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Wolfgang Kramer
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Ravensburger
AMIGO
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2〜7人
30分
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アンダーカバー
今回君たちに頼みたいのは軍事機密を入手してもらうことだ。
機密書類は金庫の中に収容されており、我々がはなったスパイによると、とある民家に隠されているらしい。
そのスパイはすでに連絡を断ってしまった。おそらく殺されたものと思われる。
君たちもくれぐれも用心して貰いたい。他国のスパイも潜入しているという連絡を受けている。
幸運を祈る。
プレイ感
昔、ロフトや梅田の三番街キディランドを徘徊して、ほんの少しだけ置かれていたドイツゲームにロマンを感じて、何度も箱のコンポーネントをみて内容を想像して買うてた。
その頃、すでに日本語化されてたのが、ミッドナイトパーティ、ドラダ、アンダーカバー、ザーガランド、クーハンデルだった。
アンダーカバーは、ゲームの所持数も少なく、プレイ感が軽いのもあって何度もやった。
そのせいで、ドイツゲーム大賞作品であるにも関わらずレビューが遅れてしまった。というわけで、コタ10才、ソージロ7才、miaとの4人プレイにて。
正体隠蔽系としては、古典とも呼べるゲームで、その分非常に軽く、そのシステムに注力できる。
最初に、プレイヤーカラーを決めるカードを1枚ずつ配る。こっそり自分の色を確認する。本来は7色だが、4人プレイの場合は6色だけ使うので、プレイヤーカラーからコマと合わせてその1色だけを抜いておく。
今回わしの色は紫。コマは右回りで進める。各マスには数字が書かれておりそれが得点となる。
金庫コマを7の住居に置き、すべての色のコマ(今回は6色なので6個)を廃墟に配置する。
これで準備が整った。
手番はサイコロを振り、好きな色のコマをその数だけ時計回りに進める。数は、分割してもよい。例えば、3がでたなら、3個のコマを1マスずつ動かしても、1個のコマを3マス動かしても良い。
システムの建付け上、誰がどの色を担当しているか分からないのだ。今回は4人なのに6色使うということは2色はノンプレイヤーということになる。
ひとつだけ突出させるとかなり怪しい動きだが、経験上この作戦は失敗することが多い。
自分だとばれるし、相手のコマを間違って進める可能性が高いからだ。
そして、コマが金庫と同じマスに来た時に、タッチを宣言すると決算となる。各色、今居るマスの数字が得点で、得点コマを進める。スタート位置は0点、廃屋はマイナス3点だ。
それからタッチしたプレイヤーが、どのコマもいない場所へ、金庫を移動させてプレイを続ける。
金庫をタッチしたら他のコマがいないところに金庫を移動させる。今回廃屋に置いた。
ここはマイナス3点のマスだ。
こうすると、かなり動きが怪しくなってくる。自分のコマでタッチはしたくないからだ。
これまた経験上、ブラフのために自分のコマを廃屋マスにいるときにタッチさせると絶対に勝てないので注意するように。ゲームは思った以上に短いのだ。
こうして、最後の得点ゾーンを何色かが通過したらゲーム終了である。各自、自分の色を公開して勝敗を決める。
が、得点の半分を超えたところで、誰がどの色かを予想するという上級ルールは入れておいた方がよい。当たれば5点追加となる。
これを入れておかないと、最後ダッシュして逃げ切られてしまうのだ。今回は、初めてということでこのルールは抜いた。
廃屋に3コマ叩き込んでる状態でタッチしたかったがサイコロの目に恵まれず。
いつも最初は、バレてはいけないと、できる限り目を分けて1マスずつ進ませるのが常套である。
しかしこの常套の中にも見極めるべきポイントはある。
すなわち、基本的に自分の色のコマを中に含めるということだ。
コタ「じゃあ、4個を1マスずつ」
ふむふむ。
メモ書きしては多分簡単に割れてしまうので、頭の中で整理する。
ソージロ「この3個を1マス」
そうこうしているうちに、金庫が近づいてくる。
コタ「タッチ」
う、ここでタッチされたらわしのコマの点数低いやんけ。
各色、得点を計上し、金庫コマを別の位置に移動する。
さてここでルールブックにも書いているヒントを書いておこう。
タッチできるのにタッチしなかったのは何故か?
廃屋を素早く抜けたのは誰か?
これが推理に大いに役立つ。
こうして進めていくのだが、実は得点が結構でかくて、あっという間に終盤になる。
一度でも廃屋に突っ込まれると、割と勝ち目が薄い。
コタ「じゃあ、これを2個を1マスずつ動かす」
わし「あれ? 自分の色動かさんでええの?」
コタ「えええ! バレてる。もう嫌だ。僕の負け」
半分本気半分冗談のつもりだったが、これでコタが拗ねてしまった。
mia「え、そうだったの。わからなかった」
miaもコタの色が分かってしまった。
さらには
この直後、悲劇がおきる。ソージロが赤を1マス、グレイを1マス動かしタッチしたのだ。
ソージロ「タッチ」
わし「赤が2点、緑が…」
ソージロ「なんで、ソージロの赤が2点しか入らないの!!」
mia&わし「・・・」
もう少し年齢がいってないとあかんか。
コタについては揺さぶりをしたのが悪かったな。
実は昔、タカダがこのやり方を食らって、バレバレになるからこのゲームが大嫌いやった。
ゲームは結局、ソージロへの忖度プレイで、ソージロが勝ち。
さすがに廃屋に叩き込めんわな。
所要時間30分
最後は忖度プレイでこうなりました。
今回はこうなってしまったが、本来、最後の直線向いたところで、一気にゴールを目指せる位置にくると皆、本性を剥き出して牙をむくw
miaのコメント
この年齢やと厳しいか。
ソマーリオ
今回のセッションはグダグダになってしまったが、プレイ時間は短く、ルールは簡単で、かつプレイの方向性が分かりやすく、非常に素晴らしいシステムだと思う。さすがはクラマーだ。当時衝撃を受けたのは、相手の駒を動かせるというルールだった。他にもサイコロの目を分けることができるといった、当時革新的だったシステムが使われている。
このゲームに似たものとして、クランスや、薔薇の名前があるが、クランスはともかく、評価の高かった薔薇の名前なんかは、ごちゃごちゃさせてるだけで結局のところやってることはアンダーカバーという印象である。見通しの良さでは圧倒的にこちらに分があり、余計な装飾がなくて完成度も高いので、薔薇の名前の評価が高かったのは意外だった。
プレイ感は、正体がばれてはいけないというプレッシャーからプレイ時間に比べて、重い印象を受ける。ある程度気楽にやればいいと思うが、やっぱり気持ちは重いところがある。このゲームのこの欠点は人によるだろう。またタカダのように苦手な人は苦痛に感じるかも知れない。
最近はHABAなどの子供用ゲームを楽しめる期間というのはあまりに短く、昔のドイツゲーム大賞作品こそが子供用ゲームにふさわしいと思うようになってきた。
大人も楽しめて、簡単で面白いという保証もあるので、古いドイツゲーム大賞作品は、子供と遊ぶのにおすすめしたい。手に入りにくいと思ってたがAMIGOがリメイク版を出しており、日本でもメビウスが輸入代理をしているようだ。