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Alex Randolph
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Drei Magier
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2〜4人
10分
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みんなともだち
カエルが睡蓮の上で競争をしています。
ぴょんぴょん
「追い抜かれた、じゃ、この指輪を渡すよ」
同じ睡蓮に止まったカエルは仲良く抱き合った後、お互いにプレゼントを渡します。
「僕たちは友達だからね。仲良く競争しているんだよ」
プレイ感
ドイツゲーム大賞の特別賞として子供ゲームに授けられた最も古いゲームがこれである。木製でつくられたカエルの造形が素晴らしく、いくらたっても値段が落ちん(すまん)が、手に入らなくなると困るので買う事にした。miaと二人プレイをしてみた。ちなみに見た目はにわとりのしっぽみたいやけど、ゲームは全然違う。
手番に自分の順位の数だけのさいころを振り、その数を進める。カエルの最後尾の睡蓮にはコインが3枚置いてあり、ここに丁度に止まればコインを全て貰える。そうした場合、また最後尾のカエルの後ろのマスにコインを3枚取り出す。それをコインが無くなるまで繰り返すだけ。また同じ睡蓮に止まったら、握手をして抱き合って、袋から1枚ずつコインをプレゼントする。
とまあ、ルールはなんとも微妙な感じ。さいころだけの運ゲームに思える。
先頭のコマには金の指輪をはめる。で、睡蓮の上をくるくるとレースするのだ。トップはサイコロ1個、2位はサイコロ2個、3位はサイコロ3個、4位はサイコロ4個ふるので、追いつけるようになってるのだ。また黄色のコマの後ろに見えるのが最後尾である褒美のコイン3枚である。金貨は銀貨の3倍の価値がある。
わし「あ、一緒のマスになった。握手、握手。ハグ、ハグ。じゃ、これをプレゼントする」
袋から取り出したのは銀貨。
mia「じゃあ、わたしもこれをプレゼントする」
袋から取り出したのは金貨。
miaから金貨貰った。やりー!
わし「ありがとう」
mia「ちぇ」
…
mia「一緒のマス。握手して、ハグして、プレゼント。あ、また金貨」
わし「じゃあ、お返しにわしもこれを。銀貨ね」
…
わし「握手して、ハグして、プレゼント。銀貨」
mia「ちょっと! どうして銀貨ばっかりなのよ!」
わし「知らんがな」
mia「あ、金貨…腹立つなあ」
わし「ありがとう」
見ての通り非常に美しい駒と背景なんよなあ。
金貨は銀貨の3枚分の価値がある。
それからも終始、
わし「銀貨ね」
mia「また金貨! もうハグするのが嫌」
…
わし「ハグハグ!」
mia「やる気なし」
わし「まあまあ、ほら銀貨あげるから」
mia「こっちはまた金貨…」
またまた金貨頂きました。嬉しい! そしてわしは銀貨をプレゼンツw
結局、ほぼ毎回、金貨をプレゼントして貰ったわしの圧勝。
所要時間10分
最後はこんな感じでした。いっぱい貰ってありがとう。!
紺碧さんのコメント(メールで感想を貰った)
これ、凄くいいです。なんかとても気持ちが安らぎます。
ソマーリオ
いやあ、ルール読んだだけでは、この良さは理解出来んかった。ランドルフやから何かゲーム的な仕掛けが隠されてるんかなと思いきや、そんなのはまったくなしで完全なさいころ運。
しかし、この同じマスに止まったら握手して抱き合ってプレゼント交換しあうてのが無茶苦茶いいのよ。
なんか気持ちが暖かくなる。これはやってみんと解らんと思う。
ある日、王女様が散歩に出かけると湖の畔で「ゲコゲコ」という声を聴きました。なんだろうと声のする方へ行ってみると睡蓮の上で赤い色、緑色、水色、黄色の4匹のカエルたちが駈けっこをしていました。よくみると一緒の睡蓮にのったカエルたちは握手して抱き合って「ともだちだよ、ゲコゲコ」とお互いにプレゼントを交換しあっています。王女様はその光景が楽しくてつい腰を下ろして見入っていました。そうするとどうでしょう、一番前を跳んでいるカエルの首にきらりと光るものがあるじゃありませんか。王女様が目をこらしてみてみると、お母さんの形見であった無くした金の指輪が掛かっています。
完璧なコンポーネントとシチュエーション。さしずめ、王女様王子様はプレイヤーといったところ。
ルールには抱き合う代わりにキスしてもいいでしょう、なんて日本人の感覚からしたら気持ち悪いとも思える記述があって、実のところドン引きした。まあ、ところがや、キスはせずとも抱き合うだけで人はこんなに暖かくなれるんかと驚く。まず、日本人なら滅多なことで人と抱き合う事なんてない。
ランドルフは、ルールに大義名分を明記することで、恥ずかしさを取っ払ってしまった。
フリーハグなんて阿呆ちゃうかと思ってたけど、今なら凄くよく解る。
子供がいるお父さんお母さん、或いは好きな人と合法的(?)に抱き合いたい人に是非勧めたい。心が暖かくなります。小学校なんてこれ導入したらええんちゃうかな。
確かに、エルグランデの決算の時に1位と2位のプレイヤーが互いの健闘を称えて抱き合うなんてルールにしても一緒なんかも知れんけど、まあ、そこは童話の世界に入れる希有なコミュニケーションゲームという事で評価は高い。ランドルフは偉大でした。
最近、ランドルフの偉大さをしみじみと感じてる。なんでこんなにルール簡単やのに、上手くゲームとして機能してるんやろと。推敲に推敲を重ねた結果、こんなにシンプルになりましたとしか思えないんよな。無駄なく作者の狙ったエッセンスだけが抽出されてる。