Dirk Henn
今年、アルハンブラによってドイツゲーム大賞を受賞した新人のようだが、実は前から渋好みのゲームを作っている。90年代の初期に自分のアイデアを活かす為にdbシュピーレという会社を起こし、そのアイデアが認められクイーンゲームズから発表されるようになった。下を見れば解るがあの有名なショーマネージャーの作者なのだ。
この人のデザインは、一言でいって隙がない。プレイヤーの選択肢は自然に決まっていくものが多い。プレイヤーは能動的に行動してるように見えて実はヘンの見えざる手によって踊らされているのだ。
分かりやすくいえばRPGである。あれはどう転んでもプレイヤーの辿るストーリーは同じである。シナリオライターの思い描いた通りに展開する。
ヘンのゲームはそれと同じである。きちんと作りこまれたヘンの世界では、プレイヤーはアウトローな動きを一切出来ない。一手も無駄には出来ないのだ。
悪く言えばがちがち、良く言えば無駄のない美しい世界である。
この無駄のない世界は、これからドイツゲームをぐいぐいと引っ張っていく事は間違いない。これほど完璧で無駄のないルールを作る人は他にはいないのだ。遊び心満載のスティーブジャクソンとは対極である。
また特徴的なのは女性ウケするゲームが多いようだ。きっかりと作り込まれているので、遊びやすいのかも知れない。
自分の実力で勝っただって? 天井を見上げてご覧。ヘンがほくそ笑んでるよ。