お蔵入りショートレビュー集2008
実のところ写真まで撮っておきながら、レビューし忘れたゲームは結構ある。し忘れたのなら、今からでもレビューを書けばいいやんと思うかも知れないが、どうにも書く気が起きずお蔵入りしたゲームをショートレビューとしてまとめてみた。
簡単に言えば話題性も既に無いわ、いまいち詳細まで覚えていない、つまらんのうと思ったゲームだ。つってもあくまでこれは個人的主観で、その経歴からどうしても毒舌口調になってしまうので軽く読み流して欲しい。
アカバ Akaba Guido Hoffmann
フェドゥッティが絶賛した子どもゲームで、ふいごでシュコシュコ空飛ぶ絨毯を動かして、お買い物をしていくゲーム。ふんわりと絨毯が飛ぶんかいなと思いきや、シュコーン! って感じで吹き飛ぶ。しかも相手はひたすらサイコロ2個を振り続けて同じ色が出る間、手番は何度やってもいいもんだから「へい、姉ちゃん! 油差しいっちょくれや!」とヤンキーが横乗りするかの如く、びゅんびゅん飛び回り、店にひっくり返りそうになりながら駒が到着する。風情もへったくれもないわ、と思った。どんな感じで飛ぶかは、海賊ブラックが引き継いでいるが、あちらがその反省を踏まえて、回数を指定するようになったのは良かった。アラビアンナイトの雰囲気は好きだが、さすがにここまでゲームになってへんとなあ、とすぐに売ってしまった。個人的にかなりの駄作。
ふいごで吹くのだが、それが他のプレイヤーがカラーサイコロを振って同じ色を出すまではなんぼやってもええので、ゲームとしてバタバタになる。システムが破綻してる。
テラノバ Terra Nova Gaetano Evola & Rosanna Leocata
わしの嫌いなアブストラクトだが、駒とかが可愛いので買うてみた。TAMと二人でやってみたが、さっぱり印象を得ず。やっぱりわしにはアブストラクトは合わんわ。ただアブストラクト好きな人には一定の評価が出来るシステムやったように思う。個人的にはこれやるなら俺の魚だぜとか砂漠を越えての方が圧倒的におもろい。
本格派のアブストラクトは苦手。TAMにさくっと負けた。
ファミリービジネス Family Business
わしの大好きなマフィアものという事で、内容は昔のアメリカンゲームやろなとあまり期待せず購入。マフィアの名前が実名で書かれているのは凄いが、ラッキー・ルチアーノとアル・カポネ以外知らんという重大な事実に気づく。ゲームバランスは引き運だけの個人攻撃が簡単にできるゲームで、なんかよう解らんかった。マフィアに深い思い入れがないと無理。これが新撰組なら知っているので楽しかったかも知れない。つまり完全に同人レベルのゲーム。二度とやりたいとは思わない。
ミルボーンとか、UNOとか、水道管ゲームとかそんな感じの運だけのカードゲーム。
ゾンビーズ 第2版 Zombies Dave Aikins & Todd Breitenstein
あまり買う気がなかったが、ゲームマーケット行ったときになんとなく購入。わらわらゾンビが出てくるのをサイコロ6出ろシステムでぶち殺して勝利点をあげるゲーム。
タイルはちんまいし、ゲームシステムが非常にいい加減で、カードの指示も何がしたいんかさっぱり解らん。システムが誰でも考えつくような酷さで、ちょっとあり得んかった。ゾンビ好きしか無理。でもゾンビ好きならバイオハザードをやってた方が十分楽しめる。続編がかなり出てるので、フィギュア好き、ゾンビ好きにはたまらんところがあるんやろうけど、ゲームとしてはかなり酷い部類。特にドイツゲームに慣れたらこれはさすがに出来ひんと思われる。
なんか、めんどくさかった。サイコロ振ってるだけのような気が……
アステリックスとローマ人 Asterix und die Romer Klaus Teuber
ドイツでは有名なアステリックスとローマ人というキャラクターをテーマにしたらしい。サイコロを振って、武器カードを集めていく子どもゲーム。なんかTAMが「ハッスル、ハッスル」と叫んでた記憶しかない。ゲームのルールが曖昧で、終わらないような感じさえあった。最後の方はサイコロ振ってるのが苦痛で、完全にゲームになってなかった。どうしたトイバー?
なんかさっぱり意味不明のゲームであった。バグのようなところにゲームのキモみたいなのがあって、正しく出来てたかは不明。
キピット Kippit Thorsten Marold
bisco邸にて、おもろいですよって出してきたのがコレ。シーソー型のところに荷物を置いて、がったんがったんと相手の荷物を落とさせるようにし向ける攻撃的ゲーム。発想の転換はいいのだが、その曖昧な破壊っぷりに楽しさを感じる事が出来ず。というよりなんだか荒削りなゲームだった。
なんかガンガン片方に勢いを付けて載せて、相手側の駒を落とすのがテーマとなっている。かなり乱暴なシステム。
シャザム Shazamm! Francois Bruel & Philippe des Pallieres
ボードゲーム天国にさも面白そうに1ページぶち抜きで紹介されて欲しかったのだが、値段が高く買う気がなかった。ヤフオクでそれなりの値段で購入したはいいが、競りの値付けであまりにも自由度が高すぎて、なんぼつけたらいいのかさっぱり解らず。プレイヤーが値付けに熟練してる事を想定してバランスを作ってるのはあまりにも不親切極まる。このゲーム初心者のわしとBBは、当然ゲームにならなかった。速攻売ったった。以降、このメーカーのゲームは二度と買う気がおきない。
右下ゲージを使って、どんなけ魔法力を使ったかを比べて前進させるという恐ろしく単純なゲームだが、数の使い方は無制限なので、どんなけ使っていいのかさっぱり分からない。
ダンクジャム Dunk Jam
既に絶版扱いなので、書いてもいいだろう。誰かが面白いと書いてたので、日本のメーカーを応援する意味でも買うてみた。クールなデザインは良かったが、プレイ感は酷かった。指でピンとはじいて、シュートをするアクション要素はあるが、緊張して全然入らず。しかもダンクポジション以外はそれほど難しさは変わらないというお粗末さ。駒の動かし方も、要領を得ないへんてこなもので、これって結局、動かし方に重要度はなくて単にシュートが上手ければ勝つやんという話になった。シュートアクションの1アイデアだけで作ったお粗末なゲーム。TAMとやって二人とも全然入らず、0−0,2−0で終わった時に、売ろうと決意した。バスケで2−0はないでしょ! 作った奴出てこい! と言いたい。値段が高かっただけに無性に腹が立つ。
ちなみにハウラックのあの国産ゲームというのはこいつを指すw 時効やな。
斜めになったゴールを実際に指で弾いて入れる。一見するとおもろそうだが、それさえ出来れば下の駒の動きなんてまったく関係がないというお粗末さ。Geekより拝借。
ゴウワンストライク Gouwan Strike
同じメーカーだがダンクジャムに懲りず、またしても買うた。ただコンパクトサイズだったのでお金をほかすつもりで買うた。ダンクジャムよりもゲームにはなってるが、やたらめったら1球ずつの手順は細かいくせに、やってることは運で、変化球とか配球にまったく意味がない。野球本来の駆け引きではなく、表面的に野球をなぞってるだけ。これ作った奴は野球を知ってるのか? そのくせ2回やるだけで1時間もかかり、うんざりした。ひきぷと協議終了。
どこにバットを置いても、どこにどんな変化球で投げても実は変化はサイコロで決まったりするのでまったくの無意味。Geekより拝借。
ゲキシンKO Gekishin K.O.
ゴウワンストライクと同じコンパクトサイズで購入。遠距離のはめ殺しパターンとなって、何も出来ないままひきぷに負けた。このメーカーに言いたいのは、テストプレイにしっかりと時間を掛け、きちんとバグを取って出せという事だ。以降、このメーカーのものを買おうとは思わない。今思うと、この手のゲームに騙されて買うた人が、ボードゲームってしょうもないと思われたらと考えると、国産だからと甘くせずもっと早めに叩いておくべきだった。相変わらず日本では人生ゲームやモノポリー、UNOの人気が高いのが解る。こんなんやるよりそっちの方が圧倒的に楽しいわい! 企業努力するのなら中途半端にやるのじゃなく、まったくやらないか、しっかりとやるかのどっちかにせよ。
この3つでは一番マシだが、あまりにも古くさい格闘技システム。つうかバグ取れつうの。Geekより拝借。
アーカンサスブラフ Arkansas Bluff
超おもろいと評判だったブラフが手に入らず、「これは一緒のゲームでは?」とキディランドで何度も通うては確認をしてワクワクして手に入れた。
ひきぷらとハワイに遊びに行ったときに持って行ったが、元々決められた数字しかないので、値付けで、すぐ限界が解ってしまうやんとアンポに指摘され、全員をもり立てるつもりがかえってしょんぼりさせてしまった。車のナンバープレートを使った雰囲気はいいが、ゲームとしては残念であった。とはいってもブラフといい、この手のシステムが単に自分に合わないのかも知れない。
ナンバープレート部分がブラフの数字になっている。雰囲気はいいんやけどなあ。GEEKより拝借。
ハッピードッグ Happy Dog Alan Moon
学研から頭のよくなるシリーズとして、今をときめくムン様が作ったと喜び勇んで買うてきた。確かに絵柄は酷くてどうみてもおもろそうじゃない。しかしムン様だから、ゲームとしてはおもろい筈とやってみた。ロストシティのようなタイプのゲームだった記憶はあるが、あまりのつまらなさに驚いた。3つくらいルールがあったが、もうどうでも良いことだ。おい、ムーン、やっつけ仕事をすんな。こんな程度かと思われんぞ。これ以降、学研のこのシリーズを買うのが怖くなった。
びっくりするくらいやっつけ仕事で魅力的でないカードの絵。内容はロストシティっぽかった気がするが、はっきりいうてつまらん。
2008年度最後のレビューは年忘れ企画辛口レビューと相成りました。
こういう風に現役国産込みで、ストレートな感想を書いたのには意味があって、はっきり言うて日本でボードゲームの普及は無理やと諦めた次第。日本のメーカーがあまりにもええ加減なもん作るし、それよりもWiiやらDSやらが凄すぎる。特にWiiなんてモロにボードゲームとバッティングするジャンルで、到底勝ち目はないとずっと思ってた。さすがにとうとうお手上げしました。あれに比べたらボードゲームなんて、長いルール読まんとあかんわ、説明せんとあかんわ、正しくルール通り動いてるか管理せんとあかんわ、準備にも後片づけにも時間はかかるわ、かさばるわで、敷居が高くててんで話にならん。
ただし、個人的な趣味としてなら、ボードゲームの方が圧倒的におもろいと思ってるので、そういうスタンスで来年以降はジョーコデルモンドをやっていきたいと思います。ま、一言でいえば、国産だろうが駄目なゲームは、ぶったぎると、そゆことですw だってねえ、間違って買うたら、相当むかつくと思うねんな。こんなもんかと。
とはいっても、現状のレベルやとほとんど国産のゲームは買う事はないでしょう。数年我慢して静観してきたけど、まったく進歩ないし、いい加減やし、こんなん買わされる身になったらと思うとな。誰にもお金を貰っていない個人的趣味嗜好の世界なんで、気軽に書いていきたいと思います。ここを読んでくださる方も、合う合わないなど様々な好みがあると思いますので、軽く読み流してくれたら幸いです。来年はドミニオンを筆頭にアメリカゲームの巻き返しが楽しみやわ。
また今年はBS日テレにてボードゲームが取り上げられた番組、Theゲームナイトがあったのは意義のある事やけどちょっとだけ触れておきたい。
これを見てボードゲーム人口が広がったのか? と問われれば皆はどう答えるんやろか。
実際のところ資料も何もないのでよう解らんが、おそらく増えていないとわしゃ思ってる。
あの番組をみてボードゲームっておもろそう! と思うのは既に実際にボードゲームっておもろいと知ってる人だけとちゃうの?
番組全体に現れている「ボードゲームってこんなに大人なムードがあって知的でとってもお洒落なんだぜ! まったくオタクの趣味じゃないんだ!」と、演出してるのがオタクやって認めてる証拠じゃないんかいな。
だって実際にあんな感じでお洒落なレストランでやる奴なんておらんでしょ? 片手にシャンパン持って「ルネッサーンス!」じゃあるまいし。わし自身そんなとこでやりたいとも思わんし。そういうとこでは会話を楽しみたい。わざわざ雰囲気の良い値段の張るところでゲームやったとしても、ゲームのおもろさはまったく変わらない。その雰囲気だからこそ楽しめるのは会話。それがTPOやと思う。
かつて大橋巨泉が麻雀を流行らせた時、11PMではどうやってたか。別にお洒落なムードなんて醸し出さず、鉄火場みたいな感じでやってた気がする。麻雀の楽しさの本質であるツモの流れや捨て牌を中心に完全に再現してた。ツバメ返しとか、いかさまの方法とか流したりしてさ。なんかそれが妙に大人な感じがした記憶があり、流行った原因のように思う。実際にそれをやってた頃は子供やったんで解らんけど。
次にボードゲームの番組を作るときは、もうそれこそ4畳半の畳の上で、汚らしい男らが、狭いちゃぶ台の上でカツカツの状況でやってるという風に作ったらどうやろか? それの方が視聴者にグッとくるし、知らん人がみたら「何、これ??」と興味を示すんちゃうかな? わしゃ、少なくともそっちの方がおもろいと思うねんけど。だってボードゲームのどこにお洒落なムードがあるっちゅうねん。駒は可愛いよ。ボードも可愛い。でも、それをやること自体にお洒落さはまったくないな。ここを読んでる誰もがお洒落やから、知的やから、という理由でゲームを遊んでないと思う。
ボードゲームは少なくとも一般の人が知らんという意味では確実にオタクの世界やわ。それを無理に隠そうとするからけったいな話になるんちゃうか? 本質を見せずに視聴者に何が伝わるのか? そういうのは簡単に見抜かれてしまう。ボードゲームなんてまったくお洒落でもないし、大人の遊びでもない。けど、おもろい。子供も大人も同じように混じって楽しめる。WiiやDSよりおもろいか? と問われたら、ゴルフと野球とどっちがおもろいかというくらい愚問。人好き好きや。そういうものやと思ってる。
というわけで、今年もたくさんの方々に訪問して頂きました。ありがとうございます。
それでは皆さん、体にお気を付けて良いお年をお迎えください。
gioco del mondo