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Klaus Zoch
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Zoch
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2〜4人
15分
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にわとりのしっぽ
コケーーーーッ!
にわとりの運動場は大騒ぎ!
にわとりのオリンピック開催中で、今日のプログラムは尾羽の取り合いです。
そのため、参加しているにわとりたちはお互いを追い抜こうとしています。
追い抜いたにわとりからは、ご褒美として尾羽がもらえるからです。
一番最初に、全員から尾羽を取って集めたにわとりが優勝です。
にわとりの運動場をよく知っているにわとりだけが、上手く先へと走ることができます。
記憶力がなく目の悪いにわとりは、表彰時に尾っぽが丸刈りになっていることでしょう。
プレイ感
わしのイメージではドイツ子どもゲーム大賞の代表作という感じなのだが、代表作ゆえに発売からかなり経っているにもかかわらずなかなか値段が落ちない。まあ、子どもゲームってのはなかなか落ちないもんやとさすがに買うてみた。入手しただけで安心してやらなかったが、ふとmiaと二人プレイしてみることに。
卵型のタイルを円周にぐるっと並べる。真ん中に八角形のタイルを裏向けに配置して、運動場は完成。で、にわとり同士を同じマスになるように対角に配置する。手番には、八角形のタイルをめくって自分のにわとりのひとつ前のマスと同じ絵柄なら一歩進める。成功したらずっとこれを続けていい。失敗したら手番終了だ。
で、相手のにわとりを追い抜いたら、相手の尾っぽを引っこ抜き、自分のお尻にさす。全ての尾っぽを集めたら勝ちだ。
わし「あれ、これって二人でやっても全然おもろないんちゃうの?」
mia「でもいっぺんやってみないと」
わし「だって、二人やと相手を抜いたらそれで終わりやで? ゲームになるんかいな??」
まあ、せっかく並べたんでやってみようという事に。
真ん中のタイルをめくって、進めていく。白のにわとりなら巣のタイルをめくれば一歩進めるという事だ。
ゲームスタート。最初は適当にめくって手番はすぐに終了。
しかし、少し進むとどこに何があるか解ってくる。要は神経衰弱と一緒だ。
わし「ハリネズミ、ハリネズミと…あ! 巣やんけ!!」
mia「ラッキー! じゃ、わたしの番にそれをめくって前進と」←miaの次のマスをめくってしまった。
相手のマスのタイルを引いてしまうとこのように相手を利する事になるが条件は同じだ。
mia「あ、しまった! ハリネズミかあ」
わし「よっしゃあ!」
と前半は、このように少しずつ進んだ。
ところが中央のタイルがほぼ解ってきた中盤からは恐ろしい展開になる。
mia「卵、オッケ。でんでんむし、オッケ。にわとり、オッケ。ひよこ、オッケ。カラス、オッケ。花…」
正解である限り何度でもめくれるので、モーレツな勢いでにわとりが追いかけてくる。
わし「うわあ! 来やがったー!」
コケーーーッ! というにわとりの雄叫びが聞こえてくるようだ。
mia「あ、失敗」
わし「ふう。って、もう2マス後ろやんけ!!」
駒は木製で手のひらでぐっと握れるくらいでかくて可愛い。あれ、今気がついたけど、この駒って雄と雌があるな。凝ってるわ。で、なんでわしが雌鳥やっとんねん! 虎視眈々と後ろをねらうmiaの雄鳥。わしのお尻の穴ぴいぃぃーんち!!
わし「ハリネズミか。ここ…失敗かい!」
mia「虫はここか! やった。ハリネズミは前に引いたじゃん! ここだよ!」
(|| ゜Д゜)ガーン!!
※相手を抜く時は、相手のマスじゃなくそのひとつ前のタイルをめくる。つまりわしと同じ目標のタイルとなる。
mia「追い抜いた。尾っぽをむしって、勝ち!」
く、屈辱。まさか尾っぽを抜かれるのがこんなに屈辱的やとは…
ぐわあ! ムシラレタァァァァ!!……_| ̄|○
mia「もっかいやろう!」
わし「よっしゃあ!」
ニ度目。
最初は適当に。
そして中盤以降。
わし「じゃ、卵、にわとり、白鳥、カラス、卵割れ…」
mia「わー、キタキタキターーーーー! ヤバイ」
わし「あ、失敗。ちぇ。あと3マス。もうちょいやったのに」
mia「白鳥、カラス、卵、にわとり、白鳥、卵割れ、カラス、卵、うさぎ、目玉焼き…」
わし「ぐわぁあ! 恐ろしい速度で迫ってくる!」
mia「雛、かたつむり、羽毛…」
わし「ぐおお、来たー、キタキタキタキターーーーーーッ!!」
そのスピードは鬼神の如く。ズンズンズンズンくる。怖い。
そして…
mia「追い抜いた! 尾っぽをブチっとむしり取り、勝利!」
駄目だ、勝てねえ……_| ̄|○
わしの尾っぽ……
所要時間10分
miaのコメント
これはたまらなく楽しい! あの尾っぽをもぎとる時の快感ときたら!
今度皆でやってみたい。
ソマーリオ
まさか二人でやってこれほどまでにおもろいとは……。
システムはただの神経衰弱なのだが、テーマがぴったりと当てはまっており、にわとりの追いかけっこという雰囲気がばっちりだ。そればかりか、気持ちはすっかりにわとりになっており、尾っぽを抜かれるこの屈辱は、やってみないと解らない。
そういや昔、バイト先の居酒屋でケツ毛抜きの刑ってのがわしらの間に流行った。ズボンの上からケツ毛の付近をがしっと握り、そのまま下に一気に引っ張って引きちぎる。ジーパンでは遊びが少ないのでスラックスで。
ものすごぉぉぉぉっっく痛い。もうびっくりする痛さ。たぶんよっぽどしゃれっ気の分かる仲の良い友達でないと喧嘩になるので、辞めといた方が無難だ。だからこのにわとりの気持ちがよう分かる。まさにあれだ。
ドイツ子どもゲーム大賞は、異色のくるりんパニックくらいしか大人が遊んでもはないやろなと思ってたが間違いであった。もうめちゃくちゃおもろい。
Zochが力を入れて、実際に人間が駒となってやるMaxiにわとりのしっぽを発売するのもよう解る。欲しい。作者自体、Zochの社長やから、その力のいれ具合も分かろうというもの。と思って調べたら375ユーロもするのか! こりゃ無理だわ。。
これがMaxi Zicke Zacke Huehnerkackeである。
コンポーネントは文句なし。木製でずっしりと大きなにわとり駒は、にわとり気分を満喫させてくれる。厚めに作られたタイルには重厚感があり、絵柄はドイツゲームを代表するデザイナー、ドリスマテウスで憎たらしいながらも非常に可愛い。
あまりのおもろさに、新版であるはりねずみの追いかけっこも買うてしまった。にわとり自体は絶版になってないと思うのだが、箱がでかいのでちょっとコンパクトにしたバージョンである。ハリネズミでは、毛ではなく、木の実を奪うようになっている。このハリネズミの駒も小さくやたらと可愛くて大満足なのだが、実際にやってみると、にわとりよりもタイルの絵が難しくなっている。
木の実の種類が多くて記憶が混乱するのだ。わしなんかまったく進めない。また運んでる木の実を奪うってのがどうにも酷い感じがして、にわとりバージョンの方が好きだ。にわとりの尾っぽを抜くってのも酷いのだが、ある種の滑稽さがあって笑い飛ばせる。テーマ性ではにわとりの方が合っている。ただし実勢価格でいえばにわとりは6000円もするが、ハリネズミは3800円とおよそ6割程度になっているのはかなり魅力的。
これがハリネズミのコンパクトバージョン。見たら分かるが木の実がややこしい。覚えれん。。。タイルはきちんと木の葉の形になっており、相変わらず素晴らしい出来。絵柄さえもう少しわしに覚えやすかったらなあ。
ただしこのゲームをここまで楽しめるには条件がある。このゲームを楽しめるのはずばり記憶力のない人。記憶力がある人は、タイル枚数が少ないのでゲームにならない恐れがある。記憶力がなくて良かったぁと思えるゲームだ。それなりに記憶力がある人はハリネズミを買うた方がいい。木の実が紛らわしいので少しは記憶が混乱する筈だ。記憶力に自信のある人はこのゲームはやらない方がいい。もしくは酒を浴びるほど飲んでやる。記憶力がない人こそ幸いである。思いっきりにわとりの羽根むしり競争を楽しめるのだ。
木の実もぎとられたでござるの図……_| ̄|○
このバージョンの素晴らしいのは、木の実の形がすべて微妙に違うところ。コンパクトにしたからといって、まったく手を抜いていないばかりか新しく書き下ろしまでしてる。
再び、テールツーノーズ。ぐおお、アンダーがぁ! 直後にもぎとられた……_| ̄|○
いやあ、二人でこんなけ楽しいのなら、4人でやったらもっとおもろいやろなあ。特に一旦、尾っぽをむしり取られても、すぐさま抜き返せば再びむしり返せる。二人やと抜いた瞬間ゲームは終わってしまうのだ。そのデッドヒートが目に浮かぶ。やりてー!!
さらに6人まででける拡張キットうんちふんじゃダメってのもある。なんとアヒルの駒が2個ついてて、木製うんち駒を使った追加ルールがあるのだ。もちろん一緒に買うた。
実は後日わかったのだが、これをもっと安価に楽しめるようにとアオバッケというカードゲームにしたゲームがある。デザイナーは違うがシステムはよく似ているので気になる方はそちらのレビューをどうぞ。
という訳で、記念すべき400レビューは、子どもゲームながら圧倒的なおもろさを誇るにわとりのしっぽをとして締めくくりたい。いやあ、今回のアニバーサリーは速かった。なんつってもお蔵入りゲーム集を2回もやったんで、数を稼いだわ。500の達成はたぶん2012年ですな。つうことは既に人類は滅亡しとる。