Alex Randolph
Michel Matschoss

2〜6人用

Ravensburger

30分

ザーガランド

amazonで購入

王様は言いました。
「今から私の欲しいモノを探し出してきて欲しい。
予はシンデレラのガラスの靴を見てみたい。」
こうして王様は次々に伝説の品物を探し出させるのでした。
そして3つ目の品物を最初に持ってきたものと王女を結婚させたのでした。

ルール説明

サイコロを2個振る。サイコロの目は別々に利用して、移動させる事が出来る。(※後述)

森には樹木の駒が13個ある。樹木の裏側にはグリム童話に出てくる宝物タイル貼り付けてあり、鬼火のマスに止まったプレイヤーだけが宝物を見る事が出来る。


ゲーム全景。13個の樹木駒が立っている。右がスタートの村で、森を二つに分けて真っ直ぐ道が続いている。川の向こうにあるのが城で、その上が質問のカード。何かが隠されているような美麗な森のボード。

城の横には同様に13枚の質問カードが1枚だけ表向きになっており、その宝物がどこに隠されているを城のマスで答える。

当たればそのカードを貰える。質問カードを最初に3枚集めたプレイヤーの勝ち。当てた樹木は取り除かず、そのままにしておく。


こんな感じのカードと裏側に貼り付けられた宝物。うーん、ベッラ!!

またゾロ目が出ると魔法が使える。空いている好きな鬼火のマスに移動させ裏を見るか、橋のたもと(馬蹄マーク)に移動させるか、質問カードを変える(再シャッフルする)事が出来る。

※不二商のルールでは川向こうならお城までいって質問に答えることが出来るとあるが、どうやらこれは第二版あたりの英語版で追加されたルールのようでオリジナルにはないようだ。よって、このレビューにある文面を全体的に修正させて頂いた。Crさん、かずひこさん、紺碧さん、ありがとうございました。

また、相手と同じマスに止まると、相手を村に戻す事が出来る。

プレイ感

ドイツゲーム大賞の素晴らしさ、ルールは簡単だが楽しいという権化みたいなゲームやと、同アンダーカバーと何度もやったゲーム。

久々にやってみたが、相変わらず記憶力のあやふやさとサイコロの妙があり、かなりおもろかった。

サイコロで進むという古臭いシステムなんやけど、このゲームはサイコロの目を別々に利用出来るアイデアにより、まったくストレスを感じさせんように出来てる。鬼火のマスの配置が良いからでもある。またこのシステムの素晴らしいところは、子供に(イメージ的に)足し算や引き算を教える事が出来るところだ。

同じマスに止まれば、相手の駒を村に戻す(村はそんなに離れていない)ちょっとした攻撃や、魔法によって質問カードを変えるといった穏やかな攻撃が子供とも楽しめるように出来ている。

2個3個の間はしっかりと覚えていられるが7個8個にもなってくると自分の記憶のあやふやさに思わず確認を取ってみたりと笑いが絶えないゲーム。

今回も、一番たくさん見ていた姉が答えを間違って村に戻されたり、わしの城の周りを見張って駒を戻す攻撃をしたりして、かなりおもろかった。

甥っ子はまだ小さいので、場所を言うてしまったりしたし、答えを知らないのに、わしの真似をして城の周りを張ってひたすら邪魔ばかりしていた。うーん、こいつはあかんな。。。子供には難しいところもある。場所を知ってるという事を悟られては、質問を変えられたりするので、ポーカーフェイスが必要な点やけど、こいつはゲームの本質をまったく解ってないなー。カタンでさえ邪魔ばっかりしようとしてるし、困った奴。

結局、ゲームは全員2枚づつという接戦になったが、最後、わしが知らない『金のがちょう』の在処を一か八かの賭けに出た。確率は二分の一、「こっちかな?」と樹木駒に触ると、甥っ子が「あ!」とか言うたので、それをオープン。見事、『金のがちょう』でした。ふふふ、甘いのう、こいつ。


ほりゃああ! 金のがちょうじゃあああ! ふふふのふー。

とまあこんな感じでやる相手によって異常に楽しかったり、別に普通やったりするけど、それはサイコロゲームの運命みたいなもんでしょう。おしゃべりの相手とやると級でっせ。(まあ、子供をからかいつつやったのがおもろかっただけとも言えるw)それと4人以上で必ずやる事。3人以下でやるとあんまりおもろなくなる。この作者アレックスランドルフというおじいちゃんは大の日本好きで、サイコロゲームを作らせたら世界一やと密かに思ってる。サイコロゲームが嫌いなわしが、このゲームと冷たい料理の熱い戦いチャオチャオを付けるねんから。この3つはサイコロゲームの傑作です。相性が合うのかも?

わしの持ってるのは不二商の日本語バージョンの古い方やねんけど、個人的にはこちらのボードの方が好き。森が鬱蒼と茂ってて、いかにも何かが隠されてるって感じなんよ。絵柄も挿絵チックで綺麗。新しいのは色あいが濃くなって絵本チックなんよ。これは人の好き好きやけどね。また若干、アイテムも違ってたりする。

ちなみにわしのバージョンであるのは……

眠り姫の糸巻き
白雪姫の継母の鏡
シンデレラのガラスの靴
シンデレラを助けた鳩
カエルの王様の小さな王冠
カエルの王様が王女のために井戸から拾ってきた金の鞠
ホレおばさんの雪の羽根が降るベッド
長靴を履いた猫の長靴
勇敢な洋服屋のベルト
金のがちょう
支度をするテーブル
星の銀貨
ヘンゼルとグレーテルのクッキー


これがおそらく初版。わしの版とは『アラジンの魔法のランプ』と『宝箱の黄金の鍵』が『星の銀貨』と『ヘンゼルとグレーテルのクッキー』に変更となっているが同じデザイナーの絵である。グリム童話に統一したのだろう。


こっちが新しいバージョンね。宝物も若干違ってる。絵柄が絵本調になっててわしは自分のバージョンの方が好き。

日本の昔話を題材に作り直すとおもろいかも? かちかち山の泥船、さるかに合戦のうんこ、花咲じいさんの犬の死骸……。えらく嫌な宝物やな。。。そんな在処を訊くなよって感じやな。大体、うんことか犬の死骸とか何に使うねん!

これをやる前にグリム童話を読んでたら、楽しさ倍増は間違いない。わしは、知らん話を彼女と二人で立ち読みしに行きました。……買えよ! 特に好きなんが『勇ましい仕立て屋』の話。彼女ははったりでなんとかしてたその話が一番嫌いやと言うてた。昔の彼女の話やけどね。あはは。




オズの魔法使いバージョン。こんなんあってんやあ。でもタイルがちゃっちいな。

日本語版ザーガランドに重要なルール間違いあり!

最近、会社でボードゲームに興味を持った人がザーガランド日本語版を買った。で、その人がルールを聞いてくるんやけど、どうにも話がかみ合わない。よくよく聞いてみると、ルールが違ってるじゃねーか!

現在発売中の河田のザーガランド日本語版では、サイコロのどちらか一方の目だけを選んで進めると書かれている。3と5が出たら3もしくは5しか進めない。うっそー! わしの持ってるのではしっかりと3と5と両方使って進めると書かれている。5マス進んだ後、3マス進んでもいいし、5進んで3戻ることも可能だと例まであげて。もう少し詳しく書けばひとつのサイコロの目は一方向にのみ進める事が出来る。新版ではルール変えたのか? おかしい。このゲームは古いゲームなので、いまさら変えるなんて事はと、GEEKで英語ルールを読んでみた。

しっかりと、そこにはサイコロの目の両方使ってと書かれている。上記の例なら、まず3を前か後ろに動かしてイベントを処理し、それから5を前か後ろに動かしてイベントを処理する。もちろんその逆も可能だ。つまり1手番に2つの動作が出来る。ところが現在日本語版を手がけている河田が、一手番に2つのサイコロを使うのは子供には難しいだろうと勝手にルールを変えてしまったようだ。

阿っ呆かあああ!!

そんなんしたら、まったくゲーム性が違ってくるやんけ。進む速度が遅くなることで、魔法によりころころと質問を変えられてしまい、ほとんどの樹を覚えないと勝てないただの記憶力ゲームに成り下がる。(後半だけの記憶力勝負になる筈)さらに一度村に戻されてしまったら戻る距離も大変、また進む数も2択で選択肢が少ないので鬼火に止まるのも一苦労。むちゃくちゃストレスが溜まるサイコロ運だけのゲームになる。(みんな、溜まったんやろな。。。)鬼火に止まるのも大変だなんてわしゃ、そんなゲームは嫌や。おそらくゲーム時間も倍の60分近くかかるだろう。

※例えば出た目が3と5なら、このルールだと2択。ところが正しいルールだと、マス目だけ勘定しても2、3、5、8と4択になるのだ。実際は、2つの目を使って動けるのでもっとパターンは増える。鬼火に止まれないというストレスはほとんどなくなる。

もう一つ、魔法についてもルールの変更がされている。河田のヤツだと、魔法1では好きな木の裏を見る事が出来るとなっているが、本来のルールの魔法1は、空いている好きな鬼火のマスに移動して、木の裏を見る事が出来る、である。ゆうたんのおうちのブログで見ました。この移動って重要な時があるので、是非正しいルールでやって欲しい。あのマス目の多さにうんざりしなくなる事請け合いだ。

ランドルフのデザインの妙をなんやと思ってるのか。これはあまり覚えずとも、ブラフをかけて城に向かい、慌てて魔法で質問を変えさせてシメシメとさせたり、相手がのこのことやってきたところを、2つの目を組み合わせて村送りするのを楽しむゲームなのだ。事実わしはこのゲームをやるとき、5つ6つくらいを見ただけで勝負するし、それで勝てる。このルール変更をした人はまったくゲームの事を分かっていない。大した変更をしていないと簡単にやったと思うが、ゲームデザインの根底に関わる恐るべき変更をしたのだ。ランドルフにあまりにも失礼だ。

通りで、周りの評判が芳しくないと思ったぜ。。。

ランドルフのサイコロゲームは冷たい料理の熱い戦いといい、かなり曲解されてる。単純がゆえ、ちょっとした変更でまったく違うゲームになってしまうのだ。今調べてみたら、全てといっていい程どこのサイトでも間違ったルールで紹介されとるやん。周りの評価でいまいち楽しめなかったのは人数のせいやと思ってたが、実は根本的なルール間違いがあったとは。おっかしいなあ、好き嫌いはあるにせよ、そこまでおもろないかなあと思ってた。

是非、正しいルールでやって欲しい。そうでないとゲームが可哀想だ。

魔法のまとめ(正式ルール)
1.橋のたもと(馬蹄マーク)に移動する。
2.空いている鬼火のマスに行き、その木の裏を見る。
3.城の質問を換える(質問をすべてシャッフルして再度1枚引く。例え同じであってもそのまま続行する)

しかし、最も閲覧数の多いアマゾンで正しいルールでやって貰おうとコメント掲載したのに、いつの間にかコメントが消されてしまった。誰かが削除依頼を出したんやろうけど、もの凄くむかつく! 誰とは言わんがおそらくメーカーだろう。このメーカー、大嫌いになった! なんちゅう、腐ったメーカーや! 勝手にルール変更して、それをコメントに書かれたからといって、消しやがるとは! このクソメーカーは二度と応援しない。

こうやって英語ルールを読んで調べていたら、ヴァリアントルールが訳されていないことを発見。動物魔法ってむっちゃおもろそうなので訳してみた。ただ、現在の版では、宝物カードが違うので、このルールは採用できない。(適当に決めたらいいんやけどね)

動物魔法(2−4人用)ヴァリアントルール

(このバージョンでは)5枚のカードに鳥もしくは動物が描かれており、これらを動物魔法カードとする。これら5枚のカードは別々に混ぜておき、裏向きに各プレイヤーに1枚ずつ配る。残った動物魔法カードは、村に伏せておいておく。

シンデレラを助けた鳩
カエルの王様の小さな王冠
カエルの王様が王女のために井戸から拾ってきた金の鞠
長靴を履いた猫の長靴
金のがちょう

城門で、宝物のありかを伝えるとき、代わりに自分の動物魔法カードの場所を答えてもよい。その場合は、先に自分の動物魔法カードを表向け、その場所を答える。それが正しければ、通常通りそのカードを表向けて手元におく。間違っていれば、駒を村に戻し、その動物魔法カードを裏向けにして、村に伏せている動物魔法カードの山札の一番下に入れる。

相手の駒を村に戻したプレイヤーは、戻した相手から動物カードを1枚貰う。動物魔法カードが複数ある場合は、その戻される相手が選んだ1枚を貰う。相手がカードを1枚も持っていない場合は、何も貰えない。(これは城で正解した表向きのカードを貰えるのではない)

魔法としてぞろ目が出た場合、村にある裏向きの動物魔法カードの一番上のカードを1枚取ることも選択できる。

通常通り、3枚のカードを正解させたプレイヤーが勝つが、必ずその中に動物魔法カードがなければいけない。

gioco del mondo