Dirk Henn

Queen Games

2〜6人
90分

アルハンブラダイス

イベリア半島最後のムスリム政権に建設された壮麗な宮殿都市アルハンブラ。
キリスト教徒の侵略を受け、ついに城塞都市が陥落した。
陥落させた異教徒たちは、その美しさ、建築技術の素晴らしさに嫉妬を覚えつつも、ここにあった建築技術を、自分たちに取り入れた。
様々な通貨がアルハンブラを横行し、建築技術の粋がここグラナダに集結した。

プレイ感

ドイツゲーム大賞に輝いたアルハンブラをサイコロゲーム化した。最近、モノポリーダイスやカタンダイスといい、有名ゲームをサイコロゲーム化したものが流行のようだ。アルハンブラ大好きのTAM嫁の旦那との二人プレイにて。ま、いわゆるTAMとの二人プレイねw

手番にサイコロを振る。同じ目を集めたほど強い目となるので、自分の好きなサイコロを残して2回目、3回目と振る事が出来る。が、2回目、3回目と従って1回目の目よりも当然ながら弱くなっている。例えば2回目で5つ出した目は1回目で4つ出したよりも弱い。これを自分のチップがある回数分手番を繰り返す。二人なら6回だ。


サイコロの目は左が一回目の数、真ん中が二回目、右端が三回目の数である。一回目の3の方が二回目の3よりも強い。で、トップと二位のプレイヤーが建築ポイントを2点とるか1点+特殊タイルを取るか決める。2位は残りを貰う。

サイコロの目にはアルハンブラでお馴染みの宮殿、アーケードなどの絵が描かれている。この目の部分を相手と競い合い、規定手番数を終えた後、1位、2位のプレイヤーは建築ポイントを得たり、特殊タイルを得たり出来る。


ゲームには壺が付いている。なかなかの本格仕様だが小さいのでサイコロが綺麗に出ないのだ。

決算は、3、6、9ラウンド目にありアルハンブラと同じく、建築ポイントに従って勝利ポイントを獲得していくというもの。つまりこのゲームには建築ポイントと勝利ポイントという二段階のポイントがあると思えばいい。

ゲームの最初は楽だ。サイコロを振って、ぞろ目が多いところを狙って自分のチップを配置していくだけ。ところが数回目ともなると、ほとんどの建築場所に自分のチップが配置されているので、例え強力なぞろ目が出ていても被ってしまっておけない事態となる。いや、実際には置けるのだが、1位と2位のプレイヤーにしか建築ポイントが入らないので、1つチップが無駄になったりするのだ。


これがサイコロ。アルハンブラにおなじみの建築物が描かれている。同じ目を出せばいい。

基本的にこのゲームは全て相対的に出来ているので、ぶっちぎりでサイコロの目が強くても、1つ差でサイコロの目が強くても同じ建築ポイントしか手に入らないし、同じくぶっちぎりで建築ポイントを稼いでも1ポイント差で勝っていても貰える勝利ポイントは同じなのだ。つまり二人プレイの場合は、いかにTAMとの差を微妙につけて効率よく行っていくかに関わっている。

本来なら、こうならないように二人プレイならディルク君というNPCを加えるのだが、このルール、途中で気が付いて入れた。(|| ゜Д゜)ガーン!!

このゲームはサイコロゲームのくせにやたらと長考する。ただの運ゲームと思えば大違い。どこに効率よく勝負を賭けていくかを判断していかねばならないのだ。

わし「うーむ。このままでは次の決算のとき、お前も点数入るよなあ。ここは同じところでもういっちょ勝負や! おりゃあ、・・やった!」

TAM「出しますか! これで3位に転落してもた」

と、結局のところ、勝負は運頼みなところは勝っても負けても運のせいにできるところがいい。


白のわしが、つねにTAMをリード。建築ポイントマーカーは下の方が先にたどり着いているという事で強い。決算のとき、この順位に従って勝利ポイントが入る。下のおっさんはカリフタイルで、スタートプレイヤーの意味。


突然、思い出したかのようにオレンジのディルク登場。ディルクは、サイコロを1つ振ってそこから順番にサイコロの目をあげていくようにおく。ちなみに特殊タイルは、建築ポイントが入ったり、ふり直し出来たりといった能力がある。

二人プレイの相対感を常に意識して進めたわしが常にリードを保っていたが、わしは重大なミスを犯してしまう。

わし「このままでも十分勝てるんやけど、ここはがめってもういっちょや。おりゃあ・・・うわ、1個も出やがらん。。。」

TAM「わはは、がめりましたね」


思えばここがターニングポイントであった。この時点では、わしが微妙にリードしている。ちなみに勝利ポイントはアルハンブラと同じく手前から奥に向かって得られるポイントも高くなっている。

そう、ここからツキに見放され始めたのだ。そこからやる事なす事、裏目ばかり。ツキというものは一度離れるとどうしようもないものというのを痛感。勝ってる時こそ、こつこつと地道な結果に満足しセーフティリードを保つというセオリーを無視してしまった。

結局、後半、サイコロがぼろぼろになりTAMに逆転負け。

所要時間75分


一気に差しきられてしまった。不覚。

TAMのコメント

これおもろいっすね。嫁がアルハンブラ好きなんで買うと思います。
(後日、ヤフオクで安く手に入れたようだ)

ソマーリオ

なるほど。あのアルハンブラの味わいを見事にサイコロゲームにしている。やってる事はサイコロ振りなのに、点数計算の方法などはアルハンブラそのものだ。

サイコロゲームとしては複雑で、どこに勝負を賭けたらいいかを判断するのに手間がかかる。しかし、その分、名作と言われるブラフやギャンブラーなどのサイコロゲーム嫌いのわしでも十分に楽しめるゲームとなった。

今回は二人でやったのだが、多人数になればもっと熱いサイコロの振り合いが出来るように思う。だが、その分、わしらのようにあまり考えなしにゲームをする二人でも長考するくらいだから、ゲーム時間も相当覚悟しなければならないだろう。ショーマネージャーもそうだが、ヘンのゲームはデザインの割に時間がかかるゲームが多いのが欠点だ。そうそう、このゲームはサイコロゲームらしく、ディルクの見えざる手というのが解らなくなっている。

またこのゲームはレビューにあるように単体のアルハンブラダイスとしてもゲームが出来るが、本家のアルハンブラと合わせて別のゲームをする事も出来る。ざくっとルールを読んだだけだが、お金カードの代わりにサイコロを使うようだ。こちらはまた後日、時間があったらやってみるが、このゲームの本質はやっぱりアルハンブラダイスだと思う。

最後にコンポーネントの欠点としてプラッチックなサイコロは残念。それよりもサイコロを振る壷が革製なのは良いが、小さ過ぎる為にサイコロが被ってしまって、目がきちんと出ないところは非常に良くない。これは是非メーカーに考えて欲しかった。1回目は壷を使わずに、派手に振った方がいいだろう。

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