Marcel- Andre Casasola Merkle
Adlung
3〜4人
40分
フェレータ
駿河屋で購入
ルール説明
毎ラウンド選ぶ役割を隠しつつ、勝利ポイントを稼ぐカードゲーム。
プレイ感
Viserさんが「お勧めで安いんでやってみてください」との事で頼んで輸入した。
評判になった
アッティカ
は、ここらへんから認められだしたらしい。
TAM夫妻と3人プレイにて。
最初ルール説明をするが、噂通りの手順の多さでさっぱり分からない。そして噂通り説明書を開きながらゲームをスタートするとあっさりと理解した。
6枚の役割カード。このゲームのキモであるフェレータ(裏切り)をして、薔薇と鷲の陣営を入れ替わるのだ。
1巡目が終わったころ、俺の心の中にひとつの思いが浮かんだ。
「こ、これは!」
TAMと顔を見合わせる。
「おもろいやん!」
「ですね!」
なるほど、これはフェドゥッティが操り人形でぱくったと言うてるシステムだわ。
フェレータというタイトル通り「裏切り者」を何時選ぶかがポイントとなる。
こんな感じでぐるっと陣地がある。白がワシ(ヨーク家)で焦茶が薔薇(ランカスター家)である。紛争に勝つと、陣地が裏返るようになっている。真ん中に置いてるのがこのゲーム最大のポイントである役割カードで、誰が何を取ったかがひっじょーにゲームの重要ポイントとなる。
相手の戦力を見定めて、当初TAM嫁と同じ陣営を組んでいたが、ここでTAM驚異の大ばくちにでる。
一番勝利点の高い都市に対して、無謀にも独りで攻撃してきたのだ。勝利点が高いという事は、守りも堅いという事である。
当然、戦力はこちらが優勢。
TAM「じゃ、8で」
と、とんでもない補給カードを出してきて、なんと我が薔薇(ランカスター家)軍、全滅。そんな強力なカードがあったんかー!!
1枚だけある異常に強い8のカード(馬)がゲームを俄然面白くする。うーむよう考えてるわ。土地の下に書いてる数値が元来の強さで、これに補給カードやら、外交官カードの点数を足して勝負するのだ。
TAM独り勝ちの上、ヨーク家、一気に勢力拡大路線。わしゃランカスター家にかなり肩入れしていたので、くら替えは苦しい。。。
ぶっちぎりの勝利ポイントを獲得したTAMに対抗する為に、協調路線をTAM嫁と辿ることにする。
いま、裏切ったらぼろ負けや。。
二人は暗黙の了解で、ランカスター家を支援する。しかし、TAMをバックグラウンドに持つヨーク家の勢力は予想以上に強く、次々に勢力圏を拡大していく。
まだや。
まだ勝負の時ではない。
じっくりと勝利出来るターニングポイントを探る。勝てる場所を探すのだ。
調子にのって、余裕の構えのTAM。
きた!
わし「じゃあ、次の紛争はここ」
戦略カードを持つわしは、最も重要なポイントとなる紛争地を決定した。
得点ボードは使い勝手抜群の
カルカソンヌ
ボードを。紛争カードは右上に置いた。わしの赤薔薇が映える。
ここで負けたら、全てが終わる。まさに総力戦。
それにしても、してやったりと嬉しそうな顔をしているTAMを見てるとむかついてくる。
「ファイエル!」
戦闘開始。
TAMが思ったより高い点数のカードを出す。
負けたか!?
ところがTAM嫁、それ以上に強力なカードを出してヨーク家を一蹴。
やったああ!!
最強の都市を陥落させたのだ。ここからランカスター家の逆襲が始まる。
ここを橋頭保とし、次々とヨーク家を撃破していく。まさに俺の考えた通りの展開となった。あの場所は、銀河英雄伝説のイゼルローン回廊であり、アムリッツァ会戦だったのだ。
「ファイエル!」
アキオチン・フォン・ミューゼルが叫ぶ。
まさに、ランカスター家がイギリスを統一しょうとした矢先だった。
赤旗? まさか!
TAM「もう、この白い奴やっつけちゃいましょうよ。ねえ、もうばしっと!」
TAM、フェレータの役割カードを使ってランカスター家に乗り換え。
TAM「いっちゃいましょ、いっちゃいましょ」
全員、ランカスター家支援。。。
これは十分に考えられた展開である。しかしそれでええのか? TAMよ。
わし「じゃあ、補給カードフェイズね。わしが2枚とTAM嫁3枚」
TAM「僕も2枚すね」
わし「なんでやねん?」
TAM「あ!」
そう、TAMはヨーク家に肩入れしていたので、ランカスター家から補給を受けれないのだ。
おろかー!
そこから、あの8の補給カードをTAM嫁は見事活かして、裏切り、ぶっちぎりのトップに躍り出る。
やられたー。あのカードさえ手に入れてたらわしもフェレータ使ってたのにー。
残りターン数少なし。逆転の余地はあるのか? 辛いのは再びTAM嫁がわしと同じ陣営のランカスター家に戻り、TAMがヨーク家になった事だ。
一縷の望みにかけるわし。
今は我慢の時である。耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶ。苦しい時の必勝パターンである。
チャンスは一度でいい!
そしてラスト手前、この瞬間に勝負をかけねばならない時がきた。
予想以上に手札が集まらなく、勝つチャンスはかなり少ない。しかしこのまま指をくわえてTAM嫁の独走を許してはわしの名がすたる。
フェレータ……裏切りの時である。
さようなら我がランカスター家。
そしてフェレータカードを選んだわしは、残りをTAMに渡す。
TAM「あっれえ?」
へ? なんで、あっれえ???????
TAM「じゃあ、これで」
しばらく悩んだあと、TAM嫁に役割カードを渡す。
ま、まさか?!
じゃ、公開
わし「フェレータ」
TAM嫁「2の外交官」
TAM「農民。。」
お、お、お前ーー!! 殺すぞー!! なんで5の外交官とってへんのじゃー!!!
そして、2の差でヨーク家敗戦。TAMが5の外交官を取ってれば勝てたのに。
TAM「すんません。てっきり5の外交官を取ってへんからおかしいなと思ったんです」
わし「お前なあ、わしがここでフェレータ取らんとどうしようもないでしょうが! お前がフェレータやっても嫁と同じ陣営なるだけでしょ! なんで分からんねん」
TAM「すんません。へっぽこプレイでした。今日は帰ってから嫁にへっぽこプレイについて怒られてきます。農民とか取ってる場合じゃないっすよね。。。」
※農民は補給カード3枚貰える。
わし「自分のことばっかり考えるなー!」
勝敗がつき、すっかりへぼへぼになったラストターン。
TAM「じゃーん、僕の役割は5の外交官です!」
しばくど。
所要時間40分
TAMのコメント
いや、ほんまへっぽこプレイで台無しにしてしまいました。まじでへこんでます。あっこで、勝ってたら最後、全員にチャンスありましたよねえ。
TAM嫁のコメント
なんか旦那がむっちゃおもろかった。
ソマーリオ
参りました。凄いぞ、このデザイナー! 操り人形はまあ思いついてもおかしくないルール。でも、これは違う。凄いの一言。よくぞこんなに素晴らしいゲームをデザインしたもんだわ。
めくるめくめるくる、これぞクリエイターという魂を見せて貰った。
カードゲームでなんで出すかなあ。ボードゲームにして欲しいぞ。ボードゲームにしたコンポーネンツを是非見たい。カードばっかりやとセットアップが訳分からんようになるわい。
確かに、プレイヤーにバランスを求めるところがあるのが弱点だが(わしがずっとランカスター家をやってたのはしょうがなしにやってた。独走されてしまうからだ)、それを差し引いてもこのゲームには
をつけたい。(まあ、4人でやればもっと自由に裏切れるかも知れんしね)
これはカードゲームの最高峰といっても過言じゃない。というよりカードゲームの範疇を超えてるね。明らかにカードゲームのプレイ感じゃない。例えるならファミコン後期に出たダビスタやテクモスーパーボウルである。ファミコンの性能をはるかに上回る、デザイナーが真の職人であった凄いゲームだった。
ルール変更について
GEEKによるとデザイナーであるカサソラが2008年に一部ルール変更をしたようです。お知らせいただいたCrさんの文章をそのまま載せておきます。ありがとうございました。
1.「最初各プレーヤーに3・4・5の補給カードを1枚ずつ配る」を「全ての補給カードをシャッフルして各プレーヤーにランダムに3枚ずつ配る」に変更。なので最初からいきなり8のカードを配られることだって十分にありえます。
2.全員が同じ陣営を支持しているとき、「+5の外交官」を選んだプレーヤーは(「フェレータ」と同様)支持する陣営を変えなければならない。また「フェレータ」と違って勝利点は得られない(が、+5の効果はもちろんそのまま)。
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