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Jurgen P. Grunau
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Selecta
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2〜5人用
20分
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レースギャロッポ
ほっこりとした陽光が、芝生を緑に照らしています。
今日は自慢の愛馬を持ち寄って障害物競走をする日です。
ぱかぽこぱかぽこ
位置について
よーい!
プレイ感
子どもだけに遊ばせておくにはもったいないとあまりにもネットでおもろいおもろいと評判になったので、購入。早速、正月にTAM夫妻、たっかん、たかだと5人プレイしてみた。
子ども用ゲームだけあってルールは至極簡単。手札に1から6までのカードがある。これを同時に出して、その数を進めるだけ。例によってドイツゲームらしく、数はきちんと進める事、全て使い切るまで同じカードを使えない。
障害物は、砂地に好きなように置く。川も障害物である。ゴールラインを超えてもたくさんマスがあるのは、何が起こるか解らないからである。
スタートは非常に大事である。小さい数を出した駒から進めていくのだが、自分のマスに他人の駒が入ってきたら、押しのけられて一番近くの空いているマスにまで後退させられてしまうのだ。
ほとんどがみっしりと一列縦隊となって進んでいくので、後退させられるときはトップから一気にドベに転落するのはごく当たり前。うまく相手の思惑を外して、抜けきりたいところだが、そうはさせじと皆がシンクロしたりするのだ。また当然、手札の総数は同じなので、差をつけることは非常に難しい。
こうして写真でみると、やたらとのどかにパカポコやってるようにみえるが、実はそんな生やさしいもんではない。激しい読み合いが繰り広げられている。
レース展開は覚えていない。もう終始、トップが入れ替わる激しい攻防。恐ろしいまでの心理戦がゲーム中ずっと繰り返される。特に先頭に立ったときは、後ろからバカバカとアタックをかけられるので、生きた心地がしない。
わし「はあ、いっちゃん後ろ楽やわぁ」
後ろになると、やりたい放題なのだ。一体どいつをいてこましたろかと、虎視眈々と狙う。ただやってばかりとは言えないところにこのゲームの妙がある。
わし「おら、TAMくらええ」
と3進めて、4マス後退させると
TAM「ぼくは4です」
4進めるとそこにはわしの駒が! つまり、再び後退させられてドベのまま。
わし「がっひょーん!」
もうひとつの面白いルールが、障害物の存在。障害物は、そのマスに入る数を出すと進めない、つまり1回休みと同じだけのルールだが、ルールを読んだだけではなんでそんな事をするのか理解出来なかった。
わし「あれ、お前進めへんの?」
TAM「ええ。障害物なんです」
わし「へ? なんで、そんな数だしたん??」
TAM「後退させられて目が変わったんすよ!!」
ぎゃははははー! なるほど! そういうことか。
という訳で激しくこのように読み合いの攻防が繰り広げられる。ゴールしても油断は出来ない。一気にドベに転落することもあるのだ。
1回目はたかだが中盤、一気に抜け出しそのままゴール!
たかだ、一気に抜け出したぁぁ! こうなると手におえない。
2番手わしだが、まったく追い込み不発。ちなみに馬はわしの好きな黒鹿毛である。
あまりにもおもろかったので、即座に2回目。
今回は、皆、二度目のプレイとあって、迂闊には飛び出さない。特に今回のレースのポイントは、半ばにある2つの川の間と近くに配置された障害物。かなりの難所としたため順位は入れ替わるものの、まったく渋滞を起こして進めない。
二度目。相変わらず、追い込み好きなわしは後方待機策。芦毛のTAM嫁が終始レースを引っ張る。
ここを制したものが勝つ。
誰もがそう思いながら、相手を出し抜くカードを探す。
このやらしい障害物の配置。誰も進めないのだ。ここを制したものがレースを制すると誰もが思った。
4巡くらいそうしたころ、わしは幸運にも確実に出し抜けるターンを迎えた。たとえアタックをされたとしても、再びアタックを仕掛けて一気に先頭に躍りでる事が出来るのだ。
わし「抜けたぁぁぁ!!」
全員「やられたー!」
そこまできたらもう、後は一気にゴールを駆け抜けるのみ。
ぱからんぱからん、ひひーん!
しゃあ!
所要時間20分
TAMのコメント
むちゃくちゃおもろいじゃないっすかあ。欲しいなあ。
ソマーリオ
掲示板で話題になったので慌てて書いてみたが、子どもゲームとは思えないくらい、大人が楽しむ心理戦のみのゲーム展開となる。つまり、パーティゲームではなく、こっちのだ。
いつ、仕掛けを行うか。相手のアタックをどのように交わすか。
先頭をキープし続けるには、非常な困難が伴う。気が付けばあっと言う間に、ドベなのだ。また皆の思惑が複雑に絡みあうと、自分の思った展開とはまったく違う妙な事になったりする。この感覚を味わえるゲームに6ニムトやブクブクなどがある。思わぬ展開になるところはそっくりだ。
ドイツゲーム大賞となったナイアガラの、読み合いの部分だけを上手く抽出し、子ども用にチューンナップしたゲームと思えばいい。
駒は見たとおり木製で非常に凝っていて文句なし。問題は、駒がこけやすいところと、ボードを入れる区画が指が突っ込めない程ぴったりすぎて、ボードを出しにくいところ。駒のこけやすさについては、足もとに差し込む部品でなんとかなるが、何度も気軽にやりたくなるゲームだけにボードの出し入れはちと不便を感じる。ま、ゲームのおもろさとは何の関係もないけど。
Selectaのゲームなので、元から日本語ルールがついてるのも親切でよし。同じ子どもゲームを手がけるHABAも、日本語ルールを是非つけて欲しいなあ。子どもゲームとはいえ訳すのんめんどくさいところがあって、これさえついてればバンバン輸入かけるんやけど。蛇足でした。
今回の子どもゲーム大賞は海賊ブラックが選ばれたけど、ノミネート作はどれもコンポーネントが凝っていて、全部おもろそう。いくつか買うてみようかな。