Peter Prinz

Queen

2〜4人
90分

テーベの東

駿河屋で購入
1903年。
考古学者たちは、各地を転々とし過去の偉大な文化の形跡を発掘していた。
発掘するに重要なのは専門的な知識と根気であろう。
しかしながら、発掘は努力の上に成り立つものであっても、出る出ないは多分に運に左右されるというのは考古学者なら誰しも解っている事だ。
出た時の感動は考古学者を新たな謎へと駆り立てる。

プレイ感

最近ユーロ高で、ゲームの値段が高くなって7800円という値段に二の足を踏んでいたが、周りの評判が良いのとインディジョーンズファンとしては、これは買うしかない。以前、ローさんところでやったのだが、写真取り忘れのため、新たに自分のでmiaと二人プレイしてみた。


このゲームの面白いところは、時間消費システムにある。自分でどれくらい時間をかけて発掘にいそしむかを決める事が出来る。サイコロを使わずにRPGのマジックポイントを消費するが如く、ゲームは進んでいくのだ。

場にカードは4枚さらされており、その都市に行き、習得(あるいは出会う)するのに必要な日数を消費すれば、そのカードが手に入るという寸法。例えば、ギリシャの専門知識2つのカードを手に入れたければ、3週間進めれば手に入るといった感じである。

こうやってたくさんの知識を手に入れられば、発掘のときに有利になる。この知識の数と、どれくらいの日数を割くかによって、何枚のタイルを引く事が出来るか決まる。知識が少なければ、日数を多めに取ると良い。しかし、日数というのは、プレイヤーそれぞれ決められた期間しか与えられない。より有効活用して掘り出さなくてはならないのだ。


これが発掘タイルの入ってる袋。全て絵柄が違うのが凄い。この中には価値の違うお宝タイルと土塊タイルが入っている。

ギリシャ・エジプト・クレタ・パレスチナ・メソポタミアの5カ所にて発掘を行えるが、それぞれ最初の発掘者はボーナスタイルを1点だけ貰える。あまり知識がないまま、この1点を狙いにわしゃすかさず発掘にいそしむ。

わし「げぇ、6週間かけんと2枚ひけんのかいな」


上の青い部分を3にすると、何週間かけるといくつタイルを引けるかが解る。例えば、9週間かければ3枚である。今回は6週間で2枚引いた。

自分の現在のクレタの知識は3。時計を3に合わせて、6週間のところをみると2と書いてある。自分の日数駒を3週間進めて、今回は2枚のタイルを引く事が出来る。

わし「よし、1枚ゲット」


紫のクレタでボーナスタイルと1枚ゲット。わずか3つしか知識がないので、これはよしとしとかねば。駒はまず都市間を1週間勘定で好きなだけ移動させてから、カードを手に入れたり発掘したりする時間を消費する(周りの時間トラックを進める)。次の手番プレイヤーは時間トラックで一番遅れてるプレイヤーだ。このルールにより、遅れていれば何度でも連続で自分の手番を行える。ボードに並んでるカードには手に入れる事が出来る都市名と手に入れるために必要な日数が描かれている。手にいれたら自分の場にさらすのだ。

2枚引いて1枚は土塊である。そう、出る出ないは、くじ引きのようにタイルを放り込んだ袋から引いてくる。その中に結構な確率で何も描かれていない土塊タイルがあるのだ。この土塊タイルは元に戻してしまうので、発掘が進めば進むほど、外れが増えるように出来ている。

序盤から、わしゃ、学会で発表する事を目的とする。カードに学会カードというのがあり、その場所に行って規定日数を消費すればカードが手に入る。このカードは1枚では1点にしかならないが、5枚なら15点という風に集めれば集める程、点数が高くなるようになっている。これは地道な講演が名誉になるという事を上手く表現している。2回目にやって気づいた事だが、学会カードは発掘地から遠いベルリンやウィーンにたくさんあるようになっている。よく出来ている。

各発掘は年に1度しか許可されないので、年内に各地で発掘しておくのが得策だ。年変りに発掘許可は再度許可される。このバランスが難しく、知識を溜めれば溜めるほどたくさんのタイルを引けるが、年をまたいでしまっては、せっかくの許可証が台無しになるのだ。そこで、わしゃ知識もおぼろげながら、1点のボーナス狙いでひたすら発掘を行う。


段々と知識が増えていく。色のついてない本は一般教養で、ワイルドカードである。

miaも同じように、いくつか知識を溜めたところで、発掘を始める。


こんな感じで手を突っ込んで発掘するのだ。

わしが有利に動いているのは、先に述べた講演と、助手、スコップの存在だ。助手というのは2枚集めれば、どこの発掘場所でも知識が+1となり3枚となれば+2となるワイルドカードだ。スコップは、同じように引くタイル数を+1,+2にする。これを序盤に集める事が出来た。

かたやmiaは、4枚のカードの巡りが悪く、なかなか手にする事が出来ない。こういった場合、ワルシャワに行き1週間消費すれば、総取っ替え出来るのだが、このルールを失念してたらしい。


5打数3安打はなかなかの好成績。(何も描いてないのが土塊である。これはすぐに袋に戻す)しかも最高の価値7をゲットしたmia。お宝タイルの絵柄が全て違うという凝りよう。下に見えるカードはどの発掘場所に何点のタイルがどれだけ含まれているか描いているリストである。ちなみに黄色の本の上に載っかってるタイルはパレスチナを発掘していてエジプトの知識が入ったってことだ。そういうタイルもある。歴史の繋がりを感じさせる。

ゲームが中盤になれば、展示会のオファーが出てくる。展示会カードが出たら別途置かれ、展示会に必要な発掘品(例えばエジプト2枚、パレスチナ1枚)を持っているプレイヤーは、その都市に移動し規定日数を消費すれば、カードが手に入るようになっている。このカードには当然、勝利点が記載されている。発掘は運だが、展示会ならより戦略的に点数を獲得できるのだ。

前にやった時は、この展示会をやたらめったらこなして勝った覚えがあったので、積極的に展示していきたい。ところが、どうにも必要な発掘品が集まらず四苦八苦した。miaとボタンの掛け違いのように、持ち持ちになってしまっているのだ。

そうこうしているうちに展示会は、どんどんと流されていく。展示会は場に3枚までしか止まれず、4枚目が出ると破棄されてしまう。

ゲーム終盤には、強力な、スコップと助手カード3枚構成により、ゴッドハンドと呼ばれる程やたらと発掘を成功させまくり、ぶっちぎりの様相を示す。二人プレイだと、年数は3年もあり、たっぷり引けるチャンスを作る事が出来る。


助手3枚とスコップ3枚という強力な布陣。しかも学会は4枚ある。上にある×は発掘許可で、一度発掘すると×に向ける。1年の変わり目に全部元に戻す。つまり1年に1度しか同じ発掘現場で作業できない(これをなんとか出来るカードもある)

miaはゲーム後4枚のカードの巡りをやたら嘆いていたが、ワルシャワルールの失念(途中、カードの巡りについて言えば教えたのだが言わなかったから解らなかった)と、日数の遅れている方が手番を行うというルールを活かして、日数を調整して2度連続で手番を行ったりして欲しいカードを手に入れたわしが、学会カード5枚、知識で4勝(各専門知識の多い方が終了後5点ずつ貰える)を含む全ての分野で差をつけ、ほとんどダブルスコアに近い点差で勝利した。

所要時間80分

miaが「発掘はともかくカードの巡りという運が強すぎる」というので、そこでワルシャワのルールを言うたら、もっかいやりたいという。で、もっかいやってみることになった。


これがわしのゴッドハンドじゃああ!! 8打数5安打。エジプトを一気に引きまくる。こうやって引いてしまえば、土塊ばかりが増えエジプト発掘に魅力が薄くなるのだ。

2回目は、miaにカードの巡りが味方する。ベルリンで助手、スコップ、学会と連続でこなして、移動にかける日数を節約する。各都市の移動は1マス1週間掛かるのだが、同じ場所に留まってこれらのカードを獲得出来るのは存外大きい。

特に今回は、ベルリン学会が連続で出たりして、やたらめったら集めまくる。かたやわしは、非常にちぐはぐで、3週間かけて、都市間をあちこち移動して、非常にまずい感じ。

なんとかスコップは早めに2枚集めたのだけが頼りである。こうなってしまっては、ひたすら発掘に命を賭けるしかない。そこで発掘中心に掘りに掘りまくる。

かたや、miaは、学会、展示会などを次々にこなして、点数をあげていく。


学会に力を注いだmia。よって発掘品は少量である。

一番辛かったのは、発表出来る展示会が3枚も流れてしまった事だ。発掘品はmiaが「恐ろしく引きが強い!」と言われる程にゴッドハンドっぷりを発揮していたが、学会カードはたったの1枚。miaは5枚と1回目とは正反対。

長距離移動に適した車カードがなかなか出ず、3年目の頭にようやく手に入れて移動が楽になった。

※車カードは3週間以上の移動距離の場合マイナス1週間する。発掘現場というのは都市から遠いので、このカードはとても重要なのだ。飛行船は0で移動出来るが、使い捨てなので、車カードは結構使える。

わし「なんせ、引きまくりじゃあ!」

8枚のところ、最初に5枚土塊。

mia「やった!」

これはかなりショッキングである。しかし…

わし「よっしゃ、残り3枚ゲット」

mia「引き強っ!」


引いて引いて引きまくる。このお宝の量を見よ! 発掘スペースをうろうろするわし。ボード左下に置いているのが、展示会。3枚までしか置けないので、展示会を誰もしなければ古いのから捨てられていく。

とこんな感じでゲームが進んでいく。今回はmiaにやられまくられ、移動にひたすら日数を割いてしまった為、あまり専門知識もないのに、これほど引けたかと言うと、ひとつは一般教養というワイルドカードで、これは専門知識内の数しか足せない(専門が1個しかないなら何個あろうと1個しか足せない)が、早々に3個持っていた。つまり専門知識が3個あれば6個分は保証される。それに助手も3枚あるので2個分増加、さらにスコップも3枚なので2枚多く引ける。学会が取れなかったので、こちらを優先して取ったのだ。


かたやmiaはこんな感じ。発掘品はちょっと少ない。左に展示会カードが見える。例えば、青1紫2で一番手前の展示会を手に入れる事が出来るのだ。手に入れるためにはもちろん日数が必要だが、発掘と違い確実に点数がはいる。

3年目は、ひたすら発掘にパワーをかけまくり、発掘に発掘をしまくった。5カ所全てにおいて発掘をしたのだ。miaの強力な5枚の学会布陣と専門知識の数々(最終はmiaの3勝1敗1分けなので10ポイント差)そして、流された展示の痛手はあまりにもでかく、勝敗は鬼引きを期待した発掘パワーに賭けるしかなかった。

結果、なんと2点差で勝利。いやあ、引きまくった甲斐があった。


最期はこんなに大量になりました。なんと2点差で勝利! 5カ所全てこの年に発掘したので発掘許可はすべて×。二人プレイだから出来たのだろう。またカードは場にさらすので結構なスペースを取るが、下にマークが描いてる為、写真のようにカードの種類毎に下から上にカードを重ねていくようにすれば視認性がよい。

miaのコメント

引きが強いよー! でも、なんでこっちがドイツゲーム大賞じゃなくてズーロレットが大賞なんだろ。ズーロレットより断然面白いよ。

ソマーリオ

さすがに二人プレイやと3年もあるので引きに引ける。よくこのゲームは、発掘の運要素がどうのこうのと言われるけど、実際には発掘の運というのはある程度平均して、僅差の勝負になる。前に3人でやった時も、全員が僅差となった。

このゲームは、2004年に少部数発行されたゲームをクイーンゲームズが買い取りリメイクしたもの。様々な場所でこだわりがあり、良いところが数限りなくある。

コンポーネントで言えば、発掘タイル全てがそれぞれの地域で本当に発掘されたお宝で、絵柄も全て違っている。また地域によって価値の割合が違っているのも素晴らしい。
それからそのタイルを入れる袋。全て地域をテーマとした印刷がなされており、色分けもされている。また、発掘枚数を決定する時計も非常に素晴らしい出来だ。

次にシステム。全員が公平に同じ期間をかけるので、戦略的にゲームが出来る。どこに力を割くか? しかし、同じ期間内であるので、最後はどの戦法をとったとしても接戦になるように見事に調整されている。戦法は、学会、展示、発掘主体と、そのどれもに勝てるチャンスがあるのだ。miaが終わってから「わたしは引きが弱いので、これからの戦法は決まった」と言ってたが、そういうことを言えるのが素晴らしい。また、発掘に対するこだわりは、土塊もあるが、その中に一般教養や、別の発掘場所の専門知識(例えばギリシャを発掘してるとエジプトの専門知識が手に入るタイルがある)が入る事もあり、それらの文化のつながりにニヤリとさせられる事もある。
移動も、発掘場所から遠い都市部では、学会カードが多かったりして、システムというより作者のこだわりが至るところに見え隠れしている。

テーマは発掘という事で誰もが心躍るだろう。そしてまた、そのテーマに見事に即した丁寧なシステム作り。まったく同じテーマでミケリノスというのがあったが、あれに比べてどれほどテーマに合っているか比べてみるのも面白い。あれはあれでいいという人も多いと思うが、事発掘というテーマに関しては1枚も2枚もテーベの東の方が上である。

美点ばかりが目立ち、若干時間が掛かるという欠点を補ってあまりある。

間違っていけないのが、こういった丁寧な造りをしているので、運試しなパーティゲームと思われがちだが、実際はコツコツと積み重ねていく非常に硬派なプレイ感である。もし欠点をあげるとするならば、爽快感の無さというのがあげられるかも知れない。miaも同じように「爽快感がないねえ」と言っていた。それゆえにしていない。似たゲームにキーラルゴがあるが、あちらの方が荒削りでアホっぽいノリのあるゲームである。ワクワク度はむしろキーラルゴの方が上だろう。テーベの東は、ほんまに事前準備をしっかりと行って発掘していくゲームという印象だ。おかげでレビューも硬派になった。

この年のドイツゲーム大賞ズーロレットではなく、テーベの東だとわしゃ思っているが、そう思ってる人はかなり多いと思う。ちょいと値段は張るが、買うておいて損のないゲームだ。あ、そうそう、やるだけやって後はくじ引きというシステムは、ムーンのアンドロメダに非常に似ている。

gioco del mondo