Paolo Mori

Hurrican

2~6人
30分

アウグストゥス

駿河屋で購入
このゲームでは、プレイヤーは初代皇帝アウグストゥスの命により、自分の軍団を用いて属州と元老院を支配しローマ執政官の座を目指すことになる。
プレイヤーに最初に渡されるのは、自分の配下の7個の軍団コマと88枚ある目的カードのうちの3枚の目的カード。
目的カードの条件を達成することで様々な見返りを獲得することができ、執政官の座が近付くことだろう。
様々な得点方法があるためゲーム性が高く、シンプルで運と戦略のバランスが良いゲームとなっている。

プレイ感

2013年ドイツゲーム大賞にノミネートされたが惜しくも敗れた。しかし密かにネットでは楽しいというのをよく見かけるので、購入した。タナカマ夫妻、COQとの4人プレイにて。


ルールはめっちゃ簡単。一言でいえばドミノゲームをドイツゲーム風にアレンジした。
各自6枚の目的カード(ドミノカードと思えばよい)から、3枚選び、自分の場におく。残りは捨て札へ。共通の場には5枚のカードを開いておく。
手番プレイヤーが、袋に入った動員タイルを引く。全員、それと同じマークに自分の軍団駒を配置する。手番はそのまま続けて、動員タイルを1枚ずつ引いていき、オールマイティなタイルを引くまで行う。オールマイティを引いたら出してた動員タイルを全て放り込んで手番を交代する。

誰かがカードのマークが全て埋まったら「アベカエサル!」と叫んでカード処理を行う。
その目的カードは達成済みとなり、全ての軍団駒をストックに戻して、新しい目的カードを場から取ってくる。
最終的に7枚の目的カードを達成させたらゲーム終了で、達成したカードの勝利点を数える。

カードは元老院カードと植民地カードの2種類がある。植民地カードは3色あり、緑、ピンク、オレンジの順に達成が難しくなっている。

COQ「これ、アベカエサルと叫ぶように書かれているんですが、皆、ビンゴ! とか出来た! というんですよね」

わし「あかんあかん。うちでは規定通り、アベカエサルと叫んで敬礼せんと無効やで」

COQ「コイン投げてやらんと、不敬罪ですよね」

わし「懐かしいネタをよう覚えてんなw」

※アベカエサルの話はこちら

ちなみに知ってる人は知ってると思うが、ローマ式敬礼をドイツでやると刑罰になるので絶対にやらないように。ドイツでは子供も手をあげないのだ。

(`・ω・´)ゞ ←これではなく
(`・ω・´)/” ←これだ。
(`・ω・´)」 ←これだとかなり不味い。

というわけで、最初の親はCOQから。


最初の3枚。マークが出た場所に駒を置いて、全て置いたらアベカエサルと叫ぶ。人物カードは灰色、土地タイルは黄色で、勝利点は右下に書かれている。特殊効果は右上。

わしは最初の3枚を、なるべくマークを網羅的になるように選んだ。
マークタイルは数が違っており、剣や盾はたくさん入っている。マークの多さや、種類によって難易度が違っており、それによる得点や特殊効果も違っている。

また目的カードには人物カードと地域カードの2種類あり、その達成数によってボーナスタイルが違っている。地域カードのボーナスは少し難しい感じ。

COQ「アベカエサル!」(`・ω・´)/”

COQさっさと簡単な目的カードを達成し、場にあるところから2枚補充。
というのは達成した目的カードの特殊効果で自分の目的カードを1枚余分に(つまり4枚に)出来るのだ。

これが結構強いと思いきや、そうでもない。

というのは目的カードにおける軍団駒は7個しかないのだ。もちろん置きたくても置けない場合は、移動させても良いが、同時におけるのが7個と絶対数が不足している場合、ビンゴカードが4枚だろうが5枚だろうが大して代わり映えはしない。もちろん特殊効果で軍団駒が増えるカードもあるので、そちらの方がより強いだろう。


手前が袋の中に入っているタイル。右側がボーナスタイルである。茶色の達成数に応じて貰えるボーナスは1度きりしか貰えないので、タイミングをみて取ろう。その上は達成した瞬間貰えるタイルである。

タナカマ「アベカエサル」(。・ω・)/”

COQ「今の、声小さくなかったですか?」

わし「小さい、小さい。不敬罪で却下やな。しかしまたしても古いネタをw」

タナカマ「そんなことないですよ! アベカエサル!」(`・ω・´)/”

タナカマも良い感じに仕上げていく。

そのうち

皆「たーて、たーて、たーて」

とか

皆「カタパルトッ、カタパルトッ」

みたいなコールがおき、

皆「あぁ…」

という残念な声もよく響き渡る。
何故か出ないときは出ないw


達成したら場から好きなタイルを選び補充できる。ただし駒は7個までしかないので、上手くえらばないと非効率だ。

ちなみに同時にアベカエサルな場合は、目的カードの数字が小さいプレイヤー順に解決していく。

ボーナスタイルの一つ目は目的カードが2枚から6枚までそれぞれ達成したボーナスである。
これが1プレイヤーにつき、1枚しか獲得出来ない。どのタイミングで貰うかは非常に重要だ。

COQ「じゃ、5枚でボーナス貰いますよ」

次々に達成していくCOQとタナカマ。

わしとあっきーは、遅れてる。

タナカマが6枚のボーナスをゲットした。

ここでわし「アベカエサル!」と5枚目、あっきーも「アベカエサル」と4枚目を達成。

わしの方が数字が小さいのでわしが4枚のボーナスタイルの権利を持つかと思いきや

COQ「駄目ですよ。あきおさんは5枚じゃないですか」

なんと、ぴったり同じ数でないと駄目で、わしのように一旦通り過ぎるとボーナスタイルを手に入れられなくなるのだ。

(|| ゜Д゜)ガーン!!

なんという漢らしいルール。これはジレンマになって素晴らしい。

あっきー「やった」


中にはこんなに大量のタイルを引く場合もある。オールマイティが出たら全て戻して引く役が交代だ。

結局、そのままタナカマが7枚目を達成してゲーム終了。

ポイント計算で、COQが勝利。

所要時間30分

タナカマのコメント

これ、わたしの去年の大賞予想だったんですよ。花火に破れたけど、簡単に楽しめるゲームで好きなんです。

COQのコメント

金と小麦にしかボーナスはついてないんですが、ビールとか他にも色々と描かれているところをみると拡張ルールを出そうと思ってたんじゃないですかね。

タナカマ「大賞逃したから出すに出せずでぽしゃったんでは?」

わし「まあ、やろうと思えばなんぼでも拡張だせるよなあ、これは」

ソマーリオ

最初、ルールを聞いたとき、非常にワクワクした。とってもシンプルで昔懐かしいドイツゲームが帰ってきた感じがしたからだ。今までやってきたドイツゲームは数あれどビンゴをシステムにしたゲームって無かったような気がする。
ルールは明快、簡単で、安心してルール説明を受けられるのだ。

これはカタン以前の80年代から90年代初頭までのドイツゲームの味わいがあり、大人も子供も一緒にできるほんまのファミリー向け、ルール簡単、準備簡単、30分で出来るという代物。この時代に出てたら間違いなくドイツゲーム大賞になったであろう。ただ2013年においても3作品にノミネートされてるので、大きな評価はされているが。

カード絵柄はローマにあった役職や支配地域がしっかりと描かれ、タイルもしっかりしている。ローマ好きにはきっとたまらないだろう。欠点は、このコンポーネントにこの大きな箱は要らなかったんじゃないかという事と、そのおかげで内容の割に少し値段が高くなってしまった事かな。

システム的には、誰が親をやろうと常に自分が関係しているという、素晴らしいビンゴゲームの特性のおかげで、全員参加でゲームをやってる感じがとても良い。

唯一の欠点は、これまたビンゴゲームの特性として他プレイヤーとの絡みがボーナスタイルの取得以外ほとんどないという事だ。まあ、あの一体感をみればソロプレイ感というのはほとんど感じないだろうが、良くも悪くも老若男女問わず楽しめるビンゴそのものである。

個人的にはソロプレイ感が評価を下げる要因なのであって、ソロプレイが評価を下げるという訳ではない。ゴルフなんかはもろにソロプレイだが世界的に最も人気があるスポーツだ。一人でラウンドを廻ってもつまらないので皆でソロプレイを競い合っている。このゲームもそれと同じだ。一人でやってもシステムは変わらないが、皆でやるからこそ楽しい。ゴルフもビンゴも皆でやるから面白いのだ。

他プレイヤーとの絡みがもう少しあれば級になったので、拡張あたりで出して欲しいところ。
作者のパオロモリは、ヴァスコダガマのような少し複雑なのを作ったかと思えば、こういったゲームも出してくる。まだまだ得たいの知れないデザイナーだ。

プレイ感が軽く、うちの子供でも出来そうなところが、非常に素晴らしいので今度一緒にやってみようと思う。なんだか妙に気に入った。やってて全然疲れないので、カップルや夫婦で何度もやってみるのが良いだろう。
近年、わしがドイツゲームに嵌った頃のこういうシンプルで楽しめるゲームってほんまに少なくなってきた。段々とウォーゲームの末期症状みたいになってる気がする。その方向性は当然シミュレートではなく、不毛なシステムの複雑化だ。いかにマニアを唸らせるシステムを作り上げるか、その一点だけになってきている気がする。その中でなんだかホッとするゲームなのだ。

ちなみに何か問題があったのか、当初Augusutusというタイトルだったが再版時にRise of Augustusと変更されている。わしのも変更後のタイトルだ。

gioco del mondo