Stefan Feld

alea

2〜5人用
70分(一人25分)

ラムと名誉

赤の海賊で知られる海賊船長が、隠れ家に戻ってきた。
手下たちはキャプテンに従って、ゾロゾロと町を徘徊する。
野郎共、酒だ!
オウ!
海賊たちは荒くれ共の集まり。
あちこちで喧嘩や、賭博を繰り返し夜通し遊ぶのだ。

プレイ感

アレア久々の大箱で、作者はローマ革命のフェルド。周りではサイコロゲームのくせに時間が掛かると微妙な評価。これはわしには絶対あかんわと買わんとこと思ったのだが、なにをトチ狂ったのか、イエサブに置いてるのをフラフラっと購入してしまった。biscoなんざ、先に言うてくれたら要らんから売ったのにという酷い扱い。人数が増えると時間が増えるタイプなので、TAMと二人でやってみることにした。


最初、手番交代が解らず、一人で動けなくなるまでやったが、こりゃどう考えてもおかしい。パスの意味も解らん。1つ動かす毎に交代べんたんにやる事にしたら、きちんとゲームになり始めた。当たり前か。


赤の船長にずらずらとついて歩く子分。絵のマスに船長を移動させ、移動させた通路の間に子分駒を置かなくてはいけない。

酒場や地図の在り処、愛人宅などの場所に行くのはキャプテンである。そのキャプテンの移動元から移動先への通路に自分の手下駒を配置していくのだ。最初15人居るので、15の通路のマスまでキャプテンを移動させることが出来ると考えればいい。

場所によって、勝利点となるタイルを貰える。例えば、酒場は一緒に飲む仲間を募って(実際のプレイヤーに)サイコロを振って、タイルに書いてある目を超える目が出たら(複数あるのでなくなるまで繰り返す)貰っていける。愛人宅は、キャプテンの愛人がいる場所が描かれているので、キャプテンをそこに動かしたら勝利点が入る。地図は破れているので、同じ色の地図2つで勝利点が入る、等。

こうやって5ラウンド行って、勝利点をいっぱい集めたら勝ちという単純なもの。要はどのようにタイルを手に入れるかにルールがたくさん割かれている。ある意味、スクールパンチシリーズぽい。

面白いのは海賊の寝床イベント。全部、手下駒を使うのではなく、ある程度キャプテンに付き従ったら、残した駒を海賊船に戻して寝床を確保するのだ。これは松竹梅のように3段階の寝心地の良さがあり、勝利点が異なる。つまり3人になるまで殴り合いの喧嘩(サイコロ勝負)をひたすら行うのだ。これが勝利点がでかいのが多く、なるべくたくさんの手下を送り込みたい。


わしゃ、自分の手番を終了して、子分3つを寝床イベントに送り込んだ。TAMが何人送り込んでくるか待つだけ。

当初、TAMは手下を増えるマスをひたすら執念深く攻める。手下は増えるとゲーム中なくなる事はないので、大幅に選択肢が広がるのだ。まさにマンパワーである。わしもひっじょーに欲しかったのだが、TAMが上手くキャプテンを動かしたために、リクルートすることが出来なかった。

わし「お、お前、元海賊?」

TAM「シー! 秘密にしといてくださいよ」

常に劣勢に立たされながら、宝箱イベント開始。これはサソリの入った宝箱(マイナス点)を、どっちが取るかサイコロで勝負するのだ。順番にサイコロを振って数を足していき、書いてある数字以上になったら人が取らされる。宝箱に突っ込んだ手をサソリがチクリ! と刺すイメージである。

わし「痛っ!」

ちきしょー、マイナス食らった。ゲームでマイナスがあるのはこのマスだけなのだ。

わし「お、お前、元海賊?」

TAM「シー! 秘密にしといてくださいよ」


通路と通路は、端同士繋がっている。渡るのに1ゴールド必要。

そして最大の寝床イベントが始まる。もう動かしたくないと思ったら、残った海賊をマストの行にずらっと並べる。で、列でみて、誰も喧嘩する相手が居ないと隣のマストに移動させる。列に誰か別の駒がいると、サイコロを振って、その数以上が出ると上の行にいる海賊を取り除き、未満だと自分の駒を取り除く。勝ち抜いたら隣のマストへ移動。こうやって残り3人になるまでひたすら喧嘩していくのだ。寝床は鮫(寝棚)、亀(ハンモック)、オウム(ロープ巻き)とランクがある。

二人プレイの場合、ノンプレイヤーキャラクターがサイコロの目だけ参加して寝床は2ランクだけになる。

…6

わし&TAM「6人かい!」

わしら2、3人やのにさ…

で、わしら全員、のされて終わり。これで1ラウンド終了。

TAM「酒場で飲むぜぇ! 一緒にやりたいやつはいるか?」

わし「飲む飲む!」

とか

わし「船長、愛人と酒場でしっぽりだぜ!」

とか

TAM「見張り番と喧嘩だ! おらおらおらー」

とか

わし「ちょっくら、義足の調子が良くないんで新しいの買うてくるわ」

と、まさに荒くれ者たちの一夜は過ぎていく。

4ラウンド連続で、ノンプレイヤーが5,6を出し続けたおかげで、喧嘩に弱いわしらは全員のされて、一度も安眠できなかったが、最終ラウンド鬼の6人送りでようやくわしがフワフワのハンモックで寝ることに成功!


最終ラウンド。紫もちゃっかり6。TAMも5送って来やがった。列ごとにサイコロで勝負していき、勝てば隣のマストにいく。そして残った同士で再びサイコロ勝負。勝てばまた隣のマストに。これを繰り返して残りベスト3まで決めるのだ。それに応じて寝床が決まり勝利点となるタイルが貰える。


おらー! 圧倒的強さを見せつけ、1,2独占!

わし「あー、極楽、極楽。おやすみん」

常に子分が足りないまま、勝負させられた結果。

なんとわしが勝利してた! 所要時間50分

TAM「あきおさん、元海賊?」

わし「シー! 秘密にしとけよ ☆~Uo≧▽゜)b(ウィンク)」


これが集めたタイル。この点数を足す。色んなタイルがあるのが解るだろう。地図は、同じ色の地図2枚でようやく価値が出る。

TAMのコメント

これ、いいっすよ。感じがいいです。

ソマーリオ

いやあ、おもろかった。海賊気分を味わえるというか、これはほとんどRPGである。パイレーツオブカリビアンが好きなわしには雰囲気に浸れた。キーラルゴでも書いたようにデータ型のゲームとして作る事が出来るタイプだ。

雰囲気をじっくりと楽しむゲームだからこそ、ドイツゲームに慣れた人には不人気なのだろう。つまり、ルーンバウンドタリスマンが好きな人なら間違いなくお勧めできる。時間を忘れ過程を楽しむゲームなのだ。どこかで書いてたように、海賊の船長にずらずらと付き従う手下たちをイメージする。そんなムードがこのゲームを楽しむ秘訣だ。

コンポーネントに目を移すと、海賊駒の出来がいい。色も、金銀銅紫黒とかなり渋い色が選択されている。
またタイルの種類が多いので、それを収納するボックスは素晴らしい。これがないと評価は急激に落としていた。タイルは同じものでも点数にランダム性があり、山札を作る必要があるのだ。こいつはその役目を果たす。


これが収納ボックス。点数は同じタイルでも違うので、ここで見えないように使うようになっている。カードならスペースがいるがタイルならスペースが少なくてすむ。それを考えた上でのこのケースの製作だったのだろう。ちなみにフタもあり、これがタイルの場所によって凹凸があり動かないように工夫もされている。かなりの職人気質。

やってる感じをもっと詳しく書くと、昔、ゲームブックであった火吹き山の魔法使い、バルサスの要塞、ソーサリーシリーズにそっくりだ。例えば宝箱のサソリイベントなどは(たしか)バルサスの要塞で怪物たちがやっていた爆発する石ゲームそのものだ。ボードゲームの火吹き山の魔法使いでも同じゲームがある。前にこれをやったときはこの危険なゲームでやたらと盛り上がった記憶がある。また途中でも書いたようにスクールパンチシリーズにも似ている。何かのイベントごとに細々としたルールがあってサイコロで競いあうのだ。レビュー済みの大地震ゲームを参照されたし。

上記のゲームが好きな人やRPG好きなら、間違いなくこのゲームはお勧めできる。そしてキーラルゴを除いては上記のゲームよりも若干すそ野は広い。こういったゲームが好きなわしの評価はだ。キャプテンジャックスパロウの隠れ家での一日、その雰囲気を味わって欲しい。パーレイイベントがあればよかったかもw

シュテファンフェルドは非常に変わったデザインをするデザイナーだ。トイバーのようにサイコロを使うが、またその使い方に癖がある。不思議な感じのするデザイナーで好き嫌いはあるだろうが、わしゃ、相性がよさそう。今後注目してみたい。


gioco del mondo