Alan Moon

Euro Games

2〜5人
60分

クリッパース

大航海時代は終わり、航路を開拓して定期便を出すことが可能となった。
快速船会社は、われ先にと太平洋上の航路を拡大していくのだ。
しかしその中で最も恩恵を受けるのは、国であろう。

ドイツ、アメリカ、イギリス、日本の各国は威信をかけて、自分の開拓した太平洋上の島々に出来るかぎり多くの航路を接続しようと躍起になった。

プレイ感

一昨年ムン様が出したドイツゲーム大賞作品チケットトゥライドの元となったサンタフェのリメイクである。サンタフェとそのリメイク版であるサンタフェレールズには運の要素があったが、このクリッパースは運の要素のない、非常にシビアなゲームだと言われている。

どんな感じが試してみたかったのでTAMと二人プレイしてみた。


最初に、特殊能力が得られる特権カードを購入する機会があるのだが、お金がもったいないと思ったわしらは、どちらも購入せずに、毎ターン2本ずつ航路を引いて島に接続してお金を貰う。手番にやることは好きな快速船会社の先端を2本伸ばすだけなのだ。で、新しい島にくっつけると2ドル貰える。


これが大海原。こうしてみると非常に美しい。右に特権カードがある。これの使い方がこのゲームの肝である。

途中、TAMがいっぺん買うてみますわとダブルの特権を2ドルで購入。今ターンは4本引ける。そして収入が倍になるのだ。

あ!

TAM「これやったらすぐお金たまりますやん!」

ほんまや。。。

わしも慌ててダブルの特権を購入。2本ずつ4本接続するので毎ターン8ドルくらい手に入るのだ。


頭の進行方向にどんどんと島を接続していくだけ。特権は何個置けるかという問題である。繋げるとお金が入る。そして、出来るだけ自分の港駒をおいた島に接続すれば得点が高いのだ。

そうやってどんどんと快速船会社を拡張していくのだが、とにかく、最初に引いた我が米国の島にガンガン快速船会社にきて貰わなくてはならない。しかし、航路は書いてある本数しか引けないので、迂回させたりとなかなか大変なのだ、これが。

また、島によって得点が違っていて、最期は島の勝利ポイント×接続会社数となるので、得点の高い島を選びたいとこ…あ、これって、端っこの接続しにくい島ほど点数高くなってるやん。こんなん2本しか無理。

とにかく接続が多くなりそうなところに自国の港マーカーを置いて点数を稼ぐことにする。港マーカーの置ける数は島によって違うので早いもの勝ちだ。これに気づかずダブルの特権を使って接続するTAMを尻目に、島を征服する我が米国。ドイツはかなりの遅れを余儀なくされた。


我が米国は、エスペランス島を本拠地として、ガンガン接続する予定。1個につき5点である。確実に3つの快速船会社がくっつく。チケットトゥライドと同じく、ひとつのルートはひとつの会社しか使えないからだ。しかしこの国旗駒がびっくりするくらい小さくて視認性は最悪である。さらに航路は矢印の描かれている奴もあり、その方向にしか進めないのもある。これがもう、どうしようもない。

最期、8ポイント貰える左上の島でアメリカとドイツの港が激しくしのぎを削りあう。ここを抑えたものが勝つ!


左上で激しく攻防。こうしてみるといかにも美しいのに、非常に残念や。

勝負の決め手は北西諸島に触手を伸ばす青色の快速船会社だった。快速船会社によって航路数は違っており、それ以上拡張出来なくなっている。そこに目をつけた俺は、青色の快速船会社の残り本数を密かに数える。

わしとTAMの国の威信をかけた島は別々なのだ。そして下から伸びてきた青色の会社は先に南にある俺の島に到着する。問題はそこから北上させない手を打つことだ。


勝利の分かれ目である。このまま直進させると、アメリカのみならずドイツが支配している島にまで到達させてしまう。別会社を接続するごとに島の点数が入るのでこのままでは同じ点数になってしまう。

そこで別ルートの青色の突端部分を4ドルで購入して、青の航路線を消費させるために別ルートを進ませた。青の駒はいっぱいいっぱいとなった。

TAM「負けですやん!!」

所要時間60分

TAMのコメント

可も無く不可もないゲームでしたね。航路がおける場所が見えにくくていちいち確認せんとあかんかったのが駄目ですわ。チケットトゥライドはぱっとみて置ける場所が残ってるかすぐに解りますもん。

ソマーリオ

TAMは珍しく印象が良くないみたいだが、ゲーム自体は悪くはない。そして確かにTAMのいう通り。青色の海に快速船会社が航路を拡張してる様はなかなかに美しい。しかし、2本の航路を置けるマス同士が近かったり矢印があったり、いちいち置けるかどうかずらして確認せんと駄目なのだ。さらに、各国の港マーカーが、ベラボーに小さい。これはいくらなんでも小さすぎやろと評判のオルトレマーレの港マーカーよりもさらに小さいのだ。なくすわ!!


最終的にこうなった。むっちゃ綺麗のになあ。駒分からんでしょ? でもそれ以上に航路がまだ引けるのか分からんのよ。

ひたすら広いボード上で、皆の最重要の港マーカーが一体どこに置いてるか解らん視認性はゲームとして、あかんでしょ。

ゲームうんぬんじゃなくて、そういったくだらないストレスで駄目にしてしまってる。遊びやすさというのは、アナログ、デジタル問わず、重要な要素だと再認識させられた。

木製の駒を使って青色のボードにとても映えるだけに、勿体無さ過ぎる。ゲーム自体は非常に楽しいのに残念至極である。ただ、サンタフェは小部数の発行で、既に手に入りにくく、そのリメイクであるサンタフェレールズは日本では取り扱っていないので、現行メビウスが扱ってたクリッパースしか選択肢はなさそうである。

そうそう、サンタフェレールズと違い、全て公開情報で、非常にカツカツのゲームでもある。サンタフェをやってないのでなんとも言えないが、アブストラクトが好きな人はクリッパースの方がいいだろう。運の要素はほとんどないので実力勝負が出来る。

gioco del mondo