Klaus Teuber

KOSMOS

3〜4人用
60分

レーベンヘルツ -Kosmos版-

ゲーム説明

病床に伏せる我が父王。
かつては獅子心王と呼ばれ恐れられた父もその年と病には勝てず、今はただ死を待つのみ。
次なる王は実力でよってのみ、決せられるであろう。
かつて我が父が祖父から奪ったように。
領土を広げ国を盗るのだ。

プレイ感

あきお5大傑作ゲームのひとつ。それがこのレーベンヘルツである。超久しぶりにたっかん、TAMと3人プレイをやった。飲みに行くので1ゲームしか出来ない。何をしようかと考えてたら「レーベンヘルツは?」と言うとTAMひとつ返事で快諾。ま、それくらいのゲームである。

このゲームはドイツゲーム賞を獲ったGold Sieberから出ていた奴の改良版で、本来競りで行動を行うところをカードにしてプレイ感を軽くしている、らしい。旧版とは大きく違っているので違うゲームと考えた方がいい。


初期配置。黄色のたっかんは初ゲームなので、大きめに領土をとろうとしている。ぱわーカードというのを使って柵で囲っていくだけのゲームである。自分のコマを全て囲えれば領土となる。

昔やった時はいきなり領土を確保しようとして、領土にするのに時間がかかった記憶があるために、端っこの方に自分の城を置いていく事にする。


昔の教訓を生かして、細かく柵を区切る。早速領土が出来上がった。右上に見えるのがこのゲームの基本となるカード。ここは要らないカードを売る市場であり、ここから手に入れる事も出来る。

このゲームは領土をまず作るのが先決だった筈である。かなり前の記憶ではw柵は1つから3つしか一度に置けない。城と騎士を囲んで領土化するには最低5つの柵がいる。あまりがめると柵を作るカードがなくなって、領土出来ずにうろうろするのだ。

※ カードに出来る行動が書いてあり、初期の頃は柵カードが多く、後半は騎士カードや拡張カードが多くなるように出来ている。

すぐに資金がショートするので、先に鉱山だけは抑えて置きたいところである。つまり3マスを囲むように柵を作っていく。

※ 鉱山は4種類あり、自分の領土にある種類の数だけお金が貰えるのだ。

初期は俺の思う通りの展開で、領土ができあがる。そこから領土を広げるカードを使って、どんどんと領土を拡張していく。

たっかん「うわ、僕遅れてますわ」

最初がめるというよりどこに柵を置いていいのか分からず遅れるたっかん。
それを尻目にカードを売って、お金を獲得して、戦力を整える。


左下と下の白と赤のコマは領土とはなっていない。その上の三国で今からこのゲーム最大の見せ場が訪れる。

当面の敵はTAMである。TAMは侵略しようと騎士カードを使った。これは非常に危険な兆候である。TAMは、天然資源豊かなたっかん国に目をつけた。そう後はテロ支援国家と難癖つけて侵略を開始するつもりなのは明白だった。

※ 相手の領土に拡張する場合は、相手より騎士の数が上回っていなければならない。

我が国もこれに乗り遅れてはいけない。早速、騎士カードを市場から取り寄せる。もはや、自由の名の元に侵略するのは目に見えている。TAMにだけ天然資源の利権を与えてはいけない。たとえ自爆テロが起きて、あちこちで美術品など略奪が起きようとも、天然資源のあるところの治安は一糸も乱さないぜ。

※ お金は手札を市場に捨てる事で手に入れる事が出来る。市場に出たカードは補充の時に山札か市場かを選べるので相手の行動がなんとなく分かるように出来ている。

わし「これからは一緒にテロと戦いましょう! たっかん国に真の自由がくる日まで」

TAM「正義と自由のために!」

ここで不可侵条約締結。そう、この地区はこれ以上TAM側に拡張は出来ないとふんだのだ。もう一つの理由は、領土の位置による。森は勝利ポイントは高いのだが、騎士を置くには余分なお金が要る。鉱山にも街にも騎士は置けない。見れば解るがわしの陣地は狭くて、ほとんど森なのだ。

※ 同盟カードは永遠に一方的に侵略を防ぐ。


左上の白と赤のところで柵が縦になってるところがある。これが不可侵条約の印である。お互いに領土は侵略出来なくなる。

しかしたっかん、当然手をこまねいている訳ではない。戦闘力をあげて侵略を防ごうとする。

むう、そこに騎士置かれると、わしもう拡張できんやんけ。

※ 一旦置いた騎士はまず取り除く事は出来ない。

素晴らしいディフェンス。


TAMに侵略されて慌てて騎士を増やす黄色たっかん。周りが強国に囲まれている。ボードに書いてある宝石である天然資源は毎回お金が入るので是非囲っておきたいのだ。

しょうがないので逆サイドの領土から天然資源を奪う事にする。

裏切りカードを使い、相手の戦力をそぎ落として見事、天然資源をゲット。
ついに3種類目の鉱山を獲得して毎回3デュカートずつ手に入るようになった。
全てが全て俺の思うがままに進んでいる。

しかしここで俺はある事実にまったく気づいていない。

このゲーム、柵を作るという事は自然と相手の柵を作る事になっているのだ。

そう、簡単に、しかももっと広く領土ができあがる!

つまり一見、柵カードをたくさん使って上手くゲームを進めているように見えてる俺が一番、貧乏くじを引いていた。反動でたっかんが最もその恩恵を受けていた。

それに気づかず、小さい領土から少しずつ拡張して喜ぶ俺。

今度もたっかんの領土を切り裂いてやろうと、騎士を増員する。

それに応じてたっかんも騎士を増員するかに見えたが、なんと柵を置く方を選択したのだ。

※ カードには2種類ある行動のひとつを選ぶ事が出来る奴がある。


いつも広い視野でみる俺が、これに気づかなかったとは不覚もいいところ。前の教訓が仇となっているのだ。(/。\)イヤン……恥ずかしい。。

なんかけったいなところを広げるなあ。

そう、次の瞬間、一気に巨大な領土が出来上がってしまうまで俺は勝利を確信していた。

たっかん「じゃ、これで領土になるんですよね?」

王のいる領土を囲み、一気に勝利条件の領土を獲得。

TAM「僕も狙ってたんですよ! グレートです!」

気づかなかったのは俺だけのようだ。。
最近どうもゲーム勘が鈍っている。


がっひょーん!! 左下の奴が広大な領土を確保してるのに注目。気づかんかった。。鈍ってるなあ。。

まさに逆転のヘイルメリータッチダウンを奪われた感じである。

所要時間45分

TAMのコメント

見事やられました。これは僕も持ってますが、最高ですね。

たっかんのコメント

勝ったから余計におもろく感じましたわ。こんなに見事に作戦が決まると痛快ですわ。

ソマーリオ

このゲームの最大の肝は、レビュー中にも出たが柵は相手の柵でもあるという事である。これと領土を広げているというのが視覚的によく分かり、陣取りゲーム中の陣取りゲームである。

そしてその癖、カードで行動が限られているのでプレイ感は素晴らしく軽い。とても気持ち良くテンポよく進むのだ。

一見負けているように見えて真の逆転勝利出来るあたり、とても愉快であろう。あっと驚く戦略が隠されているのだ。

ルールは簡単、プレイ時間も短く、あきお傑作ゲームの5本指に恥じないおもろさである。トイバーと言えばカタンが有名だが、個人的にはレーベンヘルツの方が好みである。

Gold Sieber版の方が競りなのでより戦略的に出来そうで欲しいのだが、このカードによるプレイ感の軽さもとても気に入っているので、二の足を踏んでいる。KOSMOS版はファミリー向けでとてもテンポがいいのだ。
biscoさんにその話をしたら「旧版なんか要らん要らん」つわれてしまった。

ただ注文をつけるならば、塩化ビニールの駒は頂けない。是非木製にして欲しいところだ。これこそ造形しまくった塩化ビニール駒の見本というべきものになっているのが非常に残念である。

※こちらのレーベンヘルツは正確にはドイツゲーム賞を獲っていない。かなり遊びやすくリメイクされているのでドイツゲーム賞を獲ったレーベンヘルツは後日レビューします。

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