Richard Ulrich

Wolfgang Kramer

alea

3〜5人
120分

フィレンツェの匠

駿河屋で購入

ルール説明

芸術家カードにかかれた、建物や庭を建築して、芸術家に作品を作らせる。それを7ラウンド行って名声ポイントを競い合うゲーム。


こんな感じで今はやりの個人ボードで自分のお屋敷の周りに建物を建てていくのだ。

プレイ感

このゲームはそのテーマのマイナーさで人気がないが、内容はすっごくおもろく、かのプエルトリコと双璧ではないかというもっぱらの評判である。ボードゲームGeekでもプエルトリコを追随する評価である。とても期待していたので日本語化をして(たけぴんさん、ありがとう!)、ようやくやる事が出来た。メンバーは兄、MIRU、ぴのの4人。


小物がごちゃごちゃと多いゲームでセットアップに時間がかかる。

30分ぐらいルール説明したあと、ようやくスタート。

フェイズはAとBに分かれており、Aでは景観系の建物や手品師、建築家などを競る。それぞれに特典があるのだが、全ては芸術家に書かれたものを満たす為に利用する。

わしの手もとにある芸術家たちは、庭をごっつ欲しがってやがる。

「はふーん、あきおちゃん。私、庭がほっしいわーん」
とかなんとか言いながら。

「阿呆んだら! 庭つうたらごっつスペース取って邪魔なんじゃ」
と気づいたのは後半も後半。そんときは、どっかのお大尽のように「よっしゃよっしゃまかしとけ」と答えた。

自分の土地ってのは限られてるので、うまく建築しないとすぐにいっぱいになってしまうのだ。庭はとてもスペースを取って邪魔なのだが、これを求める芸術家が多くなっている。

まあ、と言いながら競り負けたので、実際に購入したのは建築家であった。お大尽といいながらちゃっかりしてやがるのである。


美しい! わしの素敵なお庭。建物同士は隣接させる事が出来ないので湖を挟んで音楽室を建造。コの字になってるアトリエはやらしいので向こうの方に建てた。


兄の作ったのは小さな建物で、お屋敷にはお抱えの手品師を二人も抱えて、芸術家を和ませている。毎晩テンヨーの手品を行っているらしい。

そしてフェイズBになる。ここでは手番がくると2アクションずつ行う。礼拝堂や塔といった建物を建てたり、信仰の自由を与えたりして、芸術家の要望を満たして実際に仕事をさせるのである。このゲームのポイントは全て芸術家にとって、必要不可欠なものではなく、単にその芸術家の作る作品ポイントをあげるために必要なだけなのだ。
芸術家カードには庭があれば作品ポイント+3といった感じで書かれている。

つうわけで、序盤に建築家を使って建物を建てたあと、芸術家にゴト行為をさせて、作品完成。わしの作った芸術家がいっちゃん良い作品を作ったので、名声ポイント3アップ。これで次のラウンドに進む。


MIRUの箱庭。森を端っこに建ててる時点で、うんこたれ確定。森などの景観タイルは隣接して建てていいので建物の間に建てるのが基本。当然やばなったこいつは3人目の建築家を雇い建物同士を隣接して建てるようにした。


まあ、こんなかんじである。3人目の建築家を雇ったので建物隣接OK。


ぴのは小さいスペースの庭を3つも建てて省スペース化をする。あまり美しくねえな。。。

おらあ! わしゃ悪の権化である宗教の自由を認めねえ! と断言しておきながら勝つ為にやはり認めてあげるのである。兄はゾロアスター教らしいが、うちは金目教なので、赤い人とかが敵である。


2つ目の森を建てて、芸術家の制作意欲を更にかき立てる。

結局、評価は低いが作品を連発し、6ラウンド目で「やたらお金が余るのう」と思ってお金の代わりに名声ポイントに替える事に気づいたわしが、ぶっちぎりの勝利。おかしいなと思ってん、全て名声は3ポイントずつしか進まんし、駒ずっとご一緒やったからな。作品を発表した直後だけ、貰えるお金を名声ポイントに替える事が出来る。これをしないと全然駄目。お金ばっかりになるのだ。気づいたのたがラスト手前なのがしょぼいが、このゲーム手順が多くてそれどころじゃなかった。

所要時間なんと2時間30分!

クラマー、長いよ、あんたのゲーム。


これが最後のわしの庭。見事だ! 目の前には発表した芸術家たちが並んでいる。7ラウンドで5作品発表。


これが得点ボード。最後、わしは丁度1周廻って終り。

おもろいかと問われれば、分からんと答える。なんせ勝ち方がまったく分からんかったので、ゲームの本質を理解しながらやった訳じゃないのだ。こんなゲームは久々である。1回やればほぼ理解出来るのだがこれは絶対に再戦する必要がある。やたら時間かかったけど、これは短縮は出来るだろう。おそらく1時間半くらいになると思う。フェイズBで、相手がやってるときに手持ち無沙太になるので(ティカルと同じくこれはクラマーデザインの欠点だ)次に自分が何をするか考えておく事は必須である。

そしてもうひとつ重大な欠点がある。計算するのがとても面倒なのだ。+3、+4、+3という感じで勘定していかんとあかん。これはかなり不満。わしのようなイメージタイプのジョカトーレは、「数学者はどうしてもこれがないとあかんねん」というルールでこそ燃える。どれでも一緒、ただポイントをあげるだけではいまいち燃えない。芸術家にキャラクター性がなくなるからだ。また、建物でポイントアップはまだ許せるが、作品カード購入して同時に出す事でポイントを簡単にあげる事が出来るってのがどうにもおもろくない。庭が2つあったら作品ポイント+2とか書かれてるねん。で、この何かという条件もカード購入時に5枚もめくり、その中から好きなカードを選べるので、ほぼ満たせてしまえるのだわ。

今のままではプエルトリコと並ぶどころかも与えられない。従姉妹と兄貴はおもろかったと言うてたが、わしゃ不満も不満。なんのために日本語化したのかと思ってしまった。なんせドイツ語のテキストがやたらアクロバチックな文体で書かれているし、やたら手順がややこしいので日本語化は絶対に必要でなのである。

つう訳で、今のところ評価は低い。普通である。ただやたら時間のかかってしんどかったティカルと違って2時間半やってもまったくしんどくなかったのは凄い事かも知れない。やりたい事いっぱいあるのに、アクションが少なくて全然出来ないのよ。ここらへんはクラマーデザインの妙かもしれんなあ。

ここらへんのルネッサンスの権力闘争は、漫画のチェーザレか、塩野七生の本がとても面白い。漫画の方は、ちょいと史実と違うところもあるが、雰囲気は抜群である。こういうルネッサンスの権力闘争をテーマにしたゲームは、他にメディチルネッサンスの君主がある。なぜか全て競りゲームやな。。。

gioco del mondo