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Dirk Hillebrecht
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Zoch
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2〜4人
45分
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ミレ グラツィエ
貴族が自分の職務を全うするためにドイツ国内を旅してた。
この時代のドイツは治安が悪く、ところどころに盗賊が出没していた。
その正体は、盗賊になりすましたライバルの貴族たちだった。
プレイ感
内容的に自分に合うか解らないので購入を見送っていたが、ムゲンの家に行ったときにあったので、やろうという事になった。ムゲン、タカダ、アマバの4人プレイにて。
慌ててざくっとルールを読んだだけなので間違いがあるかも知れないが、簡単にルールを説明。
手番プレイヤーが貴族役、他のプレイヤーは全員盗賊役になる。盗賊役は、貴族の駒の位置と目的地タイルをみて、どこで待ち伏せするかを密かに指定しておく。
貴族役プレイヤーは、護衛を付けるかどうかを宣言する。護衛をつけるなら、あらかじめ1カ所だけ指定しておく。そこから1マスずつ移動を開始していくのだが、もし盗賊が選んだ道を辿ったらその盗賊プレイヤーは「ミレ・グラツィエ!」と宣言して待ち伏せマークを見せる。盗賊は3ポイントの勝利点を獲得し、さらに貴族の目的地タイルをランダムに捨てる。もし護衛してた道なら無効に出来るのだ。
こうして貴族は護衛付きなら4マス、無しなら5マス動かす。目的地まで付いたらそのタイルに書かれている勝利点を貰う。また途中にある目的地タイル取る事が出来るが、タイルは3枚までしか持てない。先に30ポイント獲得したプレイヤーが勝者である。
ルールには盗賊同士で密談してもよいと書いてあるので、貴族は後ろ向きになる事にした。
まずはアマバから。
わし「こいつの場所はここか。で、目的地はここと」
タカダ「どうします?」
ムゲン「俺はここではっとくわ」
わし「ほな、わしはここ」
タカダ「いや、でも彼の性格から、意表ついてここだと思うんです」
アマバ「うわぁ、これむっちゃ嫌やあ」
秘密ディスクを使い、どこで待ち伏せするかを選択する。相手がどこに行きたいかは行き先タイルをみればすぐに解るが、経路はかなりある。
というわけで、全員待ち伏せ決定。
アマバ「護衛はありで行きます」
そうしてスルスルと抜けられてセーフ。
アマバ「助かった」
次、わしか。ここでわしが盗賊にあったら恥ずかしいよなあと後ろ向く。
あれこれ話が聞こえてくる。
タカダ「あきおさんって多分ここらへん、ぶち抜いてくるんちゃいます?」
ムゲン「それはありうるな。じゃ、タカダくんはそこで、俺はこっちにするわ」
タカダ「OKです」
わし「確かにこれはドキドキすんな。じゃ、護衛なしで。ここ、ここ…」
全員「え?」
わしは皆の意表をついて自分の目的地タイルには目もくれず、落ちてるタイルを取りに行き、そのまま新しい目的地にタッチダウンした。
わし「じゃ、4点」
全員「そんな方法があったのかー!」
道ばたに落ちてるタイルをさっと取ってそのまま目的地に行くことも出来る。この方法を使えばまさに経路は無限。タイルには点数が書いてある。
そこからは、ひょっとして、このタイルを拾って行くんじゃないかとか、そのまままっすぐに目指すだろうとかかなり悩むようになる。
相談すると時間が掛かるので、1周したところで相談禁止にした。
思ったのは意外とスルスルと抜けてしまう事。
そこでわしは作戦を変更した。それは第一歩目に張るということだ。
わし「ミレグラッツィエ!!」
タカダ「やられたぁ」
わし「ほかすのはこれじゃあ!」
タカダ「あー! 次に到着やったタイルが!」
道には種類があって、色によって捨てられるタイルの枚数が違う。
道は色別になっており、それによって捨てられるタイル枚数が違う。駒は全て形が違うのが素晴らしい。
そう、あれこれ想像して張ってても、その当たる確率は現在地から離れれば離れるほど倍々に低くなっていく。ならば最初の4分の1の時に張った方がよっぽど当たる確率は高い。
だが時にはこういう事もある。
わし「ミレグラッツィエ!」
アマバ「あー。じゃ、次はここに」
ムゲン「ミレグラッツィエ!」
アマバ「えー! またあ? ここでタイルを失ったらもう行くところないやん。じゃあ、もうこっちに変更するわ」」
タカダ「ミレグラッツィエ!」
アマバ「ええええ!!!」
そう、皆が相談する事なく好きなところで張ったのに、アマバは1手番でそれぞれ違う道で張った全員からミレグラッツィエを食らった。阿呆すぎ。
タカダ「わざわざ道かえて食らうって。どんなけしょぼいねん」
そしてムゲンの手番。
わしは3ポイント獲得すれば勝利の位置。
ここでも一撃目に張ることにした。
ムゲン「じゃ、いきます」
わし「ミレグラッツィエ!!」
ムゲン「やられたぁ」
所要時間45分
最後はわしが30ポイントを先に達成して勝利。ポイントを達成した瞬間勝利となる。
ムゲンのコメント
これ、単純やけど、おもろい。
タカダのコメント
フルグラッツィエには笑った。面白いですねえ。
ソマーリオ
かくれんぼオバケとよく似ている。あちらが子供向けだったのに対して、大人でも十分楽しめるゲームとなった。かくれんぼオバケは、大人同士だと楽しめるかというとやはり厳しかった。選択肢に意味がないのだ。単に上に行くか下に行くかだけ。その道を辿りたいという動機付けがなかった。
ところがこのミレグラッツィエは、目的地タイルを使う事によりその動機付けを上手くシステムに取り入れた。この目的地タイルの素晴らしいところは、自分の目的地として持っているだけでなく、路上に落ちてる目的地タイルをも考慮に入れなければならなくしたところだ。これによりメリットデメリットのある多くの思惑が生まれる事になったのだ。この味付け加減は非常に上手い。
またもうひとつの道の色によって捨てる枚数が違うというのも思惑に一役買っているのだろうが、今回のプレイではそんなに現れた感じはしなかった。まあ、慣れてくると1枚捨ての方がまだマシとなるのだろう。
目的地タイルには出発地と目的地が書かれている。ボード上のタイルは減ると補充されるのだが、そのめくったタイルは出発地のところに置くようになっている。だからいきなりタイルを取ったところが目的地でそのまま得点なんて事にはならない。スクールパンチの鉄道輸送ゲームや謎のイースター島ゲームの弱点が補正されている。比べるのもおかしいけどw
ルールはとてもシンプルで、デザイナーの意図がとてもよく解る。ランドルフ作品と間違うような非常に練られた観があるのだ。かくれんぼオバケよりも、カリブの方がよりプレイ感は近いかも知れない。そしてミレグラッツィエの方がルールは簡単だが濃度は同じくらいといっていい。
ドイツゲーム大賞の推薦作品くらいにはなるかと思ったが漏れたようだ。変わったゲームで、心理戦が好きな人に特にお勧めしたい。やはり今年のZochは佳作揃いだ。