Dirk Henn

KOSMOS

20分

ローゼンケーニッヒ

ルール説明

王様マーカーをカードに書いてある通り右斜め下に3のように動かし、そこに自分の陣地コマを置く。どちらも手札が5枚になり動かす事が出来なくなるか(空白地にしか動かせない)陣地コマがなくなった時点で終了。繋がってる陣地数の2乗分の得点をえる。多い方が勝ち。









手札は全てオープンで剣の書いてある方向へ王様を進める。手番は出来るならカードを引くか(5枚未満の場合)、カードをプレイするか、しなければならない。左下に置いてあるのは騎士カードでゲーム中4回だけ、相手のコマを自分のコマにする事が出来る。

※この時の写真はカードの向きに間違いがあるので注意。本来なら、王冠の向きをきちんとボードに合わせなければならない。つまり手前のカードの向きはすべて逆向きが正しい。

プレイ感

TAMとプレイ。最近、二人プレイがめっきり多くなったのでKOSMOSの二人プレイシリーズはよく遊んでいる。意外と二人プレイは戦略的なゲームが多くて、じっくり遊ぶには丁度良いのが多いのだ。

当初、アブストラクティーで、手札オープンて事は無茶苦茶考えんとあかんのんちゃうん? と思って嫌やのうと思ってたがちゃっかり購入だけはした。

静かに……(右下に3と)……とんとんとん(コマを置く)

……(下に1)……とん(コマを置く)

「ふーん、じゃあ……」(左に2)……とんとん(コマを置く)

「そうきますか。じゃあ、騎士使ってと」(上に2)……とんとん(コマをひっくり返す)

「あー、しゃあねえなあ」

and so on so on....


ランカスター家の赤薔薇とヨーク家の白薔薇の騎士カード。かなり美しくて見てるだけでうっとりする。ちなみに史実ではランカスター家が勝った。

「とりあえず同じ領地は抜こか。これとこれ、これとこれ。残った分は4×4+3×3+1+1やな、わしは。お前は5×5+2×2+1。負けたー」

な、なにこのプレイ感??

まったりまったりとゲームが進んでいく。

「このプレイ感なんとも言えませんねえ。なんなんでしょ? 物凄い不思議な感じがしますわ。もっかいやりましょ」

そう、なんとも言えん不思議な感じのするゲーム。ほんまにマターリマターリとゲームが展開していく。最初思ってたように手札オープンなのでかなり考えるなんて事はない。あの剣がピカッ! と光ってるのですぐに解るのだ。相手のいける場所行けない場所が。

そして二回目。再びプレイは優雅に進んでいく。陣取りの戦闘ゲームなのにこれほど優雅な展開を見せるゲームはちょっとない。銀英伝ファンであるわしの頭の中ではお約束のボレロが流れている。

ちゃ〜、ちゃららららら、ちゃっちゃららら〜ん♪ ファイエル!

くっそー、また負けたぁぁあ! 10×10とか喰らってるし! もっかい!

「この場所を騎士で攻め落とせたのが大きかったですね。これがなければあきおさんの勝ちですよ」

騎士カードをつまらんところで使わされたのが大きいな。動く場所がなかったら騎士カードを使えるなら使わんとあかんルールがきいた。もう少し早めに騎士を使おう。

そして3回目。はっきりいって3回連続ゲームをやるのは稀である。


おらああ! まるで何者かに操られるかのように俺が繋がるように繋がるようにTAMはカードを引いていく。そして白薔薇は脅威の18個つながりを達成した。上のカードを見れば解るようにTAMはもう動けないのだ。

「えーとお前が43点で、俺が324点な」

「さ、三百にじゅうよんて!」

ふはははー、陣取りゲーム好きの俺の面目躍如よ。

お、おもろい! まったりと抜群に。

TAMのコメント

ものすごっ不思議な感じのするゲームですわ。こんなプレイ感のゲームはいままでなかったですよ。

ソマーリオ

素晴らしく優雅で華麗。戦闘をこれほど優雅に演出したものは銀英伝以外になかった。一見すると無味乾燥としたアブストラクトチックだが、やってみると、イギリスの地図に薔薇のコマが置かれる度に、あちこちに戦火が飛び火して拡大していく様が美しく演出されていく。

Bellissima!! 美しい……

これまた一般的にかなと思うが個人的にかなりツボに入ったので、最高ランクをつけておく。それくらいなんとも言えん魅力のあるゲームなのだ。確かにディルクヘン特有の見えざる手で選択枝が少ないのはあるが、それが見事に機能している。何を置いてもこの不思議なプレイ感を持つゲームは他にないのだ。それだけでもをつける価値は十分にある。そして良いか悪いか両極端のKOSMOSのコンポーネントで良い方のコンポーネントである。カードがちょっと小さいのが残念だが、絵がかなり美しいので文句はない。ゲームに入ってる全ての演出が見事に調和している希有なケースだ。

ただ注意して欲しい。このまったりと進むプレイ感に面白みを感じない人も間違いなく多い筈。淡泊に感じるのだ。だから万人には奨めない。だから教えてper favoreなのだ。銀英伝ファンなら間違いなく、買いだ! 陣地の2乗ルールが、戦列の分断の大切さを物語ってる。つまり銀英伝の世界なのだ。

かなり昔のレビューに追記してみる。まったりしたプレイ感に面白みを感じない人が多いなんて書いたが、実際のところそんな話はほとんど聞かず、二人用ではかなり人気のあるゲームとなっているようだ。プレイ感は陣取りゲームの傑作レーベンヘルツに似ているので、これが好きな人なら買うてみて絶対に損はしない。レーベンヘルツの簡易版なんて評価ではなく、双璧するおもろさと付記しておく。
また得点の二乗ルールの計算がめんどくさいとよく聞くが、全部いちいち計算する必要なんかない。同数となってる陣地の駒を取り除いていき(かなり取り除ける筈)、残った駒だけ二乗すればいいだけだ。これで大幅に計算が楽になるのでお試しあれ。しかし良いゲームだわあ。

gioco del mondo