Alan R. Moon

GMT Games

3〜5人
90分

サンタフェレールズ

アメリカ大陸横断鉄道網の敷設
それは広大な敷地を有するアメリカの東西を繋ぐ生命線となった。
それに目を付けたカーネギーは、のち鉄鋼王と呼ばれるようになる。
そのロマンは今も根強く残っている。

プレイ感

ムーンの鉄道ゲーム好きは有名だと思う。で、初期の傑作としてサンタフェがあった。そのリメイクとして本作サンタフェレールズが出た。そしてさらにリメイクしたクリッパースは先にレビューしたと思う。クリッパースの視認性の悪さに辟易した為、サンタフェレールズをけがわどんに頼んで入手したのはいいが、すっかりやる機会がなくてようやくTAM夫妻とやる事にした。


ターンの最初にカードを全員同時に出して、それから手番としてスタートプレイヤーから順番に1個ずつ2度線路駒を置いていく。その都市に連結している線路の種類(鉄道会社の種類)がその都市の得点になり、公開している都市カードの基本点を掛ける。他にも細かいルールはあるが、基本はこれが勝利点である。要は、自分が手に入れた都市カードの都市にたくさんの鉄道会社を繋げたらいいのだ。

カードは、得点の書いてある都市カードと、鉄道敷設などに影響を与える特殊カードがある。特殊カードは共通の場から補充フェイズで都市カードの代りに補充すればいい。
本来、鉄道は1個ずつ2度、ボードに配置するのだが、これを2個ずつまで配置する2×カード(さらに連結ボーナス2倍)や、3個ずつまで配置するトリプルカード(ボーナス0)、一気に4つまで配置する4イン1カード、都市の価値をあげるブームカード、鉄道を枝分かれさせる分岐カード($1)がある。

※初めてその都市に連結したパイオニアはボーナスとして$2貰えるが、これが増えたり減ったりするのだ。


色は誰のものでもなく鉄道会社の色。初めて都市に連結するとボーナスがもらえるので、一手番でたどり着けるように動かすのだ。

どうしても最初、お金に目がくらんで2×カードという強力なカードを使って、ひたすら倍額の$4ずつ稼ごうとするわしら。この2×カードはプレイヤー人数ー1枚用意されている(使い回しする)ので、入手が容易だ。まずは、初物の都市を目指す。

わし「なんか、この2×カードって強すぎひん? 2倍置けるは、お金がざくざく入ってくるんやけど」

TAM「ほんまですねえ」

ルール間違いかなと思い、何度も見直すが、どうにも違っていなさそう。

これが気になりながらも、淡々とゲームを進めていく。

初物にはお金が入るのでどうしてもそれ狙いなのだが、他に歴史的に正しい場所に指定の鉄道会社が連結する時もボーナスが貰える。ここらへんで鉄道ファンの気持ちをがっしり鷲掴みだろう。たぶん。。。

主要鉄道は、サンタフェ鉄道、ユニオンパシフィック鉄道など5種類あって、これらはそれぞれ起点となる都市が決まっている。一度、線路を延ばせば基本はその線に継ぎ足すように伸ばして行かなくてはならないのだが、寸止まりを回避したり、作戦的にどうしても自分の都市に伸ばしたい時は、分岐カードを購入して使えば枝分かれさせる事も出来る。線路駒が無くなればそれ以上伸ばす事が出来なくなるので、そういった制限はあるものの主要鉄道は、駒数が多いのでアメリカを横断出来る力を持っているのだ。

もうひとつ、ローカル鉄道も4種類ある。これらは好きなように分岐させてよいが、なんせ駒数が少なく、登場させられるのもゲーム後半なので、細かく得点をあげるのに利用される感じだ。


一気に伸びた青色の鉄道。大陸横断した。下に見えるのが都市カードで、接続している鉄道会社×表示の数が勝利得点となるのでたくさん公開して、たくさん接続すべきなのだが…

都市カードの得点よりも、接続ボーナス狙いで、お金が山積みになっていく。

うーん、ほんまにこれでおうてるんかなあ。

わしは、途中から都市カードを公開することを重点におく作戦に変更したが、TAMは相変わらず2×カードを使って東海岸から西海岸への経路を延ばしていく。

わし「ここで接続」

TAM「そんな事したら行き止まりで伸ばせなくなるじゃないですか。分岐カード買いますわ」

わし「かくいうお前もいきなりカナダの方に接続したから、いきなり分岐せんと終わりやんけ」

TAM「だって、都市カード持ってるから来て欲しかったんですもん」

てな感じで、ゲームも中盤にさしかかると、それぞれ自分の都市へ鉄道会社を招こうと躍起になる。

田中角栄みたい。

※うんちく。田中角栄は自宅に新幹線を引っ張ってきたと言われる男だ。ステキ。


あちこちにくねりだして迷走する鉄道会社。きっといろいろあるのだろうw

まあ、角栄じゃなくても、列車が来て貰う事は都市の繁栄に直結するので、誰もが躍起になるんやけどね。

分岐カードも各鉄道会社につき4つまでしかないので、ある程度主要鉄道網が出来上がるともう伸ばせなくなってくる。そうなると活きてくるのがローカル鉄道である。これで連結数を増やすのだが、意外とそうたくさん接続する事はできない。何故なら既に主要鉄道が連結しており延ばせる箇所が非常に少なくなってるからだ。

結局、たくさんの都市カードを公開したわしが勝利。

所要時間90分


途中、都市カードが強いのではないかと都市カードをひたすら公開しまくったわしが勝利。

TAMのコメント

うーん、おもしろみが解りにくかったですねえ。もっかいやってみたいところです。

ソマーリオ

非常に期待しただけに、正直、がっかりしている。盛り上がりどころもなく、だらだらと線路を繋いでいく感覚。しかも2×カードの強力さで、ゲームが雑に感じてしまった。

いちいちカードを出して、動かしてというのがノロノロして締まりのないように感じ、意外にもクリッパースの方がスピーディにゲームが進みおもろかったようにさえ思う。これはTAMも同意見のようだ。

ただ2×カードについてこれを書きながら色々と考えてみると、あれはあれで間違いではない気がしてきた。2×カードを出すという事は、都市カードを出せないという事で、最終得点が伸びない事になる。普通、都市カードは最低でも4点の価値があるので、2×カードで初物ボーナスの4点と同じ得点なのだ。当然、都市カードの場合、接続数が増えると倍々になっていくので、何もなければ都市カードで得点する方がお得だ。プラス都市に接続したらボーナス2点は入る。

なるほど!

どうにも2×カードの強力な印象が悪すぎて、ゲームになってへんやんと思ったが、そこまで考えていたとはさすがはアランムーンである。トリプルカードは接続ボーナスがなくなるので、本当に急いで都市に接続しなければならない状況用だろう。

こうして考えると、もっかい是が非でもやらなくてはならない気がしてきた。このゲームの妙味がまったく解らなかった自分に猛省である。評判の良さから、そこらへんを踏まえてやればきっともっと面白い筈だ。

やってみて思ったのは、サンタフェから、トランスアメリカが生まれたのはほぼ間違いないだろう。路線の置き方はそのものと言って良い。そして、もっとシンプルにして、もっと洗練させた名作チケットトゥライドに繋がる。だが、その前に直接の子孫がある。サンタフェレールズから運の要素を無くして、テンポよく遊べるようにした前述のクリッパースと、もうひとつ、自分の行きたい場所を提示してから、接続して自作自演を行うシステムは、エルフェンランドとなった。

しっかりとゲームの肝を知ってからもう一度プレイしてから評価したいと思う。今の心境は、意外にもクリッパースの方がおもろかったなあという思いと、むしろ、クリッパースの視認性をよくしてそのままリメイクして欲しいなあという気持ちが強い。ちなみにサンタフェとサンタフェレールズは違うと以前けがわに聞いたけど、Geekで見る限りその違いがわからない。いったいどこを変更したんやろ? 少なくともレーベンヘルツほどの変更がなされているとは思えないので、恐ろしく手に入れにくいサンタフェよりも本作で十分だろう。

と思ったら、biscoから違いを教えてもろた。是非サンタフェルールでやりたいのでGeekを見てみると変更点が上がってたので訳してみる。

サンタフェレールズでサンタフェをするには

準備
・ローカル鉄道をすべて取り除く。
・分岐カードをそれぞれ3枚から2枚に減らす。(合計15枚から10枚にする)
・3x、4-in-1、 Boomtownカードを取り除く。(2×カード以外は不要)
・2xカードの枚数は人数×2ー1とする。例えば4人プレイなら7枚使う。カード枚数が足りないのでブランクカードなどで代用すること。
・各自4枚の都市カードと1枚の2xカードを持ってゲームスタートする。

プレイ中の変更点
・ボードに書いてある一方通行の矢印は無視する。
・プレイヤーの手札は5枚となる。
・最初のターンに2xカードを使用する事は出来ない。
・使った2xカードは表向けに2xデッキの上に捨てられ、次回から引くことの出来るカードとしておく。

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