Stefan Feld

Hall Games

1〜4人用
120分

ルナ

駿河屋で購入
ルナでは、プレイヤーは月の教団の騎士団の長となり、騎士団の地位を高めるため、自分の騎士団の中から弟子を送り出します。弟子は聖なる島を巡る旅を通じて、現地の女司祭の好意を勝ち取り、社を建てていきます。
そして月の女司祭に仕え、寺院の礼拝に参加することで地位を高めていくのです。ゲームは様々なアクションを実行することで進行します。島のアクションは、それぞれ島ごとに異なっており、その島に見習いを動かして実行させなくてはなりません。その島に行くための移動にもアクションを使用します。
中央の聖なる島の寺院でのアクションを実行するためには、まず周囲のアクションで寺院に入る準備をしなくてはなりません。 「アグリコラ」や「エンデバー」などでも使用されている「ワーカープレイスメント」を進化させた、「ワーカームーブメントシステム」が斬新な、「倉庫の街」や「薔薇の名前」のステファン・フェルトの期待作です。(輸入代理店より)

プレイ感

フェルドに夢中になってた頃に買うてみてはいいものの、その後フェルドのデザインにうんざりしてきたので完全にほったらかし。ルールを読むのも面倒だったので、このままやらずに売ったろうかとさえ思いはじめた。さすがにそれは勿体ないと考え、なんとか自分を励ましてルールを読み、miaと2人でやってみる事にした。


手番は1アクションずつ順番にやっていく。やれるアクションは多岐に渡るがざくっと書くと、恩恵タイルを得る、祠を建てる、寺院タイルを手に入れる、寺院タイルを配置する、修練士を移動する、がある。
これらのアクションを行うのは、基本的に修練士駒が2個必要となっており、その島にいる修練士駒2個が島にあるものに対してのみ行えるが、自分の祠がある島では1個で良い。他にアクションとして手に入れた恩恵タイルを使うというのもある。
アクションを行った修練士駒は疲れて非活動中となり島の横に置いておく。


中央にメインボードを置き、それを囲むように島タイルを7つ配置する。周りの島がアクションマスと思えばよい。

パスする度にろうそくの火タイルを裏返していき、全てが裏返ったらラウンド終了。ラウンド終了時の得点のやり方は、月の女神駒がいる場所で活動中(島の上にいる)の修練士駒のプレイヤーがいた場合、自分の祠のある島で活動中の修練士駒がいる場合、寺院タイルに乗っている修練士駒がある場合で、背教者駒がいたら(この場合、非活動中でも)マイナス点をくらう。

プレイ中としては、寺院タイルを配置する時、最後のろうそくタイルをひっくり返した時、知恵の書タイルを移動させた時など、細かい得点もある。


各島には最初、恩恵タイルが2個ずつランダムに置かれている。これを手に入れて効率よく使うことが必要である。使われた恩恵タイルは決められた島に置かれるので再度取得して使用すればよい。今、薬草と波濤の恩恵タイルを持っている。

ラウンドの終わりには非活動中の修練士を活動状態に戻して(つまり島の横に置いていた修練士駒を島の上に戻す)、次のラウンドを行う。6ラウンド終了時に一番勝利点を持ってると勝ちである。

このゲームの最大の難点はその準備である。無茶苦茶時間が掛かるのだ。特に初見では、ルールブックに記載されている固有名詞がどの部品に当てはまるのかがすぐに解らない。この準備だけで30分掛かった。
とりあえず初心者お勧めのセットアップというのがあったので、島をそのように配置して、修練士も配置した。


メインボードに穴が開いているのは2人プレイのため。4人だとすべて埋めて使うことになる。この部分は陣取り要素となっている。
左下のチップはプレイ順を決める場所で、アクションによって進めることでプレイ順を有利にできる。
右下にはろうそくタイルがある。これをひっくり返してラウンドの終了を決めるが、チキンレースみたいになっているのがなかなかに面白い。

わし「とりあえず、恩恵タイルを貰う」

mia「何やっていいのかわかんない。フェルドのゲームはいっつもそうだ」

わし「一応、祠が勝利点4あるから、大工の棟梁がおる場所では必ず建てんとあかんのとちゃうか?」

祠はこのゲームのポイントのようで、1個の修練士駒だけでアクションを行えるというのは、人手不足になりがちなルナでは殊の外大きい。
そのせいか、非常に建てにくく、大工の棟梁がいる島に自分の修練士駒が2個あり、祠の恩恵タイルがないと建てる事が出来ないのだ。大工の棟梁は、ラウンドの終了時に4マス時計回りに移動するので、先を見越して修練士駒を集める必要がある。

初期配置の場所はわしもmiaも大工の棟梁がいる場所にいたので、2人とも祠を建てる事にした。

そこからさらに寺院タイルを配置する事にした。

寺院タイルの場所はちょっとした陣取りになっており、置いた寺院タイルの隣で、その寺院タイルに書かれた影響点未満のタイルに載っている他のプレイヤーの修練士駒は吹っ飛ばされて波止場に移動させられるのだ。どういう事かというと、修練士駒が寺院タイルに載ったままだと、ラウンドの終了時に勝利点が貰える。それを貰えなくするという事である。これを防ぐために、知恵の書タイルというのがある。これがあると吹っ飛ばされない。これは知恵の書恩恵タイルによって移動させる事が出来る(移動させたら勝利点1貰えるが2人の場合は2点)。


寺院ではわしがmiaの駒を吹っ飛ばして優位に立っているところ。ヘクスには吹っ飛ばし判定の数字が書かれている。知恵の書を上手く動かして陣取りを行うが、ここに修練士駒が配置されてると事実上使えるアクションが減るので一長一短。艀にいるのが吹っ飛ばされたmiaの修練士駒。これは波濤や船の恩恵タイルを使って島に移動させればよい。

寺院タイルの影響点は、上手くてれこになるように配置されており、また手に入れる順番も小さい数字順に並んでいる。ちなみに影響点はあくまで吹っ飛ばし判定に使うだけで、寺院タイルを置いた場合の勝利点は、守護者タイルに描かれた得点となっている。守護者タイルはラウンドの進行と、寺院タイルの得点を表しており、後になれば得点が低くなっているので、なるべく早く寺院を建てた方が得だ。


中盤にさしかかったところ。実はここで一回、休憩して翌日続きをやった。

第1、第2ラウンドあたりではまったく気づかなかったが、このゲームで勝利するための大きな得点源には、上に書いた祠の建設、寺院タイルの配置、そして月の女神の得点がある。
本来なら月の女神の得点はすぐに気づくところなのだが、フェルドシステムの作業感に没頭してしまい、まったく出来なかったのだ。

月の女神は2人用だと、駒がいる場所の活動中の修練士駒の多いプレイヤーが5点、少ない方が2点貰える。非常に大きな得点なのだが、何故、見逃してたかというと、活動中というところがミソだった。つまり、ラウンド終了時に修練士駒を島の上に残して置かなくてはならない。あれもこれもやりたいので、どうしても使ってしまう。

そうこうしているうちに、寺院タイルの陣取り合戦が激しくなってくる。
寺院ボードの波止場には、吹っ飛ばされた駒が並んでいる。


わしも吹っ飛ばされてかなり熱くなってきた。

修練士駒は寺院タイルを配置するときに、1個ずつ使うので、島にいる駒が段々と不足してくる。吹っ飛ばされた駒は、波濤か帆船の恩恵タイルによって再び島に移動させる事が出来るので、吹っ飛ばされたら単に不利という訳じゃないところがよく出来ている。駒の補充になるのだ。

ある程度溜まったところで、miaは波濤恩恵タイルを使って、島に移動させる。

この駒数の不足というのは、アクション数の減少にも繋がるのでかなりでかい。しかし、ある程度、順調に祠を建てる事ができたわしは、駒1個でアクションが実行可能な場所が多くあり、有利に進める事が出来た。

mia「この薬草島に行きたいんだけど」

使用した恩恵タイルは、本来あるべき島に戻される。薬草恩恵タイルは同じ島の非活動中の駒を2個まで活動中に戻す役割がある。miaは、最初から自分の祠が建てられている薬草島をまったく活用出来ないでいた。何故かといえば、背教者駒の存在だ。こいつはゲームの最初からずっとここに居座っている。ここでラウンドの終わりを迎えると、活動、非活動に関わらず自分の駒+1のマイナスを食らってしまう。こつこつした積み重ねの得点がこのゲームのシステムなので、この失点はかなり痛い。


これが最初から居座ってる背教者。miaとしてはここに祠が最初から建っているのでもっと利用すべきだった。上に見えるのが月の女神で、得点がでかいのでもっと利用すべきだった。

背教者を追放する方法は、その島の活動中の修練士駒を非活動中にして、その数だけ時計回りに動かすだけである。大体において、移動すると非活動中になるので、マイナスを食らわないようにするためには活動中のまま移動させられる帆船恩恵タイルを使うしか方法がない。

※ルールを後でチェックしたところ、背教者はラウンドの終わりに時計回りに一番近い修練士駒のところに移動するとあった。

そして終盤にさしかかった頃、miaは少々のマイナスは覚悟で薬草島に移動して追放に成功した。今後、ここではmiaの祠が既に建っているので駒1個でやりたい事ができる。そして薬草恩恵タイルや、最初から配置されていたタイルなどがわんさか残っていた。

mia「しまったなあ。マイナス恐れずにもっと早くに追い出してれば良かった。1個で出来るのは凄い楽」


寺院タイルの周りの守護者が最初意味不明だった。ところどころストップするタイルがあり(しかも寺院タイルによる得点も描かれている)、そこまでの寺院タイルしか無料で使えないのだ。今更の説明やけど。またこれがラウンドの記録も兼ねている。最後までいったら6ラウンド目だ。

まだ良いことがある。それは月の女神が薬草島に上陸した事だ。
わしは駒が足りずにここに上陸することが出来ない。


薬草島に女神上陸。miaの修練士たちも集結。

またこのゲームは絶妙なバランスの上に成り立っていると感心させられるのが、ラウンドの終了を決めるろうそくタイルの存在である。わしは祠が多くて、1ラウンドにたくさんの事が出来るのだが、miaが連続でろうそくタイルの火を消していく(2人プレイなら3回)と、まだまだアクションが取れるのにラウンドが終了してしまうのだ。だからやりたい事はしっかりと定めてやらねばならない。
今回のプレイでは、ろうそくの最後の火を消したプレイヤーは勝利点1貰えるので、その駆け引きのためにわざとろうそくを消した事もあった。

寺院では、知恵の書を使ってお互いの陣取り争いが激しくなって、最終ラウンドを終えた。

祠を順調に建てたわしがぶっちぎりかと思いきや、その差は4点だけという好勝負になった。

所要時間2時間


最後の陣取りはこんな感じで終わった。守護者も最後のストップタイルにいる。

miaのコメント

相変わらず作業感のあるフェルドだけど、後半はシステムがようやく理解出来て、面白かった。マイナスを恐れずに最初から薬草島に上陸してれば結果は違ったかも。

ソマーリオ

やらずに売らなくて良かった。名作ではないんやけど、フェルドらしさが随所に現れており、最近のフェルドにしてはテーマの再現性も良くて、手順の煩わしさより、楽しさの方が勝っていた。

ブルゴーニュといいマカオといい、無理矢理合わせたやろというへんてこな縛りで、なかなかゲームに没頭出来なかったが、ルナはイメージ的に許せる縛りで、確かに覚えるアクションは多いが、実のところそれほど複雑ではないので、数ラウンド行えば思ったよりもすんなり覚える事が出来る。フェルドが苦手なmiaでさえ後半は理解してたくらいだ。

システムとしては、なんとなくだがドラゴンイヤーに似ているように思う。
プレイ時間は2時間も掛かっているが、2回目以降は2人なら1時間ちょいくらいで終わりそうだ。なんせ当初は何をすればいいのか解らず、手順の確認に時間がとられた。

フェルドらしく、パーツがやたらと多くて、それだけでプレイする大きな障壁となるが、ルールブックと照らし合わせながらやるといいだろう。
最初の数ラウンドは様子見で、中盤以降はどのようにすれば得点出来るかの流れが解ってくる。そうなるとかなりおもろくなってくる。

このゲームが唯一フェルドらしからぬところというのは、マイナス点に対する焦燥感がないというところだ。何かを始末しなければマイナスなんてのがなく、能動的にプラスを狙っていけるのは精神衛生上、非常によろしい。

プレイヤーとの絡みが、寺院タイルの吹っ飛ばしと、月の女神くらいしかないので、ソロプレイ感は一見すると高めに映る。しかし、実際は欲しい恩恵タイルの早いもの勝ちや、ろうそくの火の駆け引きも密かに熱く、高度に絡んでいるのでソロプレイ感が強いとは感じなかった。ちなみに一人から出来るが、一人の場合は特別ルールが加わる。

システムは月夜にこつこつと働く修練士というテーマにあっているのだが、いかんせんテーマが魅力的でない為、日本ではまったくといっていい程、普及しなかった。テーマをもっと皆の知っているようなものにすれば、それなりの評価を得られたかと思うと非常に残念である。

ノートルダムドラゴンイヤーなど昔のフェルド好きには、こっそりと勧めたい佳作である。

gioco del mondo