Alan R. Moon

White Wind

2〜5人
50分

サンタフェ

アメリカ大陸横断鉄道網の敷設
それは広大な敷地を有するアメリカの東西を繋ぐ生命線となった。
それに目を付けたカーネギーは、のち鉄鋼王と呼ばれるようになる。
そのロマンは今も根強く残っている。

プレイ感

クリッパースサンタフェレールズときて、ようやくその本家本元である本作サンタフェを手に入れる事が出来た。この作品はアランムーンのエアラインズシリーズやチケライシリーズの元にもなったと言われている。自分で設立したホワイトウインド社から1200部限定で生産され、後にリメイクのクリッパースやサンタフェレールズ、或いは少しひねったエアラインズ、大幅なチューンをしたドイツゲーム大賞受賞作チケットトゥライドになったようだ。
オビ湾、ロー、タメラ、OECと5人プレイにて。


ルールは、都市名が描かれた手札5枚から同時に1枚出す。スタートプレイヤーから順番に鉄道会社の線路を1つ伸ばす。それからもう一度同じように線路を敷設する。最後に手札を5枚になるように補充して、スタートプレイヤーマーカーを左隣に渡す。これの繰り返しだ。


右に並んでるのが分岐カード。各鉄道毎に2枚ずつある。サンタフェレールズと違い一方通行などはない。自分の前に都市カードを出していくのが基本的な戦い方。

敷設は5種類ある鉄道会社のどれを使っても構わない。ある都市に最初に線路を敷設したプレイヤーは2ドル貰う。さらに鉄道会社の色が特定の都市に描かれている場合があり、この都市にその鉄道会社の線路を最初に敷設したプレイヤーは4ドル貰う。これは歴史的意味合いらしく、実際にその鉄道会社がそこに敷設した事に由来しているようだ。

このゲームではお金は使うものというより、勝利点という考え方に近い。1ドルが1勝利点になる。
都市カードの代わりにダブルカードというのもある。このカードを出した場合、敷設時に2つずつ線路を伸ばす事ができ、さらに上記のボーナス収入も全て倍になる。例えば一番最初にその都市に到着して、歴史的な意味合いのある鉄道会社であったなら12ドル貰えるという事だ。


サンタフェレールズやクリッパースと違い、紙のタイルの線路だが、これはこれで結構可愛い。鉄道会社には始発の都市があり、そこから必ずスタートしなければならない。

都市カードというのは一度出すとずっと自分の前に出しておく。カードには基本点が書かれており、ゲームの最後に基本点にその都市に乗り入れしている鉄道会社の数を掛ける。例えば4の基本点の都市に3つの鉄道会社が乗り入れしていれば、12点となる。

クリッパースの時にも書いたようにダブルカードが無茶苦茶強く感じるが、実はきっちりとデザインされている。ダブルカードを出すという事は都市カードを出せないという事であり、後の乗り入れボーナスが低くなるという事だ。ダブルで4ドル貰うくらいなら、都市カードを出した方が得かも知れない。ダブルカードは投機で、都市カードは投資といったイメージだ。その得点バランスは見事である。

ゲームは序盤から非常にスピーディに進む。次から次へとアメリカに線路が敷設されていく。新しい都市に接続したら貰えるボーナスは、一番最初の鉄道会社しか貰えないので、おらが町にも鉄道を、の要件を満たすのだ。歴史的なボーナスは西海岸にしかないので、最初は2ドルボーナスを狙っていく事になる。


都市カードには場所が×印で記されており探しやすくなってる。自分の出した都市にたくさんの鉄道会社を乗り入れさせるのがゲームの目的だ。都市カードの点×乗り入れた数が入るが、7点など大きな得点の都市は地図的に乗り入れる数が少なくなっておりバランスを取っている。

鉄道会社は、最初のホームタウンから一旦線路が敷設されると、後はそれに繋がるように1本道で敷設していかねばならない。ただしゲーム中、カード補充時に分岐カードを1ドルで買う事で新しい路線を作る事が出来るようになる。分岐カードは各鉄道会社につき2枚しかないので、最大で3つの経路しか持てない事になる。

わしは東海岸の都市カードが多く、それになるべくたくさんの鉄道会社にきて貰おうと鉄道網を呼び寄せて乗り入れさせる。まあ、ちょっとした村長の気分だ。リニアの長野駅もこういった気分なのだろう。

各鉄道会社のホームは全て東海岸にあり、西海岸に向かって伸びていく事になるのだが、よく出来ているのは、東海岸の都市の基本点は低く、西海岸は高いが乗り入れの限界が低くなっていることだ。
例えばロサンジェルスなどは7点もあるが、最大でも2カ所しか乗り入れ出来ない。

東海岸のええところのカードをさらしてたわしは、ローのやらしいプレイによって変化をつけられ、悪戦苦闘。
かたや西海岸のオビ湾のロサンジェルス乗り入れを阻止出来ない。

さらには北部からユニオンパシフィック鉄道が伸張してきており、OECのサンフランシスコにも2つ乗り入れされそうな超やばい展開になってきた。
皆でこれを阻止せんと、路線を曲げたりするが分岐カードを使い、西海岸にたどり着く。そこから南下させじと、他のところで線路を使って物理的に線路を足りなくする。

というのは各鉄道会社には割り当てられている線路の数が決まっており、それが尽きるともう伸ばす事は出来なくなるのだ。


ゲームの最後はこんな感じになった。

結局、それが功を奏して、サンフランシスコには1社しか乗り入れ出来ず、ただしオビ湾のロサンジェルスには2社乗り入れで、しかもロサンジェルス2枚出しをされてた。

※都市カードは2枚ずつある。今回はルールに書いてなかったのでOKとしたが、本来の目的からは同じ都市の2枚出しは禁止のように思われる。

全ての線路が置かれたらゲーム終了。
ここからが得点計算だが、これが結構めんどくさい。都市カードごとにかけ算をしていかねばならないからだ。結果、僅か2点差でオビ湾が勝利。2位はわしとタメラが並ぶという接戦だった。

所要時間50分


最後の得点集計は若干めんどくさいので、得点マーカーで表示していってもいいかも。

タメラのコメント

これいいですねえ。カードとかの質も高くて、値段が高いのはしょうがないですよ。

OECのコメント

東岸から西岸に開拓されていく鉄道。進路線開通の名誉。史実に基づいている(らしい)都市への敷設による歴史への刻印。
テーマがたまらん!
そして、絵がサイッコーにたまらーーーん!!!こういう、線がふにゃふにゃした教科書に出てきそうな西洋タッチの絵が大好物なんよね!
そして「溜めてドーン!」のチケライと比べて地道に繋がれていく線路は、工事されていく雰囲気もさることながら、ゲームとしてもテンポを崩さないでいて繊細な駆け引きがたまんない!
これは良い!

オビ湾のコメント

なるほど確かにチケットトゥライドの前身のようなゲームである。ただし東から西へと伸びていく過程と、鉄道会社ごとに設定された歴史的駅に付けられたボーナスはロマンティックで良い。また、TTRと違いカードは目的地のみで、鉄道カードを溜め込んで放出、みたいな大味な流れにならないのもグッドだ。カードのイラストに味があり、これまた可愛くて高額で取引されるのも納得の逸品だった。

ソマーリオ

これよ、これこれ。最初から本家を買うとけば問題なかった。サンタフェレールズはトリプルなんてカードも出てきて、どうしたらええのかさっぱり解らんかったが、このシンプルさこそが本来のこのゲームの姿やと思う。

特殊カードが増えた事によって、展開のスピードアップどころか、非常にもっさりとしたゲームになってしまった。他にも色々な要素が加味され、サンタフェレールズはあまり良いリメイクとは言えなかった。と、今なら書くことが出来る。

ルールは非常にシンプルで、損得勘定のジレンマがとてもよく解るシステムとなっている。
なんつってもゲーム展開が非常に速く、あれよあれよという間に進んでいく。得点計算部分の面倒くささはあるが、周りに得点ボードをつけて順次記録していけば、お金チップも不要になり、欠点も補正されるだろう。ただし、得点がオープンになる事で、テンポが悪くなりゲームの楽しさが損なわれる可能性もありえるので、これは一度やってみてから、という事になる。

プレイ感はエクスペディションに似ているが、サンタフェの方がより戦略的だ。またエクスペディションは配られた目的地を探すのに時間を要するところが欠陥でもある。トランスアメリカなんかはもっとサンタフェのルールに近く、徹底的にシェイプアップしたような感じだ。デザイナーはデロンシュで参考にしたようにも感じるが、きちんとオリジナリティがある。そういえばまだレビューしてないので、近いうちにレビューする。

コンポーネントは皆が絶賛したように非常に素晴らしい。全員が絶賛して、カメラで撮りまくってた。カードフェチのオビ湾はエンボス処理をしたカードをいたく気に入り、可愛いと連呼してた。
線路もリメイク作の木製駒とは違い、ただの紙タイルなのだが、非常に可愛らしい作りになっている。

入手難のゲームだが、サンタフェレールズでも工夫すれば同様に遊ぶ事が出来るので、興味を持った人は是非試して欲しい。

またクリッパースはサンタフェからカード運を無くしてしまったアブストラクトだが、ゲームの楽しさやテンポの良さなどはそのまま受け継いでるので、それを買うてもいい。ただし、目的タイルがむかつくくらいに小さく視認性が悪いのは我慢しなければならない。それさえ我慢すれば、クリッパースもかなり面白いゲームなのだ。

gioco del mondo