Bruno Faidutti
Hans im Glueck
fantasy flight games
arclight
2〜7人
60分
あやつり人形
駿河屋で購入
「あやつり人形」は、ブラフ・外交・そして街づくりをテーマとしたカードゲームだ。あなたは中世の支配者のひとりとして、他のプレイヤーより先に、自分の統治する街を完成させようとする。
手札から出したキャラクターを「操って」、さまざまな建物を建設しようとするが、他のプレイヤーたちも同じことを考えていると、計画は頓挫するかも!?
相手の行動を読み、うまくプレイしないと大変なことになる。
なお、このゲームには、拡張セット「ダークシティ」も一緒に入っている。24枚の追加カードを加えれば、さらにエキサイティングなゲームが楽しめるでしょう。
プレイレビュー
ブルーノフェドゥッティの出世作というか、最近まったく名前を見なくなったが当時ゲーマーの間で物凄く話題になったカードゲーム。レビューするタイミングをすっかり逸してたが、リメイク版が出たのをきっかけにレビューすることにした。本来なら4人以上でやらないと良さが出ないが、とりあえずmia、コタとの3人プレイにて。
ラウンド最初に8枚ある役割カードをランダムに1枚抜く。それから前回、王様だったプレイヤーから順番に好きな役割カードを裏向きに選んだら、隣のプレイヤーに回していく。
それから前回の王様プレイヤーから順番に1から数字をコールしていく。
最初に選ぶ役割カード。このうち1枚だけを選び、隣のプレイヤーに渡していく。数字が大きいほど、手番が後になるので、基本強いカードなのだが、それをすべて無効にするのが暗殺者1のカードだ。
自分の役割の番号がコールされたら、手番開始だ。
手番には、銀行から2ゴールド受け取るか、建物カードから2枚引いて、1枚を山札の下に戻すかを行う。
それから手札の建物カードをお金を支払って1枚だけ自分の場に建てることが出来る。
役割カードの特殊能力は、自分の手番に使う。
それが終わると、また数字の続きをコールして他のプレイヤーの手番を行っていく。
ゲームは誰かが建物を8枚建てたらそのラウンドを最後までやって終わり。
勝利点は、建物の値段に、5色ボーナスで+3点、8枚最初に建てたボーナス+4点、2番目以降に+2点、を追加して決める。
ちゅうわけでゲームスタート
miaが役割カードを選んだのをわしがとる。
わし(…暗殺者ないやんけ。もともと抜かれてたのか、miaが取ったのか)
このゲームのおもろいところは、なんつっても情報の非対称性にある。役割カードの特殊能力はどれも強くて、誰がどれを選んだかというのを予測するのはとても重要なのだ。そして、元王様プレイヤーから順番に役割カードを選んでいくもんだから、後ろのプレイヤーは、好きなカードを選べない代わりに前のプレイヤーが選んだカードをある程度予測できる。ある程度というのは、最初にランダムに1枚抜いているのと、後半になればなるほど訳分からんようになるからだ。
強力なダメージを加える暗殺者、盗賊は直接プレイヤーを指名できない。役割カードを指名するのだ。誰がどれを選んだかを推定しておく必要があるということだ。
わし(まあ、しょうがないので商人選ぶか。お金をゲットできるのは魅力)
それから残りをコタに渡す。
本来ならここで終わりなのだが、3人プレイの時は、2週目が回る。1ラウンドにつき2手番行うことになる。
そして王様のコールが始まる。
mia「1番の暗殺者」
mia「はい。じゃあ、商人殺す」
暗殺者に指名された役割は手番がなくなる。
わし(めっちゃむかつくわあ)
ルール的に、自分が殺されたと宣言してはいけない。自分の番が回ってきたときに初めて宣言するのだ。
この暗殺者のおかげで、単純に自分がメリットがあるのを選べないところがこのゲームのミソ。
狙い撃ちされる。
まじ、むかつくんですけど。商人は、序盤では強いキャラクターなのだが、あえて選ばないという選択肢も必要なのだ。
下にあるカードの左の〇マークが建設コストである。カードは5色あるが、紫は特別に強いカードだ。
暗殺者やりてぇ!!
しかし、これが3人プレイでは回ってこないのだ。
暗殺者+王様というのが前回王様プレイヤーの王道の取り方となってしまう。
それを防ぐためには自分が王様になるしかない。
mia「じゃあ、王様殺す」
。。。_| ̄|○
まあ、手番を損したものの、この場合は次のラウンドで最初に役割を選ぶ権利は残る。
もちろん、取るのは暗殺者。
と、3人プレイではこの繰り返しなのでどうにも良さが出てこない。
最初に選ぶのも暗殺者ばかりなので少々飽きてもくる。
中盤以降、わしはカードに恵まれ、紫の得点の高いカードをガンガンと建てていった。
ここでもう一人、直接攻撃できる強力な役割が傭兵である。
コタ「じゃあ、パパの建物を破壊する」
と、建設コストー1の金額で相手の建物を破壊できるのだ。
ただし、そうなると利するのは第三者となるので、なかなかに難しい。
そうこうしているうちに、わしは最後は一気に8枚の建設をして、終了。
わしがぶっちぎりのトップ。
所要時間50分
最終。わしだけがぶっちぎりで8枚建てたの当然の勝利。カード運もよかった。
それから何度もやったが、どうにも3人プレイでは暗殺者+αばかりが目立ってしまい、ゲーム本来の良さが殺された。
というわけで、拡張カードを入れることにした。1の暗殺者を魔女にするのだ。1のカード超弱くなった。3人プレイならこちらの方良い。
ソマーリオ
このゲームは5人がベストだと思う。7人でやったときは、傭兵を誰かが選んで壊すもんやからまったくゲームが終わらなかった。3時間くらいやってた記憶がある。このルールで3時間はつらい。
しかし4〜5人の適正な人数でやれば、非常に面白いゲームとなる。最初役割カードの選び方や手番などに癖があるので、面食らうかもしれないが、ルール自体は非常に簡単だ。
人数によって、暗殺者の強さは変わるだろう。
というかこれは完全に暗殺者のゲームだと断言しても異論を唱える人は少ない筈だ。
この読み合いがめちゃめちゃ熱い。
2000年の
ドイツゲーム大賞
にノミネートされたが、当時はカードゲームに大賞を与えられない風潮があり、逃してしまった。
役割カード情報の非対称性というのは、別にこのゲームが初めてだったわけではなく、わしとしては先に出していた
フェレータ
やモイタラの方が完成度は高いように思う。ただ、あやつり人形の方がルールが解りやすく見通しが良いゲームだったので有名になったのだ。興味がある方はこちらのゲームも是非やってみて欲しい。ドラマ性はこちらの方が上である。
この暗殺者というのは、当時ノリノリだった
フェドゥッティ
が、
シャハト
との共作で
フィストオブドラゴンストーン
でも、同じような形でゲーム化している。あやつり人形よりも一般受けしないゲームだが、機会があればこれまた癖があって面白いので、やってみて欲しい。
最初に出た版は8人の役割しかなかったが、アメリカでファンタジーフライトが発売するときに、追加の役割カード、ダークシティを出した。これらは数字同士で置き換え可能だが、あまり入れるとゲームバランスが崩れるので、数枚程度入れ替えると良いと公式ルールに書いてある。
それから10年以上経ってから、大箱になりリメイクされた。こちらではカード効果の見直しなどがあって、ゲーム時間が短縮されたとの事。色々と見やすくなったが、絵柄はまったく変わってしまった。
ちなみに一番最初の初版は、役割カードに効果が書かれていなかった気がするので、やりこんだプレイヤー以外あまりお勧めしない。いちいち確認するのが面倒だったのでわしゃ、シールを貼った。
gioco del mondo