Wolfgang Kramer

Ravensburger

2〜8人
30分

ミッドナイトパーティ

紳士淑女の皆様。
今宵は、舞踏会へようこそ。
バンドの生演奏に合わせて、素敵なステップをお踏みくださいませ。
このお城の地下室には、400年前、拷問場として使われた場所があります。それが舞踏会の怪しいムードを一層高めるでしょう。
あ、いやいやご心配には及びません。拷問部屋は地下にございまして、しっかりと南京錠にて閉鎖しております。だから、決して拷問で死んだ亡霊などが、出てくる事はございませんです、はい。




プレイ感

古くから楽しいパーティーゲームとして名高かったが、絶版になり値段が高騰した。しかし最近になって再販されて、誰もが簡単に手に入れる事が出来るようになったのは喜ばしい。わしの日本語版はトイザらスで確か699円で売ってたのを、安いからという理由でドラダと一緒に買うた記憶がある。8人まで出来るので結構重宝してた気がするが、久々に7人集まったのでようやくレビューする事が出来た。TAM夫妻、mia、ムゲン、タカダ、Keiにて。


手番にさいころを振る。さいころの目にはお化けの目が2つあり、これが出るとお化けは3マスずつ地下室から階段を上ってくる。お化けが上りきったら、プレイヤー駒は部屋に逃げ込む事が出来るようになる。しかしお化けに追いつかれると、全て地下室に続く階段に置かれていき、書いてあるだけ失点する。これを3回繰り返して最も失点の少ないプレイヤーが勝ち。

この人数でやると、なんといってもオバケの脚が速いのなんのって。さっきまで端っこにいたのに一瞬にしてぱくっとやられてしまう。確率3分の1でオバケは3マス進むのだから、自分の番が回ってくる間に一網打尽に合う事はは多々ある。前日、家族でやったときはそうやった。駒を近くに置いたがために、いきなりマイナス16とか食らった。しかし、今回、何故か脚が非常に遅い。ようやく地下牢から出てきやがった。


前日のマイナス16の証拠写真。白駒がわし。オバケにつかまったら、このように地下室に連れていかれるのだ。置かれる場所はマイナス10から始めて1ずつ軽減されていくようになっている。溢れた場合は、地下室そのものに置いていきマイナス1となる。

Kei「じゃあ、僕は2ですね…ここに入ったらマイナス1ですか? どうしようかな」

わし「まさかマイナスに自ら入るん? いけいけ(笑)」

Kei「なんかよう分らんけど、行きますわ」

わし「えー、ほんまに行った…じゃあ、わしが入ろうっと」

Kei「なんすか、それ。チキンすねえ」


最初はこんな感じ。オバケの目が出るとオバケは地下室の階段を上がってくるのだ。緑の駒、阿呆がチャレンジャーとなっとるw

この多人数になるとしばらく部屋の続かない回廊を渡るのは命取りなのだ。

と、思いきや、相変わらずのろまなオバケのQ。

mia「あれ、なんか昨日と違って遅いね」

わし「うん、昨日はすっ飛んできたのになあ」

と、思いきや、1コーナー曲がった辺りから、徐々に加速。

オバケ「オバケのQ言うたらO次郎のお兄ちゃんやでぇ!」

Kei「なるほど、これはやばい」

次々に飲み込んでいくオバケのQ。

タカダ「うわあ、2個いっぺんに行かれました」

TAM嫁「あー」

TAM「えええ!」

その中、わしだけ、すすっと部屋に逃げ込み涼しい顔。

部屋には、一人しか入れないのだ。なおヴァリアントルールで、後から入られると、外に出されるってルールもあるが、やってみたところ、それほど有用なルールではなかった。


舞踏会開始。なかなか進まないオバケ。Keiは手前二カ所ある-1の部屋を通り抜けて角に行った。愚か。

しかし、Keiも負けじと、あの飛び出た奴が見事にトイレに駆け込みギリギリセーフ!

Kei「助かったあ」

オバケが去った後にはぺんぺん草も生えない。

わしマイナス1、Kei0。

わし「おお、やるやん」

Kei「麻雀より簡単すわ」

わし「そらそやろ」

しかし、ここで安心してはいけない。即座に第二…

mia「わたし、ここ」

TAM嫁「わたし、ここ」

TAM「じゃ、僕、ここで」

わし「ま、まてぇ」

最初の熾烈なポジション争いが始まる。初期配置だけは、同じマスに2つ駒をおけないので、自然と部屋数が多くオバケから遠いバックストレート辺りに人気が集まるのだ。

結局、+3付近に駒を置いてギャンブルを賭けたのはタカダのみ。+3の部屋はぴったりの数でしか入れないのだ。簡単かと思うと、そうじゃない。ここに入った奴ってのはあまり見たことがない。むしろここを狙って撃沈した奴の多いこと多いこと。

第二ラウンドのオバケも再びスロースタートでなかなか地下室から出てこず。

TAM「じゃあ、Keiさんを動かしてと」

Kei「ええ! なんで俺?」

TAM「トップ叩きは基本すよ」

※実のところ、本来のルールは自分の駒しか動かせないというルールなのだが、何故か不二商の日本語版では他人の駒も動かせるとなっている。おもろいのでそのまま採用している。ここらへんは河田のザーガランドのルール改悪とは違う。

わし「ほな、Kei、もうちょい前出ろや」

Kei「くっそー。じゃ、あきおくんも前に出たらいいですやん」

わし「げえ! 何さらすねん」

と、地下室の階段付近に出したところで、オバケ、猛ダッシュ!
わしの前に出る。

一同「おおお!」


オバケとテールツーノーズなわし。ここなら或いは前方のトイレに駆け込めるかも!

タカダ「これ、前に進めたら捕まるんですか?」

わし「いや、オバケを抜く事は出来ん」

Kei「ラッキーじゃないすか」

わし「いや、かなり部屋遠いんすけど?」

オバケがくる間に、とりあえず後ろの駒をささっと部屋に逃げ込ませるわし。

オバケ、旋風吹き荒れる。

ひとのみ、皆きゃーきゃーとあわてふためくのみ。

わし「なんとかあそこに駆け込めれば…やった!」

オバケ直前に見事に回避。

わし「じゃ、Keiマイナス19点な」

Kei「ガーン!」


オバケが背後にきた! Keiオバケの丁度でる出口に行かされて一網打尽の-19(笑)

結局わしがマイナス1で勝利。

所要時間30分

Keiのコメント

これはおもろかったすわ。オバケかなり速いっすねえ。

TAM夫妻のコメント

昔から人気の高いゲーム、と言うのが納得のゲームです。
子供が好きそう(騒ぎそう?)なゲームと思いますので、ちょっと欲しくなってますw
これ買うてもいいかも。
わし「というか、ねことネズミの大レースあるからええんちゃう?」
あー、そういえば、似てますね。

ソマーリオ

ドイツゲームの弱点は、6人以上になると出来るゲームが限られてくるという事で、特に7人を超えるとほとんど皆無といってもいい。このように多人数が集まれば、2つのグループに分けてゲームすればとムゲンは言うが、せっかく友達同士集まったのに2グループに別々に愉しむのはわしのポリシーではない。そこで8人まで出来るミッドナイトパーティが活きてくるのだ。

確かに戦略性はほとんどないし、ただのさいころゲームであるのだが、オバケが追いかけてくる緊張感は他のゲームでは味わえない。ルールは非常に簡単で、子供から大人までアホっぽいノリで楽しめる。最近は、本格的な戦略ゲームをデザインするクラマーだが、初期の頃はアンダーカバーのように簡単で誰もが楽しめるデザインをよくしていた。

個人的には、もう一枚何かあればだと思うのだが、その何かが分らない。ひょっとして多人数による手番の少なさがその要因にあるかも知れず、もう少し少人数で試してみてもいいかも知れない。ほとんど自分の駒を動かさずにオバケにやられてしまうのだ。

ゲームとしては深みがあって何度も楽しむタイプではないが、まさにクリスマスや正月など、パーティーなどで大活躍するゲームだ。点数によって罰ゲームや景品などを決めると、ビンゴゲームなんかより盛り上がる事は間違いない。

ちなみに当時遊んでたデザイナーが、このオバケ駒をかぽっと被せる行為から、10年後、オバケだぞ〜が誕生したとわしゃ強く信じている。

gioco del mondo