Andreas Seyfarth
&
Karen Seyfarth
Hans im Gluck
2〜4人
90分
郵便馬車
神聖ローマ帝国は、新たな政策が必要だった。
それは郵便馬車網の整備である。
それに名乗りを上げた各貴族たちは、我先にと最も効率のいいルートを確立するのであった。
プレイ感
各地でおもろいと評判になり、
2006年ゲーム大賞
にノミネートされた。しかも作者はあの
プエルトリコ
の作者、ザイファルトである。TAM夫妻との3人プレイにて。
一筆書きに、都市を繋げるようカードを並べていく。で、郵便網を完成させると言えば、その繋がったカードの都市内に下記のどちらかを選んで駅舎を配置する。
1.各地方に1つずつ
2.1つの地方の全て
郵便網は完成させると、駅舎を配置後、全て捨て札にして一から作り直す。
基本はこれだけである。後は2つの地方間全てを埋めたらボーナスタイルが入るなど、特殊な得点方法が入ったり、4つの特殊効果を手番につき1つ実行できるルールがある。
手番になると並べられている都市カードの1枚を手札に加え、自分の場に郵便網として繋げていく。
左にある6つのカードを1枚手札に加え、自分の場に1枚、繋がってる都市を隣にカードをプレイする。手番にどれかひとつ、場から2枚取れるとか、カード入れ替えるとかの特殊プレイ(4種類ある)が使える。地方ごとに色分けされている。
序盤、以前にTAMと二人でやった経験を活かして、TAM嫁以外は順調に郵便網を作っていく。この郵便網は3つ以上繋げないと完成させることは出来ない。そして、1つずつ徐々に長くして最終的に7都市の郵便網を完成させるのが一番効率の良いやり方である。TAM嫁は、ここで4,4とやってしまい、5の得点マーカーを手に入れるのを遅らせてしまった。
※ 3〜7の郵便網を完成させると得点カードが手に入るのだが、同じカードは2度入らず、常に1段階ずつ上げてしか手に入れることが出来ない。4のカードを持つプレイヤーは、6の郵便網を完成させても5のカードしか入らない。これは最終得点になる。
バイエルン地方狙いの青に対して、周辺都市を攻める緑。青、非常に上手くいき、優勢。下に並べてあるのが郵便網で、左右の端に繋がるように置いて行かなければならない。今、5つの郵便網を完成宣言したところ。左に置いてある5の郵便網のボーナスカードを手にした。
当初、バイエルン(地方)狙いのわしは、バイエルンを中心とした郵便網を作り上げ、バイエルン地方を網羅しようとする。最初に書いた2つの条件により、全ての場所に駅舎を置けないので、一地方狙いなら、そこだけ集中して郵便網を作るのだ。対してTAMは、各地方をまたぎまくる郵便網を主に作り、地域ボーナス得点を早めに獲得していった。
ここで、バイエルンを最初に作ったのは失敗かなと後悔しだす。後半になれば長い郵便網を完成させたいので、一番広いバイエルンを3つ、4つ作ることは、効率の面で悪くなるのではないか。というのは、都市ひとつにつき、自分の駅舎はひとつしか置けないので、かぶると勿体無いことになる。後半7以上の郵便網を作る時に全てバイエルン攻めにしたら、もっとうまくいく。
TAMの取った作戦のほうがよさそうである。
このゲームは一筆書き郵便網と配置ルールという2つのフィルタを利用して駒を出来る限り多く配置していくゲームなのだ。邪魔をするのは、相手が狙ってるであろう都市カードを取ったり、場に出てる都市カードの入れ替えをしたりするだけ。
前回、あまりのつまらなさに惨敗したわしだが、今回はそれでも割といいペースで置けていってる。
わし「しまったぁぁぁぁぁ!!!!」
な、なんと、郵便網にカードを置くことが出来ず、5枚まで繋がっていた郵便網の廃棄させられることになった。必ず配置してから、完成を宣言する。配置できなければ、現在の郵便網を廃棄して、新しい郵便網を作りださねばならない。つまり、1枚から再びスタートである。
目測甘すぎだ……
痛恨! また1から始めねばならない。。。ちょっと見難いが、ボードに置いてる国境のところがボーナスタイルである。例えば左下にある薄青と紺のタイルは、薄青と紺の両地方の全てに駅舎を置けば貰える。
結局、ゲームの後半、これが痛恨の一撃となって、再びTAMの勝利。
所要時間80分
最終。緑が圧倒。青は痛恨の一撃で、手元にいくつか駒を残してしまった。
TAMのコメント
これ、おもろいっすか? なんでこれが大賞ノミネートされてるんかがわかりませんわ。
「お前、このゲーム強いやん」
あんまり楽しくないんで、嬉しくないです。
TAM嫁のコメント
ふつー。
ソマーリオ
やり方は分かったが、さっぱりおもろくない。非常に綿密な計画を立ててゲームを展開させていくタイプで、わしのように適当にやってると一手が命取りとなる。やってる感覚はアブストラクトに近い。
チケットトゥライド
、
ハチエンダ
、郵便馬車と一連の手札マネージメントシステムを使ってるが、全てまったくプレイ感は違う。郵便馬車は、駒の置く方法に重点が置かれる。ソロプレイ感覚を強くした
王と枢機卿
という感じだ。或いは
ローゼンケーニッヒ
と似ている。わしとしてはあちらの方がチェックするところが単純なのでよりゲームに没頭出来て楽しい。
駒の配置のために、都市間の繋がりをいちいち見てチェックしたりする時間も長すぎる。この程度のルールで、80分はあまりにもだれる。慣れれば早くなるだろうが、慣れるまでやりたいとは思わない。そしてゲームもソロプレイ感が強いので、淡々と流れ盛り上がるところもない。感想戦は他人との絡みが少ないので「俺がここでな、俺があそこでな、俺が…」の世界となる。わしの嫌いなタイプのゲームである。
綿密な計画でもって、自分の方法の確かさを築くのが好きなプレイヤーにはとても受けるゲームだろう。つまりヘビーゲーマーでないとこれはおもろくない。わしとTAMは前回、訳分からないままやって、2回目で意味が分かった。TAM嫁には勝負どころを一生懸命教えながらやったが最後まで理解できなかった。ゲームの面白みの綾がさっぱり掴めないのだ。これでは初心者にはあまりにも辛い。
ノミネートされたが初心者向けの
ドイツゲーム大賞
に選ばれることは絶対にないだろう。あるとすれば
ドイツゲーム賞
だろうが、今年はヘビーゲームの良作が揃ったので、どうなるかは分からない。わしなら
チケットトゥライドメルクリン
か、
ハチエンダ
を選ぶ。(とはいってもここらへんもフリーク向けなので初心者には辛い)かなり期待してただけに、残念だ。このゲームの周りのHPでの評価が高いという事や、今年発売のフリーク向けゲームの多発といい、皆もゲームが熟して完全なフリークに変移していったのだろうか? せっかくバンダイが
チケットトゥライド
の日本語版を発売して一般流通が始まるというのに、初心者に敷居が高くなるんじゃないかと危惧してしまう。
とか言いながら2006年ドイツゲーム大賞は、郵便馬車にきまりまちた!
惨敗……_| ̄|○
gioco del mondo