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Franz-Benno Delonge
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Wining Moves
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2〜6人
30分
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トランスアメリカ
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19世紀アメリカ。鉄道建設が盛んです。フロンティアスピリットと先見の明が大事になっています。
皆が大陸を横断する鉄道建設を一番早く成し遂げようとしています。
都市間をいち早くつなげるのは誰でしょうか?
西部にいち早く抜けるのはチャーリーでしょうか? それとも他人の鉄道をうまく使うヘレーナでしょうか?
プレイ感
すでにやったゲームでいくつかレビューをし忘れているものがある。このトランスアメリカはその一つである。いつかレビューせんとあかんなあと思ってたが、そういえば子供も少しずつゲームが出来るようになってるので、ちょうど良いのではないかと出してきた。miaとコタとの3人プレイにて。
中身を出すとmiaが「え、これ子供できんの?」という。これは見かけによらず、物凄く簡単なゲームなのだ。おそらく鉄道ゲームで一番簡単ちゃうかな?
最初に5色ある目的地カードを1枚ずつ手札にする。手番の最初に、スタートプレイヤーから順に自分のスタート駒を好きな都市におく。
手番には、路線駒を自分のスタート駒もしくは、それに繋がる路線駒に1個もしくは2個つなげていくだけ。ただし二重線のマスは1個しかつなげることができない。
各都市は色分けされており、5つの都市を繋ぐ。手番には1個か2個線路を置くだけである。二重線は川越えや山越えを表しており、1個しか置けない。
こうして目的地の都市をすべてつなげ合わせると、宣言してラウンド終了。繋げなかったプレイヤーは、その繋げなかった都市までの距離だけ失点する。すべての線路を取り払い、スタートプレイヤーを左隣に渡して同様に第二ラウンドを始める。
こうやって、誰かの得点駒が境界線を越えたら、ゲーム終了で、失点が少ないプレイヤーが勝ちである。
ポイントは、他のプレイヤーと路線駒が繋がったら、すべて自分の路線として使えるところである。
まずは自分の目的地をチェック。そして、そのうちの1箇所にスタート駒を置く。このとき、重要なのが相手とできる限り近い場所におくということだ。全員が離れていればそれでいいが、3人の場合、どうしても2対1の構図になりやすく、一人だけ離れた場所いると単独で達成しなくてはならなくなる。
コタが西海岸一人に対して東海岸から攻めた2人はあっという間に各都市をつなげていく。他のプレイヤーと路線がくっついた場合、お互いにすべての線路を使えるようになるのだ。
なんせ久々のプレイなので、そんなことを気にせずスタートしたら、コタだけが西海岸でぼっちプレイ。わしとmiaは早々に線路を共有して、がんがんと都市を達成していく。
もちろんカードは5種類あるので絶対に西海岸は含まれているので、最終的に全員の線路がくっついたが、わしが達成したとき、コタが大量失点のスタートとなった。
そして2ラウンド目、ここでは2対1の構図を避けるべく、みな近接にスタート駒をおく。
コタ「パパ、一緒に伸ばそうね」
といって、わしにすぐにくっつけにきた。
それから二人で仲良く都市にくっつけていく。
mia「ちょっと、どうしてママは参加できないのよ」
といって単独で伸ばす。まあ、くっつけたらええのに、あえて単独行動ともいえるけど。
さすがに一人でやるのも辛くなって、とうとうくっつけた。
実はこのゲーム、くっつけた瞬間、あと数手番で終わる。今までへぼへぼやったのも嘘のように解消されて、一気に都市を達成できるようになるのだ。こんなゲームは他にはない。
コタ「できた!」
なんとコタが一番乗り。miaここで撃沈。
後半はつながるとあっという間に終わる。ここで茶色の駒のmiaがデッドラインを越えてゲーム終了。失点方式なので、ルールは一瞬戸惑うが、機関車のマスをみればきちんと点数が描かれている。カードにはおよその場所が描かれているので、ひと目で目的地が分かるし、上下さかさまにしても都市名が書かれている。
2ラウンド目以降、失点の一番多いプレイヤーが4点以上あった場合、越えてはいけないデッドラインが2マス先にまで移動してくる。ここで一気にゲームが終盤となる。
3ラウンド目もコタはわしと一緒にやろうといってくっつけてきた。
コタ「くっつけると楽しいよね」
わし、今回、コタとくっつける意味があまりないんやけどな。
しかしコタはそれを上手に利用して、なんと3ラウンド目も達成。
miaの駒が一気にデッドラインを越えて、なんとコタとわしが同点優勝となった。
所要時間 30分
コタ「面白すぎる!」といってさらに2回連続でやりましたとさ。
ソマーリオ
非常に単純ながら、世間の評価は非常に高い。鉄道系のゲームは18XXシリーズやダンプフロス、蒸気の時代など、時間の掛かるゲームが多いが、むしろそういったヘビーゲーマーにこそ、このゲームの評価が高いのが特徴である。
最初ルールを読んだとき、こんな単純なやり方で、そもそも勝敗がつくのか? と疑問に思った。やってみるとなぜか勝敗が分かれる。ミソは最初の目的地の運というのはあるやろうけど、それ以上に相手との相乗りがあるからだ。いかに相手に自分の線路を作らせて合体させるかなのだ。カッコウの托卵作戦である。
今回は3人のため、ハブられるとどうしようもなくなってしまう問題があるが、人数が多いとこういった問題もなくなりもっと濃密に楽しめるだろう。
鉄道ゲームながらわずか30分で終わる。しかも3回も作り直して、だ。大体3ラウンドくらいで決着する。
鉄道ゲームの楽しさなんて、一言でいえば都市間を線路でつなげることでしょ? と作者が思ったに違いない。
その部分だけで確かにこれだけ面白いのだから恐れ入る。ボードゲーム奇跡の一品である。
6歳児のコタが「ロサンジェルスに到着」とか楽しそうにやってるのも見ると、まさに作者の思惑通り。
アメリカを5つの地区に分けて、目的地に不公平がないようにしているおり、また5色使ってどこらへんにあるのか一目で解るところとか、目の付け所が素晴らしすぎる。
ただしこれはゲームをいろいろやってきた者の意見であって、まだボードゲームに対して過度な期待を寄せている伸び盛りのあるプレイヤーにとっては、「あれ? こんだけ」と肩透かしを食うかもしれない。それくらいあっさりしている。わしも最初おもろさがいまいち解らなかった。
内容物は、日本の家屋に優しい、小さな箱にビッグなボードを上手く折りたたんでおり、木製の駒もしっかりとしかも大量に入っていて文句なし。プラッチックで箱がでかいチケライとは対照的である。
そのせいで、チケライよりも高級感がある。面白さは、どちらもまったく別物なので、比べられない。
またカードの厚みは他のゲームの追随を許さない分厚さで、2枚かなと勘違いするほどだ。そしてカードがまたよくできている。カードに都市の位置が描かれていると共に、ひっくり返しても解るように都市名が上下さかさまに書かれている。これで見逃しがちなプレイアビリティを一気に高めている。
またしばらくして、これのヨーロッパマップのトランスヨーロッパが出たが、絶版になったようで、世界的に価格が異常に高くなっている。トランスヨーロッパはなんとカードにその都市のシンボルが描かれているという念の入りようで、一瞬買おうと思ったことがあったが、そのせいで地図がなくなり、探すのに一苦労すると知って買わなかった経緯がある。買うならまだ現状でも手に入るトランスアメリカだろう。というか鉄道はアメリカやろ。
そしてまたまたしばらくして、小拡張ダイヤの乱れというのが出た。これはアメリカ、ヨーロッパ共通の拡張で、プレイヤーカラーの線路が3個ずつついてくる。自分だけが使える線路で、これで相乗りを激しくブロックしたりして、ゲーマー向けに面白さが一気にあがるらしい。これは想像するに難くない。この拡張は新しい版には最初から付いてるっぽいが、今度やってみて追記してみる。
作者のデロンシュは、若くして癌でなくなっている。ビッグシティ、マニラ、コンテナなど、名作揃いなだけに非常に残念である。