Klaus Teuber

KOSMOS

2〜4人
90分

エラズント -最初の街-

大航海の末、船長はカタン島を発見して、入植を開始しました。
その船の名前を記念して、その最初の町はエラズントと名付けられました。
人々の取り決めでエラズントの中央には教会を建設する事、建物を建てる時は必ず土地の権利書を買う事、城壁を建てて町を防衛する事などの法律が取り決めされました。

プレイ感

こちらもハチエンダと同じく、あちこちのサイトで好評を博していた。カタンは元のカタン以外あまりおもろないからなあと思いつつも、評価が高いので購入。人数によってボード幅が変わるのでまずはBBと二人プレイ。


カタンらしく、サイコロを2つ振ってそのゾーンにある建物はお金かパワーカードを手に入れる。サイコロは6より12の方が出にくいので、よい物件というのはサイコロの中央付近(ボードにすると真ん中。しかも海沿いの方が勝利ポイントに特典があるので一等地はボード中央左端になる)である。


ふたり用初期配置。勝利ポイントを先に10ポイント達成したら勝ち。建物タイルをガンガン建設していくゲームである。

建物を建てるには2つの条件が必要である。お金と権利書。お金は上記のように手に入れるが、権利書はまず最初に建設予定地に置かなくてはならない。当然、大きな建物ほどたくさんの権利書が必要となるが、権利書には0から4まであり、置くとその数だけお金を払わなければならない。


建物を建てるには丸いタイルの権利書を配置して次の手番にお金を払って建てる。湾岸は、特典があるのでどうしても激戦区になる。真ん中付近に色の違ったマスがあるがここは教会の建設予定地。このマスを被せるようにバラバラになっている3×3の教会タイルを配置していくのだ。


丸いタイルの権利書のところに建物をたてた。建てる建物によって権利書の必要枚数が決まっている。

最初は一等地付近を狙って建設しようとするが、なんともむかつくことにこの付近は教会の建設予定地となっているのだ。教会は9枚のタイルに分かれていて徐々に建てていくが、そこに建物があっても問答無用で取り壊し教会を建てるという恐るべきものである。

キリスト教めええ!! その傲慢さが嫌いなんじゃあ!

と、ゲームで益々キリスト教嫌いになるわしであった。蛇足だが野のユリっつう白黒映画がある。シドニー・ポワチエが黒人として初めてアカデミー賞主演男優賞を取った映画で、これを見ればキリストの傲慢さが解るというもの。逆にキリスト教徒にとっては素晴らしい映画に映るだろう。心洗われる良い映画なのだが、わしゃキリスト教嫌いなので、純粋な気持ちでみれんかったわ。このゲームの雰囲気にぴったりなので好きな人は見てみて。

そういう教会の悪魔の所行を恐れて、民間人たるわしとBBはびびりつつ教会をさけて建設する。

しかし、土地的にはどう考えても中央部に寄せたくなる。考えたら教会はやたらと高く、全部建てるより早く勝利ポイントを達成(建てると勝利ポイントが貰えるものがあり、先に10ポイント達成すれば勝ち)するかも知れないので、つぶされるのを覚悟で建てていく事にした。土地スペースはやたらと狭いのでそういうゲームなのだろう。


段々密集してくると建設が出来ないので、土地を買収して建物を壊して建てる必要性が出てくる。


青の権利書のおいたところがわしの建物になった事に注目。このように破壊と想像を繰り返していくゲーム。

BBなんて可哀想なもんである。2とか3のスペースに建物をたててる。こいつも傲慢なキリスト教の犠牲者である。


人気のない端っこに建てざるを得なくなってくる。

それでも非常に微妙な勝負となった。後半になれば建てる場所が少なくなり、小さな建物は大きな建物にとって変わられるという事で土地の買収合戦が始まる。小さな建物の横に権利書を置いて、小さな建物をぶっこわして自分の建物を建てるのだ。このときに権利書の数字が意味を持つ。土地は狭いので買収合戦がバッティングした時、数字の多い方に権利が与えられるのだ。つまり前半は0以外の権利書は必要なかった。

パワーカードは、同じ大きさの建物で取って変わる場合に必要だったり、お金を貰ったりと、権利書を移動させたりと特殊な事に使うのだが、これは煮詰まってくるゲーム後半に役に立ってくるのでずーっとためっぱなしである。テキストで書かずに、同じ色3枚使うという風になっており言語依存を少なくしているのをよい。

ここでパワーカード炸裂じゃあ! と思いきや、一番重要な権利書の配置は空白地がほとんどなく、大きな建物を建てるだけの数を確保できない状況となっていた。さらに、わしが次のターンで勝利が決まる。

BB「うーん、いちかばちか、教会建てるわ」

げぇえ! 確かに教会はほとんど建っていないし、そこらへんにわしの勝利ポイントが載った建物がある。しゃあけど引き次第(伏せられてるタイルから引くのでどこに建つか解らない)ではお前の建物もあるんやぞ。

BB「やったー!」

がく

これで一歩後退しつつも、わしも金にものを言わせて教会を建てる。教会は確実に勝利ポイントを載せられるので、自分の建物のところさえ引かなければ大丈夫である。しかし、自らわしの勝利を阻みにきたBBも成長したのう。

というわけで、わしの勝利。

所要時間75分

ちょっと長い。。


最終結果。真ん中にある教会は次々に破壊していくので、こんな形になってしまうのだ。

BBのコメント

今いち楽しみ方がわからんかったわ。お金使うゲームはサンクトペテルブルクといい、アルハンブラといい苦手なんかなあ。でもハチエンダは楽しかったしなあ。

ソマーリオ

相手の建物をぶっこわすのが目的となるゲームで非常に攻撃的であるっつうのが第一印象。ルール読んだ限りでは、フレッシュフィッシュの不備をトイバーが上手く味付けしてんかと思ったのだが、そうではなかった。

二人でやったからかも知れないが、どうにもこの土地買収が嫌な感じがする。パワーカードもずっとためっぱなしやし、教会もランダムに建つので、なんだかなあと思ってしまう。

7が出たら海賊で好きな場所に船を配置出来るってのは、意外と建設的で、権利書は船のある場所しか置けないルールなので、権利書を置きたい場所に移動させるのだ。このルールがないと権利書が思うように置けないので、ちょっといらいらするところもある。

現時点で、二人プレイではあまりおもろくなかった。ゲームテンポが悪く非常にたるく感じた。そんなにむずくない筈なのに、何をするフェイズなのか何故か見失う。船の場所にしか権利書はおけないのに、建てる時は関係なく建てられるなど、細かいルールが多いからだろう。

かつてカタンのレビューで、資源で建てるからおもろいのだ。お金で買うならきっとつまらないだろうなんてくだりを書いたのを思い出すが、まさにこのゲームはそれだ。そして予想通りおもろくなかった。とはいえ、多人数でこそいきるシステムなので、もう一度やってから評価を決めたいと思う。人数によってころっと評価が変わる場合もあるので、油断は禁物である。

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