Regis Bonnessee

Tilsit (フリーダウンロード)

2〜4人
60分

帝国の商人

ゲーム説明

千年もの昔、全能神Phaosは太古の海から広大な大陸を浮上させました。
神の崇拝者によってこの地に国が作られ、発展していきました。
豪商は富と名声を求め、各地に寺院を建て、自分に投票する有権者を増やし、商人にとって最も価値のあるお金を獲得するのです。

プレイ感

意表をついて今年のゲーム大賞にノミネートされたヒマラヤ。その元となったフリーダウンロードゲームである帝国の商人をやってみようと2時間もかけて自作してみた。もう、駒小さいやら多いやらですげえ疲れたわい。昔ヤフオクでプエルトリコのタイルを作るために購入したロータリーカッター大活躍。

※ 画材屋に売ってるイラストボード(1mm厚、A3で210円くらい)にシール印刷した奴をはっつけて、ロータリーカッターで切れば自作ゲームは出来ます。またロータリーカッターの刃はシールを切ってると切れ味が悪くなるので、ラベル剥がしスプレーで整備すればよし。替え刃を買う必要はない。もっと本格的にやりたい人は、印刷したシールの上に透明シートを張ればテカテカのタイルの完成。

TAMとひきぷが来るのを今か今かと待ち構えて、まずは同じくノミネートされたナイアガラ(TAMのリクエスト。川の流れるのをみて目がまん丸になってたな)をやってから帝国の商人スタート。今回はゲーム大賞ノミネート作品を遊ぶ、というのがテーマだ。ジャンボはこの前やったんで目玉はどのサイトでもほとんどレビューされていないこいつだ。

このゲームのポイントは6枚のプロットタイルで同時性を再現するというところ。都市間はabcdと書かれた街道で繋がれており、どの道を移動するかabcdのタイルで前もって予定を立てておくのだ。そして都市で依頼を達成したり、資源駒を取る場合には裏面の×を表示してアクションを行う。


各都市はabcdの道によって繋がっている。それを前もって予定しておくのだ。

同時プロット方式か。最近書いた陣取り談義にバッティングするのう。タイミングよろし!

今回は長考するひきぷがいるが、この時間をついつい割いてしまうプロット方式最大の弱点は砂時計を使い1分以内に決めるというシビアなルールのおかげで、さくさくと進むのだ。


白駒のわしは今回はcbXaXbという予定。Xはそこで依頼を達成するか、資材を取る行動。ルールブックではよく解らないが、同じところでXを連発する事は出来ないようだ。

ひきぷ「うわぁ! 間違うたあ」

そう、間違ってしまってはもう引き返せない、無情の砂時計。

TAM「ファイヴ、フォッ、スリッ、トゥー、ワン、ジーロ! 終わりっすよ!」

このカウント、かなり心理戦に使える。カウントダウンが始まると、すんげえ焦るのだ。

ルールは至って簡単で、資材が置かれる都市に移動して資材取って、依頼書タイルを満たす都市(依頼書タイルに必要な資材が書かれている)に移動して、依頼を達成する。そんだけ。

ポイントは資材は価値の低いものから取っていくという点で、順番が間違うと…

TAM「ラッキー、石炭取らずに済んだー」

ひきぷ「また石炭やん。。」

となる。

わざとタイミングをずらして都市に入ったりする戦術が生まれるのだ。また

ひきぷ「ああ、先取られてないやーん」

TAM「へっへへ、先に頂きましたよ」

ともなる。


わしがまさに緑と茶色の資材を使って依頼を達成しようとする時。右上には金の資材があるのが見える。出る時は4つの資材を置くので、既に誰かが3つ取った後なのだ。またローマ数字のエリアに裏向きに置かれてるのが有権者マーカーで、8つあるこういったエリアを多数支配しておかないと負ける。

前半、北部で大活躍する俺に対して、南部でひきぷとTAMがしのぎを削りあう。資材は常に4箇所、依頼は常に5箇所置かれている状態でバランスを保っているのだが、サイコロは偏るようで、途中、俺は首都を抜けて南部に移動し始める。

※ 依頼を達成したり、資材がなくなったりすると、ラウンドの終了時にその数だけサイコロを振って新しいタイルを置くルールとなってる。このサイコロが20面体(つまり都市も20ある)使ってやる古臭いシステムなので、ちょっといけてないなあとは思う。

そして二人は北部に移動し始めた。なぜ、移動するかというと、勝利条件に各エリアで有権者を多数になるように置かないと負けてしまうというのがあるからだ。あちこちに遊説するといった感じ。

3,6,9、12ラウンド目の小決算になると、手持ちの資源を何個持ってるか宣言していく。多数を占めてるとモノポリータイルという3経済ポイントが貰える。

※ 資源は少なく言うて嘘を答えてもいいとあるが、これは良くない。スタートプレイヤーから順番に言うとなると、後ろが有利であり、それにも関わらず周ってくる回数が違うから不公平になる。ヒマラヤで修正してることを望む。ゲームからみても全て正直に答えて問題ないだろう。

わし「じゃ、石炭から。わし2」

TAM「1です」

ひきぷ「6」

わし&TAM「ろ、6!!! 6って持ちすぎじゃ!」

あかん。毎回、石炭はひきぷでええわ。6は無理。

12ラウンド終了。
このゲームの最大のポイントは勝利条件の決め方である。脱落方式なのだ。

まず、宗教ポイントとして建てた寺院のランクを足す。1ランクの都市に建てた寺院は1ポイント、3ランクなら3ポイントだ。

ぷっぷぷぷ〜。はい、ベベのひきぷ、脱落。


各々が依頼を達成しようと動いた最終ラウンド。先にやられるとショックはでかい。そして目に見える寺院のレベル数で勝負。エリアに面してる数が都市のレベルとなる(都市の絵が違うがちょっと解りにくい)。白わし7、緑TAM7、青ひきぷ5。

そして次は、政治ポイントで、これは伏せて置かれた各エリアの有権者によって多数を取ったエリア数で決める。

ぷっぷぷぷ〜。はい、TAM、脱落。


伏せていた有権者マーカーをみる。白のわしは3ヶ所を支配。かたや緑のTAMは1ヶ所だけだ。

ま、今回はここで俺の勝ちが決定するのだが、もう1段階ある。

最期は、依頼書に書いてある経済ポイントの合計である。ここで最終勝利者が決定するのだ。


依頼書の総得点。ここでも俺がぶっちぎった。3の奴はモノポリータイルである。小決算の時資材が最大の人が貰えるので、依頼を達成させるか(依頼を達成させると資材が減る)は悩みどころ。途中それに気づいた俺は小決算前はわざと依頼を達成しなかった。

実は、依頼を達成した時、3つのうち2つのアクションを選べる。都市に寺院を建てるか、周りのエリアに有権者マーカーを伏せて置くか、その依頼書を貰う、かだ。つまり全て上記の勝利条件に関係するものとなっている。

この脱落方式のおもろいところはいくら経済ポイントがあっても寺院を建てていなければ、べべ、となる点である。今回は全て、俺がトップだったが、そういうちょっと変わったルールとなっている。

所要時間 50分

TAMのコメント

うわ、これむっちゃおもろい! そういや僕も前にダウンロードして印刷してたんですがすっかり忘れてました。帰ったらすぐに作ろっと!

ナイアガラとどう?」

ナイアガラはパーティ系でおもろいんですけど、ゲームとしての楽しさはこっちの方が上では?

ひきぷのコメント

俺もナイアガラよりもこっちの方がゲームとしてはおもろかったわ。間違うと焦る部分とかかなりイイ感じ。俺はチケットトゥライドが一番好きやけど。

ソマーリオ

なんかやたらと評価高いな。しかし、何故をつけなかったか。勝利条件の不備がどうにも気に入らないのだ。

第一条件である寺院は各都市に1つしか建てることの出来ない早いもの勝ちで、しかも目に見えている。これでは既に負け確定とゲーム途中でわかってしまって投げてしまうのではないかという点。

第二条件の有権者によるエリア支配。伏せて置くのはいいが、エリア支配は最多でないと意味がないので、今回のようにひきぷとバッティングしまくったTAMがエリア支配で負けてしまう。ここはいい。しかし、ひきぷは既に第一条件で負けているにも関わらず有権者は残り、TAMはエリア数が少なくなってしまった。かといってひきぷの有権者を抜いてしまうと、抜けるプレイヤーを探すつまらないゲームになってしまう。難しいところだ。

そして一番のネックはこの2つの条件はサイコロで配置する依頼書タイルに拠るところだ。ランダムのくせに早いもの勝ちってのはどうも解せない。都市にランクがあるってのがプレイヤーにはどうすることも出来ないムードにさらに拍車をかける。

1分間同時プロット方式はパーティゲームのように楽しめ、これだけの内容でありながらわずか60分で出来るところはとてもいい。製品版であるヒマラヤ(ちなみに帝国の商人のダウンロードは製品版が出た事で終了しています)がサイコロ配置による面倒臭さと、ランダム性を含めた上記勝利条件の見直しを計ってくれてたら、ゲーム大賞に輝いておかしくないゲームである。勝利条件がややこしいので難しいとなってるが、システム的には初心者にも解るとても簡単なゲームなのだ。個人的にはもっとバッティングして「お前もこっちくるんかい!!」みたいなんを前面に出して欲しいが。

ここにきて、ゲーム大賞にヒマラヤの可能性ありとみたが、どうだろう。しかし、審査員ちゃんとみてる(遊んでる)よなあ。


これがヒマラヤのコンポーネンツ。うーん、、、20面体サイコロが見えるなあ。。で、隠してた有権者がそのまま見えるようになってる!?

gioco del mondo