北条投了

チキンダイスゲームズ

2〜4人
60分

大建築時代


新王の即位とともに、暗き停滞の時代は終わりを告げ、王国は再び活気と繁栄を取り戻しました。
大商人であるあなたが、この空前の好景気に手をこまねいている筈はありません。
さいわい待ちは穀物や財宝、失業者であふれています。
これを元手に他の商人たちと大がかりな取引をしましょう。あなたほどの才覚があれば都近くのさぶれた村を立派な大都市にかえるのにさほど時間はかからないでしょう。

プレイ感

カツカレー喰ってる場合か謀略級三国志の北条投了が拡張版を出すなどかなり気合いの入った作品なので、ゲームマーケットでまとめて購入してみた。2人から出来るので、miaとやってみる事にした。まずは基本のみ。


このゲームは、一言で書くとデッキ構築型さいころ小細工ゲームである。ドミニオンのように基本となるカード群と、今回遊ぶ適当に選んだカード群の山を置いておく。基本カードに例外はあるが、基本的には4枚ずつある。
これらを入手して、さいころ(資源)を小細工しまくって、勝利点をあげれば良い。


上が今回使うランダムサプライで、下がかならず登場させる基本サプライ。ここらへんはドミニオンチックである。またさいころの目を資源としてカードを購入していく。

各自、最初のカードとして寒村(かんそん)を置き、さいころを各自3個ずつ振って、1個ずつ相手のさいころと交換できる。これが最初の資源である。
一応、さいころ資源には名目があって、1失業者 2食糧 3家畜 4材木 5鉄 6金貨となっており、数字があがるほど価値がなんとなく高い感じ。


下にある3つは基本サプライでも最も重要な資源を増やすカードである。小麦のマークは生産を意味しており、そのさいころの目の資源が貰えるという意味だ。最初このアイコンがわからなくて苦労した。さいころ資源の2の目(小麦という名目)と被っているので、2の目を他の目に変えるのか? なんて悩んだのだ。

1.手番には、さいころを3個振り、合計値を宣言する(忘れがちなのでそうした方が良い)。
各自、手持ちのさいころの数が、合計値を上回っていたらバーストとなり、さいころの半分を高い目の順に捨てなければならない。(端数切り捨て。9個のときは4個捨てる)
2.手番プレイヤーから時計回りの順に1個ずつ資源を取って自分のものにしていく。3個なので2人プレイの場合は手番プレイヤーは資源を2個入手、4人プレイの場合は最後のプレイヤーは入手できない。
3.手番プレイヤーは手持ちのさいころを他のプレイヤーと交換するために交渉をしてもよい。
4.手番プレイヤーは手持ちのさいころを支払い場にあるカードを購入する。資源があるなら、一度に何枚購入してもよい。これで手番終わり。

さいころの小細工とかの効果はカードに書かれている通りで、最終的に20勝利点あげるか、商館が売り切れになるかしたら、勝利点の合計が高いプレイヤーが勝ちである。

資源のさいころ運がこの日、非常に悪く、miaがやたらと順調にカードを建てていく。

今回のカードはルールに書かれている最初にお勧めされるカード群だが、帯に短したすきに長しな感じで、カードが買えないのだ。まあ、わしが場にあるカードをあまり見ずに適当に高い目のさいころをとったからこうなったとも言えるのだが。

そうこうしているうちに、例のバーストルールを食らってしまった。
ルールに念押しで書かれているが、配給さいころの目の合計と手持ちさいころの個数を比べるのだ。
これはカタンにある、溜めて溜めてドンを防ぎ、どんどん作れというのを推奨している良いルールなのだが、このゲームの場合は、内容物のさいころ不足を補うために機能している。まあ、カタンもそうか。

miaは順調に建てる中に、最も効果的だったのは倉庫の存在である。なんとなく建てたようだが、倉庫にさいころを2個保存しておけ、これはバーストルールの個数から除外されるのだ。

わしも途中でそれに気づいたが、建てようにもなんせさいころ運が悪く全然集まらない。

そしてルールブックのヒントに書かれていたことを思い出す。さいころ運が悪いときは、攻撃カードを買えと。
このゲームはカード機能が一目で分かるようにアイコン化されている。今回の攻撃カードは盗賊団のみ。
必要さいころは11155。つまり失業者に鉄を持たせて武器を作り、攻撃しまくるのだ。
わしの手元には失業者があふれかえっとる。あとは鉄を貰うだけ。

鉄鉄鉄ーー!!

わしの念力が通じたのか鉄ゲッツ!
そして盗賊団結成。

「ひゃっはぁぁ!! ハイオク血液が手に入ったぜぇ!!」


盗賊団のおかげで楽になったものの、miaはこの時点で既にカードは8枚並んでた。。。
ちなみに後述するが、角に丸みがあるのはかどまるProにて角をとったためである。

確かにこれでかなり楽になった。
miaのようにたくさん資材を蓄えていると、かなりの割合で手に入るのだ。
使うべきは、ニートだと再確認。

miaはさいころが毎回貰える生産カードの準備を早めに済ませたおかげで、次々に資材が回転し、新しい建物がどんどん建てられていく。

わしもようやく生産体制が整ったところで、最後の悪あがきとして図書館を建てた。これは毎手番勝利点を1ずつあげていけるのだ。


図書館は毎ラウンド勝利点が1ずつあがっていく。それをさいころで表示していくのだ。

しかしながら当然のことながら、時既に遅し、miaが20点を達成して勝利。

所要時間60分


miaの圧勝。こんなけ並べられるとな。

miaのコメント

これは次々に生み出していく楽しさがある。お気に入り。

ソマーリオ

さいころ運は確かに悪かったが、作戦もなんともすっとこどっこいな事をしてしまった。もう少し早めに倉庫を建てていれば、もう少し早めに盗賊団に気づいていれば、また違った展開になったろうにと思う。

ゲームとしては、北条投了作品とは思えない、めっちゃ普通の作品だった。何、真面目に作っとんねん! という冗談はさておき、相手の手番にも退屈にならないように作られていたり、長時間ゲームになりそうなさいころのゲームで1時間以内に終わるように調整されていたりと、非常に優等生的な拡大再生産ゲームだった。2回目から40分くらいで終わりそうだ。

さいころをいじくるゲームとしては、王への請願が有名だが、こちらはあれを手本としつつ、欠点であるパターン化をなくしてしまった。その方法としてはドミニオンのようにゲームをやるたびにランダムに決まる建築カードである。またゲームが破綻しないように、基本建築カードは別に存在させるという念の入りようだ。

このように非常にまとまったゲームであるのだが、個人的には優等生的なシステムが少々物足りない。
また2人でやったことで、交渉がなくなり、面白さが半減したところもある。

拡張1を加えると、またがらりと雰囲気が変わりそうなので、再度加えてやってみようと思う。

コンポーネントは、期待してはいけない。家庭用のプリンターで印刷したもので、角も丸くなっていない。
わしはかどまるProを使って角を取った。
ただ図案は本格派なので、きちんと印刷屋に頼めばかなり良いものが出来ると思う。

今年も、なかなかゲームができる機会が少なくて、レビューが少なくなって申し訳なし。
来年はなんとかもう少しゲームできる環境を改善できるように努力します。
年内にもう一度だけ、拡張1を加えた感じで追加レビューするかも。あるいは新しい同人ゲームを1個やるか。

gioco del mondo