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Gunter Baars
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Ravensburger
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2〜4人用
20分
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傾いてる、傾いてるよ、オイ!
ゲーム説明
今日はなんて日だ!
波間に揺れる甲板上で水夫はおおわらわです。
今日はとっても波が高い日で船が上下に大きく揺れているのです。
船長に言われた通り、トマト、魚、貝のたっぷり入った樽をどんどん積み上げねばなりません。
ぎぎぎ〜
「うわぁ、傾いてる、傾いてるよ、オイ!」
プレイ感
TGWでひと目みた瞬間、輸入決定。なんつう可愛らしく、わくわくさせるコンポーネンツなんじゃああ!
3箇所の水夫がネジ式になっており、サイコロの目の水夫を1周回す。それによって船がどんどん傾いていくという構造である。
回すといえばギュンターバース。アリババではダイヤルを回し、はちゃめちゃジェットコースターではギヤを、飴ちゃん工場ではコンベアを回し、本作では水夫ネジを回す。こんなに回してるとなると、夜は女の乳首をつまんで回してるというのは想像に難くない。
樽はこんな感じで一列に並べて順番に甲板中央に載せていく。水夫のネジが熱い。
そんなこんなでTAMと二人プレイ。
コロコロ…黄
荷物を中央部に置いて、黄色の水夫を回す。
コロコロ…黄
荷物を中央部に置いて、黄色の水夫を回す。
少しずつ傾き始める船体。
コロコロ…黄
荷物を中央部に置いて、黄色の水夫を回す。
TAM「あきおさん、黄ばっかりですやん!! むっちゃ傾いてきましたよ」
ほんまや。やばい。すげぇ傾いてきた!
写真でこの傾きを伝えるのは難しいが、かなり傾いてきている。
TAM「ほっ、赤ですわ」
赤の水夫を回すことで、少しマシになるが、
コロコロ…黄…_| ̄|○
TAM「やばい、やばいですって!」
わし「しゃあないやんけ、黄しかでんもん」
もう船は猛烈な傾きで、もしわしが漁師を一度でも体験してたなら「時化じゃあ、時化がきたあ!」と思わず叫んでいたことだろう。
漁師体験者じゃなくて良かった。ほっ
しかし注意すべきは黄色だけではなく、徐々に赤がせりあがっていくと、船は前方にも傾斜し始める。
前方の青は6分の1しか出ないので自然こうなる。
TAM「傾いてる、傾いてるよ、オイ!」
わし「弱音を吐くな!」
赤を回したのもつかの間。
TAMの番 コロコロ…黄
TAM「ぎゃあ!」
ギリギリと黄色の水夫を回すTAM。もうちょい、もうちょい…
ざっぶ〜ん!
こらえきれなくなった樽が崩壊して海の藻屑に。
勝利チップ1枚喪失。
これを3セット繰り返して勝利チップが多い方が勝ちというゲームだ。
2度目も激しく黄色を出す俺。
わし「もうあかん。あかんのじゃあ」
TAM「わははは。こりゃ無理ですね」
そう、この傾きで痛恨の黄色。
ざっぶ〜ん!
3度目。
今度は赤にたたられるが、前2回ほどの出ではない。
しかし、それに伴い樽はどんどんと積み重ねられ、益々不安定になる。
わし「青!」
青回すのん硬いねん。ぎしぎしいうねんて。
ぎぎぎぎっ〜、渋い動きをする青をゆっくり回す。
甲板上の樽はゆらゆらと揺れる。
ほっ。
…
しかし、今回は樽の順番が良かったのも幸いして、11個目が俺の手によって載せられた。それから水夫を1周回すのだ。まさか1周回すのがこんなにキツイとは。思わず3分の2くらいで諦めたくなる。
はぁはぁ…
ぎぎぎぎぎ〜
や、やった! 思わず気持ち1mmほど回し足りんが、許して貰おう。
TAM「もうこれ無理です。傾きすぎですって」
おおお! なんつう傾きじゃあ!
最期に残した樽がまたでかい。わざとそうしてみたのだ。
※ 12個ある樽は適当に一列に並べてその順番どおりに載せていくのだ。
コロコロ…赤
わし「いやでかいからいけるって。重心ずらすように斜め後ろにぎりぎり載っけろって。それしか方法はない」
その通り、TAMはベストと思えるポジションに樽を置く。一瞬ゆらっとなったがこれで崩壊させてはうんこ男である。
問題はここからだ。
ぎぎぎぎぎっ…TAMの指に力が入る。そのたびに雄ネジと雌ネジの遊びの空間分、揺れが発生し、ゆらゆらと揺れる。
残り半分。
いけるか?
ぐぐぐぐっ…
見てるこっちがハラハラする。もういかにも崩れそう。
もしこれを達成したなら勝利チップが2枚手に入りTAMが勝利するのだが、そんなことはどうでもいい。二人で築き上げた樽に、今、わしとTAMの気持ちはひとつとなっているのだ。
最期の1mmを回し終えたとき、樽は甲板上にとどまっていた。
リバースアングルで傾きを実感してくれーい!
「やったな!」
「やりましたね!」
がっちり握手!
所要時間20分
TAMのコメント
いやあ、まさか成功するとは思いませんでした。やっぱりギュンターバースはええ仕事しますよねえ。僕的には飴ちゃん工場の方が好みですけどね。あと、そういや、ライネンロスも好きですね。
あれはランドルフ作で、既に売ってもうたわ、すまん。
ソマーリオ
いや、緊張した。もうハラハラしてしまう。こういったバランスアクション系のなかでは秀逸。荷物を載せるときのアクションは一瞬ですみ、それほどバランスアクションが得意じゃない人でも勝負できるように出来ている。
コンポーネンツは木製で素晴らしく、ネジ穴のきしみ具合といい、アナログゲームならではの良さがにじみ出ている。また絵も可愛らしい。勝利チップが薄いのが残念だが、まあ、許しとこ。
こういったバランスアクション系のゲームって、騒がしくプレイ出来ないのが難点ですなあ。呼吸が止まり、場は緊張のためシーンとなる。このゲームは樽に重量感がないために崩壊させたときの醍醐味がヴィラパレッティに劣るが、技術がなくてもお手軽に楽しめる良さがある。その敷居の低さとテーマ性、アイデアの良さからは当然ですな。
ただ数回このゲームをやったところ、すっげえつまらん時があることに気づいた。傾きのパターンによってはすぐにドボンしたりする。ので、イマイチやなと思わずに何回かやってみて欲しい。抜群の緊張感が漂う時があるのだ。