Wolfgang Kramer
&
Michael Kiesling

Deep Print
Hobby Japan

2〜4人
60分

リネイチャー

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「リネイチャー」では、プレイヤーは汚染された渓谷で自然が元の姿を取り戻すのを手助けしようとします。
プレイヤーは動物が描かれているドミノを小川の流れ沿いに置き、その横のエリアに植物を植え直して得点を得ます。
すべてのドミノがプレイされたとき、最終得点計算を行ってゲームは終了し、最も多くの得点を獲得したプレイヤーが勝利します。

プレイ感

クラマー&キースリングの大賞コンビが作ったドミノを使ったシステムだが、最近の傾向でこういう昔ながらのドイツゲームテーストはあまり人気がない。
コタ10歳とmiaとの3人プレイにて。


各自規定数のドミノと植物コマを持つ。ドミノはそれぞれ裏向きに山積みにしておき、3枚を引く。雲マーカーを植物コマと同じように個人ボードに配置する。


最初に個人ボードにこのようにコマを置いておく。これが若干わかりにくいが、無色のコマと自分のコマがある。
人数によってこのコマの数は変わるが、ゲームの肝なので間違えないように。

手番には、最初に置けるマスか、他のドミノと同じ絵柄がくっつくように配置する。その後、植物コマを置いたドミノの隣マスに置いても良い。最後に山札からドミノを補充する。
ドミノは、川辺マスのみ、植物コマは陸地マスにのみ置ける。


各マスにマス目に応じたエリアタイルを置く。裏面はボーナス得点となっており、少しだけランダム要素が入っている。

植物コマを置いたら1点、さらにその陸地エリアで今置いた植物コマ以下のランクのコマの数だけ得点する。

特殊な動きとして、ワイルドカードがある。ワイルドカードに指定された動物はどの動物とくっつけても良い。これは雲を2枚支払うことで好きなマスに移動させることができる。
雲は他にもできるが、残しておくと最後は得点になる。

陸地エリアを囲うようにドミノをおけば、決算を行う。そのエリアで、最も高い植物コマ価値を持っているプレイヤーがエリアタイルの上の得点を、2位が下の得点をえる。が、価値が同じだとハゲタカの餌食形式で、0価値になってしまう。それから囲ったプレイヤーは、そのエリアタイルを貰う。これは裏面にボーナス点が書かれている。

こうしてドミノをすべて置ききったところで、まだ決算が行われていないエリアつまりエリアタイルが残っているエリアで決算を行って、エリアタイルボーナスと、残した雲マーカーの得点を足して勝敗を決める。


手札は3枚。カエル多し。


動物を繋げずにおけるのは上側のマークしているマスのみ。つまり開始時点となる。タイルは小川沿いに置き、隣接エリアに植物コマを置いて得点をあげる。

まずは手札に多い動物を使うタイルを使っていくのが良い。でないとすぐに詰まってしまうからだ。

それぞれが囲いだそうとするが、ドイツゲーム特有のものとしては単独行動は損をするということだ。
いっちょかみ作戦こそがドイツゲームの陣取りでは最も重要なテクニックとなる。

そうこうするうちに、すぐに手詰まりしてくる。
ここでワイルドカードが非常に重要になってくる。

わし「雲2枚使って、蝶からキツツキに変える」

ふう、これで楽になるぜ。

コタ「じゃ、ぼくもキツツキから、イモリに変える」

What!?

わし「くっそ、ムカつくわぁ。イモリなんか要らんのじゃ」

囲って、植物を置くと得点が貰えるのだが、他のプレイヤーの植物が集うところに置けば得点が伸びる。


人気のあるエリアはこのようにどんどんと広がっていく。一番上にあるワイルドカードの動物はかなり重要で、これがないとゲームが逼塞する。

しかし、ここに罠がある。
同じ価値の植物をおくと、先に書いたルールにより、無視されてしまうのだ。

このゲームのくっそいやらしいところは、無色の植物の存在である。これ、相手と同価値にして0点にするためだけに存在するお邪魔コマである。しかも結構な数がある。
最後にコマが残るとマイナスになるため、否が応でも使わざるを得ない。

コタ「じゃあ、ここに」

わし「お前、まじでムカつくな」

10歳児であろうが、腹たつのは腹たつ。

わし「それよりママを見よ。あっちのほうが得点高いぞ」

mia「何いっての。パパ、いっつも勝つからそっちを叩いておいた方がいい」

コタ「うーん、どっちにしよかな」

まさにドイツゲームらしい、言葉の駆け引きが行われるわけだ。

コタ「パパにする」

(|| ゜Д゜)ガーン!!


無色を適切に配置することで、相手の得点を削いでいく。

とまあ、こんな感じでイモリ攻撃食らったり、無色攻撃くらったりとされながらも、虎視眈々と他のエリアを目指していく。

実のところ最後には囲っていなくても決算されるので、徐々に広がっていった下のエリアの高得点ゾーンにからめておくに越したことはない。

ただ、無色ばっかり残ってるやん!

(|| ゜Д゜)ガーン!!

もっと積極的に嫌がらせしておくゲームだったのだ。


大量に残してしまった無色。へっぽこプレイだ。こいつらを残すと失点となるので、なんとか置いていきたいが、ターンの関係上、無理。2度ほどコマを戻したり、タイルプレイ時に置かなかったりすると、必ず残ってしまうのだ。

損得勘定を行って、なんとか配置していく。

そして全てのタイルが置かれて、最後の決算である。

ここでやはりあちこち絡んでたわしが得点を伸ばして勝利。

mia「ね、言った通りでしょ?」

所要時間60分


最終結果。

miaのコメント

まだよく分からない感じ。もっかいやってみたい。

ソマーリオ

クラマーも年を食うて意地が悪くなったようだ。というのは冗談で、ハゲタカの餌食システムを使った陣取りというのはなかなかに新しい。
システムとしては昨今ドイツゲーム大賞もとったキングドミノアイル・オブ・スカイなどとほとんど同じだが、これにハゲタカ方式を前面に押し出すことによって、陣取りゲームとして完全に違ったプレイ感を出している。

手札がわずか3枚なので、ままならない展開を用意することで、運要素をしっかりと加え、ともすれば個人攻撃だけになるのを避けるように設計されている。置ける選択肢が狭くなるため、ワイルドカードという救済措置もきちんと取られて破綻しなくなっており、さすがはクラマー&キースリングと唸らされる。

とはいえ、個人攻撃というより、キングメーカーになりそうな展開になりそうなところは少し気にはなった。まだ1回しかやっていないので、そこらへんはもう少し確認したいところ。

コンポーネントは、完璧でしょう。木製のドミノに、美しい動物、造形された植物コマの数々。文句のつけようがない。

絵柄からはのほほんとしているが、シビアすぎるという意見もあるが、1回やっただけではそこまでには感じなかった。和気あいあいではないが、ファミリーゲームとして遊べるレベルである。

個人的にはドミノシステムがそれほど好きなシステムではないので、そこまで高評価ではないが、ドミノが好きであったり、ややアブストラクト寄りのゲームが好きという人には価格も安いため、是非勧めたい。

gioco del mondo