湾都市は、ノルマンディー上陸作戦によって焦土と化すが、それはまた後の話。
プレイ感
アグリコラに少なからず失望を感じたので、似てるという噂のルアーブルは買わんでええわと思ってたら、Jyama家に行った時にタナカマがアグリコラに似てるけど別ゲームで楽しめると思いますとプッシュしてきた。たしかにちらほらとそういう意見も見られるので買うてしまったが、相変わらず分厚いルールに読む気が失せてた。タナカマとゲーム大会をやる機会があったので、そしたらついでに説明して貰おうと取り出してきた。タナカマ、タナ嫁、miaとの4人プレイにて。
手番に自分の駒を空いてるマスに1つ進めてその資材を補充する。で、場に置いている資材を丸ごと1種類を取るか、自分のマーカーを建物カードの上においてそのアクションを行うかをする。例によって行動選択のゲームだ。誰かの船が端っこまで行ったら、食糧を(カードに描かれている数で徐々に増加)消費する。次の人は、また1マス目に駒を移動させて、食糧を表示しているカードがなくなるまで延々これを行う。最終的に一番お金を持ってる人(カードの資産価値も含める)が勝ちである。
船を1つ進めて、そのマスに書いてあるものを一番下に並んでいるところに補充する。その後、好きなマスを選んで丸ごと貰う。上にどっちゃりのってるのが資材置き場で、ここにあるタイルを下のマスに載せるという作業を行うということだ。アグリコラと違い、あちこちに置く必要がないので、作業はし易くなった。
こう書くとルールは簡単やねんけど、アグリコラと同じく特殊効果がやたら絡んでて、処理は相変わらずややこしい。アクションは大まかに2種類あって、建物を建てるという行為と、建設済みの建物の機能を使うというもの。アグリコラではアクションは自動的に増えたが、ルアーブルではアクションを増やす為に、アクションカードそのものである建物を建設するのだ。ここがアグリコラとの大きな相違点である。
相変わらず食糧事情がポイントのようで、アグリコラでよく出てきた牛と小麦を取っていく事にした。この2つは食糧消費のときに増えるのでかなりお得だ。が、そのままでは食うことが出来ない。パンや牛肉に加工せんとあかんねんけど、その工場がまだ出来てへんのだ。生で食えるのは魚だけなので、序盤は魚が貴重な食糧源となるのだ。食糧が無ければお金で代用する事も出来るのでタナカマはひたすらお金を取ってはそれを食糧に当ててた。
このように端っこに誰かが到達すれば(同じマスには入れず勘定もしない)、ラウンド終了で、食料を消費する。次は紫のプレイヤーが最初のマスに動かして、全員がこの直線上を何度も何度も繰り返して進んでいく。
屠殺場だが、やたらと場の奥に眠ってる。うちの牛たちはフリーセックスの若者のように、次から次へと仔牛を産んでいくが、まったくこのままでは役に立たない。しかも小麦もフリー交配を繰り返しているのか、増えるばかりでまったく役に立たない。パン工場もちょい奥にあって作る事が出来ないのだ。
建物は3列に分けられ、その一番上の物しか作る事が出来ないようになっている。2番目3番目とどんな建物があるかは見えるようになっているので、ある程度戦術は組み立てる事は出来るので、屠殺場の2枚をなんとかどけようとその建物を建築していく事にした。
建物カードはこのように少しずつずらして次に何が建てられるようになるか分かるようになっている。裏面は、人数別にそのカードを使用するかどうかが表記されているので、アグリコラと同じく人数が少ないと使用しないカードが出てくる。
上がカード裏面。人数に従ってチェックが入ってる。このカードなら3〜5人の場合入れるわけだ。
下がカードの表で左上がこの建物を立てるコスト、右上が相手に払うレンタル料金、中央部がこのカードを選択した場合のアクション内容となっている。なお資産価値の金を払っても建てることができる。その場合は追加の行動として別に行える。
建物を建築するには建築会社にアクションマーカーを置いて、必要な資材を消費する事で自分の前に建てる事が出来る。もしくは、建物の価値分のお金を払っていきなり建てるのも可能だ。
アグリコラと違うのは建てた工場(アクションカード)は自分のものであるという事で、他のプレイヤーがそのアクションを実行しようとすると、レンタル料を貰う事が出来るのだ。レンタル料というのはほとんどが食糧で(たまにお金)基本的に安いが、貰っといて損はない。
自分の建てた建物は皆に使って貰えるように逆向けにするらしい。これがアグリコラのアクションカードに相当するものと考えていい。ただし建物のアクションを使うには、相手の物ならば使用料を払わなければならない。つまりよく使うアクションの建物を建てれば、ウハウハな訳だ。
こちらの4枚は公共の建物で、誰のものでもない。建物はアグリコラのように駒をこのように置くことで宣言する。同じ建物を選べないのはアグリコラのアクションカードと同じ。その下にあるカード群の使い方がちょっと変わってて、下のツボみたいなマークが毎ラウンド全員が消費する食料の数(5個あるが単に人数別に分かれて描かれているだけ)で、ラウンドが終了すると裏返してちょい上に置く。そう船のカードになるのだ。ラウンドが進むごとに作れる船が増えるというだけで、裏表自体に関連性はない。カードの枚数を減らす処置という意味もあるだろうが、ラウンド毎に作れる船が進歩していくっていうのを現しているのだろう。
序盤にあった建具屋は、木材を1つを5フランに替えるというもので、これはかなり強いんじゃないかと喜んで建てた。木材は溜まりやすいので、相当、皆は使うぞと思った訳だが、これがほとんど使ってくれないヘボヘボな建物である事に後々気づく。
わし「ゆぉ〜し、露払いが出来た。次にようやく屠殺場を建てられるわ」
タナ嫁「じゃ、屠殺場を建てます」
…
…_| ̄|○
どうすんねん。このモーモー軍団はよお!
モーモー!! タナ嫁、腹立つわあ!!
しょうがないのでタナ嫁に2フラン払って牛を牛肉にする。
※裏向きにすれば牛肉になる。
タナ嫁「ありがとうございます」
なんかむかつく。
ふう、金はかかったが、牛肉になったぜ。タイルはこのように表が資材を現し、裏が加工したものになっている。ま、魚みたいに違うのもあるけど基本はそんな感じ。
ふう、これで食糧事情は緩和されたが、小麦もこのままでは食えんのでパン工場で加工せんとあかん。
わし「パンにするんはどの建物?」
タナ嫁「ここです。ありがとうございます」
わし「なんかむかつく」
かなり主要な拠点を抑えられてる。特に今回、石炭が補充されるマスがなく、建物にアクションを置く事によってのみ手に入れられるのだが、これもタナ嫁にしっかりと抑えられてる。石炭は、燃料効率が高く、パンに加工したりするのに必要なエネルギー資源として重宝するのだ。上で割愛したがレンタル料を払い、物を加工するときに、同時にエネルギーを消費しなければならんのだ。木材でもいいがエネルギー効率が悪いのでたくさん使わなければならないのが欠点だ。
うーむ、、
タナカマ「じゃ、波止場を建てます」
タナ嫁「あ、やられた」
ルアーブルのポイントは港がテーマとなっている事から船であるらしい。船は波止場が無ければお金で買う事も出来るが非常に高くつくので、普通は波止場にて建設するのが一般的だ。船は木製、鉄製、鋼鉄製、豪華客船と分かれており、その順番で能力も価値も高くなっている。船カードは食糧供給を指示するラウンドカードの裏面になっており、ラウンドが終わる毎に裏返して船のエリアに置いていく。まあ、使い回しである。
ただの使い回しでないのは、序盤では木造船しか造れず、数も限りがあるという風になっているところだ。しかも同じ船でも(材質が同じ船は必要資材も能力も同じ)勝利点だけは後半にいくほど高い船となっている。
そろそろ船を建造する。船は毎ラウンド払う食料を緩和する。それだけだが非常に重要なカードである。最初は木造船しか造れないが、ラウンドが進む毎に鉄船、鉄鋼船、豪華客船と進歩していく。
で、これほどの船、作るとどんな利点かというと…
タナカマ「食糧供給時に支払う食糧が減るんです。木造船なら2減ります」
わし「そ、そんだけ?」
タナカマ「そうです。でも毎回減るってのはかなり大きいんですよ」
船が手には入ったら食糧が減るっていうのも、なんかよう解らんゲームやな。。。
木造船を早速造るタナカマ。
毎回、減るんはやっぱりでかいんかのうと、タナカマの波止場で作ろうかとも思ったが、2枚目の波止場が出てきたので、自分で建てる事にした。
※後でルールを読むと、船を建造する事なしにこのゲームでは絶対に勝てないと注記してあった。
売れ残りの建物はある一定のルールに従い公共の建物となっていく。建物においた駒は、次に自分が動かすまでずっとそのままなので、人気のあるところはなかなか選べないようになっている。
まあ、牛肉大量に持ってるからそんなに困るとは思えんかったけど、なんとなく船を建造した。
タナカマ「食い物は裏切らないです。それでいいと思います」
確かにラウンドが進む毎に、食糧の必要量がべらぼうに増えていく。最後なんて11とか必要である。
モーモー軍団を使って、毛皮と牛肉に腑分け加工する。毛皮は高値で売れるので、意外とこの作戦はいいかも。丸いタイルは、自分の持っている船でどれだけ食料が緩和されるかを現したマーカー。
miaは途中、アグリコラでやったように食糧が追いつかず物貰いカードを頂く。
mia「駄目だ、この手のゲーム」
ところがルアーブルではこれはそれほどのダメージが有るわけじゃなく、ただの借金カードで何時でも返せるし、一定のターンで利息を支払うだけなのだ。もちろん、最後まで残ればマイナスになるので、その前に返済しとけばいい。
タナカマ「あ、借金返済出来る地方裁判所が出ましたよ」
なんと、地方裁判所を建ててアクションを実行すれば、お金を返済する事なく借金カードを返せるというのだ。
徳政令??
miaはすかさず建てて、借金を帳消しにする。
酷いな。。そんな経済政策でええんかい。あ、あれやな、一人で悩むより相談してくださいって奴。
ゲームも後半になると、建物アクションを行うプレイヤーが増えるので、このように人気のなくなった資材はどっちゃりと山積みとなる。思うところがあって、この粘土を取った。
わしも気が付けば食糧が間に合わず借金することになった。
すぐに、徳政令を発布して、帳消し。4フラン儲かった。。。
鉄製の船を造るにはもうひとつめんどくさい仕掛けがある。それは波止場にレンガが必要で、それをはめこんで近代化しないと鉄製以上の船を造れる波止場にはならないところがある。このレンガは1個あればよく、最初に作りたい人がお供えすればいい。
レンガは結構くせ者で(というよりこのゲーム通じて資材の裏面はすべてくせ者である)、粘土を加工してレンガにしなくてはならない。この資材タイルを裏返すという行為が、ルアーブルのキーであって、簡単なようでいて非常に手間が掛かるのだ。
それでも鉄製の船までは建造できる。しかし鋼鉄製は非常に難しい。というのは鉄製は鉄4枚で出来るので、そのまま資材置き場から貰ってくればいい。ところが鋼鉄製は、鉄を錬成して鋼鉄にして(裏返す)それを3枚も必要とするのだ。錬成するには製鉄所が必要で、作ろうと思ったら阪神銀行頭取の万俵大介に邪魔されたりするかも知れないので猛烈にめんどくさい。
諦めた。
とりあえず鉄の船を造って食糧軽減する。
タナ嫁は、優秀な建築物を建てまくったおかげで、あっちこっちから来て大盛況。
タナカマはそのうち建物を売る(半額になる)という非常手段まで行って、かなりのじり貧。
最後の方は、牛肉と一緒に出来た牛革を、なめして、毛皮工場にて加工し(これもタナ嫁の工場で!)、毛皮販売してお金を稼ぎ、更に意味なく大量に溜まった粘土をレンガにする事で日銭を稼いだ。お金はそのまま勝利ポイントになるので、持っておくべきなのだ。
わし「ほな、この粘土をお前のレンガ工場で錬成させてくれ」とどっちゃり取った粘土を差し出す。レンガにすればお金が手に入るのだ。
mia「錬成だって! 今、鋼の錬金術師にはまってるから錬成、錬成うるさいのよ」と大喜びでタナカマに説明する。
わし「はまってるんはmia、お前じゃ!」
タナカマは、材料を出航させてお金を稼いでゲーム終了。
わしの最後はこんな感じ。建物カードの価値と手元のお金とを足す、総資産で勝負する。
見るからにぶっちぎり勝利のタナ嫁。
わしゃ最後にひたすら毛皮とレンガでお金を稼いで2位。これはこれで効くようだ。
所要時間2時間40分
miaのコメント
なんか色々とやることが細かくてあんまり好きじゃない。そのくせ達成感がないのがなあ。
ソマーリオ
確かにアグリコラに似ているようで違うようで、なんとも総評しにくいゲーム。アグリコラが嫌いだという人がルアーブルはおもろいというのも、なんとも不思議な感想だがそれはアリなのかも知れない。似ているようで違う、、からか?
ひとつ言えるのは、アグリコラの勝敗を付けるために編み出されたかのような無理矢理な勝利点は、ただの資産勝負という事で見通しは良くなった事だ。
ただし、全ての資材に裏表があり、魚のようにそのまま食えるものがあるかと思えば、牛のように加工せねば食えないなど製造過程と役割が非常に複雑になって、その部分では見通しが悪くなった。
もう、チュパカブラでええやん。よーわからんけど。
この資材への見通しの悪さ(=建物で何を加工出来るかの見通しの悪さ)から2時間40分も掛かった。あまりの長さに後半はちょっとしんどかった。3分の2くらいがちょうど良い時間かな。フルではちょっと長い。
何度かプレイして見通しが良くなれば楽しくプレイ出来るかも知れないが、アグリコラと同じく初見にとっては非常に敷居の高い、なんともややこしいゲームと言える。
カードに大量に情報が埋め込まれ過ぎて、パッと見ただけでうんざりしてしまう。ルールがややこし過ぎて廃れてしまったシミュレーションゲームにならないように、リアリティを犠牲にして簡略化させているにも関わらず、システムのための仕掛けが複雑でまるでシミュレーションゲームのようだ。それでいて何もシミュレートしていない。
ローゼンベルクもここまで手の込んだ事をやるならシミュレーション性を高めて、ストレートなゲームにしてくれた方がよっぽど満足いくゲームになると思うねんけど。
※例えば、毛皮加工した途端、確実に売れる。パンにした途端、お金が入る。生産と売却がいっしょくたになってるのだ。しかも加工したモノは手元に残っており、プラスアルファで金が入るのだ。まるで詐欺をやってるかのよう。アグリコラで言えば葦を売ったらいきなり食糧になったりするのと同じでなんとも気持ち悪い。
このように酷評したが、せめて90分くらいに収まるようであれば悪くないと思ってる。ただ2回目をすぐにやってみたいと思う何かがあるのは確かだ。少なくともアグリコラよりは楽しめた。勝利点の算出に納得がいくからだろう。また手作業で、毎ラウンド資材を補充するってのもアグリコラはうんざりするほどめんどくさかったが、ルアーブルでは、普通にめんどくさい程度である。理由は、資材の置き場所がきちんと決まっており、目の前にその資材のストックがあるからだ。移動させやすく出来ておりしっかりと工夫している。また建物を建てるのが早い者勝ちなところと、レンタル料を支払う事で、アグリコラよりもプレイヤーの絡みも増やしているのは好感が持てる。
同じようなシステムのゲームだがアグリコラとプレイ感は異なった印象を持つ。アグリコラは牧歌的であり、ル・アーブルはより機能的だ。機能的であるが故に、目指す物が資産という見通しのよいモノとなったのは大きい。一番の違いは疑いなくそこで、アグリコラはいまいちでもル・アーブルは面白いと考える人は、その部分に競技性を感じるからだろう。逆に言えば、人生そのものをゲーム化したアグリコラには凄みがあるともいえ、このシステムでアグリコラの後発であるならばいくら工夫したところでアグリコラよりも一般的評価は低くなるのは当然のように思う。
噂では今度は中国のこの手の奴を出すそうだが、さすがにもう買わんでもええかと思ってる。前にも書いたがこの手のゲームはデジタルゲームの方が優れている。わざわざボードゲームでやらんでもよろしい。何がめんどくさいかって、初期のセットアップが異常にめんどくさい。駒はぎょうさん出さんとあかんわ、人数によって使うカードはチェックせんとあかんわ、カードを並べかえんとあかんわ、と20分くらいかかる。
ローゼンベルクはこんなゲームよりもっとキレのあるカードゲームを出してほしい。
評価変更
こちらもアグリコラと同じく評価を無印からに変更する。ドイツゲームに慣れた身としては、こういったシステムにどうにも納得がいかないものがあった。しかし、こちらもアグリコラと同じく、物を作る楽しみや、建物を作る楽しさがあるのだ。それが体になじんできてしまっては評価を変更せざるを得ない。
嫁はこのゲームは嫌いなので、やる機会はないが、もしアグリコラかル・アーブルのどちらかと問われればやはりアグリコラと答えてしまう。しかしル・アーブルにはル・アーブルの良さが確実に存在している。